日々、何となく公園に行って子どもの外遊びに付き合っているというママやパパは多いのではないでしょうか。子どもとどのようにかかわっていけばいいかわかれば、もっと外遊びの時間は楽しくなるかもしれません。外遊びが子どもの発達にもたらす効果について聞いた前回に引き続き、今回は外遊びにおいて「親がすべきこと、してはいけないこと」について、東京成徳大学の石崎一記教授にお話を伺います。【発達の専門家に聞いた外遊びの効果】 第1回 子どもの発達に外遊びは影響がない!? トータルで考える大切さ 第2回 ママのために遊んでるのではない。外遊びで親がしてはいけないこと 外遊び、子どもの年齢別でどう変わる? -->■親の役割の8割は外遊びの環境を整えること――前回、外遊びで子どもたちの発達に与える影響についてお話を伺いましたが、親のかかわり方について教えてください。外遊びにおいて親の一番重要な役割は、子どもたちが安全に外遊びの良さを味わえるような環境を整えてあげることなんです。それで、もう親のすべきことの8割ほどは終わったと言ってもいいくらいです。外遊びをする環境というのも、特別なものではなくて、普段からよく行く近所の公園や庭があれば、そこでもまったく問題はありません。何よりもまず安全に遊べること、そしてできれば前回お話したような4つのポイント(感覚が豊かになる、試行錯誤ができる、達成感や満足感を得られる、命のつながりを学べる)が抑えられているとなおいいと思います。■外遊びで親にしてほしいこと――では、具体的に親はどのようなことをすべきなのでしょうか?“すべき”というよりも、“できたらいい”くらいに考えてもらいたいのですが、まずは子どもに共感すること。子どもが「お花だ、キレイだね!」と言ったら、「そうだね」と言って一緒に見てあげたら、それだけでも子どもは安心できます。さらに、共感するだけでなく、一緒にするというのもいいと思います。たとえばスケッチブックを持参して、子どもだけに書かせるのではなく、ママやパパも一緒に隣で描いてみるのもいいですよね。一緒にした経験というのは、親子にとってスペシャルな思い出になるし、親にとっても新しい発見があるはずです。そして、外遊びのときは子どもの実感を大切にしてあげてください。親が目標を決めてしまったり、見たらどうする、聞いたらどうすると先を見過ぎたりしない方がいいでしょう。見るために見る、聞くために聞くのだと考えて、結果を求めすぎないことが大切です。――子どもの実感をシンプルに受け止めてあげることが大切なんですね。ほかにも親ができることはあるのでしょうか?思い切り試行錯誤させてあげてほしいですね。何かうまくいかないことがあっても、すぐに失敗だと決めつけずに、子どもたちが失敗から学ぶことは何だろうという考え方をしてもらいたいです。たとえば、子どもがよそ見していて溝に落ちて泥だらけになってしまった場合、「もう! 泥だらけじゃない! どうするの!?」と怒らずに、そこから子どもたちが何を学んだのか、体験から何を得たのか考えてみてください。そのために親ができることは、失敗したときの手立てを考えること。汚れては困るような服や靴を履かせない、着替えを持って行くなど、きちんと準備をしておくと、余裕を持って子どもとかかわり、思い切り試行錯誤させてあげられると思います。■なぜ子どもたちの気持ちを代弁することが大切?――では、子どもたちに対して、親はどのような言葉かけをすればいいでしょうか?子どもの気持ちを代弁してあげるような言葉かけをしてもらいたいですね。親は、つい「できたかできていないか」で褒めたり叱ったりしてしまい、大人の基準で良いか悪いかを判断してしまいがちです。子どもが喜んでいるときに「うれしいね」、子どもができないときは「悔しいね」と言ってあげられるといいでしょう。子どもたちは自分の気持ちを自覚しにくいため、感情を言葉で表現するのが苦手です。気持ちを代弁してもらうことで、親が自分の気持ちを理解してくれていることに気づき、そして自分の気持ちにも自覚できるようになります。■外遊びのときに親がしてはいけないこととは――一方で、外遊びで親がしてはいけないことは何ですか?知識を教えようとしたり、手取り足取りやり方を教えてあげたりすると、子どもたちが試行錯誤するチャンスを奪ってしまうことになりかねません。子どもができなくても、自分で工夫してやり方を作り出すように、見守ってもらいたいですね。また、親が「成功はいいこと、失敗は悪いこと」という考え方を持っていると、子どもたちが敏感に感じ取ってしまい、失敗を恐れてチャレンジしなくなってしまいます。成功や失敗という軸で、子どもたちとかかわらないでほしいです。また、子どもたちへの声かけとしては、親の気持ちを押し付けるようなことは言わないようにしましょう。たとえば、「ママを困らせないで」などと言いがちだと思いますが、子どもはそもそも、ママのために遊んでいるわけではありませんよね。子どもの気持ちに寄り添うことを一番大切にしてもらいたいです。――親たちに対して、外遊びを一緒に楽しむためにアドバイスを教えてください大切なことは、親も自然のなかで癒やされることです。公園に行って外遊びすることをストレスに感じないで、楽しんでもらいたいです。親がイライラすると、子どもはその気持ちを敏感に感じ取ってしまい、安心して発達もできませんよね。子どものためと思って外遊びをしても、逆に子どものためにならなくなってしまいます。親子で時間を共有するということを一番に考えて、何よりも自然を楽しんでもらいたいですね。次回は、年齢別に子どもたちの発達にいい外遊びについて、引き続き石崎教授にお話をお伺いします。0歳から5歳以上の子まで、オススメの遊び方についてご紹介します。石崎一記さんプロフィール東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。※「石崎」の「崎」は正しくは「たつさき」)
2018年07月10日最近は、「ゲームばかりで外遊びをしてくれない」といった声も聞かれます。反対に外遊びが大好きで、洋服は泥だらけ、ポケットが砂ばかりでため息ついているママも多いのではないでしょうか。筆者自身は、5歳と3歳の男の子の母ですが、「公園! 公園!」コールが始まると、「またか…」と内心ちょっとうんざりすることも…。なんとなく外遊びが大事だと聞いてはいるけれど、具体的にどんな効果があるのでしょうか。外遊びが子どもの発達に与える効果について、東京成徳大学の石崎一記(いしざき かずき)教授(「崎」は正しくは「たつさき」)に話を聞きました。■子どもの発達に外遊びは影響がない!?――子どもの発達において「外遊び」はどんな影響を与えるのでしょうか?そもそも子どもの発達は、「これをしたからこれができるようになる」という因果関係の中では起こりません。たとえば薬を飲んだら熱が下がるというような、わかりやすく結果が出るものではなく、さまざまな関わりのなかで子どもたちは発達していきます。外遊びについても、実際にそこで何かをしたから子どもたちがこうなるということではありません。そういう意味では、外遊びで何をするかというのはそこまで大きな問題ではないのかもしれません。――それでは、外遊びをさせることに意味はないのでしょうか?そういうわけではなく、外遊びをすることに十分意味はあります。ただ、外遊びをしたから、すぐに子どもがこうなるという考えは持たないでもらいたいんですね。お母さんたちが「外遊びをさせたい」と思う背景には、子どもの可能性を伸ばしてあげたいとか、子どもの笑顔を見たいとかいうことがありますよね。それ自体が、子育てにおいて重要なことなんです。「今日は天気がいいね、外にお出かけしようか」という語りかけのなかで、外遊びした日は子どもにとってスペシャルな日になるんです。実際に子どもと一緒に何かをするということ、一緒に過ごすことにこそ意味があります。そして、一緒に体験したあとでも思い出としてずっと共有できるのです。計画を立てることから、行くこと、そして思い出として大切にすることまで、トータルで外遊びは子どもにとって意味があるといえます。また、外遊びをすると、長期的に見てのちのちその効果が出てくることも多くあります。■外遊びの体験が子どもに与える効果の4つの視点――それでは、具体的に外遊びでどのような効果が得られるのでしょうか?視点は4つあります。まず、1つ目は感覚が豊かになるということ、2つ目は試行錯誤ができるということ、3つ目は、達成感や満足感を得られるということ、そして4つ目は、命のつながりを学べるということです。<1.子どもの感覚が自然のなかではより豊かになる>――1つ目の感覚が豊かになるということですが、具体的にはどういうことですか? また子どもの場合はとくに顕著だということでしょうか?感覚には、視覚や聴覚、嗅覚や触感、そして味覚などがありますが、自然のなかではとくにそれらが活性化される傾向にあります。たとえば、花を見てどんな種類だというように知識としてあれこれ考えるよりも、ただきれいだと感じるようなことが、感覚をより活性化するのです。そして、感覚というのは同時にいくつも使うほうが、より記憶に残るということがわかってきています。自然はそうした環境にはぴったりです。家にいるよりも、子どもたちにさまざまな感覚を体験させてあげることができます。<2.正解、不正解がない世界で試行錯誤ができる>――2つ目の試行錯誤ができると、どのような力が身につくのですか?自然は、公園の遊具のように子どもたちの体に合わせて作られていないため、工夫をして遊ぶ必要がありますよね。試行錯誤をすることで自分のやりたいことがはっきりして、子どもたちの意欲が引き出されていきます。教わったとおりにすることでは得られない、生き生きとした子どもたちの姿が見られるでしょう。こうすれば正解、不正解ということもなく、ゴールも決められていませんから、子どもたちの自主性も身についていきます。<3.達成感や満足感を得られると、自己肯定感につながる>――達成感や満足感が得られると、子どもたちのどのような部分が伸びるのですか?試行錯誤して遊ぶなかで、自然と目標が作られていき、できたときに達成感や満足感が得られます。やり方や遊び方が決められているおもちゃなどではなかなかそれが育ちにくいのですが、自然のなかだと自分自身で目標を決めやすく、それはより大きな達成感につながります。そして、それが最終的には自分のことを大切で好きだと感じる自尊心や自己肯定感にもつながっていくのです。<4.安心感の源になる、命のつながりが学べる>――4つ目に命のつながりという言葉がありましたが、これはどういった意味ですか?外遊びをすると、虫や植物など、さまざまな命と触れ合う機会があります。たとえば虫を捕まえたら、自分と虫だけでなく、虫とそのほかの自然とのかかわりについても考えるきっかけになります。その虫はどこから来たのか、その虫は何を食べているのか、その虫を食べるのはどんな生き物なのかなど、命が網目のように重なり合っていて、その仕組みのなかに自分がいるということを、無意識の中で感じるのです。ただ、それは今すぐに子どもたちが認識するわけではなく、理解できるのは小学校や中学校になってからになるかもしれません。小さいうちは、まずそのための材料をそろえていくということ。自分の存在に関しても、安心感の源のようになり得るでしょう。これは自然体験の圧倒的に素晴らしい部分だと感じます。次回は、外遊びをする子どもたちへの親のかかわり方について引き続き石崎教授にお話をお伺いします。親のするべきこと、してはいけないことはどんなことなのか、ご紹介します。石崎一記さんプロフィール東京成徳大学応用心理学部教授。2000年4月より現職。発達心理学について、特に児童期の動機づけや感性の発達が専門。ガイダンスカウンセラー、学校心理士、1級キャリアコンサルティング技能士、日本シェアリングネイチャー協会指導者養成委員・トレーナー。千葉県社会福祉審議会委員や厚生労働省キャリアコンサルティング研究会委員なども務めている。
2018年07月09日児童養護施設とは?出典 : 児童養護施設とは、経済的な理由や虐待など、さまざまな理由で保護者と生活することが難しい、そして社会のサポートが必要と判断された児童が入所する施設です。入所した子どもたちを保護し、生活習慣を身につけたり社会生活に必要なスキルを得られるよう、支援を行います。そして、自立に向けた支援、退所した者に対してもアフターケア支援を行います。児童福祉法では、どの児童も適切に養育され、生活を保障され、愛され、保護されることで心身の健やかな成長を保障される権利を有すると定められています。そして、児童が適切に養育され、生活を保障されるための一つの手段として、児童養護施設があります。児童養護施設はなんのための施設か出典 : 児童養護施設に求められている役割は、入所している児童が健やかに発達できるよう、できる限り家庭的で落ち着いた環境で生活を送れるようにすることです。つまり家庭に代わる家として、子どもが暮らす場所となり、この生活を通して、家庭に戻ることや児童の自立を支えます。参考:「もっと、もっと知ってほしい児童養護施設」|全国児童養護施設協議会児童養護施設への入所の対象者とは?出典 : 乳児を除く原則18歳まで(必要に応じて20歳まで)の、保護者による養育が困難な児童、また何らかの理由で児童養護施設によるサポートを必要とする児童が対象です。特に必要があると判断された場合は乳児も対象となりますが、基本的に2歳未満の乳幼児は、乳児院を利用することになっています。出典:児童養護施設等について|厚生労働省児童養護施設に入所する理由は、多岐にわたります。父母の傷病、家庭の経済的な理由や虐待などで、保護者による養育が困難な場合です。相談相手が少ない、離婚率が高まりシングルマザーが増えているなど、現代の子育て環境が保護者の孤立や困難を生みやすいことも、その背景にあると言えるでしょう。出典:「児童養護施設等について」|厚生労働省参考:「社会養護の施設等について」|厚生労働省参考:「児童養護施設入所児童等調査結果」|厚生労働省参考:「社会的養護の現状について参考資料(平成26年3月)」|厚生労働省児童養護施設の入所プロセス出典 : 何らかの事情があるため家庭で子どもを育てることが難しい場合は、まずは近くの児童相談所や自治体の子育て支援の窓口に相談してみましょう。児童がサポートを必要としている状態だと判断された場合、児童相談所の職員が入所までの手続きを行います。児童養護施設の入所に伴う費用は、保護者の所得に応じて変わります。また、保護者からの相談がなくても、児童相談所で必要だと判断された場合などに、子どもが児童養護施設に入所することがあります。児童養護施設ではどんな人が働いているのか出典 : 児童養護施設では、施設長のほか、児童指導員、保育士、個別対応職員、家庭支援専門相談員、栄養士および調理員等、嘱託医の配置が児童福祉法に定められ、児童をサポートします。乳児が入所している場合は、これらに加えて看護師の配置が求められています。また、心理療法担当職員がいる施設も多くあります。・児童指導員・保育士: 児童が健全に成長できるよう、日常生活や自立に向けた支援を行います。・嘱託医・看護師: 児童の健康を医療の面からサポートします。・家庭支援専門相談員: 家族との環境調整や親の相談を行います。・栄養士・調理員等: 児童への食事提供を支援します。※栄養士・調理員等については条件によっては施設にいない場合もあります。参考:児童養護施設等について | 厚生労働省参考:「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」|e-Gov参考:「社会的養護における職種別任用要件等」|厚生労働省児童養護施設入所後の生活出典 : 入所した児童の中には、児童養護施設で長い期間暮らす子どもも少なくありません。彼らが落ち着いた環境で過ごせるよう居室、相談室、調理室、浴室および便所の揃った空間を用意することが求められています。児童は児童養護施設から学校へ通い、地域で生活をしています。施設にいる職員が具体的にどのようなことを児童に提供するかは、児童福祉法に定められていますが、児童養護施設では、保護者に代わって生活の支援や自立に向けたサポートをしています。施設によって異なりますが、様々な行事やグループワーク、独自の余暇プログラムなどを行っているところもあります。出典:「社会的養護の施設等について」|厚生労働省出典:「児童福祉法」|e-Gov基本的には保護者と児童は面会交流ができます。ただし、その児童が入所した理由や状況によって保護者に会うべきではないと判断された場合などには、児童の人権を第一に考え、面会できないこともあります。参考:「児童相談所運営指針の改正について:第4章援助」|厚生労働省参考:「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」|e-Gov児童養護施設の現状出典 : 平成28年10月時点の、児童養護施設の数と入所児童数は次のようになっています。■施設数603カ所■入所児童数27,288人近年、児童養護施設の数は増加傾向にあります。これは大規模施設から比較的生活人数の少ない小規模施設に分割されているなどの背景もあるようです。平成13年10月時点では、551カ所だった児童養護施設が平成28年10月には603カ所になりました。また、入所する児童の割合にも変化があり障害がある児童の入所が増えています。また、平成25年の時点では知的障害3,685人、その他の障害2,319人、広汎性発達障害1,576人など、児童養護施設入所児童の28.5%が障害のある児童だということが分かっています。出典:「社会的養護の施設等について(平成28年10月)」|厚生労働省出典:「児童養護施設について(平成29年5月26日) 」|厚生労働省出典:「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」|厚生労働省児童養護施設退所後の生活出典 : 児童養護施設の退所については、家庭に戻る場合もありますし、高校を卒業するなどして施設から社会への自立を目指す児童も大勢います。中には里親委託され、退所する児童もいます。出典:「児童養護施設入所児童等調査結果(平成25年2月1日現在)」|厚生労働省入所した児童の家庭への引き取りについては、保護者の生活や養育環境が整っているかどうかを確認した後、保護者・児童相談所・施設等で話し合って決めます。高校卒業後、専門学校や大学など、高等教育に進学する児童もいます。平成24年度末に高等学校を卒業した児童のうち、平成25年5月1日現在の進路は厚生労働省の調査によると、大学進学12.3%、専修学校等進学10.3%、就職69.8%、その他7.6%です。東京では19.8%が大学に、17.7%が専修学校等に、合わせて37.5%が進学しており、地域や施設によっても差異があると言われています。出典:「社会的養護の現状について(参考資料) 平成26年3月」|厚生労働省児童養護施設は、原則高校を卒業すると社会的自立を目指すことになります。しかし、本人にとっては児童養護施設は生活の場であり、家庭のような存在です。18歳になった後も自立に向けてサポートがまだ必要な場合もあります。そのような児童に対して、色々なサポート制度があることをここで紹介します。■自立援助ホーム児童福祉法で児童自立生活援助事業として位置づけられている自立援助ホームでは、児童養護施設を退所した児童に対しても職業支援や社会的自立に向けた援助を行っています。対象となる児童は、義務教育終了後の15歳~20歳までです。必要に応じて22歳の年度末までの間延長されることもあります。■児童養護施設で過ごす期間の延長現在、児童養護施設で過ごせる年齢は原則18歳までとなっていますが、引き続き必要と判断された場合、22歳の年度末まで支援を継続することができます。■身元保証人確保対策支援事業児童養護施設等を退所後、自立に向けてアパートの賃貸や就職する際に保証人が必要になってくる場面があります。しかし、児童の中には身元保証人を引き受けてくれる人を見つけることが難しくアパートの賃貸や就職が困難になる場合があります。身元保証人確保対策支援事業とは、そのような状態を改善するための制度です。具体的には、施設長等が児童の保証人を引き受けた後、なんらかの損害を被った時に国と都道府県等が賠償額の一定額を支払うというものです。このようなサポートによって、施設長等が保証人になった場合の負担が減り、保証人を引き受けやすくなります。参考:「自立援助ホームとは」|全国自立援助ホーム協議会参考:「平成28年児童福祉法改正のポイント(平成28年6月3日公布、順次執行)」|厚生労働省参考:「社会的養護の現状について」|厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課参考:「児童福祉施設等に関する「身元保証人確保対策事業」」|社会福祉法人全国社会福祉協議会・全国母子生活支援施設協議会児童養護施設のこれから出典 : 社会的養護を必要とする児童の増加に伴って、それらの質と量の充実が求められています。具体的には、できるだけ一般家庭に近いような環境を提供するために小規模化やグループホームのような地域分散化が進められていくこととなります。小規模化が進むことで児童一人ひとりと向き合える時間が増え、子どもと職員の関係形成が、一層重要になります。また、被虐待児や障害のある児童の増加に伴い職員の高い専門性が求められているため、職員の資質向上を目的とした研修事業が実施されています。参考:「児童養護施設等の職員の資質向上のための研修等事業の実施について」|厚生労働省出典:「児童養護施設について」|厚生労働省まとめ出典 : 様々な事情で子どもを養育するのが困難になってしまう場合もあるでしょう。残念ながら、虐待の通告件数も年々増加が報告されています。そのような状況をそのままにしておくことは、子どもにとっても保護者にとっても健全な状態であるとは言えません。そのような状況となった時に、子どもを守り、居場所となり得る一つの手段が児童養護施設です。自分ひとりで何とかしようとするのではなく、誰かを頼ることも状況を改善する一つの手段です。もし、保護者の方で子どもの養育に困難を感じている方は、まずは児童相談所などの専門機関に相談してみてはいかがでしょうか。すべての子どもは社会全体で育てていく「社会的養護」という考え方に基づき、児童養護施設は設置されています。児童養護施設では子どもが健やかに暮らせるように子どもに寄り添い、サポートをしています。そのために、より家庭に近いスタイルの施設も増えています。
