2013年6月28日 19:00|ウーマンエキサイト

“婚活ブーム”に続く“妊活”トレンド、理想の妊娠とは?~宋 美玄先生インタビュー~



■産婦人科医・宋 美玄先生に聞く、“妊活”のポイント

今回の調査からは、“妊活”への注目の高まりと、そのために必要な情報の少なさが明らかになりました。そこで、産婦人科医で、メディアでも様々な活躍をされている宋 美玄先生に、“妊活”のために必要な取り組みについて、お話をうかがいました。

“婚活ブーム”に続く“妊活”トレンド、理想の妊娠とは?~宋 美玄先生インタビュー~

・“妊活”トレンドは当然の流れ、ポイントは妊娠に備えて準備を怠らないことQ.今回の調査では、“妊活”への注目度の高まりがうかがえました。この“妊活”について、どう思いますか?

先日、内閣府が主催する、少子化危機突破タスクフォースという会議に出席したのですが、その中で、「変わるべきは社会、企業、男性です。」という話が出て、その通りだと思いました。現在の日本では、社会的な流れや経済的な理由により、高齢出産以外の選択肢がない人も少なくないというのが現状でしょう。35歳以上で初めての出産を迎えることを、高齢出産と言いますが、現在、日本における高齢出産は全体の25%程度にものぼります。

けれども、通常37、38歳頃を境に、妊娠率は急激に下がります。個人差もあり、45歳くらいで妊娠なんていう人もいますが、それは100人に1人以下の割合です。
最近では、卵子の凍結保存なんて話題も取りあげられていますが、これはちょっと極端すぎる話でしょう。そう考えると、妊娠に対する最大のハードルは、「子どもができるか、どうか」とも言えるかもしれません。

40歳くらいになって、「結婚はいいけど、子どもは欲しい」なんて女性も少なくないですよ。そうした中で、“妊活”といった考え方が広がるのは当然のことと言えるでしょう。高齢出産のリスクを正しく理解し、女性が自ら積極的に妊娠と向き合わなければ、子どもを持つことができない時代になりつつあるとも言えるかもしれません。

また、こうした中で、いざという時に支障をきたさないように、妊娠のために準備しておくことが、女性には求められます。

・重要なのは、ちょっとした体の変化を見逃さないことQ.妊娠に向けての準備とは、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか?

まず、女性が自分の体のことをよく知っておくことが重要です。子どもが欲しいとなった時に、困らないようにしなければなりません。
例えば、生理不順を放っておかないなど、ちょっとした体の不調を見逃さないといったことも重要です。辛い生理痛を我慢し続けた結果、子宮内膜症になっていたなんて話もあります。子宮内膜症の半分は、不妊です。そうならないように、検診を欠かさないとか、何か気になることがあれば、すぐに医者に相談するとか、こういったことが重要になります。

・“妊活”に葉酸! 子どもが欲しいと思った時点でのサプリメント利用がオススメ、女性に嬉しい+α効果もQ.今回の調査では、「葉酸のサプリメントを飲む」など、いくつかの“妊活”に向けた取り組みが紹介されましたが、特に重要なポイントなどがあれば、お教え下さい。

確かに、葉酸は非常に重要なポイントになります。葉酸はビタミンB群の仲間になるのですが、細胞が分裂する時に、非常に重要な役割を果たします。例えば、抗がん剤のように、細胞の分裂を抑えるための薬には、葉酸の働きを阻害する成分が入っているほどです。
一方で、妊娠は、受精卵から赤ちゃんが育つこと。すなわち、人生の中で、最も活発に細胞分裂をしている時期です。このタイミングで、葉酸が不足してしまうと、生まれてくる子どもの口唇口蓋裂、二分脊椎などのリスクが上がると言われています。最近では、自閉症にも関係があるというデータもあり、ますます無視できないものになっていると言えるでしょう。

さらに、葉酸について、もう少し詳しく説明します。成人女性が1日に必要な葉酸の量は、200~240μgとされます。葉酸は、ブロッコリーや肉などに含まれますが、これらの食材を茹でたり、洗ったりすると、水で流れてしまうという特徴があります。これらの食品だけでは、1日に必要な分を摂るだけでも、意外に大変なものです。
その上、赤ちゃんに必要な分まで葉酸を摂るとなると、困難を極めるでしょう。ですので、赤ちゃんのためには、サプリメントの利用をオススメします。

一方で気を付けるべきなのが、葉酸を摂り始めるタイミングです。受精卵の段階といったら、着床後2週目程度。その頃から、お母さんの体の中では、毎日活発に細胞分裂が行なわれる訳です。通常、妊娠に気付くのは、生理が遅れてちょっとしてからなので、妊娠5週目頃でしょう。つまり、妊娠に気付いてから、葉酸の摂取を始めるのでは遅いのです。妊娠する前から、葉酸を摂り始めなければなりません。
実際に、カナダなどでは、葉酸のサプリメントの摂取が推奨され、それだけでなく、小麦やパンへの葉酸の添加が義務付けられているほどです。日本でも、2000年に厚生労働省から妊娠の可能性がある女性に対して、葉酸摂取を推奨する通知が出されました。しかし、まだまだその意識は十分ではないと言えます。子どもが欲しいと思った時点から、葉酸のサプリメントを利用し始めるくらいで、ちょうど良いでしょう。

また、葉酸は、妊娠前の女性にとっても嬉しい効果が期待できます。細胞分裂を助ける葉酸には、肌のターンオーバーを助ける効果があります。キレイな肌を保つ手助けをしてくれるのです。また、葉酸が欠乏すると貧血にもなります。
貧血になれば、代謝が悪くなり、同じ運動をしてもカロリー消費が少なくなってしまいます。ダイエット中の女性にも欠かせない成分と言えます。

産婦人科医/宋 美玄(ソン ミヒョン)

<経歴>

1976年 1月23日 兵庫県神戸市生まれ。

2001年 大阪大学医学部医学科卒、同年医師免許取得、卒業後大阪大学産婦人科入局

2007年 川崎医科大学講師就任

2009年 イギリス・ロンドン大学病院の胎児超音波部門に留学

2011年 川崎医科大学産婦人科の大学院に入学し、産後の女性の健康について研究しながら診療にも携わっている

2012年 1月1日 女の子を出産し、母となる。

<現在の活動状況>

フジテレビ「とくダネ!」に火曜日レギュラーコメンテーターとして出演中。子育てと産婦人科医を両立。

“カリスマ産婦人科医”として、様々な女性の悩み、性、妊娠などについて、女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。

[調査概要]

調査名:「妊娠に対する不安と“妊活”に関する意識・実態調査」

調査対象:25歳~44歳の女性 500名 (年代別に均等割り付け)

※20代後半:125名/30代前半:125名/30代後半:125名/40代前半:125名

※既婚者、あるいは、現在、結婚の予定がある人

※現在、将来問わず、子どもが欲しいと思う人

調査期間:2013年6月4日(火)~2013年6月6日(木)

調査方法:インターネット調査

調査実施機関:楽天リサーチ株式会社

記事引用元:PRTIMES


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