2022年4月15日 06:00
1時間以上の昼寝で「認知症リスク」が40%アップ 正しい寝方を医師が解説
最終的に集まった被験者1,203人分のデータを解析しました」
研究開始時に認知機能が正常だったものの、その後、認知症を発症した被験者の生活習慣を調べたところ、冒頭のような特徴があらわれたのだ。
長時間昼寝をすると夜眠れなくなって認知症リスクを上げるのではないかとも考えられるが、今回の研究では夜間の睡眠時間と認知症発症リスクの増加は無関係だった。
また、認知症患者では病気が進むにつれ、毎年昼寝の時間が増加することも明らかに。論文の著者は、長時間の昼寝と認知症の関係を「悪循環」と指摘している。
■30分以内の昼寝には認知症予防の効果も
一方で、一定時間内の昼寝は、認知機能の低下リスクを下げるという興味深い研究結果も。昨年8月に論文を発表した、新潟大学大学院医歯学総合研究科環境予防医学分野の中村和利さんが解説する。
「新潟県に住む65歳以上の高齢者で、認知機能に問題がなかった約500人を5年間追跡調査しました。最終的にデータが出そろった389人のうち、106人に認知機能の低下が認められました。
性別や喫煙、飲酒、基礎疾患などの影響を除いたところ、30分未満の昼寝習慣がある人は、昼寝習慣のない人などと比べて、認知機能の低下が起こりにくかったのです。