2018年05月18日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「心配性は女の子に多い? 怖がりな子どもが安心する接し方」 で行ったアンケートで、不安を感じてしまうお子さんのエピソードや、親としての接し方についてお聞きしました。心配事で頭がいっぱいになってしまっているわが子を見て、ママたちはどのように感じているのでしょうか。■わが子は心配し過ぎ?実施した「子どもが心配し過ぎているな(心配性だな)と思ったことがありますか?」のアンケートでは、「ある」と「ややある」をあわせると半数以上の53.6%の方がわが子は心配し過ぎることがあると感じているようです。Q.子どもが心配し過ぎているな(心配性だな)と思ったことはありますか?ある 29%ややある 24.6%ない 44.8%その他 1.6%では、子どもたちはそれぞれどんなことを心配しているのでしょうか。■何度もランドセルを確認する子どもちゅいママさんも子どものころには、忘れ物が心配だったと書いています。アンケートの回答でも、学校の持ち物を忘れてしまうことについて不安に思っているという回答が一番多く上がりました。学校の用意を何回も見直し、連絡帳どおりに用意してるのにそれでも不安で、全教科の教科書を持って行こうとする。提出物の締切日を連絡帳に書くときに、自分で早い日にちに書き換えてくる。学校では忘れ物が連帯責任とされるようで、必要な物や書類を何回も確認してはホッとして、寝る前にも確認。次の日も確認。確認し終わって、教科書がないという理由でランドセルから出してみたり、あたりを探したりして、結果として「大事なもの」を置いて学校へ行ってしまうということがありました。確認に確認を重ねて失敗したということのようです。しつこいくらいランドセルの中身や宿題をチェックします。夜に見て、朝に見て、出かける直前に玄関で確認して、と何度も確認しています。親が支度し、登園していた保育園や幼稚園時代と異なり、自分で支度して、自分の足で小学校へ登校するようになると、子どもたちも責任感や自覚が芽生えてくるのかもしれません。でも一方で、「自分でしないといけない」といった思いも強くなるのかも。だからこそ「忘れ物をしたくない」という思いが強まり、持ち物に対する不安を感じているように思えます。■親が敏感になるから? トイレの心配忘れ物に次いで多かったのが、トイレに関する心配でした。とくにトイレトレーニング中は、親も敏感になっている場合も多く、子どももより心配になってしまうのかもしれません。トイレトレーニング中で「オムツじゃないと漏れちゃう!」って言います。実際、ちゃんと、トイレでできてるのに…。トイレトレーニングの時期、出ないのに何度も何度もトイレに行く。失敗したときに私が怒っちゃったことが何度もあったからかなぁ…。反省…。外出中や習いごとといった子どもにとって「ここで失敗したくない」と必要以上に緊張やプレッシャーを感じてしまう場面では、トイレに何度も行くという行動が起こってしまうようです。また小学生になっても「休み時間のたびにトイレに行く」という場合も。ただ、「トイレの心配」というのは、大人になっても、緊張するシーンではトイレに行きたくなるという人が多いもの。外出先などでは「ここにトイレがあるね」と場所だけでも伝えてあげると安心するかも。もし生活するうえで不便なほど過剰になっている場合などは、一度専門医に相談することも検討してもいいかもしれません。 ■「心配しすぎてしまう」わが子が心配!?「心配しすぎてしまう」もわが子の性格。それはわかっていても、何度も何度も確認したり、聞いてきたりする子どもを見ていると、「やっぱりここまで心配し過ぎちゃうのは大丈夫…?」という思いも起こってきます。子どもたちは、どんな状況で、心配になってしまうのでしょうか。新しいお弁当箱にしたときに、いままでのお弁当箱とは違う場所にお名前シールを貼ったため、「先生、わかるかなぁ?」と何度も心配をしていた。交通安全教室の1週間前から、「みんなが見ている前で自転車にうまく乗れるかな…」と不安のあまり夜眠れなくなっている娘がいろんな意味で心配になりました。わたし自身、運動神経が極端に悪く、運動会が終わったその日から、1年後の運動会を憂鬱(ゆううつ)に思っていたタイプで気持ちがよくわかるだけに…。ポジティブな大人になってほしいと願うばかりです。死に対しての恐怖がすごい。北朝鮮のロケット発射のニュースを観れば、「ここに落ちてこない?」地震のニュースがあれば、「この家はつぶれない?」麻疹など伝染病が拡大してると聞けば、「死ぬ病気? 俺もなる? なったら死ぬ?」などなど…。小4男子です。いつもと違うイベントがある、大勢の前で何かをしないといけないとき、怖いニュースを見たとき…。子どもが心配してしまう原因は、本当にさまざまです。不安を抱える中、それでも親に聞く、確認するというように、子どもながらに真剣にその問題に取り組んでいる様子がうかがえます。■ママたちがしている、わが家の「心配」対処法心配になると子どもたちは、親に質問、確認、依頼してくると回答した方がとても多くいました。そんな子どもに付き合うことはアンケートの回答からもとても苦労していることが読み取れます。子どもの反応を見ながら、ママたちがとった対処法は大きく分けて「寄り添う」「促す」「諭す」この3つに分けられました。<子どもに付き合いとことん確認作業>●本人が納得するまで準備をさせます。ハンカチやティッシュ、箸やマスクなどの小物は、予備をいつも持っていると安心するらしいので、予備も好きに持たせてます。好きな言葉は「予備」と言ってました。●子どものやりたいようにさせました。それが息子にとって一番安心できる方法だと思ったので。やってみると安心するかなと。●小学生になることに不安を覚えたわが子と、冬休みに小学校に電話をして見学させてもらいました。教頭先生が案内してくださるなかで、「給食は全部食べきれなくても大丈夫」と伝えてくださったことで安心し、その日から泣くことはなくなりました。<まずは子どもを安心させる>●子どもが気になっていることを子どもの前で先生に直接電話し、話をしました。●「ダメそうならお母さんがいるから(学校に行くから)」と。いつでも逃げ道があることを伝えて安心させます。●お気に入りの香りを子どもに選んでもらい、寝る前にパジャマに付けたり、ハンカチに付けて学校へ行ったりと、香りをお守り替わりにしました。本人も安心するようで、あまり忘れ物とは言わなくなりました。<問題の解決策を子どもに提示>●いくら早く準備ができても、「この時間にしか出ては行けない」と定時にならないと家を出させないことに決めてしまいました。ママ自身が子どもの頃に、「ランドセルちゃんと背負えてるよ。給食も嫌だったら無理しなくていいから。と、『大丈夫だよ』ではない対処法を教えてほしかった」と答えた方もいました。ちゅいママさんは、「子どものころ、不安なときに親に言ってほしかったこと」として次の3つを挙げています。1)一緒に確認作業に付き合ってほしい2)大丈夫だと安心できる目に見える何ががほしい3)助けてくれる人がいるんだという安心感を与えてほしい何度確認をしても同じ不安に駆られてしまう子には、できていることを可視化したり、別の視点で確認しダブルチェックできたりすることも、不安を少しずつ取り除く方法になるのかもしれませんね。 ■子どもの心配事との付き合い方子どもの性格を鑑みながら心配事に一緒にむかう姿勢を模索しているママたち。子どもの性格から、「無関心を装う」「心配事を確認して、親が復唱する」といった対応をとった方もいます。子どもがある程度大きくなった場合には、距離感を測りながら、目と声はかけ続け、見守る姿勢をとるということも必要となってくるようです。ただ毎日何度も「確認して」など言われ続けると、ママとしても少しわずらわしさを感じることもあるでしょう。なかには何度も繰り返される確認作業から怒ってしまったというママの声もありました。毎日のこととなると、実際はそんなときもありますよね。そんなときには自分を責めるのではなく「そんな日もあるさ」と思えればママも、子どもも少しは楽になるかもしれません。「心配がち」ということは、いいかえればとっても慎重派で、手抜きせずに物事を進めていくタイプなのかもしれません。「不安が大きい」ということは、想像力が豊かで、クリエイティブな仕事に向いているということなのかも。子どもが不安に思っている。そんな子どもに引きずられがちになってしまうと、親子で不安が止まらなくなってしまうなんてことも。だからといって無視したり軽くあしらったりしてしまうのも違うと思います。まずは、子どもの不安な気持ちを認めてあげる。その後の対応は、抱きしてめてあげる、心配事を聞く、一緒に確認するなど、子どもの性格を見ながら家庭ごとに違ってくるでしょう。ただ、不安な気持ちに親が寄り添っていることを、子どもには伝えていくことが大切なことではないでしょうか。Q1.子どもが心配し過ぎているな(心配性だな)と思ったことはありますか?回答数:317Q2.子どもが心配し過ぎているな(心配性だな)と思ったエピソードがあれば教えてください※「ある」「ややある」と回答された方のみ回答数:73件Q3.子どもが心配し過ぎているな(心配性だな)と思った際にとった対処法を教えてください。回答数:78件アンケート集計期間:2018/4/26~5/7
2018年05月10日4月23日に放送されたNHK『クローズアップ現代』が話題になっている。テーマは「“道徳”が正式な教科に 密着・先生は? 子どもは?」。今年4月から小学校で教科化された「道徳」について、先行授業に取り組むクラスに密着。そこで浮き彫りになった課題とは?■本当の「家族愛」って? 男の子の意見に涙いままで特別教科とされていた「道徳」が、4月から小学校で、来春からは中学校で正式教科化される。価値観の押し付けになることを懸念し教科化が見送られてきた「道徳」だが、いじめ問題の増加などを理由に教科化を進めたという。「道徳」で教えることが定められた“価値”は「正直・誠実」、「節度・節制」など22項目。国の検定に合格した教科書を使用し、教師が授業を行っていく。番組で放送されたのは、都内の小学校で行われた授業。新任の女性教師はテーマに「家族愛」を選び、『お母さんのせいきゅう書』という教材を選んで授業を進める。母親の無償の愛を通じて、子どもたちに「家族愛」について考えさせることにしたのだ。ある朝、たかしが母親に“「お使い代」「お掃除代」「お留守番代」500円”と書いた1枚の請求書を渡す。昼時、母親は500円と一緒に請求書を渡すのだが、そこに書かれていたのは「病気をしたときの看病代」「洋服や靴」「おもちゃ代」など、すべて0円。それを見たたかしの目には涙があふれる、といった内容である。この話を読んで、ほとんどの生徒たちは“母親が子どもにお金を要求しないのは当たり前”といった意見を述べる。だが、ひとりの男子生徒が母親の気持ちについて「子どもっていいな。えらいことするとお金がもらえるから、私も子どもがいいな」と回答。すると、生徒たちからは大きな笑いが起ってしまう。これを聞いた教師は「お金がほしい、いいなと思うんだったら…」と返したことで、まわりの生徒が「1円、10円、100円でも書いて渡せばいい」と発言。男子はそれ以上声をあげず、静かに涙を流すのだった。■“ねらい”どおりの授業が正解? 「道徳」の問題点「お母さんは家事とかをしても、お金をいつももらえないから、『お金をもらいたい』って気持ちがあってこれを書いた…」。あとから取材陣に対してそう伝えた男子生徒は、なんと母親思いの子どもなのだろう。共働きで忙しく家事をこなす母を思う、まさに「家族愛」から出た言葉だったが、教師はそんな子どもの心のなかまで汲み取ることができなかったのだ。本来、「道徳」にひとつの正解なんて存在しない。しかし教科として扱う以上、“こうするべきだ”というひとつの価値観を“答え”に位置づけ、そこに導く指導をすることが必要となってしまうのだろうか。だが、この方法では、その男子生徒の回答は“不正解”となってしまう。それは、価値観の押し付けとは違うのだろうか…?■「道徳」授業のカギは“多様化”への理解番組に出演していた教育評論家・尾木直樹氏も話していたが、教師の力量によって授業内容が大きく変わるという点も課題のひとつだろう。先程の男子生徒の意見についても、教師がひとつの考えとして受け入れ、あらためて子どもたちに問いかけることができていれば、周囲の子どもたちも「そういうことか」と納得したかもしれない。あるいは「笑ってしまった自分が間違っていた」と反省したかもしれない。じつは、「道徳」の授業の肝はそこにあり、子どもたちが見出すべきは正しい答えではなく、“そんな考え方もあるのか”という多様性を知ることにあるのではないかと思う。“ねらい”まで一直線に辿り着くことがよい授業のように思えてしまうが、それでは物事のうわべをなぞっているだけ。言うなれば“きれいごとの押し付け”のようにも感じてしまうのだ。筆者自身、子どもの頃に受けた「道徳」の授業は「こう答えてほしいんでしょ?」という意図が見え見えで、それに沿った回答をしていた記憶がある。今回、正式教科化となるが、1~5といった数値での評価ではなく、また内申書にも影響はないという。しかし“評価”という基準が入るとなれば、高く評価されたいと思うのが世の常だ。授業で「いじめはいけない」と発言した生徒が、次の休み時間には友達をいじめている…。心から理解していないのであれば、そんな状況が起こりえることが容易に想像できてしまうような「道徳」に、はたしてどんな意味があるのか疑問に感じてしまう。■「道徳」への期待&親としてできることたとえば“友だちとふたりでいるのに、お菓子がひとつしかない”という例文があったとき、きっと求められる答えは「半分にわける」ことだろう。けれども実際に生きていく上では、そのときの状況によって自分が選ぶ答えは変わってくる。必ずしも「半分にわける」ことが正解ではなく、いろいろな選択肢があってしかるべき。もちろん、人を傷つけるようなことはしてはいけないが、いろんな考えがあっていいし、必ずしも自分の考えだけが正しいわけではない。そこまで引っくるめて指導していくのが、本来の「道徳」の在り方のように思うのである。算数のように答えがひとつではない「道徳」において、ひとつの終着点(価値)に向かって授業を進めることは、無理があるのではないか。そうだとしたならば、われわれ親はどうしたらいいのか。そしてそれをカバーできるのは、やはり家庭なのだろうと思える。学校で“答え”を完結させるのではなく、授業内容について親子であらためて話し合うことができれば、「道徳」がより意味のあるものになるのではないか。番組では、「道徳」で取り上げるテーマを子どもたち自身で考えたり、タブレット端末を取り入れている学校も紹介されていた。すでに小学校では教科化がスタートしている「道徳」だが、授業の進め方や目的について、まだまだ考えていく余地があるだろう。そして親である私たちも、もっと「道徳」という教科について関心を抱く必要がありそうだ。
2018年04月27日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「どうか子どもの癖を否定しないで。爪噛みをしていた私が思うこと」 でアンケートを実施し、「子どもの癖」について、ママたちの声を聞きしました。小さなことのようで、気がつくと、どうしても気になってしまう子どもの癖。ママたちはどのように感じ、対応しているのでしょうか。■子どもに「癖」、ありますか?「これまで、子どもの癖で気になった癖はありましたか?」の質問には、その癖が現れていた時期や期間はそれぞれ異なるものの、77.2%の方が「ある」と答えました。Q1.これまで、子どもの癖で気になった癖はありましたか?ある 77.2%ない 20.3%どちらともいえない 2.5%癖が「ある」と答えた方のなかで、とくに多かった癖3つは、「爪噛み」「指しゃぶり」「鼻をほじる(食べる)」。それ以外では「爪、指以外の体の部分をなめる」「髪を引っ張る」「股間を触る」「タオルや服の端を触る、しゃぶる」など、親が気になってしまう子どもの癖はいろいろとあるようです。■爪切りを使ったことがない…。「爪噛み」に悩むママたちちゅいママさんも子ども時代は、「爪噛み」が癖になってしまったといいます。アンケートからも「爪噛み」に関する悩みが圧倒的に多く聞かれました。「爪噛み」の癖は、下は1歳から上は社会人になった子どもまで幅広い層でみられるようです。なかには、親であるママ自身が現在も止められないといった意見もあり、小さな頃に限定された癖ではないようです。一番上の子の爪噛みがひどくて。3番目の妊娠中から始まり、もう3年くらい爪を切ってないです。トップコートを塗ったりばんそうこうを貼ったり、その都度注意したりしましたが、その場しのぎで…。学校から帰ってくると爪はなくなっている状態。もう最近じゃ、よほど気になるときしか声かけてないですが、最初の1年くらいは、随分気にかけました。子ども3人とも爪噛みがあります。爪切ろうとしてもすでにない、というのがずっとです。3人ともダンナに似たのか、爪が少しでも伸びてるというのが嫌なんだと思います。私の爪切りの間隔が長いため、自分で爪切ろうとしたのがきっかけのような気がします。爪をかんだりむしったりします。うちの子の場合も、ちゅいママさんと同じようにテレビを見ているときなど手持ち無沙汰なときです。深爪になりすぎて指先に力が入らないし、巻き爪になりやすく痛々しさもあるのでこっそり悩んでいます。何度話しても主人の理解がなく、(夫が)頭ごなしに怒ってしまいます。「爪噛み」の癖に悩む人のなかには、「足の爪までむしり取ってしまう」や、「甘皮や周りの皮もめくったり、噛みちぎったりして手が血だらけになっている」という声も。癖が治り、爪切りを使えたときは、涙が出るほどうれしかったという声もあるほど、ママにとってはとても深刻の悩みのようです。 ■気にしすぎ? 恥ずかしい? ママが気になるこの癖気がついたら知らぬ間に「癖」がついてしまったわが子。ママはどんなところが気になり、困っているのでしょうか。●指しゃぶり年齢があがるにつれて、「歯並びが悪くなる」、「恥ずかしいから止めて欲しい」と思っています。4歳現在、いまだに止められいません。3歳の次男はいまも指しゃぶりをしていて、外遊び後や病院後の汚い手のときも気づいたらしゃぶることがある。このおかげからか1人だけ病気をよく拾ってくる気がします。入園までにやめてほしい気持ちでいっぱいです。●鼻をほじる(食べる)鼻くそを食べる癖。「汚ないからやめなさい」、「バイ菌の塊だよ」と親が言ってもなかなか止めない。本人が汚ないのももちろんだけど、人が見たら汚くてみっともないからというのが親の本音。●なめる、噛むなど私の娘は手首をしゃぶる癖がありました。きっかけは断乳でした。おっぱいがもらえなくなるとわかると、何かそれに代わる物を彼女なりにさがして、見つけたのが自分の手首だったようです。毎日のように吸うので、タコになってしまい皮膚はただれていました。自分の都合で断乳したことへの罪悪感と悲しさでいっぱいでした。授乳というコミュニケーションの一種を奪ってまで断乳したのが正しかったのかと当時はずっと後悔していました。お気に入りのぬいぐるみの耳をなめる。おなか空いてるとき、眠いときなどやります。今4歳ですが家の中でしかやらないし、本人の安定剤のようなものなので、止めさせていません。私もお気に入りのタオルケット離さなかった過去があるので一緒かなと。自然と本人が止めるまで待つつもりです。●股間を触る末っ子がおちんちん触る癖に悩まされてます。なにが困るって、先っちょがおむつから出たままになるから、そのままおしっこで1日に何回も全身総着替え。寝てるときだと、シーツまでびちゃびちゃになったり。もう! 早く癖卒業してー!年長の長男が、1年くらい前から服の上からですが頻繁にチンチンをかまいます。親の愛情不足、精神不安定なのかと心配で、担任の先生にも相談しました。「その都度『止めなさい』と注意するより、いまは見守った方がいいと思う」と言われました。大きくなれば、恥ずかしいことだと気づくときが来ると。大人になっても触る人もいるので心配ですが、あまり口うるさく言うのは止めようと控えています。その癖が原因となって病気になってしまったらと心配するママ。そして「行儀が悪い」「ママが恥ずかしい」と言った声も聞かれました。ママ友と話している最中に、わが子の「鼻くそを食べている」瞬間を目撃されてしまうと、なんともいたたまれない気分になったりしますよね。■癖は親の愛情不足が原因!? 自分を責めるママたち多くのママが子どもの癖に悩み、「止めてほしい」と思っているようです。また癖の原因がママ自身ではないかと悩む方も多くいました。長女が幼稚園年中の頃に仕事復帰した私。それからしばらくして、爪噛みが始まり、愛情不足なのかとすごく自分を責めました。年長になってもやめられない娘に「やっちゃダメ」と言っても聞かず。先生に許可を得て、透明のマニキュアを「お薬だよ。キレイだね? お姫様みたい! 爪かんじゃったら、お姫様の爪なくなるよ~」と言ったらよくなりました。長女が年長の頃から爪噛みが始まりました。私自身子どもの頃爪噛みが癖で、子どもの爪噛みがショックで怒ってしまいました。私が爪噛みをしていた理由は今思うと、家庭が複雑で両親の離婚などもあったので、ストレスを感じてしていたのかも。そう思うと、ますます私の愛情不足から爪噛みをしているのではないかと思ってしまい…。怒ったら、私の見ているところではかまないんです。でも爪を見ると深爪が進んでいて。それからは『いつかマニキュア塗るとき爪の形もきれいな方がいいよね~』という感じで話すようにしたら、小2になったいま、あまりしなくなりました。どんなに子どもを大切に思っていたとしても、一番に考えていたとしても、ママは常に「愛情足りているかな?」と心配な気持ちがあります。そこに、癖を治したいと思って、ネットで検索すると出てくる「親の愛情不足かも」という言葉に、とてもショックを受けてしまいます。とくに仕事復帰したとき、保育園や幼稚園に入園したとき、2番目の子どもが産まれたときといったタイミングが重なってしまうと、愛情不足という想いがさらに倍増。だからこそ子どもの癖を見つけてしまうと、罪悪感からよりつらい気持ちになってしまうのかもしれません。 ■ママが注意したら止められるものなの?ママにとってもいろいろな思いにかられてしまう「子どもの癖」。ちゅいママさんは「『汚い!』と否定されると辛いし、『またやってるの!?』と怒って突き放さないでほしいのです」といいます。わが子の癖を見つけた親は、どのような声がけや態度で接しているのでしょうか。現在小学3年生ですが爪噛みしてます。あきらかに不安なときにするので、指摘は一切せず、「痛くない?」とだけ聞くようにしています。わが家では指を吸う癖を「指ちゅっぱ」と呼んでいました。やはり、幼稚園に通うようになって、先生から愛情不足は疑われたし、小学校に入学してからは、お友だちにからかわれてしまうので多少、「困ったな~」とは思っていました。前歯が出っ歯になっちゃうし、親指はただれてくるし、止められるものなら止めさせたかったので、何度か注意はしましたが、一生ちゅっぱし続ける訳じゃないだろう! と、途中で開き直ったら、いつの間にかしなくなっていました。4才息子が半分爪がなくなる程かんでいます。私も含め、まわりが注意しすぎたようで 最近ではトイレで10分程こもります。この間 こそっと開けたら爪噛んでました。1人時間を楽しんでました。ちゅいママさんの記事を読んで 反省してます。もう注意はしない。本人もわかっているからこそ 隠れてするんですね。ちゅいママさんも、「子どもながらに、よくない癖だとは自覚していますし、やめなくちゃいけないことはよく分かっています。」と言っています。もし癖が不安な気持ちを置き換えたり、それをすることで安心を得られたりする意味合いがあるのだとしたら、厳しく注意してしまうことは、子どもにとっては否定されているような気分になるのでしょうか。■夫に「育て方が悪いんじゃないか」と責められたら…アンケートでは、「癖=親の愛情不足」を信じた夫から、「妻の育て方が悪いんじゃないか、ストレスや不安を与えているんじゃないか」と、言われかなり落ち込んだという意見もありました。ママ自身が子どもの癖を「親の愛情不足」と感じている場合、また身近な人に責められてしまう場合など、状況は異なりますが癖の原因をそのように考えている人は多いことでしょう。そして実際に断乳、入園といった環境変化などによって、癖が起こってしまう子どももいるのだろうと思います。ただ冒頭のアンケート結果のように、「子どもの癖が気になったことがある」と答えた人は8割弱もいます。それだけ多くのママが癖に悩んでいるということは、ママが深刻になりすぎないことも大切なのではないでしょうか。一人で抱え込まずに、夫、仲の良いママ友、保育園、幼稚園の先生などに相談をしてみるだけでも、ママ自身の気持ちが少し落ち着くと思います。ただ体を傷つけてしまっている場合、何らかの影響が出ている場合はもちろんのことですが、やっぱり気になってしまうという場合にも、専門家や医師などの受診を受けてはいかがでしょうか。「癖」は知らないうちに始まって、知らないうちに終わっているということも多いもの。ママが「自分のせいではないか?」という思いにとらわれ、より癖を嫌悪する気持ちが強まってしまうと、つい強い口調で止めさせようとしがち。そうなると、「やっていない」と反抗されたり、「またやっている!」とママが言っただけでビクッと怯えてしまったりするようになるのかもしれません。もしお子さんに気になる癖を見つけたら、ママ一人が悩むのではなく、家族に相談してスタンスを共有しましょう。もし夫が「妻の愛情不足」であることを責めたり、子どもを怒鳴ったりしてしまう場合には、まずは夫婦で話しあうことが先決だと思います。そして言葉に出して癖を止めさせようとなった場合でも、追い詰めるような形ではなく、おおらかに子どもの癖と向き合えていけたらいいですね。Q1.これまで、子どもの癖で気になった癖はありましたか?回答数:355Q2.それはどんな癖ですか? また子どもの癖に気が付いたときにどう思いましたか?※「ある」「どちらともいえない」と回答された方のみ回答数:247件アンケート集計期間:2018/4/19~4/23
