2022年10月24日 11:00
近年急増中“鳥のフン害”が脳障害の原因になることも
(石橋さん)
これは本当のことだろうか?
「あながち、的外れな数字ではないでしょう」
こう話すのは、岐阜大学応用生物科学部共同獣医学科の福士秀人教授だ。
「昨今、オウム病の原因としてもっとも問題視されているのが野生のハトです。少し前の話ですが、駆除業者さんに協力してもらってある地域のハトを調査しました。結果、2~3割のハトのフンからオウム病の病原体であるクラミジアが検出された。その数字から考えても、神社仏閣等で大量にたまったフンの掃除などを日常的にしていたら、チリ状に舞い上がった埃=フンを吸い込んでオウム病に感染してしまう人が一定割合いても不思議ではありません」
発熱やせきなど、かぜやインフルエンザに似た症状が出るというオウム病。病原体であるクラミジアは、乾燥したフンの中でも1~2カ月は残存しているという。人に感染し、重症化すると肺炎を起こすことも。ときには病原体が脳に達し、意識障害につながることまである。
福士教授によれば「20年ほど前までは、死に至るケースも年間1~2例あった」という。
’14年には神奈川県内の福祉施設で集団感染が起きている。
「同福祉施設では、換気扇の排気口にハトが営巣。