小学校の教員をしている私。勉強を教えるのはもちろんですが、それだけではなく社交性やマナーも学んでほしいと思っています。これは私が3年生の担任をしていたときの話。1人強烈な保護者がいました。今まで出会った中でナンバーワンのモンスターペアレントです。そのママは、近所ではセレブママで有名だったよう。ご主人は開業医で、息子も将来は医者に……と期待がかけられていました。でもその生徒、相当甘やかされているのか、ワガママで協調性がなく、どちらかというと問題児だったのです。学校で話題のモンペママモンペママは、学芸会で息子が脇役だったことに腹を立て、学校に乗り込んできたこともあるそう。他の子とは家柄も頭脳も違うと言って担任を怒鳴りつけ、最終的には泣かせてしまったと聞いています。当時の担任は、彼女の迫力に負けて成績もオール5をつけてしまったよう。しかしそれは教員としてあるまじきこと! 自分が担任になったら基準通りきちんと評価しようと思っていました。 そしてついに担任を任された今年、私は適切に評価をした成績表を渡しました。 モンペママが学校にクレーム!案の定「先生! この成績表間違えてますよ!」と、モンペママが学校に乗り込んできました。「いえ、間違いありません。オール2は適切な評価です」私がそう言うと、セレブママは怒りながら理由を尋ねてきました。「息子さんは、話を聞かずに居眠りも多く、ノートさえ真面目にとりません。クラスメイトの勉強を阻害するような行動も見られます」と説明すると「テストは100点ばかりよ!」とセレブママは反論しました。 そこで私は、そもそもわが校の低学年のテストは基本的に全員が100点を取れる難易度になっていて、100点ばかりの生徒はたくさんいると説明しました。 教師をやっていて良かった!モンペママが無言になったところで、さらにひと言。「もしお父様の跡を継いで息子さんが医者になっても、今のように人の気持ちがわからない自分勝手な人間のままなら、患者は離れていくと思いませんか? そうなると、困るのは息子さんです」私がそこまで言うと、静かに話を聞いていた本人が口を開きました。「……もういいよ、ママ。僕は先生と話して、これまでの自分が間違っていることに気が付いたんだ」息子の思いがけない発言に、モンペママも驚いています。 「お勉強も頑張ってほしいけど、お友だちと仲良くすることも知ってほしいな」私が言うと、男の子は「はい!」と元気よく返事をしてくれて、この仕事に就いて良かった! と感動しました。 モンペママの教えモンペママからはさっきまでの勢いが消え、息子に手を引かれて静かに帰っていきました。 その後、これまで授業を聞かず、勉強が苦手な子をバカにさえしていた男の子は見違えるほど立派な生徒に変わりました。話を聞くと、授業は聞かなくても良い、勉強のできない子とは付き合うな、などとモンペママに言われ、忠実に守っていたよう。私が“それではいけない”と諭すと、しっかりと理解してくれました。 この調子で勉強とともに社交性も学んでいけば、素敵な医者になる道は、そこまで遠くないかもしれません。 誰しもわが子がかわいく、その才能を信じたいと思うもの。しかし盲目的になってはいけません。ましてや、偏った価値観を植え付けてしまうと、後々子どもが苦労することもあるのです。 テストの点数だけでなく、さまざまな良いところを見つけて、育てていきたいですね。著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年01月18日発達に特性がある子どもたちの中学受験体験談中学受験シーズンも本番です。ハラハラされている保護者さまも多いと思います。また、わが子の受験はまだ先のことだけれど、そもそも中学受験するべきか……と迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。発達に特性があるお子さんの中学受験、塾選びに勉強方法などみなさんどうされたのか気になりますよね。今回は、連載ライター陣などから寄せられた中学受験にまつわるエピソードをまとめてご紹介します。参考になる情報ばかりですので、ぜひご覧ください。私立大学附属中に合格も、実は本番3週間前に第一志望を変更した……!?全6話に渡る中学受験奮闘記私立の大学附属中に合格したスガカズさんご長男。受験勉強は小6の5月からスタートされました。コラムでは、私立進学を考えた理由や夏の天王山での勉強の様子、療育の先生と個別指導の先生の指導内容など盛りだくさんです。そして、本番3週間前に第一志望を変更……とハラハラが止まりません。声掛けの仕方も参考になります。LD・SLD(限局性学習症)のある長男が第一志望の中高一貫校に合格!発達の凸凹に合った勉強法や、しんどい時期の乗り切り方など本人が語る。志望校の選び方も『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者、楽々かあさんこと、大場美鈴さんのご長男も見事第一志望の中高一貫校に合格されました。