2018年04月26日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「子どもの世界の悩みは大人が思っているより大きい…親はどう寄り添う?」 で実施したアンケートから見えてきたのは、子どもの悩みに親も一緒に悩んでいる姿でした。■子どもに悩みを相談されたことある?ウーマンエキサイトで実施した「子どもに悩みを相談されたことはありますか?」というアンケートでは次のような結果となりました。Q.子どもに悩みを相談されたことはありますか?ある 36%ない 2%(子どもが小さいので)まだない 62%子どもから相談されたことがある人が、36%。子どもが小さいためにまだ相談されたことがないという人が62%といました。以前、筆者の友人から「子どもが小さいうちは子どもだけの心配をしていればよかった。体調のこと、成長具合のこと。そのときはそれがとても大きな問題に思えていたけれど、大きくなると悩みが変わってくる。友だちづきあいが始まることで、悩みの質が変わり、親も解決ができなくなってくる」と話されたことを覚えています。子どもも大きくなってくると、自分と親だけの世界から友だちも含めた世界へと広がっていきます。そしてそこには自分の感情だけではどうしようもできない問題も生まれてきます。そんな子どもの悩み、親はどうすればいいのでしょうか?■親も我慢してきたから子どもにも我慢させてしまうちゅいママさんは、長男に友人のことで相談されて「ねぇ~、お母さんなんとかしてよ~!!」と泣きつかれてしまったそう。でもちゅいママさん自身は大きなけんかをした経験がなく、どうしたらいいのかわからなくなってしまったといいます。「子どもが悩んでいることについて親としてどのように対処したか、教えてください」というアンケートからも「親が悩んでしまった」という回答がありました。子どもは小2女子です。現在進行形でキツい言葉を言う友達に悩んでいます。泣きながら帰宅することもあるため、とにかく話を聞き同意すること(同情ではなく)をしていますが、相手の子には本当に腹が立って…。「嫌だということは伝えた方がいい」と言うと、逆に「自分が言われたら嫌だから言えない」と娘。「その子が今後困らないようにするために、伝えることも優しさだ」と、つい先程話しました(^_^;)。とは言えそんな嫌な役回りを娘に背負わせるのもなぁ…と、心の声もついつい娘に言ってしまう、ハッキリしない親です…なんでも正面から受けてしまい、流すという事がなかなかできない子どもで、何かあると毎晩布団の中で1時間以上言い続けます。私も最初は、「あーしたらいい」「こーしたらいいんじゃないか」とアドバイスをしていましたが、それで解決したと思うことはありませんでした。共感が大事と読んだり聞いたりして、いまはただひたすら聞いていますが、それで本人はスッキリしているのかどうかははっきり言ってわかりません。ただ子どものためと思っても何日も続くと、私の方もいい加減しんどくなり、悩みにうまく対処できない。自分はダメ親だなと思ってしまい、つらいです。「自分が我慢して合わせてしまうタイプなので、子どもにも我慢させてしまう」と親自身が苦しんできたことを、子どもにも強いてしまっているように感じて苦しんでいる人もいました。また「4月から娘が幼稚園に入ります。私自身が社交下手なので、『こうしたら?』っていう提案もできるのかしら?といまからガクブルです」という方も。4月から入園、入学を迎えるママたちは、新しい環境下での子どもの友人問題は、もっとも心配していることかもしれません。■相談されたときは「聞く」ではなく「聴く」ちゅいママさんは、ある日出会った先生によって反省をしたといいます。それは、大人からしたら「そんなこと」と思えることで泣いていた女の子に、先生は話を聞いてあげるだけだったのに、女の子は涙をふいて登校したという出来事。「私が長男にしてあげるべきだったのは、解決の方法や言葉ではなくて、聞いてあげる姿勢だったんだな」と考え直したそうです。アンケートからも「子どもの話を聞く」という意見が一番多く集まりました。また話を聞く際に、子どもが小さい場合には背中やおなかをさすりながらだったり、聞いた後にギュッと抱きしめているという声も聞かれました。話をよく聞く、気持ちを理解した上で私は自分の失敗談や経験したこと、小学校の思い出なんかを話します。娘は目を輝かせて「ママもそんなことあったの!?」と普通に話すよりも数段テンション高めで食いついてきます(笑)。そうこうしてると、娘はスッキリするのか悩みが飛んでいくみたいで顔が明るくなってます。女性は話す行為でストレスを発散させるというので、ウチではもっぱら悩むと親子でワイワイ話して発散してます!“思い込み”という可能性もあるので、悩みを聞いて、少し様子を見ました。ただ、 「先生に話そうか?」と聞いて、「もうちょっとがんばってみる」と言われたら、「わかった。でも、ママは悲しむ姿は見たくないから、つらかったら我慢しないで言ってね」とも伝えました。またちゅいママさんの出来事ではありませんが、現役の先生からも意見が届きました。私自身の子どもはまだ3歳なのですが、小学校の教員をしているので、そのようなことは多々あります。放課後の遊びのことで相談されることももちろん多いです。ときには公園まで様子を見に行くこともあります。相談されたときはまずはそれぞれに話を聴きます。話を「聞く」ではなく、「聴く」です。耳を傾けてしっかり話を聴きます。「傾聴」とも言います。やっぱり適当にあしらってると、子どももわかるので、気をつけています。ちなみに、言葉が乱暴な子というのは、語彙が少ないことが多いです。毎日が忙しく、話を聞いているつもりでも、つい夕食を作りながらなど、「ながら」作業で聞いてしまうことがあります。聞いても流してしまっていてはダメなんですよね。きちんと子どもの気持ちをくみ取りつつ聴くことが必要なのでしょうね。そして「言葉が乱暴な子は語彙が少ない」という意見に「そうだったのか」と納得。自分の気持ちをうまく伝える術(語彙)がないから、力に頼ってしまうのかも。たとえば「●●君は、どうして怒ったんだと思う?」「もしかしたらサッカーで負けてくやしかったのかな」と相手の感情をママが代弁してあげると、子どもも相手の気持ちを考えるようになるかもしれませんね。■子どもの悩みにジャッジしてしまうただなかには「話を聞く」ことに失敗したという人もいました。はじめは「そんなこと言われて嫌だったねー」と共感して聞くのですが、子どものお友だちから「○ちゃん(子どものこと)がこんなことした、あんなことしたーー」といろいろ聞かされると、つい自分の子どもの言い分ばかり聞いていられず、「お前がこうだから、お友だちに嫌われるんでしょ!」と言ったりしちゃいました。子どもからの相談は、「受け止めてあげなきゃ」と思いながらもつい余計なアドバイスをしたり、ジャッジをしたり子どもに「●●なところを直せば?」と言っちゃいます。でもどうしても嫌なら学校行かなくてもいいし、学校変えてもいいよとは伝えてますまずは話を聞いて、気持ちに寄り添う。そんなことわかってます。それでも「ママ何とかしてー」が続くと「自分で何とかせいー!」ってなっちゃう(笑)彼にしたらとても大きな悩みなんですね。私も今後その視点を大事にしていきたいです。親の「自分で何とかせい」が続くと、相談もされなくなり、いじめで命を絶ってしまったり…につながるのかなとちょっと怖くなりました。自分だって夫に話聞いて欲しいときは、解決策じゃなくて共感して欲しいだけってことが多い。これは“めんどくさいときの私”だと思って対処していきたいです。いつだって子どもの味方でいること。そう思いながらも、いつまでも続くグズグズした言葉に、ついついキレそうになることもあります。「話を聞くだけ」こんなことすらも、忙しいとできなくなってしまう。子どもに共感するためには、親自身の体調や感情がばっちりで、ときには忍耐が必要となることもあるんですよね。■解決策を親はどう示すべきか?まずは話を聞き、そのあとどうすればいいのか? 親が聞いたら子どもが満足すればいいのですが、それだけではまだ心が晴れない場合には次のステップを考える必要が出てきます。まずは聞く。2年生の女の子だから、説明も自分の気持ちを話すのも、わりと上手です。それから、「嫌だったね」と受け止め、その上で、「みんなと仲良くできたら1番だけど、あわない子も絶対いる。あわない子より、あう子との時間を大切にしたらいいよ。あわない子は、『あらあらこんな子もいるんだな』程度に思っていればよいよ」と話してます。すべてが解決できることではなくなって来てるので。性格や育った環境の違いなどで。「関わらない」、「気にしない」、「自分とは違う人間なんだな」という考えも必要かなと。「嫌なことをされたら、きちんと言葉にして『嫌だ』と伝えないと相手はわからないよ?」と言っています。それが言えないならばその場から離れる。それでもダメなら先生に話す。「ママは学校でずっと一緒にいてあげられないから話を聞いてアドバイスしかしてあげれない。自分が悩んでる間、相手はなんとも思ってないことが多い。だからこそ嫌なことがあったら、その場で言わないと相手も冗談のつもりだったことを反省したり考えたりできる」と、励まして声かけしました。友だちがしていることを正面から受け止めて、そして悩んでしまうという子も多いよう。相手がどこまで「いじわるでしていること」なのか、それとも「冗談なのか」の距離感がつかめずに苦しむこともあるようです。■学校に相談するときの線引きは?「話を聞く」に次いで多かった対処法としては、「学校に相談する」でした。しかしこの段階で親が悩んでいることもわかってきました。それは「学校に相談するときの線引きはどこか?」というもの。いまの時代、何かを学校に伝えてしまったときに「モンスターペアレント」と思われるのではという恐怖もあります。それでなくても先生は忙しいと言われていて、子どものささいなことかもしれない感情を伝えてもよいものか悩むところです。そこで学校に相談する際の線引きをココと決めている方の意見を紹介いたします。<親が考える学校に相談するときの線引き>●学校のことで悩んでいて、「学校に行きたくない」というレベルまで行ったら●上級生が関わっているなど、子どもだけで解決できそうにないなという場合●「1(こちら側)対 多数(相手)」の場合で、子どもだけで解決が困難と判断した場合●その子と話をして、それでもやめないならその子の親、そして担任に相談●「ママが言ってやろうか?」と聞くと必ず「そこまでは大丈夫だよ」と言っていた子がある日泣いて帰ってきて「ママ、もうママが言ってー」と言われたとき相手の親に伝える、伝えないについては、意見が分かれていました。「相手の親に伝えると、余計に修復が難しくなる気がします」というように、もし自分の子どもが加害者と言われてしまうと親としてもカッとなってしまうこともあり、その関係性には確実にひびが入りそうです。しかし「子どもの悩み」というレベルではなく「いじめ」にまで発展してしまった場合には、親も覚悟が必要となってくるかもしれません。親子でじたばたしました(笑)。いじめ的なハードなものだったので…。「いじめ110」的な専門家に相談したり、学校の先生にも相談しました! ただ相手の子や親御さんには直接抗議するようなことはせずに、対処法と先生には見守りをお願いしました。あとは子どもとたくさん話して、現状を把握して「あなたの味方はたくさんいるよ! だから大丈夫!」といってました!うちの息子の場合は、ある1人の友達(A君)から「一緒に遊ばなければ友だちをやめる」と言われたことから始まり、欲しいものを持ってくるように要求されるまでエスカレートしていきました。ほかにも息子のように困っている子がいると聞いたので、連絡帳経由で担任の先生に相談しました。 先生から子どもたちに話をしてくださり、解決にいたりました。A君の親とは面識がありませんでしたが、たとえ親同士が仲良くても、子どものこととなるとちょっとしたことでその関係が崩れてしまいそうで、安易に直接介入できない難しさをいつも感じています。いじめへと発展させないためには、どう行動すべきか。これは本当に難しい問題です。親にできるのは、子どもにとっての安全地帯(家など)と心の居場所を用意してあげることぐらいかもしれません。そしていざというとき、子どものためには「学校には行かなくてもいい」と決断する力も持っておきたいものです。■「自分で解決する力」を育てるには親の本音としては、「悩みを親が聞いたあとは、自分で解決してほしい」ですよね。これから子どもが生きていくうえで、親が常に危険を取り除き、問題を解決してあげることはできませんから。話をしっかり聞いて、受け止めることを心がけてます。いじめにあっても、悲しいつらい気持ちだけでいることはせず、それをみんなが笑えるネタにする力と跳ね返す力を身につけることを話してます。自分がいま何に悩んで、何でつらいのかを確認して、どうすべきかを考えてもらってます。たとえば「発表の失敗をした→からかわれた→泣いた」では、小さい子ならまだしも11歳になればちょっと幼稚かな? と。自分のやったことを確認できて、どうしたら楽しい人生だったか? と自分なりに答えを探します。つらい苦しい人生だけじゃもったいない。できるだけ結論は自分で見つけた方が納得すると思うので、ヒントになりそうな話しかけから「●●ならどうしたいの?」と言って聞くようにしてます。が、まだ幼稚園児なので難しいことは子ども同士もわからないから、私だけで抱え込まずに夫にもそれとなく相談して回答を求めたりします。「自分で解決しろ!」と突き放すのではなく、まずは子どもに寄り添う。そして「あなたはどうしたいの?」と子ども自身の課題であることを伝えてみることも大切かもしれません。もし子どもが家族全員にも悩みを打ち明けることに同意してくれたら、みんなで話しあってみると、いろいろなアドバイスがもらえるかもしれませんね。ただ注意したいのは、親が考える正解が思い浮かんでしまっても、それを押し付けてしまうと、子どもには「親って結局、何にもわかってない」と思われてしまうことに。ママだって「ただ愚痴が言いたかっただけ」な日があるように、子どもだって言ったことをただ受け止めてもらえるだけで、スッキリすることもあるはずです。でも相談した内容を「くだらない」「何をそんなことで悩んでいるの」と親に一蹴されてしまったら。もう二度と子どもは、親に相談をしなくなるかも。「子どもの悩み」は、どこから直接介入するべきなのか、対処法をアドバイスするのも違うかも…?とモヤモヤすることも多い「親の修行のひとつ」だとは思いますが、まずは子どもの気持ちを受け止める場を作ることを大切にしたいですね。もし悩みがすぐに解決しなかったとしても、「親がきちんと自分を見ていてくれている」という安心感があれば、時間がかかったとしても子どもの中では解消していくのではないかと思います。Q.子どもに悩みを相談されたことはありますか?アンケート回答数:419Q.子どもが悩んでいることについて親としてどのように対処したか、教えてくださいアンケート回答数:105(アンケート集計期間:2018/3/1~2018/3/5)
2018年03月08日待機児童問題が叫ばれてもう何年経つでしょうか。いつまでたっても進んでいないような気がするのは、私だけではないはずです。幼児教育無償化もいいけれど、希望者がみんな入園できるようになる全入をなんとか実現させてほしいものです。しかし現実に目を向ければ…保育園全入時代が実現するときなんて、永遠に来ないような気すらしてきます(気が遠くなるほど問題山積みですね)。待機児童問題については、私ごときが語れないほどさまざまな問題が複合的に絡み合っているのは重々承知の上で、私なりの意見を提示したいと思います。■待機児童が減らない要因のひとつ「他人事」問題この問題がなかなか解決しないことの原因のひとつに「喉元過ぎれば他人事になってしまう」側面があるからなんじゃないかなと思うんです。 あくまで一因ですよ。箱の問題や、保育士の待遇面の問題は周知の事実だと思いますので、私があえてここで述べることはしません。今回は、あまり気づかれていないけれど実は問題の根幹をついているんじゃないかな? と思う「喉元を過ぎれば他人事・待機児童問題に対する温度差」を取り上げます。どういうことかと言いますと、待機児童問題ってピンポイントな世代が直面している問題だと思うんです。世の中の0~90歳の世代のほとんどが、言い方は悪いですが関係ない問題で(本当は社会全体に関わる問題なのですが)、特に若者や中高年にとっては「へぇ~そんなに保育園に入れないんだ~」ぐらいの認識だと思います。そして同じ20代30代だとしても、子どもがいる人といない人では「関係ある人」と「関係ない人」でわかれます。少子高齢化社会ですから、介護の問題か子育ての問題かでいうと人数的に介護の問題で困っている人のほうが多くなります。ただでさえ人数の少ない子どもに対する福祉が後回しになるのは、当然のことなのかもしれません。■子育て世代でも「自分の問題」ではなくなると関心は薄れるましてや同じ子育て中の年代だとしても、子どもの年齢によっても関心の高さは変わってきます。わが子がまさに待機児童問題に直面して保育園に入園できず、苦労している時には「なんとかしないと…!」と関心も高くなるし意欲的になりますが、いざ、子どもが希望の保育園に入園できると、ホッとしてその後関心が薄れてしまいがちです。待機児童で苦労している後輩ママに「うちもそうだった!!」と共感することはできても、「あとに続く世代のためになんとかこの問題を解決したい!」と持続的に主張し続ける人は少ないように思います。直球で表現するなら「私たちは問題から抜け出したから、あとはよろしく」といったところです。誤解のないように言っておきますが、このような方たちが悪いと言いたいわけではないです。かくいう私もまさにそのうちの一人です。■「地方なのにまったく手ごたえなし!」の私の保活私は三男が1歳になるまで、わが子を保育園に預けたいと思っていませんでした。専業主婦でしたので幼稚園の3歳入園まで自分で見るつもりでした。当然その頃から待機児童問題は知っていましたが「へぇ~~そんなに入れないのか~」と完全に対岸の火事でした。まさに他人事だったのはこの私です。このように同じ子育て中でも、専業主婦でいるつもりのママと、育休中だったりこれから働きだそうとしているママとでは認識の度合いにも開きがあります。そんな私ですが、三男が1歳になった頃、急にやりたい仕事を見つけ思いきって自営業を始めようとしたのです。自分が働こうとするなんて…ましてや自分で仕事を始めるだなんて全く思ってもみなかったことなのですが急にパチンとスイッチが入りました。いざ仕事を始めようと動き出したものの、思っていた何倍も現実は厳しいものでした。甘かったですねぇ~~。地方の田舎なので、言ってもどこかしら入れるだろうとたかをくくっていました。両親も義両親も近くに住んではないし、夫の仕事は忙しいし、状況的には点数が高い部類に入るだろうから、どこかしら入園できるだろうと。がしかし、1歳代での入園って一番入りづらい年代らしく(後から知りました)。まっっったく手応えなし! かすりもしません。待機人数も教えてもらいましたがどこもかしこもものすごい人数です。自分が待機児童問題に直面してよーーーうやく現実の厳しさを思い知ったのです。どこかしら入れるだろうなんて、無知ゆえの楽観的観測でした。都会であろうが地方であろうが関係ありません。こんなにも厳しいものかと驚きました。■八方ふさがりの子育て…「どないせーっちゅーねん!」でも結局こういうことなんですよね。みんな自分が問題に直面するまではどこか他人事で、自分がその立場になってようやく問題の深刻さに気づくのです。私はそのとき、「専業主婦でいるつもりだから」と待機児童問題に他人事と感じていたそれまでの自分を深く反省しました。当時の私は、自分の意志で急に働き始めたいと思って動き始めましたが、急に夫が倒れて私が働かざるをえなくなることだってあるでしょうし、人生何が起こるかわかりません。急に働くことを決めたのはいいものの、肝心の子どもを預ける場所がどこにもないわ、さらには仕事を探すために子どもを預かってほしいのにそれすらもないわで、一体どないせーっちゅーねん! ですよ。こんなにも真面目に税金を払ってきているのに恩恵を受けたい時には受けれない。怒りが沸いてきました。物議を醸した「保育園落ちた日本死ね」。自分が経験してみてこれを投稿した人の気持ちがよくよくわかりました。結局どうしたかというと、三男が2歳になるまでは一時保育を利用したり、その一時保育も満員で入れないときには子連れで仕事をしたりしていました(子連れ出勤、いいように思えますが大変でした。自分にとってもお客様側にとっても)。 2歳になった4月にこども園に入園することができ、無事預け先が確保できたのでした。そして3歳の今は幼稚園に在園しています。かつて自分が問題に直面したときには「一刻も早くなんとかしてほしい!」と強く思っていたのに、子ども全員が小学校・幼稚園に入って落ち着いた今は、当時の自分より明らかに待機児童問題に対する温度は下がってきています。■私たちの苦労を次の世代では減らしていきたい保育園に入れるまでにはあれだけ困っていたはずのに、入園できたら後に続く世代を助けてあげたいという気持ちが薄れてしまう。私が言う「喉元過ぎれば~」というのはこういうことです。 「私たちはあれだけ苦労したんだから、このくらいの苦労は当然よ」とするのではなく、私たちがした苦労をどんどん減らしていきたい、これからママになっていく人たちが自分の選択肢を自由に選べるようにしてあげたいと思うような人でありたいです。子どもが既に大きくなった人にとっても待機児童問題は決して喉元すぎた出来事ではありません。また、子どもが今はまだいない人にとっても待機児童問題は未知の世界の出来事ではありません。自分の望むライフスタイルを柔軟に実現できるように、少しでも多くの人が関心を持ち続けることが大事だと私は思います。【お知らせ】前回の 「『テレビ子守り』子どもへの影響って? 2歳のテレビっ子が成長した結果」 の記事下アンケート「Q. 子育てで罪悪感を感じることはありますか? 」のアンケート結果はこちら↓
2018年02月01日忙しい日常を過ごしていると、子どものちょっとしたいたずらにイライラしてしまうもの。つい大きな声で怒ってしまっては反省の繰り返し……というママも少なくないはず。そんな子育て中のストレスを少しでも軽減できる方法はないのでしょうか? 今回、幼稚園経営などを手がける教育活動家のいぬかい良成さんに、子育てがちょっとラクになるヒントを聞きました。教育活動家のいぬかい良成さんは、それまでのご自身の教育メソッドをまとめた著書『子どもは「悪い子」に育てなさい 天才児が育つ7つの習慣』を2016年に上梓。このタイトルに驚く方も多いかもしれません。だって、誰でもわが子には「良い子に育って欲しい」と願うものですよね。いぬかいさんが著書の中で言う「悪い子」とは、なにも暴力をふるったり非行に走ったりする子どものことではありません。いったいどういうことなのか、詳しくお話を伺ってきました。■子どもを「悪い子」に育てるワケとは?いぬかいさんは、親の言うことを聞かず「悪い子」と呼ばれる子どもであっても、自分の考えを貫いて自己表現できる子にこそ、未知の可能性が潜んでいると考えます。自分の興味のままに突っ走れる子や、自由な発想や独自の考え方が出来る子……。大人の思う「良い子」に育てようと型にはめてしまっては、子どもは育ちません。とはいえ、毎日のあいさつや履物を揃えるなどの“マナー”はしっかり教えましょう。土台となる生活習慣を身につけたうえで、子ども自身が自分で考えられるように親が促す。これが自立した子どもを育てるのに大切なことなのです。■ヒント1 「怒る」のではなく「叱る」ってどういうこと?しかし、子育てとは思い通りにならないことの連続。つい大きな声で「なぜ片付けられないの」「どうして食事中に遊ぶの」などと怒ってしまうことも……。どうすれば冷静な声かけができるのでしょうか? いぬかいさんによれば、怒るというのは、自分の感情をそのまま子どもに向けている状態とのこと。「子どもと会話ができるようになっていれば、“なぜできないか”ではなく、“どうやったらできるか”を聞いてあげてください。起こってしまった出来事に対して“なぜ”と問われても、子どもは答えられません。しかし、親がアドバイザーとして、今後はどうやっていくかを促せば、自分で答えを出せるはずです」。なぜ=whyではなく、どうすればできるか=Howを聞く。自分で出した答えなら、できるかどうかは分からないまでも、達成するための努力をするはずです。答えを促す声かけが“叱る”ということ。■ヒント2 子育て中の“イライラ”はちっとも悪いことじゃないストレスがたまっていたり、疲れていたり。親だからといって、いつも冷静な声かけができるわけではありません。いぬかいさんは、子育て中のママ100人にアンケートを取ったことがあるそうです。すると、なんと100%のお母さんが子育て中に何らかのストレスを抱えていると回答しました。「子どもの寝顔を見ながら、怒ってイライラをぶつけてしまったと自分を責めて泣いてしまう人もいるでしょう。でも、そうではなく、イライラも自分の感情のひとつだと認めてください。イライラを悪いものだと捉えると、もっと苦しくなってしまいます」。イライラしたのは仕方がない、あの時はそういう感情だったと受け止める。それが結果的にマイナス思考を遠ざけ、自分自身の状態を整えることにつながるのです。■ヒント3 自分を大切にすること子育て中に限らず、イライラやマイナスの感情は、自分自身が整ってないから発生します。自分を大切にすれば、そのベクトルが自然と子どもに向くといぬかいさんは言います。「自分をもっと愛してください。みなさん、子どものことを愛しているかと聞くともちろんと答えます。でも、同じように自分も大事にしてください。カラカラの乾いた自分にならないように、なんでもいいから夢を持ってください」子どもへの接し方にちょっと余裕がないな、イライラしているなと思ったときは、まず自分が楽しく過ごせているかどうか考えてみませんか。親が幸せを感じていれば、子どもも幸せになれるはずです。いぬかい良成さん学校法人SEiRYO学園 理事長・日本ペアレンティング協会 代表理事1968年、東京都太田区生まれ。世界十数カ国の教育現場から実際に学び、イタリアの「レッジョエミリア・アプローチ」や日本の「おもてなしの心」などを取り入れる。「SEiRYOメソッド」を確立。著書に 子どもは「悪い子」に育てなさい 天才児が育つ7つの習慣 (サンクチュアリ出版)。
