2021年5月31日 15:50
医師警告「バランス力の低下がフレイル、骨粗しょう症を招く」
「コロナ禍では、『人のいないところに出て、マスクを外して運動をしましょう』と訴えているのですが、やはりどうしても運動不足になりがちです。高齢者を中心に幅広い年代で、体の衰えが懸念されます。さらに私が注意喚起したいのは“バランス力”についてです」
こう話すのは、愛媛大学大学院抗加齢医学(新田ゼラチン)講座教授の伊賀瀬道也先生だ。バランス力とは、姿勢を維持する力のこと。いわゆる“体幹”や“インナーマッスル”とも関係している。伊賀瀬先生の研究では、片足で1分以上バランスを保てない人はバランス力が低下していて、そこから筋肉や骨密度、さらには認知機能の衰えにも影響してくるという。
外出を控えて日々の運動量が減ると、体を支える力が弱くなってしまう。すると、姿勢が悪くなったり、転倒しやすくなったりする。
「特に太ももの筋肉が減少してくると、バランス力の衰えが顕著に現れてきます。片足で靴下をはこうとするとふらついてしまうのも、バランス力の衰えのサインです。筋力が低下し身体機能が衰える“フレイル”の状態になると、健康寿命が短くなってしまうこともよく知られています。次に骨ですが、骨密度が低下すると、骨粗しょう症のリスクが高まります。