LD・SLD(限局性学習症)があり学校の勉強が嫌いだった彼が、勉強が好きになるまでを、自身の言葉で語ってくれています。LD・SLD(限局性学習症)の傾向のあるお子さんの場合、は特にICTの導入状況も重要!?お子さんが私立中に進学し、「個性に合った環境で充実して過ごせるようになり、私はそこに『障害』を感じなくなった」という楽々かあさん。進学後に改めて感じた、学校選びの大切なポイントについてはこちらのコラムをどうぞ。わが子の中学受験、どうする?インタビューやセミナーもわが子は中学受験をしたほうがいいのか、どんなメリット・デメリットがあるのか迷われる保護者さまは多いと思います。そもそも椅子に座って試験を受けること自体に不安がある……という方は、「診断書」によって合理的配慮をしてもらえるかもしれません。発達に特性があるお子さんの受験について悩んでいる方は、ぜひ以下のコラムもご覧ください。さいごに山あり谷ありの発達に特性があるお子さんの中学受験。結果はどうであれこの経験によってお子さんはきっと大きく成長するでしょう。皆さんの体験談をぜひ参考にしてみてください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月17日HOYA株式会社 アイケアカンパニー(事業部所在地:東京都中野区)が事業展開するコンタクトレンズ専門店「アイシティ」は、今年で創業50周年を迎えます。この度、50周年企画の一環として、次世代を担う子どもたちのコンタクトデビューを応援するCM第2弾「今を、思いっきろう。」あなたたちだけの、今。篇を、2024年1月16日(火)に公開します。本CMは、コンタクトデビューによって毎日イキイキと輝く子どもたちへの想いやエールを、親目線で描いた心温まるストーリーです。インスタフォロワー39万人超の人気双子キッズモデル、「りんか&あんな」さんのコンタクトデビュー姿の初披露に加えて、10歳とは思えないエレクトーン演奏が話題の「りっちゃん」さんが初のCM出演。大人顔負けの演奏シーンを披露します。画像1■アイシティ50周年記念 新CM「今を、思いっきろう。」あなたたちだけの、今。篇タイトル : 「今を、思いっきろう。」あなたたちだけの、今。篇放映開始 : 2024年1月16日(火)※TVCMは中部エリアにて放映特設サイト : YouTube URL: 画像2■見どころ/トピックス● メガネとオシャレコーデが人気の双子キッズモデル「りんか&あんな」さんが、二人揃ってコンタクトデビュー姿を初披露!● SNS総再生回数1.5億超、エレクトーン演奏が話題の「りっちゃん」さんが、初のCM出演で大人顔負けの演奏シーンを披露。● 毎日イキイキと輝く子どもたちへの想いやエールを、親目線で描く心温まるストーリー。「りんか&あんな」さんのお母さん「matsuko」さんが、ナレーターとして子どもたちへの想いを語る。● アイシティ50周年企画として公開した、子どもたちのコンタクトデビュー応援CM「今を、思いっきろう。」シリーズの第2弾。12月に公開した第1弾動画は、YouTube再生回数420万超を突破。※1(※1:2024年1月12日時点)■出演者プロフィール (※プロフィール内に記載の各数値は、いずれも2024年1月12日時点のものとなります)「りんか&あんな」さん2011年5月生まれの一卵性双生児。東京都出身。3歳の頃から遠視と乱視により、矯正用眼鏡を着用している。趣味は、読書(小説、歴史本、動物本)、アニメ鑑賞、お菓子作り、ルービックキューブ。りんかあんな共に英語検定、漢字検定、算数検定に向けても日々勉強中。将来はアナウンサーになることがりんかあんなの夢。キッズファッションやリンクコーデ等で注目を集め、Instagramアカウントにて39.5万人のフォロワーを有する、日本を代表する双子キッズモデル。今後はメガネとコンタクトの併用により、新たに頑張りたいと思っているバドミントンの部活等にチャレンジしていきたい、とのこと。 「りんか&あんな」さん「りっちゃん」さん3歳からヤマハ音楽教室に通い、現在はジュニア専門コースに在籍。多数のメディア出演をはじめYouTubeチャンネル登録者数20万人の「りっちゃんの音楽channel」では、オリジナル曲も含むエレクトーンとピアノの演奏動画を多数アップし、ファンを魅了している。InstagramやX(旧Twitter)などのSNSでも演奏動画をアップしており、複数のSNSで活躍中。YouTubeを含めたSNSの動画総再生回数は1.5億回を超えている。毎日4~5時間取り組んでいる熱心な練習動画が人気で、10歳とは思えない表現力に誰もが圧倒される。エレクトーンの発表会ではコンタクトを利用し、大人顔負けの演奏を披露。 