2017年12月26日児童指導員とは?出典 : 児童指導員とは、児童福祉施設に勤務し、施設を利用する子どもたちが健やかに成長できるようサポートする「児童指導員任用資格」保持者のことです。具体的には、以下の福祉施設で、児童指導員の配置が義務付けられています。・児童養護施設・放課後等デイサービス・児童発達支援センター・児童心理治療施設(情緒障害児短期治療施設から名称変更)・障害児入所施設その他、乳児院や児童相談所、児童家庭支援センターといった施設でも、児童指導員として働くことができます。参考文献:『ケアマネージャー・児童指導員・手話通訳士・義肢装具士-福祉の仕事職場体験完全ガイド3』(平尾小径/ポプラ社)p16参考:児童福祉法(昭和二十二年法律第六百十四号)参考:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和二十三年厚生省令第六十三号)参考:児童福祉施設最低基準(昭和二十年三年厚生省令第六十三号)|厚生労働省参考:第2章児童相談所の組織と職員|厚生労働省参考:児童養護施設等について|厚生労働省児童指導員の仕事内容とは?出典 : 児童指導員は、子どもたちが健全に成長できるよう、日常生活や自立に向けた指導を行っています。子どもたちをさまざまな側面からサポートします。具体的な業務は勤務する施設によっても異なり、それぞれに合った専門性が求められることもあります。児童指導員の活躍の場は、主に児童福祉法で定められた児童養護施設、放課後等デイサービス、児童発達支援センター、児童心理治療施設(情緒障害児短期治療施設から名称変更)と障害児入所施設です。これらの施設では、児童指導員の配置が義務づけられています。■児童養護施設児童養護施設は、保護者の病気や死亡、経済的な理由、虐待など、さまざまな理由で保護者と暮らせない子どもが生活する施設です。支援計画を立てたり、勉強の指導や自立に向けた手助けや、関係者と協力して精神状態のケアを行ったり、問題があれば解決したりします。■放課後等デイサービス障害のある就学児童(小学生・中学生・高校生)が、学校の授業終了後や長期休暇中に通うことのできる施設です。生活力向上のためのさまざまなプログラムが行われています。トランポリン、楽器の演奏、パソコン教室、社会科見学、造形など習い事に近い活動を行っている施設もあれば、専門的な療育を受けることができる施設もあります。■児童発達支援センター小学校就学前の6歳までの障害のある子どもが主に通い、支援を受けるための施設です。日常生活の自立支援や機能訓練を行ったり、保育園や幼稚園のように遊びや学びの場を提供したりといった障害児への支援を目的にしています。■児童心理治療施設(情緒障害児短期治療施設から名称変更)心理的な苦しみを抱え日々の生活に生きづらさを感じている障害児を対象に、医療的な観点から生活支援を基盤とした心理治療を行う施設です。学校との連携も行います。■障害児入所施設日常生活の指導やさまざまな知識・技能を教えること障害児の自立を促す施設です。福祉サービスを行う「福祉型」と、医療的な支援を行う「医療型」の2つがあります。・福祉型障害児入所施設障害児の自立を目標に各々に適した支援プランを提供することを目標にしている施設です。・医療型障害児入所施設福祉と専門医療の両方の視点から、その障害児に最適な支援を提供している施設です。参考:社会的養護の施設等について|厚生労働省参考:障害児及び障害児支援の現状|厚生労働省参考:情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設)運営ハンドブック|厚生労働省参考:障害児入所施設|独立行政法人福祉医療機構参考:障害児入所支援 | 厚生労働省児童指導員の仕事の魅力は?出典 : 児童指導員の仕事の一番の魅力は、施設を利用する子どもたちの成長に携われることでしょう。また、施設でのプログラム等を通して、子どもたちと徐々に関係性を築いていく過程に、達成感や充実感を感じられるという点も挙げられます。加えて児童指導員が配置されている施設には、さまざまな専門家が配置されています。彼らと力を合わせて、子どもたちが抱える問題を解決できた時の喜びは、非常に大きいものとなるでしょう。また、保護者から子育てに関する悩みごとや困りごとの相談を受けることもあります。子どもにとどまらず、困っている人たちのサポートができる、やりがいのある職業です。児童指導員になるためには?出典 : 児童指導員として働くための任用資格を取得するには、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。1. 児童福祉施設職員養成機関を卒業した者2. 社会福祉士または精神保健福祉士の資格を有する者3. 大学・大学院で社会福祉学、心理学、教育学もしくは社会学を修得した者4. 小学校・中学校または高校の教員免許を取得する資格を持っている者、かつ厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受けた者5. 福祉事務所で2年以上の実務経験(高卒以外は3年以上)を経て、厚生労働大臣または都道府県知事の認定を受けた者任用資格を満たした後は、希望する施設の採用試験を受けることになります。公立施設の場合は公務員試験、民間施設の場合はそれぞれの施設の採用試験を受験します。その採用試験に合格したら、児童指導員の職に就くことができます。参考:児童指導員及び指導員の資格要件等|厚生労働省児童指導員の今後出典 : 年4月1日でに省令が改正されたことを受けて、厚生労働省は、放課後等デイサービスの事業所における職員配置基準を「置くべき従業者を児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者とし、そのうちの半数以上を児童指導員又は保育士としなければならない」としました(既に指定を受けている指定放課後等デイサービス事業者については、2018年3月31日までの経過措置が認められています)。2012年に放課後等デイサービスの制度が設立されてから、年々利用者・事業所の数も増えており、この基準改定を満たすため、今後一層児童指導員のニーズが高まることが予想されます。参考:「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」等の一部改正について |厚生労働省参考:放課後等デイサービスの見直しについて|厚生労働省まとめ出典 : 年4月より、放課後等デイサービスでも児童指導員の配置が義務づけられたことなどを受けて、児童指導員の需要、認知度ともに高まってきました。子どもの貧困問題などの影響により、児童福祉施設に求められる役割は大きくなっています。また、障害のある子どもや保護者の支援も必要とされています。子どもたちをめぐるさまざまな問題や課題に向き合い、子どもや保護者に寄り添ってサポートをする児童指導員は、今後さらなる活躍が期待される職務です。
2017年12月18日みなさま、子どもの勉強や宿題でイライラしたことありますか?私も初めの育児の時こそ気にしてあれやこれや口出したりしていましたが、だんだんと「口うるさく言われるほど子どもはやる気をなくす!」ということを実感したので、今や、最低限の宿題さえやってりゃいいや~という感じです。 そんなある日の末っ子(当時3年生)とのやりとりです。 おやつ抜きは冗談で、終わったらおやつ食べようね~ってことで一緒にテストの見直しをしました。 【ここでちょっとポイント!】・おやつ抜き=罰になって嫌な気持ちになる・ご褒美=癖になると報酬がないとやらなくなるので内容に気を付けたいところ。・やってからおやつ=行動の順番の調整。いつものちょっと嬉しいことが待ってるとご褒美気分になれる。 頭ごなしに怒ってやらせようとすると勉強が「嫌なこと」になってしまうし、テスト隠されたら分からないところ教えてあげられない。分からない所が増えるともっと嫌いになる。悪循環です。 子どもにやって欲しいことは「好きじゃなくても嫌いにさせない」ということって大切な気がします。嫌いでもやれることも大切ですが、それはこなすだけ、最低限になりがちです。 数年先の子どもを考えて、楽しみにしながら「どうやったら子どもをノせられるだろう?」って視点で関わっていけたらいいなと思う(理想)今日この頃です。【お知らせ】前回の第9話「クリスマス親の失敗エピソード3選!」の記事下アンケート「Q. 子どもとのクリスマスで失敗した経験はありますか?」の回答をまとめました! 失敗で多かったのは…? アンケート結果はこちら↓
2017年12月09日「このままでは、日本は将来メシが食えない大人を量産してしまうのでは?」という危機感から花まる学習会を始めた高濱正伸さん。息子を「メシが食えない大人」にしないための方法を教えていただきます。今回は「男の子ならでは!」の、とりわけ身につけさせたい生活習慣についてお話を伺います。■子育ての最終目標とは突然ですが、子育ての最終目標とは、何でしょうか? それは、親元から離れ、ひとりで自立して生きていく手段(=仕事に就く能力)を身につけさせてあげることでしょう。ゆくゆくは自分の力で仕事を見つけ、自立してほしい、というのが親の共通した願いのはずです。そのために、今回は、「子ども時代にどんな習慣を身につけさせ、どんな経験をさせることが必要か」について考えてみます。「子どもに必要な生活習慣」のベーシックな部分は、次のとおりです。※高濱さんの考える「自分の力で生きていくために必要な幼児期からの習慣」その1 休みの日も「遅起き」しないその2 「休まない体力」が必要その3 「なにくそ」と思える根性その4 「やったぁ!」という達成感その5 「これだけは負けない」ものをひとつ身に着けるこれに加えて、男の子なら身に着けてほしい「プラスαの力」を高濱さんに教えていただきました。 ■男の子の「運動コンプレックス」は危険!?「幼少期における運動コンプレックスを、甘くみてはいけません」(高濱さん)。とくに男の子が、このコンプレックスを持ってしまうのは危険です。「ひきこもってしまった子たちのなかで、『運動が苦手でした』というケースはたしかに多かったからです」(高濱さん)。【息子の運動嫌いを克服させるコツ】運動コンプレックスは、運動でこそ克服できます。たとえば、水泳は、太っている、やせているということは関係ありませんし、何といっても「級システム」がいいのです。細かく級が上がるので、「五級に上がったよ」と、ひとつひとつをお母さんに報告できます。また、作法がはっきりある「武道」系はすべてよいでしょう。とくに、察してもらいたがるタイプが多い、長男の悩みには効きます。武道系は、声を出すことで、はっきり発言できるようになるので、目を見て言いたいことを言う能力を養うのに最適です。■ケンカを回避しすぎると、社会で渡り合えない?男の子は、「何回ガツガツと他人とぶつかり合えたか」で、「人としての幅の広さ」が決まってくるところがあります。「目の前のケンカを回避・除菌したくなるのが、ママとしての気持ちでしょうが、それを避けすぎても健全ではありません。男の子は、本能としてオス同士で張り合うものなのです」(高濱さん)。【自信のある男の子を育てるコツ】息子が、友だちとケンカをしているのを「傍観」するのは、ママにとって身を引きちぎられるような気持ちです。でも、高濱さんは言います。「ママには、『あとあと、この子は魅力的になるぞ~』というおおらかな視点が、ある意味必要なのです」●ケンカもあるけれど、でも、「みんなと一緒にいたほうが楽しい」という経験●つらかったし悲しかったけど、「いまはもう大丈夫」という経験●ちょっと厳しい課題だったけれど、「自分で乗り越えたもんね」という体験「僕は、社会と渡りあえる」と思わせてくれるひとつひとつの経験が、幅の広い、分厚い自信をつくりあげていくのです。■失敗に「めげない子」を育てるには逆境、失敗、敗北、がんばったけれどうまくいかない…。人生には、何度もそういう場面が訪れます。「そういう場面での、自分のイヤな気持ちをプラスへコントロールするためには、経験値が必要でしょう」(高濱さん)。事あるごとにいちいち、めげたりしょげたりしていては、生きていけません。また、逃げ癖や負け癖が身についてしまって、何事もあきらめて、投げ出してばかりの人は魅力的ではありませんよね。【簡単にめげない男の子を育てるコツ】「簡単にめげない子を育てる秘訣(ひけつ)は、物事を『事件化しないこと』だと思います」(高濱さん)。子どもがめげてしまう裏には、かわいいわが子だからこそ「事件化して、親がしょげたり、怒ったりしている」という背景があるのかもしれません。逆説的にいえば、「めげない子」をつくるためには、「そういうこともある!」と、ひとつひとつの出来事をいちいち事件化しないという形で親が子どもに状況を提示してあげる必要があります。「見渡してみても、強くてめげない人の基礎には、『いちいち事件化しない姿勢』『いろいろなことがあるけれど、乗り越えてきた』という経験が必ずあるものなのです」(高濱先生)■優秀な男の子には落とし穴があった!「思いやり」は、なまじっか「優秀」と称賛されて生きてきた男に多い落とし穴のひとつです。自分ではちっとも思いやりがないとは思っていない。とくに、男子校でずっと育った場合は、必要に迫られないのでわからない部分かもしれません。「頭だけよくて論理的に優れていても、それは「嫌みな人」というだけで、世の中ではまったく通用しないのです」(高濱さん)【思いやりのある男の子に育てるコツ】「『思いやり』というのは、思いやり体験をたくさんしていないと、育たない部分です」(高濱さん)。思いやり体験とは、「他者性」と言い換えてもいいでしょう。思いやりを持てる人になるためには、自分とは違う立場の人たち、感性の異なる人たちへの想像力が必要なのです。幼児期においては、違う主張や考えを持った、異学年や異性や立場の異なる子どもたちとたくさん遊び、交流する経験こそが重要です。「女はすぐ泣くんだもん」などと言いながらも一緒に遊ぶことが大切ですし、女の子が捕まえられずにいた虫をさっと捕まえられた、などの小さなことでも、女子から「えーすごい!」と本気で言われたり、心から「ありがとう」と言われたりすることを体験していくことで、だれかにまた「思いやり」を届けることができるようになります。このような「ミニもて経験」こそ、大人になったときに、魅力として出てくる部分です。いかがでしたか? 記事を書きながら筆者が思ったことは、「『息子を育てること』が、to doリスト化していたなぁ」ということです。毎日の生活を回すために、「コレ、して」「アレ、して」と、to doリストを消すかのごとく、息子に接していました。でも、高濱さんに男の子の「特性」を教えていただいたことで、その接し方が、息子の「男の子としての本質」からいかにずれていたか! それをつくづく実感しました。これからは、「いまの困った」は、「将来、有望男子になる芽」であることをイメージして、ゆったりした気持ちで子育てしていきたいです。【自立できる男の子の育てるため まとめ】●運動コンプレックスを甘く見ないひきこもってしまった子たちの多くは、「運動が苦手」だった。●ママはケンカを回避・除菌しすぎない社会と渡りあえる大人に育てるには、ケンカの経験も必要。それが、幅の広い、分厚い自信をつくりあげる。●ママは物事を事件化しない事あるごとにいちいち、めげたりしょげたりしていては、生きていけない。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年12月07日男の子は、「ママとはまったく違う生き物」。男の子の特徴を知ることで、「何で!?」「どうして?」というママたちの気持ちを、「これは男の子の特徴なんだ」と納得モードに切り替えることができます。ママから見ると、ため息をつきたくなる行動ばかりだけれど、そんな男の子の特徴を知って、接し方を少し工夫するだけで、ママは随分と楽になることでしょう。お話を伺ったのは、花まる学習会代表の高濱正伸さんです。■行動が遅い男の子は「個性」で認めない男の子の「行動が遅い」というパターンには、2種類の意味があります。それぞれ別問題なので、別個の話としていくつかの事例を使ってご紹介しましょう。①「ひとつひとつの行動が遅い」場合例)朝、洋服を着替えるのに時間がかかるという男の子【ママの接し方のコツ】「個性」だと認めず、根気よく声かけを「ひとつひとつの行動スピードは、ある程度までは上げないといけません。美意識からではなくて、『現代の厳しさ』という意味からです」(高濱さん)。高濱さんは言います。「近年の教育で間違っていたことのひとつは、なんでも『個性』で認めすぎてしまったところです」。たとえば、「ごはんを食べるのが遅い子もいます」と多少認めることは問題ありませんが、それも程度問題。あんまり遅いと、その子が社会に出たときに苦労します。現代の日本社会で働いていくためには、「トロい人は正直困る」というのが、みんなの共通感覚でしょう。基本的に、子どもに対しては「テキパキできるのがカッコいいよね」というスタンスで、根気強く声掛けをしてあげることが大切です。②動作への「取りかかりが遅い」場合例)朝起きて、洋服に着替えるのになかなか取りかからない男の子【ママの接し方のコツ】言葉だけでなく、体をさわりながら指示を「早く、洋服着替えてね」と言っているのに、「は~い」と返事をするもののパジャマのままブロック遊びをしている…。これが「取りかかりが遅い」ということです。「やっていることがおもしろいとやめられないのが、男の子の特徴です。男の子には、何歳になってもそういう側面があります」(高濱さん)。高濱さんの経験では、口だけの指示でなく、肩でも頭でもさわりながら指示すると、声かけが体に入っていきやすいようです。■「字をきちんと書く病」の男の子は伸び悩む!? 「平均して、男の子のほうが字は汚くなりがちです」(高濱さん)。でも、低学年時代にママが「この子、字が汚いんです」と言うときは、「常にいつもきれいに書いてほしい」というママの想いが強すぎる、という事例がほとんどだそう。学校に入ってしまうと、学校の様子をママが垣間見るのは、連絡帳やノートからだけ。だからとくに低学年時代は、子どもにガミガミ言ってしまいがちなのだとか。【ママの接し方のコツ】ママの意識こそ変えるべき「男の子に対しては、字は書くべきときに書ければよいと割り切ってください」(高濱さん)。たとえば、年賀状や硬筆の時間などの、ちゃんと書くべきときにきれいに書くことができていれば充分。かえって高濱さんが「きちんと病」と呼んでいる状態に陥ってしまう方が怖いそうです。「きちんと病」とは、ノートをきれいに書くことばかりに神経を使ってしまい伸び悩みに繋がること。これは、「最初の子」かつ「男の子」の場合に多くあるそう。もちろん、汚い字が良いということではないですが、「字がきれいでもまったく頭に入っていないのでは本末転倒。「必要なときにきれいな字を書ける、頭の回転が速い子」に育てたいもの。「ここは、お母さんの意識こそを変えるべき項目です」(高濱さん)。■男の子が「汚いこと」に悲鳴をあげるママへ「信じられない!」。ママの悲鳴が聞こえるほど、男の子は「ママが汚いと思うこと」をまったく気にしません。上着に泥がついていても平気。膝が破けたズボンを次の日も学校にはいていこうとする。これは、「男の子ある、ある」なのでは?!【ママの接し方のコツ】思春期までは目くじらを立てずに見守る男の子は、「危ないから!」と思うようなことも平気でやります。男の子にとっては、怪我は挑戦の勲章なのです。『風邪をひくから、汗をかいたら着替えなさい』の感覚もわからないのです。「俺、風邪なんてひかないし」と思っています。一説には、男の子は女の子より皮膚感覚が鈍感ということもあるようです。思春期に入って、「「身だしなみ」という言葉がわかるようになるまでは、あまり目くじら立てずに、大らかでいてください」(高濱さん)。ここまで書いてきて、「男の子を育てるには、やっぱり度量が求められるのねぇ」と、筆者はため息のひとつもつきたくなりました(涙)。でも、次はステキな話ですよ! ■男の子は「お母さんのことが世界で一番好き」男の子は、ママたちが自分で意識している以上に、「母への忠誠心」を持っています。「お母さんが喜ぶならなんでもしたい」と思っているのです。つまり、お母さんは、男の子にとっての「女神」なのです。「女神を崇拝している、その中心には『ご飯』があります」(高濱さん)。昔から言われていることですが、男の子(男)は「胃袋をつかむ」ことが大切なのです。また、いつでも自分の身の回りのことを心配してくれている人という意味でも、ママは男の子にとって一番大切な存在。どんなときでも「おなか空いてないかな? 寒くないかな?」と、息子のことをイメージできるママは男の子にとって、唯一無二の味方なのです。この記事を書いている筆者の実感として、男の子と女の子、両方の性別の子どもがいるママ友たちは口をそろえて、「男の子の方が、かわいい!」と、言います。子どもが全員男の子の私は、「男子の子育て、これだけ大変なのに?」と、そんなママたちの意見が長らく謎でした。けれども、「お母さんは、男の子にとっての『女神』なのです」という一言で、謎が少し解明された気分になりました。男の子を育てることは、かなり大変! でも、男の子の「ママへの想いは世界一!」そう思えたら、「がんばろう!」という気持ちになれそうです。次回は、「ママの『いま困った』が、将来“自立できる男の子”の芽となる?」です。小学校3年生までに身につけたい生活習慣(男の子編)を教わります。【男の子を育てる上でママの意識改革が必要なこと】●行動が遅い「ひとつひとつの行動が遅い」場合と動作への「取りかかりが遅い」場合では対応方法が異なる。●字が汚いノートをきれいに書くことばかりに神経を使う子は伸び悩みに繋がる。必要なときにきれいな字を書けるればいいと、ママの意識こそ変えるべき。●汚いことを気にしないケガもなく無事なら、ママは目くじらを立てない●お母さんのことが世界で一番好き男の子は、「お母さんが喜ぶならなんでもしたい」と思っている。ママは男の子にとっての「女神」だった。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年12月06日息子を「メシが食える大人」に育てるために大切なことは、「男の子は、自分とはまったく違う生き物だと思うこと」。そうすることで、「男であることの芽」を摘まずにすみます。では、男の子の特徴って、何ですか? 花まる学習会代表の高濱正伸さんに、子育てで大切な時期にあたる3歳から10歳までの「男の子」の特徴を5つ教えてもらいました。■男の子は「何度言っても片付けができない」「『脱いだ靴下は、ここ』と、男の子に何度言っても無駄なんです」と、高濱さん。ママたちにまず知って欲しいことは、幼児期の大きな特徴は、振り返りが苦手だということ。そもそも、自分の行動を振り返ることや反省という概念そのものが、幼児にはありません。いま、いま、いま、と「いま」を生きていて、次々と新しくて面白いことをやりたいのが幼児なのです。【ママの接し方のコツ】どんなことでも「新しいゲーム」として提示しよう片付けを「ゲーム」にしてしまいます。「さぁ、これから時計の長い針が6にいくまでに、どれだけきれいになるでしょう? よーい、スタート!」「ママが洗濯物をいれるのと、まーちゃんが全部おもちゃを片付けるの、どっちが早いか競争ね!」こんなふうに、どんなことでも「新しいゲーム」であり、「前向きなもの」として提示します。■男の子とは「好きなことしかやらない生き物」「子どもが一生懸命やることは、二つしかありません」(高濱さん)。それは「生活のなかで必然性があること」か、「おもしろいこと」です。