2018年10月18日 11:00
乳がん死亡率ゼロへ…「マイクロ波マンモグラフィ」開発者の思い
革新的な技術なのだ。
「乳房は、乳腺と脂肪、そして乳房を支える靱帯で構成されています。乳腺と靱帯が多く密集している『高濃度乳房』の場合、X線を遮断してしまうため、がんを見つけることが困難とされていました。その『高濃度乳房』を貫通することができるのがこのマイクロ波。がん組織に当たった瞬間跳ね返されるので、数秒でがん組織を立体画像で映し出すことができます」
早期発見で9割以上が治るといわれる乳がんだが、毎年、世界中で52万人以上、日本だけでも1万4,000人以上が亡くなっている。
「毎年、全世界で乳がんになる人は167万人以上いるといわれています。マイクロ波マンモグラフィが、実用化されて世界中で使われるようになると、これまで見つからなかった乳がん患者も含め、その数は瞬間的に500万人、600万人と膨れ上がるでしょう。それでも、早期発見が可能になることで、将来乳がんで亡くなる人はゼロになると信じています」
木村教授は、国に認可されるのに3年、世界中に普及するまで5~6年かかるだろうと予測している。
たとえ普及に10年かかったとしても、20年後には乳がんで死亡する人が激減する計算だ。
このマイクロ波マンモグラフィは乳がん患者だけでなく、医療現場からの期待も大きい。