「りっちゃん」さん■ストーリー/キャプチャ● 創業50周年を迎える「アイシティ」が、次世代を担う子どもたちのコンタクトデビューを応援するCM第2弾。● 「今を思いっきろう」というテーマのもと、自分のやりたいことや好きなことに全力でまっすぐに取り組むリアルな子どもたちの姿を描きながら、子どもたちへの想いやエールを、親からの目線で語る心温まるストーリー。● 「りんか&あんな」さん初披露のコンタクトデビュー姿でアクティブに遊ぶシーンや、今回CM初出演の「りっちゃん」さんが大人顔負けのピアノ演奏シーンを披露。● ナレーションは、りんか&あんなさんのお母さんmatsukoさんが担当し、親の代弁者として、子どもたちへの想いを語る。動画キャプチャー■「りんか&あんな」さん・「りっちゃん」さんのお母さんより、子どもたちへの想い(※いずれも、出演者・関係者個人の感想となります)●matsukoさん(お母さん)より<実際にりんか&あんなさんがコンタクトを利用してみて>180度見えるようになった!と喜んでいたのが印象的でした。コンタクトにすることで、視界が大きく広がったようです。これから中学生になり、バドミントンや、他にも活発に体を動かすことが増えてくると、常に広く周囲を見ておく必要があり、コンタクトを利用するメリットがあると思っています。今もすでに、読書のときなどコンタクトの良さを本人たちも感じている様子です。メガネとコンタクトをシーンに合わせてうまく使い分けることで、可能性がもっと広がる気がします。<コンタクトを利用するりんか&あんなさんの様子や、お母さまの気持ちは>まだコンタクトを使い始めて間もないですが、2人で励まし合いながら、応援し合いながら、コンタクトの装着を頑張る姿が面白いです。(笑)娘たちには、本を読むこと、鳥を見ること、アニメ、歴史、勉強、色々と好きなことがありますが、それぞれの場面で、メガネかコンタクトか、どちらが使いやすいのか、相談して見極めていきたいと思います。また私自身も、コンタクトを正しく、楽しく使う方法について、これから発信していきたいです。<ナレーションでのご出演はいかがでしたか>たくさんのスタッフに見守られて緊張しましたが、子どもたちの姿、喜怒哀楽の感情に感動して、自分自身も気持ちを込めてナレーションすることができました。子どもたちの「思いっきり」が表現されている表情や動き、そして日々イキイキと輝きながら成長する子どもたちに対する親御さんの想い、そのすべてに共感しました。●りっちゃんさんのお母さんより<りっちゃんさんがコンタクトを利用しはじめたのは>小学校4年生の頃からです。私自身もコンタクトを使っていたので、大きな抵抗感はありませんでした。娘も、親が使っていることを分かっていたからか、あまり身構えることもなく、すぐに使えるようになりました。<どのようなときにコンタクトを利用しているか>エレクトーンは体の動きも大きめですし、視界が開ける感じが本人も気に入っているようで、発表会のときにはコンタクトを使おう、となっています。また、発表会を想定した練習の時も使っています。本人としても、コンタクトを使うと同時に、やる気が出るようなところがあるようです。<実際に利用してみてのりっちゃんさんの様子や、お母様の気持ちは>エレクトーンは、細かい表示やボタン操作などもあるので、裸眼のときは「ちゃんと見えているかな?ボタン押せたかな?」と心配になることもありましたが、コンタクトを利用してからはそういったことはなくなりました。また、発表会の舞台に立つ娘と、しっかり目が合うようになりました。発表会だけでなく、コンタクトを着用した練習の際も、周りの家族の反応がしっかり見えているようで、それによって演奏の様子を変えることなどもあります。これからもコンタクトを活用して、発表会など大切な場面を楽しんでほしいなと思います。本人はメガネでのオシャレも気に入っていますし、コンタクトを利用したときのメリットも感じているので、場面によって使い分けていけたらいいなと思います。■アイシティ50周年記念 新CM「今を、思いっきろう。」第1弾(2023年12月公開)12月に公開した第1弾動画は、YouTube再生回数420万超を突破!※2タイトル : 「今を、思いっきろう。」子どもたちは、全力だ篇放映開始 : 2023年12月7日(木)YouTube URL: (※2:2024年1月12日時点)今を、思いっきろう。篇■コンタクト利用状況の実態調査について(2023年12月発表)創業50周年の節目となるこの度、次世代を担う子どもたちの目の健康を守り続けたいという想いのもと、小中学生を中心としたコンタクト利用状況の実態調査を昨年12月に実施しました。調査の結果、近年コンタクトデビューは低年齢化が進み、かつコンタクトレンズを利用する子どもたちの多くが、コンタクトレンズの利用によって、より自分に自信がもてるようになった、明るくなった、活発になったなど、ポジティブな心境変化が見られることが明らかになりました。