「おもしろいこと」を一生懸命やるのはわかりますが、“必然性”というのはどういう意味なのでしょうか? たとえば「自分がこのお茶わんを運ばないと、家族みんなが食事をはじめられないと思うと、手伝いたい気持ちになるし、一生懸命やります」(高濱さん)【ママの接し方のコツ】ママは女優になって、ワクワクする声かけをこのとき、の接し方の一番のポイントは、“強制”のニオイがしないこと。少しでも強制のニオイがしたら、もうNGです。「でも、それだったらお茶わん運びなんてお手伝い、うちの子は絶対にやらないです」という声が聞こえてきそう。じつは、これは大人側の力量・芸風の問題でもあります。前述の片付けと同じように、遊びとして提案すると成功する可能性は大!「子どもがワクワクするような声かけ」を極めるのは、ママの技量。「どう声がけすれば、この子は動くかな?」。そう考える「間」が、「何で片付けられないの!?」と、キーっとなっているママのテンションを少し下げてくれるかもしれませね。それだけでも十分、意味があるのかも…(笑)。■男の子にとって、冒険やスリルは「カッコいい」「うちの子は、何をしでかすか、わからない」。男の子のママの中には、そんな不安と隣合わせで毎日を送っている人も多いでしょう。(じつは筆者もそうです)。「男の子同士では、危険なことをした人間は“株が上がる”のです」(高濱さん)。男の子は「冒険」というだけで、大概、なんでも好きになるし、わくわくするものです。なぜかはわかりませんが、リスクやスリルは「カッコいい」という気がするのです。「危ないことが、『何でこんなに好きなのかなぁ』と、女性ならだれもが不思議に思うくらい好きなものなのです」(高濱さん)。【ママの接し方のコツ】これが「男」という生き物だと受け入れるべしママは、男の子とは理由もなく危険を愛する「生き物」と、受け入れるしかなさそうです。なぜなら高濱さん(現在、50代後半)ですら、たとえば、いま、座っている椅子を座りながらどこまで傾けたら倒れるか、試したい気持ちが常に「ある」そう。「笑ってしまうと思いますが、これが男の子(男)なんです」(高濱さん)■勝ち負けにこだわる男の子の将来は?「家族でトランプをしていても、負けると最後は泣き出すので困る、というママもいるでしょう」(高濱さん)。「はい、それは、うちの息子です!」と思わず筆者も手を挙げたくなりました。わが家の3人の息子は、毎日が「勝った」「負けた」のケンカで明け暮れています。女親の私は、「よく、毎日、勝ち負けにこだわれますね」と思ってしまいます。でも、本人たちにとっては、「勝ち負け=プライドの問題」のようなのです。【ママの接し方のコツ】将来有望?! ドンと構えて見守ろうじつは、「勝負事に負けて泣けるような子、また、この負けず嫌いの傾向は、将来有望な証でもあります。勉強面で、『自分がわかったか、わからなかったか』や『目の前の一問』にこだわれる子が多いので、伸びる可能性が高いのです」(高濱さん)。こちらも将来をイメージしながら、ゆったりした気持ち(諦め?)で見てあげるのが良さそうですね■男の子は「品のないことが大好き」高濱さんが、花まる学習会のサマースクールで、小学校1~3年生の班を担当したときのこと。「男の子たちは、1日の9割は、品のないことを言っていました」(高濱さん)。1日の9割ですか!【ママの接し方のコツ】それが男という生き物、と傍観せよ「『下ネタ』だったり『笑われること』を言えたり、やったりする方が勝ちというのは、まさに男の文化です」(高濱さん)。これまた、ママたちにはまったくわからない領域の話ですね。「男には『カッコつけないほうがカッコいい』『どっちが恥ずかしいことを言えるか』」というように、『品の悪さ』で勝負しているところがあるんです」(高濱さん)。「へぇ、そうなんですね」と、ママはへぇボタンを押しつつ、心のメモ帳にメモしておきましょうか。次回は、「ママ泣かせの『男の子あるある』。でもママの意識こそ変えるべきだった!?」です。「ダラダラ」「グズグズ」と、行動が遅い男子への接し方のコツです。【男の子の特徴】●何度言っても忘れる 片付けができない“いま”を生きる男の子は、新しくて面白いことをやりたい。●好きなことしかやらない男の子がやるのは、「生活のなかで必然性があること」か、「おもしろいこと」。●冒険やスリルが好き男の子とは理由もなく危険を愛する「生き物」。ママは、そうなんだ、と受け入れるしかない。●勝ち負けにこだわる勝負事に負けて泣けるような子は、将来有望。●品のないこと好き男の子は、「カッコつけないほうがカッコいい」で勝負している。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年12月05日「どうして、うちの子はこうなの?」。男子を3人育てている筆者は、毎日、そんな気分で暮らしています。そんな「少しあせり気味のママたちに、聞いて欲しい話がある」というのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。3歳児から10歳まで、大事な時期の「男の子」の育て方について、じっくりお話を伺いました。高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。■「メシが食えない大人」が量産されている「この国は『メシが食えない大人』を量産しているのではないか?」そんな痛切な問題意識が花まる学習会の出発点だったと高濱さんは言います。20年以上前、高濱さんは予備校の先生として18、19歳の大学受験生を教えていて、「はたしてこの子たちは、将来、メシが食えるのか?」と、本気で心配になったそうです。 高濱さんは、企業の人事担当者と話すことも多く、その人たちは異口同音に「いいと思う子は、みんな女の子なんですよ」と言っているそう。ムムム! これは男子母としては聞き捨てならないセリフです。男子の何がいけないのでしょうか? 「男の子はたたかれると、ボキっと折れてすぐに会社を辞めてしまう子が多いんですよ」(高濱さん)。そうなんですか! 息子が将来、社会で食いっぱぐれてしまっては困ります。 ■折れやすい男子に共通していること「何かあるとポキッと折れてしまう男子に共通しているのは、『鍛えられていない』こと。ガツンと言ってくれる大人に出会えずに育ってしまったというのが問題です」(高濱さん)。ノウハウ重視で、表面上はわかったふりをしているけれども、本質的な厳しさや我慢を知らず、根性が身についていないそうです。「いる、いる」「ある、ある」。わが子を棚に上げて(しまいこんで!?)、社会で見かけた、あの人、この人の顔を思い浮かべるママも多いのでは? 息子が将来そうならないために、いま、ママができることは何なのでしょうか?「もともと男の子というのは、自分とはまったく違う生き物であり、さっぱりわからないし、ママの女性らしい感覚は共有できない。これを共通認識として持っていて欲しいのです」(高濱さん)。つまりは、「ママの理解の範疇」で息子を育てようとすると、それは、真綿でくるまれた「ヤワな男の始まり」だということなのですね!■ママには息子は理解できない?「男の子ってわからない!」。これは高濱さんが教室や講演会場で、お母さんたちからよく聞くセリフだそうです。男の子を育てている筆者にしても、「男の子のことなんて、ちっとも、わかりたくもない!」という気分になる日が多々あります。「そもそも『男と女』は物事の考え方に大きな違いがあって、根本のところではわかりあえないもの。くわえて、男の子は『子ども』でもあるので、『異性&子ども』のダブルパンチです。ママは、わからなさすぎて、イライラしてしまうことも多いのでしょう」(高濱さん)ママの感覚で息子を理解しようするから、「何で?」「どうして!」という怒りばかりが沸いてくるけれど、「自分とはまったく違う生き物である」。そう思うことができれば、気持ちの距離ができて、少しは心の余裕が生まれるのかもしれません。それでは、男の子とは、どんな「生き物」なのでしょうか? 高濱さんに、より具体的に教えていただきましょう。■男の子に「じっとして!」は絶対無理高濱さんは、「子育てに悩むママたちにこれはぜひ教えてあげたい!」と思うことがあるそうです。たとえば、「高校生以降伸びるタイプの子は、小さい頃は生命エネルギーにあふれていて、落ち着きがなかった」ということ。「男の子に対して、『いい加減にじっとしていて!』は絶対無理! と肝に銘じるべきです。何かおもしろいことをしたいし、興味のままに動く」のが男の子。身体が大きくなって、ママと体格が同じくらいになれば、うそのように落ち着くものです。「たいていの男の子は、『振り返ったら同じところにもういないもの』と思って育ててください」(高濱さん)。高濱さんに、男の子に「じっとして!」は絶対無理と言われると、「うちの子だけじゃないんだ!」と、筆者はものすごくホッとしました。次回は、「息子が『何をしでかすかわからない!』不安と隣り合わせのママへ」です。「男の子の特徴」をあげてもらいつつ、それに対しての対応策を教えていただきます。【男の子とは?】●ママとはまったく違う生き物ママの女性らしい感覚は共有できない。●男の子に「じっとして!」は絶対無理男の子は、「振り返ったら同じところにもういないもの」。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年12月04日娘にはすてきなパートナーと出会い、幸せな家庭を築いてほしいと思うママは多いことでしょう。「仕事でも家庭生活でもキーワードとなるのが、『魅力』です。魅力的であることは、『自立』(※)の次のステップとして重要なのです」と言うのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。では、魅力とは何なのでしょうか? かわいがられる女性の魅力について、お話を伺いました。※高濱さんの考える「自分の力で生きていくために必要な幼児期からの習慣」その1 休みの日も「遅起き」しないその2 女の子だって「休まない体力」が必要その3 女の子にも「なにくそ」と思える根性その4 「やったぁ!」という達成感その5 「これだけは負けない」ものをひとつ身に着ける■魅力があるからこそ、次のステップにいける高濱さんが使っている「魅力」という言葉は、「まわりから好かれる=かわいがられる」という意味です。この場合の「かわいがられる」とは見た目の「かわいさ」ではなく、「この人と仕事がしたい」と思ってもらったり、「あの子、こっちの部に異動して欲しいな」などと、自分より年長で責任ある人から認められて、引っ張られる、引きたてられるという意味です。「人と人とのつながりで人は生きていて、社会が構成されている以上、『目上の人が引きたてて認めてくれて』のくり返しで、人は成長していくのです」(高濱さん)■魅力のベースは、「愛されてきた自信」「魅力にはたくさんの項目がありますが、まず、魅力論のベースに来るのは、『愛されて育った人』に共通する、伸びやかなオーラです」(高濱さん)「お母さん・お父さんは、私のこと、大好きだもんね」という、愛されてきた自信は、絶対の自己肯定感を育んでくれると高濱さんはいいます。この自信は、人生を生き抜くうえで、そして人と対峙していくうえで、どんなに助けになってくれることでしょう。逆にこのベースがない女性は、本当にちょっとしたことでやる気や自身を失いがちになります。ポイントは、「その子その子の成長を、認めてあげること」。そのための親の態度として幼少期に大切なことをひとつあげると、「比較して評価しない」ことだといいます。次の「OKワード」「NGワード」を参考に、声がけを具体的に変えていくことから始めてみてもいいですね。<高濱さんの考えるOKワード・NGワード>●OKワード「あなたのいいところは〇〇ね」「前より〇〇ができるようになったね」そして、ほほえみやうなずき。(ほめるのが苦手なママは、ちょっとしたほほえみやうなずきだけでもOKです。子どもは認められたことを敏感に感じとります)●NGワード「弟ができているのに、なんであなたはできないの!」「隣のAちゃんはもう字が書けるんだって」「うちの子、まだ〇〇ができないのよ(世間話で)」■うまくいかないことを人のせいにしない「品というのは、育ちから生まれるものなのでしょう」と、高濱さん。立ち居振る舞いや、節目、節目のちょっとした行動に、品のよさは現れます。高濱さんが一緒に働いている女性は、みな品のよい方たちだそうです。「そんな女性たちの共通項は、愚痴と人の悪口は言わないことです」(高濱さん)。彼女たちは、人の落ち度を責める態度は一切見せないそうです。何かあった際も、あくまで自分の落ち度として報告してくるといいます。人間とは不完全な生き物です。そういう自分の弱さを直視できるからこそ、人の至らなさや弱さも許し、最終的には「自分が至らなかったんだ」という考えをもてるのでしょう。人生において、うまくいかない局面は多くあります。そのうまくいかないことを人のせいにすること自体を、恥ずかしいと思う矜持があるということです。こういう女性は、絶対的に信頼できます。「人のせいにした瞬間に失うものがあるのです。それが『品』なのです」(高濱さん)■素直な気持ちが伸びていく秘訣(ひけつ)高濱さんは、「他人からの指摘に対して、『そうかな』と思って、素直に受け入れることができる人は伸びます」といいます。人からの指摘というのは、基本的には苦いものです。でもそれを受け止めて、自分を変えられるかどうかが重要なのです。素直さを別の言葉でいうと、「世界に対する肯定的な見方を身につけていること」ともいえます。「これを子育てに置き換えて何が大事かというと、幼少期には、ポジティブな言葉をまわりが言い続けていることが重要なのです」(高濱さん)。子どもは、周囲を見て育ちます。素直な姿勢も、人への敬意も、親の態度から学びます。ここで気をつけたいのは、ママが陥りやすい落とし穴。それは、「愚痴」です。女性同士では愚痴の言いあいが、世間話のひとつのようになっている場合もあります。「せめて、子どもの前では愚痴を言わないでください」(高濱さん)。■「漏れなく、きちんと」は最強の女の武器「女性と一緒に仕事をしていくなかで、大きな魅力のひとつとして感じるのは、『漏れのなさ』や『きちんと全部やる』という能力です」(高濱さん) いわゆる清楚(せいそ)な良妻賢母に求められる「きちんと」ではなく、女性本来の性質としての「きちんと」を母娘間で継承していくと、社会に出てからも重宝されます。「ときどきいるお姫様体質の子や天才型の女の子はさておき、女の子が10人いれば、7人は『きちんと』ができる芽があると思います」(高濱さん)。女の子の子育てにおいては、「きちんと」できたことを認めてほめてあげましょう。「その『きちんと』は将来、全部同時にやり遂げる『マルチタスク能力』として、わが子の大きな武器になります」(高濱さん)。■「おしゃれ」は気持ちの負け組にならない「おしゃれ」と言うと、「なんだ、そんな表面的なこと」と思うかもしれません。もちろん、娘がおしゃればかりにかまけていたら、ママとしては心配でしょうから、何事もバランスが必要ではあります。ですが高濱さんは、「幼児期から思春期にかけて、外見に関して、気持ちの面で負け組にまわらないでほしいと思います」といいます。高濱さんによると、「不思議なことに、外見の服のセンスは、その家の文化が母娘間で伝承することが多いように感じます。身なりに興味がないママは、娘がオシャレをしはじめると、得てして非難したりしますが、それは確実にコンプレックスを植え付けることになります」。「娘さんの魅力をぜひ口に出してほめてほしいあげてください」(高濱さん)。「あなたは目がいいよね」「髪の毛がサラサラですてき」というように。どんな子にも魅力的なところがあるはずですから! いかがでしたでしょうか? 高濱さんが教育現場での20年を経て、ご自身の目で見て実感していることをお伝えいただきました。「『そうそう』もしくは、『そうかなぁ?』と、いろんな感想があるかと思います。この記事を書きながら、「女の子には、多くのプラスの言葉がけが大事なんだな」と感じました。筆者には、3人の男の子がいますが、日頃、「女の子のママたちは、まじめでがんばり屋の方が多いなぁ」と感じています。反対に言えば、プラスの言葉がけを意識していれば、少し抜けていても大丈夫なのかもしれません。女の子のママたちが少しでも肩の力を抜けるキッカケに本連載がなれたらうれしいです。ママがいきいきと日々を過ごすことこそが、子どもにとって何よりも人生の指針となることを信じて!【娘を愛され女子に育てるコツ】●「ママに愛されている」が自信になるお母さん・お父さんは、私のこと、大好きだもんね」という、愛されてきた自信は、絶対の自己肯定感を育んでくれる。●「他人のせいにするのは恥ずかしい」と思う矜持品のある女性たちの共通項は、愚痴と人の悪口は言わないこと。●素直な気持ちが伸びていく秘訣素直さを別の言葉でいうと、「世界に対する肯定的な見方を身につけていること」。幼少期には、ポジティブな言葉をまわりが言い続けていることが重要となる。●「漏れなく、きちんと」は最強の女の武器女性本来の性質としての「きちんと」を母娘間で継承していくと、社会に出てからも重宝される。●見た目で負けないように応援する幼児期から思春期にかけて、外見に関して、気持ちの面で負け組にまわらない。娘の魅力は口に出してほめる。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。<Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。
2017年11月30日「これからの時代、たとえ女の子であろうとも自力で『一生メシを食える』大人に育てる必要があります」。そう語るのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。将来、仕事を持ち、自分の力で生きていくためには、幼児期にどんな習慣を身につけさせる必要があるのでしょうか? 小学校3年生までに育てたい力について、高濱先生に伺いました。■休みの日も「遅起き」は許さない幼児期に身につけさせたい生活習慣とは、何なのでしょうか?「生活習慣の一番目の項目は、『早寝早起き』です。精神的な強さにつながる一歩目です。社会人だったら毎日、早起きし続けられる人は信頼できます」(高濱さん)「そんな当たり前のこと!?」そう拍子抜けした方も、いらっしゃるかもしれませんね。けれども、不登校やひきこもりの子たちも多く預かったことがある高濱さんにとって、ここは「まずお伝えしたい最初の要」なのだといいます。ネットやゲームなどで昼夜逆転の生活を送るようになると、子どもたちは、ちょっと頭が痛いとか、眠いとかで「今日、無理かも。学校を休もう」という発想をしてしまいがちになります。「幼少期において、親が気をつけるべきは、『休みのときくらい』という軽い気持ちで『遅起き』を許さないということです」(高濱さん)■女の子だって「休まない体力」が必要「私が知るかぎり、社会で活躍している女性で、休みが多い人は見たことがありません」(高濱さん)。体力といってもプロのアスリートのような最大級の体力ではなく、「基本的に休まない」という基礎体力のことです。さらに具体的に言うと、「脚力」が基礎となります。たとえば、東大生は意外と1500m走のタイムが良いとか。これは何につながるかというと、「粘り強さ」です。頭がいいといわれる人でも、基礎体力、粘り強さという意味での体力は必須項目なのです。とりわけ都会で育つ子は要注意! 「意識して、外遊び、体を動かす機会を設ける必要があります」(高濱さん)■いじめられても、女の子にも「なにくそ」根性を高濱さんは、「『なにくそ』と思える子を育てないといけない」といいます。働くうえでは、この精神的な力があるかないかで、任された仕事をやり遂げられるかが決まります。つらくても、そんな自分をコントロールできる力が必要なのです。「やってらんないわよ」と逃げ続けていても、何にもなりません。「試練や逆境などの『もめごと』経験が、どれほど子どもの『こやし』になるかを、私たち大人は考え直さなければなりません」(高濱さん)。つらい経験があり、それを克服した経験こそが、子どもが社会に巣立ったときに必要なのです。学校や近所でも、トラブルは日常茶飯事であり、それに対処していくことが、生きていくということです。「子どもには、いじめられないようにと教えるのではなく、いじめられてもはねのける精神力を身につけられるよう、支えたいものです。支えるという意味では、たくさんの成功体験で自己像を大きくしておくことが重要です」(高濱さん)。どんなにつらい状況に陥っても、「私は、大丈夫! がんばれる!」と思える子どもに育てることが、親にできる最大の“支え”なのかもしれませんね。■「遊び尽くす」で得られる達成感が自信につながる「『遊び尽くしたこと』と『がまんの経験をしたこと』。幼少期におけるこのふたつの経験が、『達成感の経験値』を上げます。」(高濱さん)まずは「遊び」について。熱中して「遊び尽くす」ことは、幼児期にこそできる貴重な体験です。「逆に言えば、没頭して熱中する経験は、幼児期では、『遊び』以外では絶対にないでしょう」(高濱さん)たとえば、積み木で「どの高さまで積もう?」と考えたなら、自分で何度も挑戦する時間が必要です。「自分で決めるから、やり遂げようと思うのです。ここに『遊びの原点』『情熱の原点』があります。『いつまでやっているの!』と怒られるくらい没頭するのが良いのです」(高濱さん)ただし、いわゆる電子ゲームはNGです。一方で、「がまんの経験」も、「達成感を得る経験」としては必須だと高濱さんはいいます。人生においては、何度も苦しいときがやってきます。そのときにがまんしてそれを自分の力で乗り越える経験が足りないと、人は折れやすくなってしまいます。「『あのときがんばって乗り越えられたから、いま、苦しくても、きっとこの先にはまた新しい世界があるんだろう』と思えることが重要です」(高濱さん)■「これだけは負けない」ものをひとつ持たせる「これは、親御さんにとって大きな課題です。子育ての中で、わが子に『これだけは負けない』と思えるものを、たったひとつでもいいので身につけさせてあげること。それができれば、子どもは自分の人生を活き活きと生きていけるでしょう」(高濱さん)得意技は中学・高校で変わっても大丈夫! そして、簡単なことで良いのです。マンガやイラストを描くのが上手、話が面白い、水泳が得意…。「クラスのなかで一番」というレベルで構いません。「足場があることが重要なのです。子ども同士の関係で『すごいね』と称賛される瞬間があることこそが重要なのです」(高濱さん) 親が幼少期にできることは、子どもが興味を持ったことを否定しないことです。もしかしたら、それは将来につながるダイヤモンドの原石かもしれないのだから。いかがでしたか? 子どもが男の子であっても、女の子であっても、子育ての基本方針として再度、確認したいことばかりだったのではないでしょうか。【小学校3年生までに育てたい5つの力】①休みのときも「早寝早起き」。「遅起き」は許さない。「早起き」ができない人は、社会人になっても、どこかで「つらい」「無理」と言い出す。②女の子だって「休まない体力」は必要女性だからといって仕事をしていれば甘えは許されない。「いざ」というときに乗り切る体力を。③女の子にも「なにくそ」根性を。この精神力があれば、任された仕事をやり遂げることができる。④「やったぁ!」の達成感が自信を生む遊び尽くすことで最後までやり遂げる経験を味わえる。⑤「ここだけは負けない」ものをひとつ身につけさせるそれができれば、自分の人生を活き活きと生きていける次回は、「娘を「愛され女子」に育てるためにママができること」です。女の子がすてきなパートナーと出会い、幸せな家庭を築くために必要な「魅力」について考えます。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年11月29日ママにとって、娘は同性。「だから、わかる!」という思い込みを、いったん横に置いておいて、「女の子という生き物」について知ってみませんか?「『娘にイライラしてしまう』というママは、すごく多いんです」とおっしゃるのは、花まる学習会代表の高濱正伸さん。娘に対して客観的な視点を持つことが、母娘関係の風穴になるかもしれません。前回、女の子の特徴として「ママがモデル(お手本)」と伺いました。引き続き、女子の特徴について、高濱先生に解説していただきましょう。■女の子はナンバーワンよりオンリーワン「男の子が群れの一番をめざす生き物であるのに比べて、女の子はだれかにとって自分がオンリーワンであれば満足する生き物なのだと思います」(高濱さん)。たとえば、花まる学習会のサマースクールという野外体験では、夕飯時や寝るときに、ホームシックになる子がいます。男子は、やせがまんで何とか乗り切るか、ポロポロ泣いて、疲れ果てたら眠る。一方、女の子は、同じホームシックになっても、そのおさまり方がまったく違うそう。「リーダーに『特別扱い』されると、あっという間に落ち着いてしまうのです」(高濱さん)【ママの接し方のコツ】女の子はお姫様扱いせよ!野外体験のホームシック対策で、高濱さんがよくするのは、「お姫様作戦」。まず、「ねぇ、星空を見に行かない?」と、ほかの子がいない空間に誘い出します。そして、「ほら見てごらん、星がきれいだね」「○○ちゃん、がんばれって、応援しているんだよ」とお姫様を扱うかのように言うと、あっという間に泣き止むのだそうです。「目の前の人が『自分の気持ちをくんでくれて』『自分のためだけに』何かをしてくれたら、女の子は、それで心が満たされるのです」(高濱さん)。お姉ちゃんが下の子に嫉妬していじわるをする…なんていうパターンでは、この「特別扱い」は効きそうですね。 ■女の子は「あなたのことを思っている」で納得する高濱さんが受け持っている教室で、先日、「作文が書けない」「絶対に書かない」と泣き叫ぶ小学校2年生のSちゃんという女の子がいました。キーっとヒステリックになり、廊下まで響き渡るほどの声で、意地になって泣いています。そんなときは、高濱さんの出番です。高濱さんは、こんなとき、慌てず「今日は勝負だな」と覚悟を決めて、徹底して時間をかけます。「女の子は『とことん心配してくれる』という、相手の熱い気持ちに反応するからです」(高濱さん)【ママの接し方のコツ】ヒステリーには感情で納得させよ「作文なんて書かない。もう帰る!」と泣きさけぶSちゃんに対して、高濱さんは静かに語りかけました。「Sの将来のことを考えたら、とてもこのままでは帰せない。「書かない」ということは簡単だけれど、この先、「もういやだな」と思うことはもっとたくさんある。それを全部「やりたくない」って逃げてしまったら、「Sさんはいつもすぐ諦めるから」って言われてしまうよ。先生、がんばり屋さんのSがそんなふうに言われちゃうのは我慢できないんだ」こんなふうに「いかにあなたのことを思っているのか」ということをラブコールのように伝えると、だんだん泣き止みはじめ、しばらくすると、Sちゃんはカリカリと作文を書き始めたそうです。男の子が「理屈で説得」すれば納得するのに比べて、女の子は「感情」で納得します。「『感情』が納得し、満足すれば、力を発揮し、目の前のことに取り組めるのが女の子です」。(高濱さん)■女の子は「いじわるして、いじわるされて」しぶとく育つ「女の子のいじめは小さな頃から精神的な圧迫合戦です」(高濱さん)。男の子は精神的な圧迫をかけるという発想もなければ、そんな考え方に触れることもないまま、一生を終えるのではないかと思います。基本的に、男の子はケンカ、女の子はイジメになりやすいようです。人生を語っている本には、みな一様に「人間は何がきついかというと、みんなに無視されることである」と書いてあります。学校へ行っても、グループのみんなに無視されるなど、自分が存在していないかのように振る舞われることほど、つらいものはないのです。女の子は、人にとって何が一番きついか、幼くして知っているから神経戦をしかけて、だれかを孤立させようとするのでしょう。【ママの接し方のコツ】いじわるされたら「生き抜く練習」と思え!「いじわるで しぶとく育つ 女かな」という句は、女の子独特の特性をまさに言いえています。女の子のいじめは、グループ内で順繰りに回ったりします。これは、男の子にはあまりありません。「次は私にいじめが回ってくるかも」と思いながら、同調圧力をかけあう女子たち。「これを小さいころから経験しているからこそ、社会人になってからも、ちょっとやそっとのことには負けず、本当にしぶとく生き抜けるのは女の子なのです」(高濱さん)。娘がいじわるをされているとなれば、ママとしては生きた心地がしません。でも、そんなとき、「しぶとく生き抜く練習をしている」と思えたら、ママの胆力につながるかもしれません。■女の子は「これ、かわいいね」で友だちができる男の子の判断基準が「おもしろい」「カッコいい」であることに対して、女の子の判断基準は、何歳になっても、「かわいい」「きれい」「わかる」だとか。「『共感そのもの』を食して生きているのが女の子、女性なのでしょう」(高濱さん)。男の高濱さんからすれば、「よくそんなことを共感できるな」と思うことを共感しあっていて、それこそが「女性ワールドなんだなぁ」と思っているそうです。【ママの接し方のコツ】ほめると仲良くなれる基本をマスターせよ高濱さんは小学校1年生の女の子から教えてもらった、あるひと言が忘れられません。それは、「あのね、『これ、かわいいね』とほめると、友達ができるんだよ」。ほとんど金言に近い言葉だったと高濱さんは感慨深げに言います。「女の子同士の仲良くなる基本が『見せて~』であり、『かわいい!』であり、『きれ~い!』であり、『わかるぅ~』なのでしょう」(高濱さん)。娘といえども、女同士。こんな「ミニ知識」をママが意識的に使えると、「いざ!」というときに威力を発揮するかもしれません。■女の子の「よい子でありたい」美学を理解する「女の子は、いわゆる『よい子』を演じようとします。「『しっかりとした美学』があり、『恥』という概念を獲得するのが早いのでしょう」(高濱さん)。男の子のように下品なことを言って笑いを取ろうとしたり、枠をはずしてみせたりすることはほとんどしません。「あの子は変だ」、「あの子は馬鹿だ」と思われるのがイヤなのです。だから、たとえば、「マルつけのときにこっそり間違いを消して書き直す子」「ほかの子の方が先に解けるとなると『やらない』と言い出す子」「間違っても『わかりません』とは言わない子」などが出てくるそうです。【ママの接し方のコツ】繰り返し問題意識を改善せよ親としては「たくさん間違うから頭がよくなるんだよ」「できなかったことをできるようにするのが勉強だよ」など繰り返し指導して意識改善をしていく必要があります。けれども、「恥をさらせる男の子に比べて、『よい子でありたい』という気持ちは、女の子特有だなぁと日々感じています」(高濱さん)。「「なんでかな よい子でいたい 私なの」という句は、まさに女の子の心情を表しています。「女の子は、そういう生き物なんだ」という気持ちの余裕を持てるといいですね。いかがでしたか? 高濱さんに「女の子という生き物」を解説してもらうと、「たしかに、それってあるなぁ」と、筆者自身もわが身を省みて思うことだらけでした。この知識は、娘との関係の上ではもちろん、ママ友、そして、自分自身と付き合う上で役に立ちそうです。【女の子ってこんな生き物】●女の子にとってママはモデル(お手本)娘の口調がママと同じになっている。●ナンバーワンよりオンリーワン目の前の人が『自分のために』何かしてくれたら心が満たされる。●感情で納得する女の子は「とことんまで心配してくれる」相手の熱い気持ちに反応する。●いじわるをする/いじめが神経戦いじわるな世界を生き抜いてきた分、女の子は社会人になってからも、しぶとく生き抜ける。●「かわいい」「きれい」「わかる」が基準「これ、かわいいね」で友達をつくっていくのが女の子。●「よい子」であろうとする「あの子は変、馬鹿だ」と思われるのが女の子はイヤ。次回は、「将来を生き抜くために、小3までに身につけたい5つの力」です。これからの時代、たとえ女の子であろうとも自力で『一生メシを食える』大人に育てるために必要なことについて伺います。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年11月28日「娘にイライラしてしまう」。「花まる学習会」代表の高濱正伸さんに寄せられる相談でもっとも多いのは、母と娘の関係性の悩みだそうです。そこには、もしかしたら同性同士だからこそ気がつかない落とし穴があるのかもしれません。そんな「イライラしてしまうママたちに聞いて欲しい話がある」と高濱さんはおっしゃいます。女の子とは一体どんな生き物なのでしょう? ママたちも知っているようで知らなかった女の子の特徴と、小学校3年生までの「女の子」の育て方についてお話を伺いました。高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。■娘とうまくいっていない母の特徴とは?「自分とうまくいっていない娘のことを話すママは、一様に顔の相が悪いんです。ため息まじりに、はき捨てるように娘のことを話す様子は、息子のことを語るママにはまったくない特徴です」(高濱さん)。娘の方もわざわざ母親がイライラするようなことを言うのです。たとえば、「お母さんだって、口だけじゃん」「その服、似合わないね」「買い物、失敗したんじゃない」いったいなぜ、こんな関係になってしまうのでしょうか?●ママも知らない!? 「女の子という生き物」自分と同性である娘は、ママにとって「自分と同じ」だから「わかる」と思いがち。でも、その思い込み、距離感こそが、問題なのかもしれません。まずは、高濱さんに「女の子とは、こんな生き物だ!」ということを教えてもらいます。娘を少し客観的に見ることで、母子の関係性の「風通し」が良くなることでしょう。また、ママの中の「女の子」を客観視することで、ママ自身を知ることにも繋がるのではないでしょうか? ■女の子にとって母は「お手本」「男の子にとって、母は『女神』であり、その愛が自信の源であるのに比べて、女の子にとっての母は『モデル(お手本)だなぁ』とつくづく思います」(高濱さん)ある朝のこと。高濱さんは家の近くで小学校へ向かう、登校班を見かけました。班長は女の子だったのですが、ふざけて歩いている男の子に向かって口をすっぱくして言っていたのが、このセリフ。「何回言えばわかるの?」「白線をはみださないでって、言っているでしょ!」まるで、その子のお母さんのような口ぶり。「きっとこの子のママも、まったく同じ言い方をするのだろうなぁと思いました」(高濱さん) 娘の口調が、「怒っているときの自分」にそっくりでヒヤっとしたこと、ありませんか? それこそが、女の子にとってママが「モデル=お手本」という証明なのだと思います。■母の時代とは異なる「いい男」観「いくらとり繕おうとしても、わが子の前では隠せません。子育ての場面では、ママのいままでの人生観がすべて出てしまうのです」(高濱さん)娘にとって、ママが「モデル=お手本」だと言われてしまうと、相当プレッシャーですよね。さらに、時代が激変しているいま、ママ世代の価値観だけで娘を育てていて本当に大丈夫なのかな? という不安もあるでしょう。たとえば大きな流れとして、今後は当然のように、女性も一生仕事を続ける時代がやってきます。産休後の仕事復帰タイミングも、どんどん早まっていくかもしれません。また、「いい男」観もどんどん変化しています。ママたちの時代は、「いい男=経済力のある男」でしたが、これからの女性が男性に求めているのは、経済力だけでない+αの「思いやり」「共感力」「会話力」…。「この連載を通じて、どんな潮流にもわが子が対応できるように『一生メシが食える』かつ『いいパートナーを見つけられる』女性に育てる方法を考えてみましょう」(高濱さん)次回は、「女の子特有の『いじわる』。娘がされたら、ママはどうすればいい?」です。■今回のお話を伺った高濱正伸さんのご著書 『お母さんのための『女の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)●こちらもあわせてどうぞ! 『お母さんのための『男の子』の育て方』 (高濱正伸著/実務教育出版 ¥1,300(税別)高濱正伸さん花まる学習会代表・NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長・算数オリンピック委員会理事。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。ロングセラー『伸び続ける子が育つお母さんの習慣』ほか、『小3までに育てたい算数脳』『わが子を「メシが食える大人」に育てる』『算数脳パズルなぞぺー』など、著書多数。花まる学習会公式サイト: <Google Play Awards 2017>のKids部門ファイナリストに選出された思考センス育成教材アプリ「Think!Think!」(iOS/Android対応/無料)「Think!Think!」は、空間認識・平面図形などの問題をとおして、思考センスを育む教材アプリです。子どものヤル気スイッチ! をONにする「わかった!」という成功体験を引き出すゲームが満載。開発したのは、世界算数・算数オリンピックの問題作成を行う東大卒問題作成チーム、「花まる学習会」のグループ会社「花まるラボ」です。Think!Think!とは:
2017年11月27日アメブロで大人気のブログ「脅える?子育て日記」。園田花ヨウさんが描く、長男平太郎(へいたろう)君と、次男九二郎(きゅうじろう)君との日々をつづったコミックエッセイをウーマンエキサイトでご紹介!今回は、長男平太郎君が3歳2~3ヶ月頃の“オナラ”についてのエピソードをご紹介します。3人でちょっとまったり遊んでいた時に、平太郎が急に「オナラ」を見つけたと言い出しました。 たぶん空想というか妄想を語りだしたのだとは思いますが、オナラが出てきた時点で、まさか最後に、 こんなに美しい話になるとは…。 と驚きました。 (オナラ…ちょうちょになれて、なんかよかったね)
2017年10月23日「みんな#保育園に入りたい~子育て・キャリア・待機児童…このモヤモヤを解決しよう」が、10月4日(水)に衆議院第1議員会館地下1階 大会議室で開催されます。昨年2月に「保育園落ちた日本死ね」で注目された待機児童問題。9月に厚生労働省が発表した数字によると、2017年4月の待機児童数は2万6081人で、前年から2528人増加し3年連続で増え続けています。そこで、待機児童問題を本気で解決したいと考える現役子育て世代の有志グループ「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」が、10月4日(水)に保育園に入りたいと思う親たちと有識者を集めて、問題を考えるイベントを開催。政府へ待機児童対策予算アップを求めるアクションも開始します。20年以上当事者たちが苦しんで来たこの問題を、そろそろ解決したい。そう思った現役子育て世代が集まり、当事者と経験者をつなぎ、悩みを共有。有識者のパネルディスカッションで理解を深めます。また、ウーマンエキサイトが展開している「WEラブ赤ちゃんプロジェクト」を応援してくれているこのイベント。当日は参加者に「WEラブ赤ちゃん-泣いてもいいよ!」ステッカーが配布されます。※数に限りがあります。■イベント概要開催日時:10月4 日(水) 11時30分受付開始、11時45分講演開始、15時00分終了予定開催場所:衆議院第1議員会館地下1階 大会議室参加費:資料代 500円★第一部:パネルディスカッション・ファシリテーター:ジャーナリスト 治部 れんげ氏・ゲスト:世田谷区長 保坂 展人氏・ゲスト:甲南大学マネジメント創造学部教授 前田 正子氏3人のゲストを招いて、みんなで子どもを育てていく社会の実現に向けて、現在の待機児童問題や子育て、働き方などについて語っていただきます。★第二部:ワークショップイベントに集まった皆さんで、グループになり、ワークショップを行います。待機児童問題や仕事と育児の両立のヒントなど、日々生きていく上での知恵を探ります。夫婦間での家事育児分担についてのトークには、厚生労働省認定「イクメンの星」も加わります。イベントFacebookページ Change.org キャンペーンページ希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会では、子ども子育て予算にプラス 1.4 兆円追加して、待機児童を解消できるよう、賛同者を募っています。
2017年10月02日子どもからの「赤ちゃんはどこから来るの?」という質問、ママならきっと聞かれることでしょう。小さい子に本当のことをいってもわからないし、かといって「大人になればわかる」という回答では満足しない…かなりの難問です。先輩ママたちはどのように答えてえたのか、聞いてみました。■子どもにとっては衝撃的!? 「帝王切開のエピソード」出産方法は大きく分けて2つ。産道を通る「普通分娩」と下腹部を切って赤ちゃんを取り出す「帝王切開」。普通分娩の説明は難しいけれど、帝王切開のほうは事実を伝えるだけなので意外と楽なのだとか。「帝王切開だったので、正直に『ママのお腹を切ってあなたを取り出した』と答えました。『ママは痛くなかったの?』『赤ちゃんも切れちゃうんじゃないの?』などと質問攻めにあいますが、それほど衝撃的のようで、なぜお腹の中にいたのかはどうでもよくなるようです」(42歳・小学6年生のママ)「お腹を切ると赤ちゃんが出てきた。そういうと、想像できないほどびっくりします。うちの子は茫然としていましたが、姪っ子は泣き出してしまいました。それ以来、赤ちゃんがどこから来るのかという話題は親戚中で話されなくなりました。当時は帝王切開が嫌だったけど、こんなところで役に立つとは!」(29歳・小学2年生のママ)「うちの子が小さいときには、ギター侍がはやっていました。テレビを見ながら『ママも切腹して子どもを産んだんだよ』というと、ゲラゲラ笑いだしたんです。歌いながら産んだと勘違いしていたみたいだけど、大人になれば本当のことがわかるし、とくに指摘しませんでした」(50歳・大学生のママ)大人になった今でも、お腹を切るということは少なからず衝撃があります。それが子どもならなおさら。嘘はついていないけど、子どもからの質問攻めから逃れられるという点では、いい方法かもしれません。ただ、トラウマにならないようにフォローをお忘れなく!■コウノトリ、キャベツ畑… 「ファンタジーすぎる話はNG」よく、「子どもはコウノトリが運んでくる」「キャベツ畑にいた」なんて話がありますが、現実離れしているので避けるママが多いようです。真実は語らず、オブラートに包んで説明するのだそう。「パパとママが神さまにお願いしたら、あなたが生まれてきたんだよ、といいました。なかなか子どもができなかったので実際にお参りに行ったこともあるし、嘘ではないですよね」(40歳・3歳児のママ)「パパとママが愛し合って、もっと仲良くなると子どもができるといいました。詳しい内容はさておき、そういう感情がないとなかなか子作りに至らないと思うので…」(39歳・5歳児のママ)「まずは大人にならないと子どもができないと説明し、そのうえで、本当に好きな人と出会ったときにその愛の証拠として子どもができると話しました」(41歳・小学4年生のママ)「まだ子どもが小さいから聞かれることはないけど、私は両親に『橋の下で拾った』といわれてショックだったので、嘘くさい話はしたくないです」(33歳・1歳児のママ)子どもができるには、パパとママが仲良しであることが条件。さらに、大人にならないとできない。子どもには、このくらいの説明でもいいのかもしれませんね。■子どもの豊かな発想が炸裂! 「自分で考えさせる」あえて答えを出さずに、考えさせるというママも見られました。「聞かれたら、『あなたはどう思う?』と逆に質問します。いろいろと考えているうちにどうでもよくなるみたいですが、自分で考えるというきっかけになるし、ユニークな意見も出てきておもしろいです。上の子は『空から降ってくる』といいましたが、下の子は『桃の木になる』といいました。なぜ桃の木かといえば、自分が桃を好きだからですって」(39歳・小学3年生&5歳児のママ)「生々しい話は避けますが、パパとママの卵のもとが、ママのお腹で合体すると答えました。その卵はどこからできるのか、どうやってお腹で合体するかは、子どもに考えてもらいます。『パパはわからないけど、ママの卵はスーパーの特売で買ってきた』といわれたときにはドキッとしましたが…」(48歳・高校生のママ)子どもにも考えてもらえば、発想力や調べるきっかけを作れそうですね。トンデモ回答がとびだしても否定せず、「そうだったらいいね」などと考えることの楽しさを教えてあげましょう。海外では幼稚園のころから性教育が始まるケースもあり、真実を知る年齢に正解はありません。しかし、現在の日本では、幼児期に知る必要はないと考える人が多いものです。こうした質問をきっかけに、親としてもいつごろから性教育をするべきか考えることが必要かもしれませんね。
2017年10月01日児童福祉法とは出典 : 児童福祉法とは、児童福祉を保障するためにあらゆる児童がもつべき権利や支援が定められた法律です。初めて児童福祉法が制定されたのは、戦後間もない1947年です。 戦争により親を亡くした戦争孤児たちは家もなく、路上での生活を余儀なくされていました。そんな社会背景から、子どもの健やかな成長と最低限度の生活を保障するために、児童福祉法が制定されたのです。それから半世紀以上が経過し、子どもたちのよりよい暮らしの実現に向けた改正が行われてきました。子育てに関する支援の中には、児童福祉法によって定められているものもあります。また、障害児の福祉サービスや基本的な考え方などを定めているので、お子さんの発達が気になる保護者の方々や、発達支援・障害福祉に携わる方々にとっても重要な法律です。今回は、児童福祉法とはどんな法律なのか、わかりやすく解説します。参考:厚生省児童局『日本における児童福祉の概況』児童福祉法の構成出典 : 法律は、総則・実体的規定・雑則・罰則の4つで構成されています。児童福祉法は8章あり、そのうち第一章が総則、第二章から第六章が実体的規定、第七章が雑則、第八章が罰則です。それらの8つの章により、児童福祉の大まかな枠組みが定められています。まずは簡単にそれぞれの章でどのようなことが定められているのかをご紹介します。総則とは、児童福祉法全体に共通する規定のことを指します。たとえば、国や地方自治体が保護者と共に児童の生活を守り、健やかな成長に対する責任があることが述べられています。児童の福祉を保障する上で、重視されている児童相談所の役割も定義があります。他にも、都道府県の児童福祉を保障するための児童福祉審議会の役割についても触れられています。さらに、児童の定義や児童に関する福祉施設や資格に対する規則も定められています。資格の中には、保育園で働くために必要になる保育士、児童相談所に配置される児童福祉司、市町村に配置される児童委員の3つの資格が規定されています。この章では、小児慢性特定疾病児童や身体に障害のある児童への療育の実施などについて記載されています。たとえば、小児慢性特定疾病医療費の支給であれば、その該当児童の保護者が都道府県が定める医師に診断書と共に都道府県に申請することが明記されています。このように、支援をだれが行うのか、何が必要なのか、などといった全体像が提示されています。詳しくは、後の「児童福祉法によって定められている支援とは」でご紹介します。章のタイトルにある「事業」には、放課後等デイサービスなどの障害児通所支援事業や保育園などの保育事業に代表されるような児童福祉に関連する事業が含まれています。これらの事業は、地方自治体が中心となっているため、自治体がその事業を行う権利を認めている規定が多くなっています。加えて、「養育里親」についても、詳しくまとめられています。里親制度は、家庭での養育が困難又は受けられなくなった子ども等に、温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境の下での養育を提供する制度です。家庭での生活を通じて、子どもが成長する上で極めて重要な特定の大人との愛着関係の中で養育を行うことにより、子どもの健全な育成を図る有意義な制度です。この章では、それぞれの支援や事業の運営の予算をどこからだすのかを定めています。大きく分けて予算の出所は3つです。国、都道府県、市町村にわかれています。国の予算から都道府県、市町村の費用を負担している場合もあります。限られた予算でより良い児童福祉を実現するために細かく負担者が決められています。日本では、国民は何らかの健康保険に加入することが義務付けられています。保険に対してお金を支払っている以上、その保険は加入者にとって公平公正でなければなりません。国民健康保険団体連合会は、国民健康保険を通して社会保障を向上させるための法人として各都道府県に設置されています。児童福祉法の中では、この国民健康保険団体連合会が障害児通所や障害児相談支援などの支払に関する業務を行うことが定められています。参考:神奈川県国民健康保険団体連合会ー国民健康保険団体連合会とは?参考:国民健康保険法審査請求とは、行政による決定に対して不服がある場合に、再度その決定が適切であるかどうかを再審査する手続きのことを指します。児童福祉法では、市町村の障害児に関する給付費に不服がある場合に、保護者が審査請求を行う権利を明記しています。参考:総務省ー1.「行政不服審査制度」とは?