以下リンク先にて、調査結果を記載しております。 ■小中高割30%OFFについて【アイシティは、小中高生のコンタクトデビューを応援します】アイシティでは、18歳以下でアイシティ初回利用の方を対象に、コンタクトレンズが店頭価格(税抜)から30%OFFとなる「小中高割」をご用意しております。詳しくはウェブサイトをチェック: ■HOYA株式会社 アイケアカンパニーロゴ「ライフケア」「情報・通信」の分野で、国内外トップクラスのシェアを多数持つHOYA株式会社の中核事業のひとつでコンタクトレンズ専門店「アイシティ」を展開しています。世界有数の企業であるHOYA株式会社の強固な経営基盤をもとに、アイケアカンパニーは着実な成長と大きなチャレンジの両方を成し遂げています。■会社概要会社名/事業部名: HOYA株式会社 アイケアカンパニー事業部所在地 : 東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス6F事業内容 : コンタクトレンズおよびコンタクトレンズ付属品の販売アイシティ店舗数: 363店舗 (2024年1月1日現在)URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年01月16日無料の参加登録受付中!発達が気になるお子さんやご家族へ届けたい、オンラインセミナーが1/27(土)に開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラム登校渋りが続いている、いつも休み明けに学校に行きたくないと言う……そのようなお子さまもいらっしゃるのではないでしょうか。不登校のお子さまの心の状態から、家庭でどう向き合ったらいいのか?今後どうしたらいいのか?専門家などから詳しい情報を得られ、さらにその場で質問もできるオンラインセミナーを開催します。・日時:2024年1月27日(土)9:30~14:10(予定)・参加費:無料・形式:Zoomウェビナー配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください。・内容:専門家講演、すべてのお子さまを応援する企業によるセミナー※企画調整中のため、今後変更となる場合もございますオンラインセミナーの内容をご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラム勉強したら?とは言わないほうがいい?学校に行きたいのに行けない、どうしてこうなっちゃったんだろう……と自分を責めてしまう……。不登校や登校渋りのあるお子さんと過ごす中で、声かけや接し方、将来を見据えた対応など、さまざまな不安や悩みが浮かんでくるかもしれません。必要なサポートはお子さんによって異なり、状態に合わせて考えていく必要があります。今回は、児童精神科医を務める三木先生にご登壇いただき、これまで多く寄せられてきた不登校に関するお悩みにお答えしていきます。セミナー当日も、視聴者の皆さまからリアルタイムで質問やお悩みを受け付けますので、ぜひご参加ください。講師:三木崇弘先生社会医療法人恵風会 高岡病院 児童精神科医兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒。東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了(医学博士)。早稲田大学大学院経営管理研究科修士課程修了(経営管理学修士)。愛媛県内の病院で小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。愛媛時代は母親との座談会や研修会などを行う。東京に転勤後は学校教員向けの研修などを通じて教育現場を覗く。子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。2019年4月よりフリーランスとしてクリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、保健所などでの現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動を行う。2022年7月より地元にUターンし、社会医療法人恵風会 高岡病院で児童精神科医として勤務。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム文部科学省が定めている「出席扱い制度」をご存じですか?自宅学習の努力を認めることで、いつかまた学校に行きたいと思ったときのために、学習の遅れを最小限にしておけるようつくられた制度です。この制度を活用すれば、不登校で学校を休んでいても、家庭学習を出席扱いにして、その先の進路などの選択肢を広げていける可能性があります。