第六章までに明記されてきた内容に関する細かい規則が定められています。総則ほどは重要ではない部分でも、児童福祉を保障する上で必要になる規定がここにまとめられています。児童福祉法で制限されている規定や禁止されている行為などを行った場合の処罰がまとめられているのがこの罰則です。児童福祉法によって定められている支援とは出典 : ここでは、児童福祉法によってどのような支援が定められているのかをご紹介します。おもに第二章「福祉の保障」と第三章「事業、養育里親及び施設」に規定されている、給付金や支援事業となります。児童福祉法では、児童の健やかな成長のために放課後児童健全育成事業なども定められており、地域での居場所つくりにも役立っています。子育て支援に関する事業を児童福祉法では「児童自立生活援助事業」と呼んでいます。その中には11個の事業が含まれており、子育ての中での困りごとに対する支援が行われています。今回は児童福祉法に記されている支援のなかから、特に障害児や小児慢性疾病などのサポートや子育てにおいて必要不可欠な支援をまとめました。・養育にまつわる事業児童福祉法では、保護者が何らかの理由で日常的な養育や保育が行えない場合に「子育て短期支援事業」や「一時預かり事業」として一時的な施設などでの保護を行う事業を定めています。自治体によってはショートステイと呼ばれることもあります。ほかにも「乳児家庭全戸訪問事業」は原則として、すべての乳児がいる家庭に訪問することで、保護者が悩みを相談することや、乳児の養育環境が適切かどうかを確かめる事業だと定められています。この事業によって、さらに支援が必要だとされた保護者向けに「養育支援訪問事業」があります。また、保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童がみつかった場合には、「小規模住居型児童養育事業」により保護環境を届けることと定めています。・保育にまつわる事業乳児や幼児を対象にした「一時預かり事業」のほかにも、困りごとや特性に合わせていくつかの保育事業が規定されています。自分の家庭に保育士を呼び、面倒を見てもらうことを認める「居宅訪問型保育事業」や、保育園の中でもさまざまな理由から少人数での保育を提供する「小規模保育事業」があります。保育が必要な場所や理由もさまざまなために、保育士の家で保育を行う「居宅訪問型保育事業」や勤務先での保育を可能にする「事業所内保育事業」、病気に対するケアが充実している「病児保育事業」が規定されています。できるだけニーズに合わせた子育てを実現するために、多様な保育支援が用意されているのです。しかしながら、現状では整備しきれていない制度もあるため、決められた制度の中でどのような支援を行っていくのかは難しく課題でもあります。それらの支援に対する悩みなどを共有する場として、「地域子育て支援拠点事業」を児童福祉法では規定しています。乳児又は幼児をもつ保護者が相互の交流を行う場を用意し、子育てについての相談、情報の提供、助言その他の援助を行う事業になっています。悩みを抱え込まずに相談できる支援も、子育ての支援事業の中で保育と同じぐらい必要な支援として位置付けられています。児童福祉法では、虐待が見つかった場合の措置や、虐待を受けていた児童に対する支援を規定しています。虐待に関する基準などは下記の記事をご覧ください。また、虐待を受けた児童を保護する里親に関する規定も児童福祉法が規定しています。この虐待に関する支援や、措置に関しては平成28年度に改正が加えられました。この改正に関しては「児童福祉法の改正について」の章にまとめています。ここで紹介する事業は、施設に通うか、入所するかの障害児通所・入所支援とそれらの支援に対する給付金に関する事業の3種類です。・障害児通所支援事業障害児通所支援事業については以下の記事にまとめられています。法律の中では、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス及び保育所等訪問支援が障害児通所支援であると明記されています。4つの支援についてそれぞれ簡単に紹介します。・児童発達支援障害のある未就学(~6歳)の児童が通う。生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他の便宜を供与する。・医療型児童発達支援(医療型児童発達支援センター)上肢、下肢又は体幹の機能の障害(肢体不自由)のある児童が通う。児童発達支援及び治療を行う。・放課後デイサービス6~18歳の就学児童(※場合によって20歳まで)が通います。授業の終了後や学校が休みの日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進などを目的とした多様なプログラムを設けています。・保育所等訪問支援専門知識を持つ児童指導員や保育士、理学療法士などが、障害のある児童が通う保育園・幼稚園を訪問します。障害のある子どもや保育園・幼稚園のスタッフに対し、集団生活に適応するための支援や支援方法の指導を行います。・障害児入所支援何らかの施設に入所して、支援や治療を受けることを障害児入所支援と呼びます。施設の利用に関しては、児童相談所が主に相談することが多いといいます。医療機関からの紹介や、身体的なリハビリなどを行うなど目的や理由もさまざまです。児童福祉法の中で、定義されている児童福祉施設に関しては、後ほどご紹介します。・障害児通所/入所給付費などの支給障害児通所給付費あるいは障害児入所給付費として国と自治体から利用料の9割が給付されることにより、自己負担1割でサービスが受けられるように定められています。詳しくは下記の記事をご覧ください。・小児慢性特定疾病医療費の支給特定の医療機関からの診断によって、医療費を支給することが厚生労働省によって定められています。詳しくは以下の記事をご覧ください。・小児慢性特定疾病児童等自立支援事業この事業では、小児慢性特定疾病児童をはじめ保護者や関係者に対する相談事業を行っています。具体的には、療育相談指導 、巡回相談、ピアカウンセリング 等などの支援が含まれています。上記の記事の中に、相談事業についてのまとめも掲載しています。そちらもご参考ください。参考:厚生労働省ー小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の取組状況について・結核にかかった児童に対する支援児童福祉法では、結核にかかった児童のために療養とあわせて学習支援を行う制度を定めています。療育の給付と呼ばれており、この中には学習面はもちろん生活必需品の支給など物品面でのサポートも定められています。児童福祉法によって定められている児童相談所とは出典 : 児童相談所とは子どもに関するあらゆる問題の解決のために設置される専門的な相談機関です。児童相談所には、スタッフとして児童福祉司(ソーシャルワーカー)、児童心理司、医師などの専門家から構成され、すべての都道府県と政令指定都市に設置されています。詳しくは下記の厚生労働省ページから各自治体の設置情報をご覧ください。児童相談所は、18歳未満の子どもに関することであれば、本人・家族・学校の先生・地域の住民等、どんな立場からでも相談することができます。相談することで、周辺の機関との連携によって必要な援助を行っていきます。相談される内容は、親の事情や子どもの問題行動等による子育ての悩み、障害児福祉、虐待の対応などの問題などが主になっています。それらの問に対して、専門家による助言や治療の補助、さまざまな手当ての案内などの支援を行います。いきなり学校や病院に相談することは気が引けるが自分だけでは解決が難しい時、誰かに相談に乗ってほしい時には、児童相談所に相談してみることをお勧めします。参考:全国児童相談所一覧|厚生労働省児童福祉法によって定められている児童福祉施設とは出典 : 今回は、児童福祉施設を3種類にわけてご紹介します。・保育所幼保連携型認定こども園幼稚園と保育園の両方の機能を持った施設です。就学前の児童に対する教育から、0歳からの保育を行うことができます。詳しくは以下の内閣府ページをご覧ください。Upload By 発達障害のキホン内閣府ー認定こども園とは・助産施設主に産科病院や助産所が「助産施設」と認定されている場合が多いです。経済的な理由により、入院などが難しい場合、妊産婦から申込みがあったとき助産施設は助産を行わなければならない、と規定されています。・乳児院何らかの理由で保護者の養育を受けられない乳幼児を養育する施設です。一般的な養育だけではなく、被虐待児・病児・障害児などに対応できる専門的養育機能を持っている場合もあります。・母子生活支援施設何らかの理由で一般的な生活を送ることが困難になった母親と児童がともに入所して生活を送ることができる施設になります。施設では、利用者の安定した生活のための相談や援助を行っており、自立した生活を目指しサポートを行っています。・児童厚生施設児童館や児童センターなどの施設を児童厚生施設と呼びます。児童が安全に遊べる場所であり、発育には欠かせない大切な機能を持っている施設です。・児童養護施設児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童などの養護を目的とした施設です。退所した児童に対しては相談を行うことや、自立のための援助も行っています。・児童自立支援施設及び児童家庭支援センター児童に関係する人からの相談に応じ、必要なサポートの提案を行う施設です。また、児童相談所など実際の支援につながる機関への紹介を行っています。この施設は、児童相談所の機能をサポートするために児童福祉施設等に設置されていることもあります。児童福祉法で定められる、障害のある児童の支援に関する施設出典 : ・障害児入所施設障害のある児童を対象に、医療や保護などを行う入所施設です。障害種別ごとに作られていた入所施設が障害者総合支援法の改正に合わせて一元化されました。・情緒障害児短期治療施設(児童心理治療施設に改名予定)軽度の情緒障害を有する児童を対象にした施設です。情緒障害とは、精神的なコントロールが難しく生活に困難が生じることを指します。この施設に短期間、入所もしくは通所することで、その情緒障害を改善することを目的としています。さらに、自閉症や発達障害の児童も利用可能なため、治療を受けることができます。・児童発達支援センター障害のある児童に対しての療育や、相談事業を行っています。詳しくは下記の記事をご参照ください。参考:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準児童福祉法の改正について出典 : 平成28年度に児童福祉法が改正されました。児童によりよい発育を届けるために、法律も社会背景にあわせて改正が行われているのです。今回の改正で主に着目されたのは以下の4つです。今回の改正により、すべての児童が適切な療育をうけることが改めて強調される形に改正されました。また、都道府県・市町村の役割と責任も再整理され、より児童の養育環境が地域単位で充実するように改善が行われました。母子家庭に対する母子健康包括支援センターの設置を市町村に命じたり、虐待を起こさないための改正が行われました。虐待に関する情報を市町村にどのように共有するかという課題を改善するための取り組みが行われています。自治体単位での児童相談所の増設や、児童福祉司などの専門的な職員の増員が決まりました。そもそも虐待に関する業務を行う人員を増加する流れもあるといえるかもしれません。里親に引き取られた児童の自立支援の充実を目的としています。それに合わせて里親の認定を推進していくことも児童相談所の業務として位置付けることで、援助の充実につながる改正となっています。参考:厚生労働省ー児童福祉法等の一部を改正する法律案の概要まとめ出典 : 子どもの健やかな成長のためには、保護者の養育はもちろん地域単位での支援が必要不可欠です。児童福祉法では、児童と保護者の支援をもとに、地域社会に対する責任や支援内容も規定しています。これからも児童のために法律が改正されることでしょう。市民の声が法律に反映されていることも少なくありません。児童福祉法で新たな支援が決まることで社会に与える影響はとても大きいのです。どこまで児童福祉法の支援が影響を与えるかは人それぞれ異なりますが、子どものためにはなくてはならない法律なのです。さまざまな支援がある中で、どのような支援を利用するのかを知ることや、地域での取り組みを知ることでこれまでとは違った子育ての方法が見えてくるかもしれません。児童福祉法の理念を知れば、保護者の皆さんがわが子を大事に思うように、社会全体で児童という存在がいかに大切な存在なのかに気づかせてくれるはずです。
2017年09月30日公認心理士法が施行されました!出典 : 年9月15日 公認心理師法が施行され、心理職初の国家資格「公認心理師」が誕生しました!これまで日本国内の心理職は「臨床心理士」という民間資格が信用度の高い心理職の資格とされてきました。新たに生まれた公認心理師は、広い領域で働くことのできる汎用性の高い資格となることが予想されます。公認心理師 |厚生労働省大学で公認心理師となるために必要な科目や、国家試験の方法について記された「公認心理師法施行規則」も公開されています。公認心理師法施行規則公認心理師についての詳細は、下記のコラムを参考にしてください。現在、自ら命を絶ってしまう人が年間約2万人もいる社会において、医療・保健の分野だけでなく職場や学校教育の現場でも、カウンセリングをはじめとする心のケアの重要性が高まっています。そのような中で、国家資格である「公認心理師」の誕生は多くの人が待望していた資格といえるでしょう。今後の動向に、注目してゆきたいと思います。
2017年09月15日アメブロで大人気のブログ「脅える?子育て日記」。園田花ヨウさんが描く、長男平太郎(へいたろう)君と、次男九二郎(きゅうじろう)君との日々をつづったコミックエッセイをウーマンエキサイトでご紹介!今回は、(長男)平太郎君3歳半と(次男)九二郎君1歳4ヶ月がなかなか寝てくれない時の、二人の動きをご紹介します。■なかなか寝ない3歳児と1歳児の動き12選!最初は九二郎に注意しますが私が声を出し続けると寝ない事に拍車がかかるので一通り注意したら母は寝たふりに入ります。…それではここから寝ない幼児二人の動きをご覧ください。実際は一つ一つの動きが長かったり短かったり他にも色んな動きがあったりします。 息子たちを見ていると面白いのは面白いです(正直に…) しかし明日早く起きれなかったりするので 「早く寝てほしい…!」という気持ちでいっぱいなのです。<園田・花・ヨウさんプロフィール>長男平太郎(へいたろう)君と、次男九二郎(きゅうじろう)君との日々をつづったコミックエッセイをアメブロにて執筆中!「脅える? 子育て日記」
2017年09月13日アメブロで大人気のブログ「脅える?子育て日記」。園田花ヨウさんが描く、長男平太郎(へいたろう)君と、次男九二郎(きゅうじろう)君との日々をつづったコミックエッセイをウーマンエキサイトでご紹介!九二郎君が1歳のときの、好きな動作の話をご紹介します。■押したいボタン絶対押してはいけないであろうボタンを押そうとしたのでかなり狼狽しました。 ボタンと見ればだいたい何でも押したがる時期のようです。 信号の押しボタンは毎日おなじ道を通っていたら場所を覚えたようで、離れた場所からでも押したいポーズをとりますし、バスのボタンも発見すると押したがります。 スーパーでの一件では、ちょうど手を伸ばした位置にズボンの後ろポケットのボタンがあったようです。(その時は私の近くにいた平太郎の動向をチェックしていて発見がギリギリに…) 間に合ってよかった…。(あっぶなかった…) (気をつけよう)<園田・花・ヨウさんプロフィール>長男平太郎(へいたろう)君と、次男九二郎(きゅうじろう)君との日々をつづったコミックエッセイをアメブロにて執筆中!「脅える? 子育て日記」
2017年09月06日公認心理師とは?出典 : 公認心理師とは、心理職の国家資格です。これまで心理職の資格は、臨床心理士を始めとする各種民間資格のみでした。そのため近年、心理学系の国家資格をつくろうとする動きがありました。その結果、公認心理師法という法律が2015年9月9日に成立して、9月16日に公布されました。公認心理師法は、公認心理師という国家資格を定めるとともに、国民の心の健康を増進させていくことを目的にした法律です。厚生労働省によれば、2017年9月15日までに施行される予定になっています。また、第1回国家試験は、2018年に実施する予定と発表されています。<厚生労働省引用>公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供国家資格としての「公認心理師」誕生の背景出典 : 国家資格は民間資格とは違って、国が認めた資格であるという信用度があること、法律や制度に組み込むことができるという利点があります。現在、自ら命を絶ってしまう人が年間約2万人もいる社会において、医療・保健の分野だけでなく職場や学校教育の現場においても、鬱状態等に悩む方や発達障害の子どもに対するカウンセリングが必要とされ、司法の分野でも被害者や犯罪者に対し、あるいは自然災害の被災者などに対して心のケアの重要性が高まっています。そのような中で、「数多くある民間資格のどの資格者に依頼すべきかわからない」といった声にこたえるためにも、幅広い年代や状況に対応でき、国家資格である「公認心理師」の誕生は多くの人が待望していた資格といえます。また、公認心理師は、名称独占資格(その資格保持者でなければ、その名称を名乗ったり、紛らわしい名称を用いてはいけない)です。例えば「特定公認心理師」といった一般の資格を作ったり、肩書きを名乗ったりすることで、公認心理師資格を持っているかのような、間違った認識をさせてしまうことを防ぎ、禁止しています。しかし、医師や弁護士のような業務独占資格ではないため、公認心理師の資格所有者でなくても心理職の行うアセスメント、カウンセリングなどを行うことは許されています。公認心理師の「師」が「士」でないのは、名称独占によって既存にある臨床心理士などの民間資格が廃止せざるを得なくなってしまうのを避けるためです。参考:浅井伸彦「あたらしいこころの国家資格「公認心理師」になるには’16~’17年版出典:厚生労働省「平成28年中における自殺の内訳」公認心理師の仕事と活躍の場出典 : 公認心理師の仕事は、公認心理師法では以下の4つが挙げられています。1.心理査定(アセスメント)2.心理面接(カウンセリング)3.関係者への面接4.心の健康に関する教育・情報提供活動1.2に関しては、公認心理師も民間資格である臨床心理士も同じですが、2つの資格についての違いはこの記事の後半「公認心理師と臨床心理士の違いは?」の章でご説明いたします。では、公認心理師が具体的にどのような仕事をするのかをみていきましょう。1.心理査定(アセスメント)心理査定とは、カウンセリングを行う際の、もしくは医師による診察が行われる際のアセスメントです。初対面の際の印象から面接時の表情、態度、話し方、初回面接の内容などから読み取れる情報、心理査定など、広く含めたクライエント(=カウンセリングや福祉での相談者)/患者に対する見立てのすべてを指します。その中でも心理検査がアセスメントの補助として使われることがよくあります。代表的な心理検査は、ロールシャッハ・テスト、バウムテスト、HTPテスト、風景構成法、YG性格検査、MMPI、東大式エゴグラムなどがあります。2.心理面接(カウンセリング)心理面接とは、一般的にいわれる「カウンセリング」の意味です。自分のことや家族のこと、職場や学校での悩みなどを聞き取っていきます。これは医師と公認心理師が連携して数回にわけて行う場合もあります。3.関係者への面接公認心理師などのセラピストは、常に症状を持つ人やなにか問題を抱えている人と直接会えるわけではなく、時には不登校や引きこもりの子どもの両親、発達障害の子どもの保育士、問題行動を起こす生徒の担任など関係者としか会えないことがあります。そのようなときに役立つ代表的な心理療法として「家族療法」があります。家族療法は、人間関係の相互作用に着目し、相互作用の悪循環を切断して良い環境を作っていくなどをすることで”問題”とされていたことが再び起こらないように、変化することを進めていく心理療法です。必ずしも家族全員が来る必要はなく、また対象が家族でなくても2名以上の対人コミュニケーションが少しでも関わるところ(職場、地域、学校など)であれば使うことができます。4.心の健康に関する教育・情報提供活動心の健康に関する教育のことを、「心理教育」と呼びます。友達を作ったり、仲直りするスキルや、怒りの表現やストレス発散に関する知識など、普段学校では学べないようなスキルを教育という形で学ばせることで、社会的に適応できるよう導いていきます。また、地震や台風などの天災による緊急事態が発生した際にも、被害者の心理ケア等で公認心理師は求められていくでしょう。公認心理師は、医師ではないために「診断」することはできません。心理職はクライエント(=カウンセリングや福祉での相談者)から自身の成育歴や環境、生活、人格、症状などをよく聴き取り、どのような人なのか査定してから具体的な助言をしていきます。つまり、診断するのは医師の役割で、じっくり時間をかけてクライエントを全人的に看て理解するのが公認心理師の役割です。公認心理師の働く場は、ほとんどがこれまで臨床心理士が働いてきた領域と重なると考えられます。主に臨床心理士が活躍してきた領域は以下の6つがあります。・医療領域:病院、クリニックなど・教育領域:スクールカウンセラー、教育相談所など・産業領域:EAP(従業員支援プログラム)など・福祉領域:児童相談所、発達支援センター、療育施設など・司法領域:家庭裁判所、少年鑑別所など・私設相談領域:資格をもとにしたカウンセリングルームを独自に開業する公認心理師になるには?出典 : 公認心理師になるには、受験資格を満たし国家試験に合格する必要があります。実際の細かいカリキュラムなどについては、まだ決定してはいませんが、文部科学省・厚生労働省が取りまとめた「公認心理師カリキュラム等検討会」の平成29年5月31日に報告書をもとに、今後省令などによって定められていくと考えられます。そこで今回はこの報告書にもとづいてご紹介します。1.「公認心理師になるために必要な科目」を心理学関係の大学と大学院を出て修了する。2.大学で公認心理師になるために必要な科目を修めて卒業し、文部科学省令・厚生労働省令で定める施設で、規定の期間以上心理関係の仕事に従事する。3.1.2の条件と同等以上の知識・技能を有すると認められる。「公認心理師になるために必要な科目」は・大学での必要な科目合計25科目、実習80時間以上を実施・大学院での必要な科目合計10科目、実習450時間以上を実施となっています。科目などの詳細は以下の2ページ目をご参照ください。参考:厚生労働省「公認心理師のカリキュラム等検討会報告書の概要について」p2参考:厚生労働省「公認心理師のカリキュラム等検討会報告書」1.出題範囲・出題範囲として詳細な科目は定めずに、「公認心理師として具有すべき知識及び技能」について出題されます。2.試験の実施方法・全問マークシート方式・問題数は150~200 問程度・ケース問題を可能な限り多く出題・試験の実施時間は1問あたり1分(ケース問題は3分)を目安・公認心理師としての基本的姿勢を含めた基本的能力を主題とする問題と、それ以外の問題3.合格基準正答率60%程度以上4.試験実施時期・第1回は2018年12月までに実施・第2回以降の試験実施時期は今後検討・試験は年に1回の実施とする経過措置はいつの時点で、誰があてはまるの?出典 : これまで臨床心理士などの心理職を目指し、すでに大学や大学院に入学した人や、心理職の仕事をしている人は、新たに公認心理師資格を取得することはできるのでしょうか?「公認心理師法」は施行(2017年9月)までの間、受験資格の特例があります。これは、大学や大学院において、公認心理師の課程を設置して修了者を出すまでに年月を要することや、現任者として心理職についている者が資格を取得しやすくすることを考慮しています。学生や心理職に勤めている人のための3つの特例についてご紹介します。◇受験資格の特例1:施行前に、大学院を修了した場合施行日の時点で、臨床心理士の指定大学院を修了していることを指します。また、心理学関係以外の4年制大学を卒業している場合でも、2017年9月までに臨床心理士指定大学院に入学していれば、心理学関係の大学に新たに入学する必要はありません。臨床心理士の指定大学院は以下をご参照ください。参考:日本臨床心理士認定協会「指定大学院・専門職大学院一覧」◇受験資格特例2:施行前に、心理系の大学に入学した場合施行日の時点で大学の心理学部・心理学科に所属していて、「公認心理師になるために必要な科目」を大学で修め、その後公認心理師の大学院に入学・修了することを指します。◇受験資格特例3:施行前から、心理系の仕事に従事している場合施行日の時点において、大学を心理学部などで卒業し、一定期間の心理職に従事したことを指します。更に、以下の2つにあてはまる場合公認心理師試験を一部科目免除で受験することができます。・保健医療、福祉、教育関係で心理の仕事を5年以上していた場合・保健医療、福祉、教育関係で心理の仕事についていて、文部科学大臣及び厚生労働大臣が指定した講習会の課程を修了した場合参考:厚生労働省「公認心理師のカリキュラム等検討会報告書の概要について」p5.6公認心理師と臨床心理士は何が違うの?出典 : 簡単に2つの資格の違いを整理すると、・臨床心理士は民間資格で、公認心理師は国家資格・心理学系の大学への進学が必須か否か・アセスメントとカウンセリングの他の場面で、研究を行うか否か3つがあげられます。臨床心理士とは、臨床心理学を基礎とする臨床心理学の専門家としての民間資格です。そこで本章では、公認心理師資格との違いを受験資格と仕事内容の違いについて説明していきます。臨床心理士の受験資格は1.日本臨床心理士資格認定協会によって指定された大学院を修了している者(ただし、大学院によっては1年以上の心理臨床経験も必要になる場合があります)2.諸外国で上記と同等かそれ以上の教育をうけて、日本で2年以上の心理臨床経験がある者3.医師免許取得者で、取得後2年以上の心理臨床経験を有する者現状では、臨床心理士を目指す人が4年制大学を卒業したあとのルートはこのようになっています。Upload By 発達障害のキホンしかし特例として施行日までに、臨床心理士指定大学院を入学・修了した人は「公認心理師」の受験資格を取得できます。公認心理師法の施行後(9月15日までに施行)は、以下のように大学の進学先によって得られる受験資格がわかれていきます。公認心理師の受験資格を取得するには、以下の図の赤の矢印をたどっていく必要があります。Upload By 発達障害のキホンつまり、臨床心理士になるには指定大学院を修了する必要がありましたが、公認心理師はさらにその前段階の大学の学部にも指定があります。そのため、施行日の時点で心理系以外の学部に所属している場合、新たに心理学部・学科に再入学・編入または、通信課程のある大学で必要な必要な単位を修得する必要があります。臨床心理士の仕事内容は1.心理査定や、面接での査定(アセスメント)2.臨床心理学的な面接による援助(カウンセリング)3.地域のこころの健康を守るための地域援助4.査定や面接などを含めた心理臨床実践に関する研究や調査対して公認心理師の仕事内容は1.心理査定や、面接での査定(アセスメント)2.臨床心理学的な面接による援助(カウンセリング)3.関係者への面接4.心の健康に関する教育・情報提供活動とされています。一見すると、3.4に違いがありますが、公認心理師の仕事にある「関係者への面接」も心理面接に含まれることから、実質的にはほとんど仕事内容は同じと考えられます。唯一大きく異なるところとしては、臨床心理士の仕事の一領域としてあった、「研究」が公認心理師の仕事には含まれていないところです。これまでお伝えしたように、試験の内容や認定機関は異なりますが、国家資格を持っていると給与が上がったり、手当てがもらえたりする環境が整わない限り、実質的な違いはないと考えられます。また、元々臨床心理士等の業務を基準に、公認心理師の業務内容が作られてもいるので、業務範囲や活動の場に大きな違いはないといえるでしょう。現在、既に心理職に勤めている人や、臨床心理士を目指していた人の中には、新たに公認心理師資格をとるべきか悩んでいる人も多いと思います。仕事内容には大きな違いはなく、どちらの資格を持っていても活躍できる場はもちろん幅広くあります。ですが、中には公認心理師資格が必要とされるケースもでてくることが予想されます。まず、公認心理師が施行されてからは、以下の4つに分類されていくと考えられます。1.公認心理師資格のみを持つ人2.臨床心理士資格のみを持つ人3.公認心理師資格と臨床心理士資格の両方を持つ人4.いずれも持たない人もちろん、4つのどのパターンでも心理職を勤めることは可能ですが、この中で医療機関で働いている人、公的機関で働いている人、そのどちらかで働きたいと考えている人は気をつけなければならないことがあります。・医療機関で働く場合保険診療を行う医療機関では「保険診療の手引き」に従って保険点数のつく心理検査などを行います。これまでは国家資格がないために「臨床心理技術者」となっていますが、国家資格が施行された後は「公認心理師」と表記される可能性が高くなると考えられます。そうなると、臨床心理士では保険診療にて保険点数を得ることができず、医療機関は公認心理師資格を持つ人を雇わなければ、心理検査などの保険点数を算定できないことになります。・公的機関で働く場合決定事項ではありませんが、公的機関においても、国家資格という明確な基準ができることによって、公認心理師を持っていることが雇入れの要件となる可能性が高いのではないかと考えられます。スクールカウンセラーなど地方で心理職の人手が足りていない現状もあり、臨床心理士資格のみでも活躍できる場はたくさんあります。ですが、様々な可能性を考え、心理職として困っている人へよりよい支援を行うためにも、両方の資格を持っていて損するようなことはないといえるでしょう。公認心理師法の施行日時点で、すでに臨床心理士資格を持っている人の中には、特例措置に当てはまり、一部科目免除で公認心理師試験を受験できる人がいます。施行日の時点で、すでに仕事で公認心理師の専門業務とされる業務をしていて、かつ以下の2つに当てはまる人1.文部科学大臣、厚生労働大臣が指定した講習会を修了した人2.文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において、公認心理師業務とされることを5年以上行った人大学や大学院に通い直すことなく、これまでの自分のキャリアを活かして国家資格を取得できるため、臨床心理士でご活躍されている方は、是非公認心理師の取得を目指してみてはいかがでしょうか。まとめ出典 : 公認心理師は、新設された心理職の国家資格です。2017年9月15日までに施行される予定になっていて、第1回国家試験は、2018年までに実施する予定と発表されています。国家資格としての公認心理師は、広い領域で働くことのできる汎用性の高い資格です。しかし仕事の独占部分は持たない名称独占資格であるために、その仕事は一つひとつがどんな時にどんな所で、どのような役割において役に立てるのかを的確に認識して取り組むことがより一層必要になっていくと思われます。資格取得を目指している人にとっては、特別経過措置があったり、他の心理職と似ていたりと複雑に感じるところもあると思います。未確定な要素も多いですが、現段階での決定事項の情報収集に参考にしていただればと思います。施行が2017年の9月ということもあり、随時最新情報が更新されていくことが予想されます。今後も最新情報を追って資格取得を目指していきましょう。参考:厚生労働省「公認心理師」参考:浅井伸彦「あたらしいこころの国家資格「公認心理師」になるには’16~’17年版
2017年08月09日アメブロで大人気のブログ「脅える?子育て日記」。園田花ヨウさんが描く、長男平太郎(へいたろう)君と、次男九二郎(きゅうじろう)君との日々をつづったコミックエッセイをウーマンエキサイトでご紹介します!はじめまして、園田・花・ヨウです。二人の兄弟の話を中心に、子育て知識が少なめの母が失敗したり色々考えたりしたことや、子どもたちそのまんまの姿などを、漫画にしてつづっております。それでは、我が家の家族を紹介します。■平太郎(へいたろう)君2013年5月生まれの長男乗り物、プラレール、キュウレンジャー、シンカリオンが好きよくにこにこしている(※ただいま4歳2ヶ月 よくしゃべる、よく動く、よく寝る)■九二郎(きゅうじろう)君2015年7月生まれの次男兄の真似が好き、踊ることが好き、外遊びが好きショベルカー、電車が好き(2歳0ヶ月現在 毎日ショベルカーを見にいきたがる)■夫(兄弟の父)息子たち大好き綺麗好き掃除好き(ルンバ好き)、運動好き、アウトドア好き、ガンプラ好き、ゲーム好きDIYも好き(※とても働き者、仕事がいつも忙しい様子)■園田花ヨウ(ブログの管理人、兄弟の母)産後鬱になってから健康に気をつけるようにひじきがブーム(家族で楽しく生きていきたい)参考になるようなことはほとんどないかもしれませんが、気楽に見て読んでゆっくりしていただけたら嬉しいです!今回は、長男の平太郎が3歳半くらいのときに、「胎内記憶」を聞いたときのエピソードをご紹介します。お腹の中にイスに座ったおじさんがいたら、怖いですね。 寝る前の暗い部屋で話されたのでより一層怖かったです。…胎内記憶を話してくれたと言うよりは、何か物語でも考えていたのかもしれません。(平太郎は寝る前は、よく一人で物語を考えてセリフみたいなのをしゃべっていたりするので)そっちのほうが嬉しい…。<園田・花・ヨウさんプロフィール>長男平太郎(へいたろう)君と、次男九二郎(きゅうじろう)君との日々をつづったコミックエッセイをアメブロにて執筆中!「脅える? 子育て日記」
2017年08月02日みなさんの中で、子どもに間違ったことをしたときに、自分から子どもに謝ることができる人はいるでしょうか?「誰でも絶対間違うことがある」と話すのは、子どもたちとのたったひとつの約束「自分がされていやなことは、人にしない、言わない」を実践し、教師はもちろん保護者とも一緒に「学ぶ」ことを実践した小学校の校長を務めた木村泰子先生です。木村先生が校長を務めた大空小学校の姿がドキュメンタリー映画『みんなの学校』となって公開され、2年がたちました。そしていまなお自主上映会が開催され続けています。この映画の中で木村先生は、「やり直し第1号はわたし」と話しています。木村先生は、自分が間違ったと感じたとき、どうしたのでしょうか?そして、問題が起こる学校現場で、親はどうしていけばいいのか。親が学校の先生に意見をすると嫌な顔になったときに、一発で効く印籠を木村先生は授けてくれました。はたして守りに入った先生に効く印籠とは…。※本連載は、木村先生との「学びの会」を抜粋したものです。記事内に登場する参加者は、「学びの会」に出席した方々となります。■「一生懸命やっている」価値観は大人失格木村:私は思ったことしか言わないので、「バカやろ」「バカたれ」と、子どもたちによく怒りました。でも、「4つの力(※)」を大切にしながら関わっていれば、子どもは絶対に離れないんです。自分の想いが相手に通じないと、「これだけ一生懸命やっているのに、何で通じないの?」と言う大人もいます。そういう人は、大人をやめた方がいい。そんな気持ちと態度でいたら、「子どもの前に立つ大人」としては失格です。なぜなら、「これだけ一生懸命やって、なんで通じへんの?」というのは、100%大人サイドの物の見方だからです。子どもの立場になってみることが、何よりも重要なんです。「自分が子どもやったら、どうかな?」。これは、「人を大切にする力」です。「子どもやったら、どうかな?」と思ってみると、「大人が勝手にやってことに対して、何で言うこと聞かなあかんの?」という気持ちになるのではないでしょうか? 「本当に大人は、勝手やな」という気持ちに子どもがなるような行為を大人がしているのです。参加者:でも、なかなか、そんな気持ちで子どもと関わることができません。※4つのちから:「人を大切にする力」、「自分の考えを持つ力」、「自分を表現する力」、「チャレンジする力」のこと。この4つの力があれば、子どもたちは、これからの多様な国際社会で「なりたい自分になっていけるよ」と、木村先生は話します。■大人サイドで物事を考える教員はアウト木村:もちろん、そういう現実はあります。ここで、みなさんに質問させてください。子どもに対して間違えた行動をとってしまったとき、「ごめんなぁ。どうしたらよかったと思う?」と、すぐ言えますか? そんな自分を確立できていると思う人。では、そういう自分を、まだ確立できていない人は? どうもありがとうございます。確立できていない人が大半ですね。問題は、そこなんです。教員はお給料をいただいているから、大人サイドで物事を考えていたら、本来はアウトです。けれども、アウトであることを伝えれば伝えるほど、学校現場では、守りに入る教員が多いのが現実です。守りに入ってしまった教員をどう変えるか。自分の4つの力を使って、その教員に対して「教師も学校も子どもから学んでほしい」と表現するんです。それは理屈じゃありません。■保護者が意見をして機嫌が悪くなる教師への対応は?参加者:私は、小学校の支援学級(通級)の教員をしています。学校現場にいる者として発言させていただくと、教員の専門性を、教科指導(国語・算数・理科・社会といった「勉強」を教えること)だと思っている教員は多いのです。そんな教員に対して、通級指導の教員である私たちですら食い込むのが難しいのに、保護者が食い込むのは、もっと難しいと思うのです。木村:保護者が意見をすると機嫌が悪くなる先生は、たくさんいます。残念なことですが、それが現実です。その現実に対しては、水戸黄門の印籠を出すんです。「これが目に入らぬか!」と(笑)。そのセリフを、今日はお伝えしましょう。私は、文部科学省の上層部の方から、「教員の仕事は、教科を教えることではない。教員の仕事は、その子が学びたいと思う学びを、その子が安心して学べる、そのための学ぶ力をつけることです」と教えてもらってきました。いまは、このセリフ(言葉)を知らない教員が多すぎます。ですから、これからの社会に役立つような資質を持った子が、いまの学校現場では、排除されてしまうことも、現実的には多いんです。いまの学校は、4つの力を使わない方が、居場所を作ることができるからです。たとえば、自分の考えを持ちさえしなければ、先生に文句を言うことはないでしょう。自分を表現しなければ、先生に怒られることもありません。自分の意見を言う、文句を言う、「イヤという」、こういった自分を表現するということは、教員側から見ると「自分の好きなようにわがまま言っている」と見えることも多いわけです。人を大切にするといっても、子ども本人が大切にされていないのに、どうやって人を大切にできますか? そんな環境で、どうしてチャレンジをしようなんて気持ちになれますか? でも、悲しいことに、いま、学校現場は、そんな場所になっているのです。■学校が「すべての子どもに規則を守らせる」場となる恐ろしさ参加者:でも、子どもに好き勝手なことをさせていたら、現実的には、困ることも多いのではないかと思うのですが…。木村:その発想が、最初から大人が子どもを信用していない発想だと思うんです。「子どもは、悪いことをする」と思っている大人がいるから、そんなふうに期待されてしまった子ども(悪いことをするだろうと思われた子ども)は、悪いことをするんです。学校が「子どもに規則を守らせる」場になってしまうのは、ありえないと思いませんか?参加者:だから、うちの子は悪いことするのか…(笑)。大空小では校則はなくて、「自分がされてイヤなことは、人にしない」という、たったひとつの約束があるだけ、と聞きました。それを破ったときは、みずから校長室にやり直しをしに行くと。木村:校長とやり直しをするのではないんです。やり直しをする場所が、校長室なだけです。これも、子どもたちが決めたことです。みなさん、「校長にざんげに行く」と思っていらっしゃるようですが、私にざんげに来られても、どうしたらいいかわかりません(笑)。なぜなら、大空小でいちばん最初にやり直しをしたのは、私だからです。そんな人間にざんげされても、困ります。■「この子さえいなければ」木村先生が、大空小で「やり直し第1号」になるシーンを、ご著書の中からご紹介します。大阪市立大空小学校は、新設の小学校として2006年4月に開校しました。その、開校初日、始業式のシーンです。「絶対、良い学校にしよう」始業式の朝。私はもちろん、教職員の誰もが意欲をかき立てられました。引き継ぐ伝統も何もないゼロからのスタートです。(中略) 「わーっ、ぎゃーっ」ひとりの男の子が講堂に入ってくるなり、大声を出しながら走り始めました。転校してきたばかりの6年生でした。始業式に転校を知らされたばかりで、私たちも会ったのはこの日が初めてでした。(中略)「良い学校をつくろうと思っているのに、なんでこんなすさまじい子が入ってくるんや」「この子さえいなければ、良い学校をつくれるのに」(中略)そう思ったのです。開校当初は、とてもいやな校長として、私は子どもたちの前に立っていました。校長という立場以前に、大人として失格です。出典: 『大人がいつも子どもに寄り添い、子どもに学ぶ!「みんなの学校」流 自ら学ぶ子の育て方』 (木村泰子/小学館)この彼は、その後も、教職員を振り回し続けますが、ある日、彼を追いかけて足をすべらせ尻もちをついた女性教師のそばに寄りそうようにしゃがみ込みました。そのときに彼が取った行動を木村先生は、黙って見守ったあと、全校朝会で、こう切り出します。「彼な、逃げられたのに、戻ってきて、痛いね、痛いねって先生をさすってあげたんやで。私はそんな彼のことをちっともわかってへんかってん」出典: 『大人がいつも子どもに寄り添い、子どもに学ぶ!「みんなの学校」流 自ら学ぶ子の育て方』 (木村泰子/小学館)【『みんなの学校』流「生き抜く力」まとめ】●「一生懸命やっているのに、何で通じないの?」と言う大人は、「子どもの前に立つ大人」として失格●子どもに対して間違えた行動をとってしまったとき、謝ることができない教師はアウト●自分の考えを持たなければ、先生に何か意見を言うこともない。自分を表現しなければ、先生に怒られない。本人が大切にされていないのに、人を大切にできない。そんな環境でチャレンジしようという気にはならない木村先生の言葉には迫力があって、毎回、痛快なドラマを見たときのような気持ちになります。けれども、一方で、あまりに斬新な発想(言われてみれば『本当にそうだ』と思うのですが…)に、まだ気持ちがついていかない部分もあります。 ドキュメンタリー映画『みんなの学校』を作った真鍋俊永監督は、映画のパンフレットでの中で、こんなふうに言っています。この映画の「みんな」が指しているものは、「児童と教職員と地域の人」を飛び越えた「すべての人」の事であり、私たち一人一人にとっての学校である「社会」を、「みんなで一緒に作り上げていきませんか」という、そんな思いを込めた作品を作り上げたので、映画を見られる方たちも自由に何かを感じ取ってほしい出典: 映画『みんなの学校』 (パンフレットより) この記事がひとつのキッカケとなり、社会にみんなで学び合えるような雰囲気が広がっていくことを心から願っています。■今回取材にご協力いただいた木村 泰子先生の著書『 不登校ゼロ、モンスターペアレンツゼロの小学校が育てる 21世紀を生きる力 』木村 泰子,出口 汪/ 水王舎 ¥1,400(税別)
2017年07月28日いまの学校教育が抱えた問題によって、学校に通えなくなってしまう子どもがいるという現実。そんな現実に、ごく普通の公立小学校が「不登校0」を実現して、世間に衝撃を与えました。その模様はドキュメンタリー映画『みんなの学校』で描かれ、現在でも自主上映会が全国で開催されています。その学校の初代校長を務めた木村泰子先生。マニュアルを見ながら、子どもに関わろうとする大人を、子どもは信用しないといいきります。そんな中、子育て中のママの「あるある」ネタにも、木村先生は「ママがマニュアルで考えている」と、厳しい言葉がかけられました。※本連載は、木村先生との「学びの会」を抜粋したものです。記事内に登場する参加者は、「学びの会」に出席した方々となります。■どうしてもマニュアルを探してしまう大人木村:「子どもに関わるとき、『過保護や過干渉』なのか? それとも『教育』なのか?」がわからなくなってしまったとき。それは、「自分が大人として目の前にいる子どもに、どう関われば良いのか?」を迷っているときです。そういうとき、大人は、何かしらのマニュアルを見ながら判断しようとします。大人がマニュアルを探しながら、「どっちかな?」といった態度で関わると、子どもは信用してくれません。マニュアルを見ないで、「目の前の子どもだけを見て関わろう」とする大人の態度は、子どもにもちゃんと伝わります。もちろん、結果として「やっぱり、あなたに対して過保護、過干渉だった」と反省することもあるでしょう。でも、その反省は、すべて未来につながります。「あなたに対して過保護、過干渉だった。ごめんなさい」と、きちんと謝ることができる大人が、子どもは大好きです■子どもの気持ちまでマニュアルで見ている木村:ここで大切なのは、子どもと関わるときに、「マニュアルを見ないで、目の前の子どもだけ見て関わろう」と自分で決めることです。参加者:子どもは「イヤだ!」としか表現できないとしても、そこにある気持ち、モヤモヤしている気持ち、そういうものを、大人が感じてあげるということですか?木村:それは、大人の嗜みですね。子どもに関わるときに、大切なのは「教えること」ではないんです。その子の心の中をわかろうと努力する。それが、大人の嗜みです。参加者:たとえば、お友だちと一緒のとき、うちの子がわがままを言ったとします。「わが子の心の中をわかろうとする」という行為は、そのとき、その場で、お友だちがいる前でした方が良いのでしょうか? それとも家に帰ってきてから、ゆっくりした方が良いのでしょうか?木村:そう考えてしまうこと自体、マニュアルを見ようとしているのかもしれませんね。キツい言い方かもしれませんが、「みんなの中でやった方が良いのだろうか? それとも家に帰ってきてからの方が良いのだろうか?」と考えるのは、その子だけを見ていない行為です。その場、その場、その子、その子によって、状況はすべて違います。■大人は、成功を狙って子どもに関わろうとする木村:「友だちの前で注意したことを後悔した」と思うことも、絶対あるでしょう。そんなことは、誰にでも絶対にある。でも、失敗したら、やり直せばいいんです(※)。子どもに、「ごめんね、みんなの前で言わない方が良かったね」と言えば、子どもは「いーよ、別に」と言ってくれるかもしれない。けれども、「あなたが間違ったことをするのを、注意してあげたんだから!」という気持ちでいたら、子どもは、心を開くことはないでしょう。「絶対、もう俺の気持ちなんて言わない」と思います。子どもが間違ったことをしたときに、大人は、「もう二度と失敗が起こらないためにどうしたらよいか?」を、自分(大人側の論理)で考えて「これが上手くいく方法よ」というものを提示しようとします。でも、本当のところを言えば、親は、「(提示した方法が)成功する可能性なんて、100%ない」と思っておいた方が良いくらいの話なのです。※やり直し:木村先生の教育観の大きな柱のひとつ。「人が生きていれば、必ず間違いは起こる。そのときに素直に謝って、やり直せばいい」と、木村先生。■「大人サイドの価値観」で物事を考えないようにするには参加者:「100%ない」というのは、1%すらないってことですか?木村:そうですね(笑)。「うまくいったら、めっけもん」くらいの気持ちで、子どもと関わるということです。そう思って、関わらないと、うまくいかなかったときの落ち込みも激しくなってしまう。大人に勝手に関わられて、勝手に落ち込まれていたら、子どもは、やっていられませんよね。親も教員も、よっぽど気をつけていないと、常に「大人サイドの価値観」で考えてしまうものなのです。私も相当なダメ教員でしたが、子どもたちにズタズタに鍛えてもらったことで、随分と変えてもらいました。子どもとの関わりを、大人サイドで考えない。これを実行できるようになるには、ある一定の訓練と、失敗経験が必要だと思います。【『みんなの学校』流「生き抜く力」まとめ】●大人が目の前の子どもをマニュアルで判断しようとすると、子どもにも伝わる●大人も絶対間違う。でも間違ったときに謝る大人を子どもは大好きだ●叱って二度とトラブルが起きないという「成功」を狙って子どもに関わっても、100%成功しない●大人サイドの価値観で物事を考えないためには訓練が必要次回は、「自分を表現すると嫌われる学校の現実。守りに入る教員をどう変える?」です。■今回取材にご協力いただいた木村 泰子先生の著書『 不登校ゼロ、モンスターペアレンツゼロの小学校が育てる 21世紀を生きる力 』木村 泰子,出口 汪/ 水王舎 ¥1,400(税別)
2017年07月27日うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々