制度を利用するには、いくつかの条件を満たした上で、在籍する学校と交渉・連携していくことが重要です。本セミナーでは、のべ1,200名以上が出席扱いになった実績のある、無学年式オンライン学習教材「すらら」の担当者が、本制度利用の具体的なルールや、すららを使って出席扱いとなった事例、最新情報などをご説明します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム子どもが「学校に行きたくない」と言うとき、どう関わったらいいのか・この先どうなっていくのか、不安な気持ちでいる保護者の方もいらっしゃると思います。前向きになってくれるサインを見逃さず、お子さまの自己肯定感を育みながら接していくことが大切です。不登校のお子さまが安心できる居場所を見つけて、楽しく過ごす事例も交えながら、お子さまとの関わり方について解説します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム「学校の仕組みが合わない」「冬休み明けで行き渋りになっている」そんなお子さまに向けたセミナーです。子ども一人ひとりのありのままを受け入れ、自信を育み、社会で活きる力を共に学んでいくオンラインフリースクール「SOZOWスクール小中等部」。500名以上の小中学生が在籍するスクールながら、学校が合わないと感じている子どもの個性に寄り添うスタッフが揃っており、地上波のテレビ番組で紹介されるなど、注目されています。4月には高等部も開校し、進路にも安心を持てる居場所です。当日は、学校に行きづらいお子さまの実際にあった事例も含めてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達が気になるお子さまの子育てをオンラインサポートする「発達ナビPLUS」。本セミナーでは、発達ナビPLUSの監修者でもある公認心理師・菅佐原洋先生が、不登校や行き渋りによって学習に遅れが生じたとき、保護者として何ができるか解説いただきます。・不登校で授業を受けておらず、勉強もできていない・将来も見据え少しはしてくれると親として安心だけど……・今の状況で勉強は何をどこまで頑張ればよいのかなどお子さまの勉強に関するお困りごとへの手立てについてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム不登校やひきこもりがちなお子さまがいるご家庭向けの勉強会です。・不登校支援の選択肢フリースクールや訪問教室など、不登校のお子さまへの支援の選択肢や選ぶ際のポイント・中学以降の進路の選択肢義務教育以降の高校進学の選択肢として、通信制・サポート校や高等専修学校、チャレンジスクールなど、不登校に理解のある進路・教育にまつわる準備教育資金やお子さまの自立後に必要になってくる費用など、現実的な準備など、復学や居場所など、学校に行かない選択をした子へのサポートや、中学以降の進路の選択肢について解説します。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。
2024年01月15日活発で身軽すぎて失敗が多いのが心配Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。次女リスミーは、勉強、遊び、お家の手伝いなど、なにをやらせても身軽でハイスピードな子どもでした。リスミーは、活発に屋外で遊ぶことが好きな子どもでしたが、高いところや危ないことが好きで、洋服をよく汚したり、破いたりしていました。自宅のブロック塀をよじ登ろうとして手を滑らせ、前歯を折ったこともあります。ズボンやパンツに穴をあけることが多かったので「リスミーのお尻には歯が生えてるの?」とよく聞いたものでした。お手伝いをしてくれるのはいいのですが、私も多動なタイプなので一緒に家事をすると、いつの間にかスピード競争みたいになります。2人で餃子をつくるのにはまった時には、つい勢いあまって、毎週100個もつくってしまい、食べきれずに何度も腐らせてしまいました。Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ学習スタイルが独特。用意された机ではやらず、意外なところで勉強していた次女リスミーは、家庭学習のスタイルもユニークでした。ある日、私が台所で食事をつくっていると、頭の上のほうから「24+48は72だよね?」という声がします。声のしたほうを見ると、なんとリスミーが冷蔵庫の上に座って宿題を解いているではないですか。危ないので急いで下ろして注意しようとすると、リスミーは気配を察して、あっという間に逃げました。あまりの素早さに捕まえることも注意することもできません。宿題を済ませるのは早かったのですが、間違いや勘違いが多い子どもでした。リスミー専用の学習机は用意してあるのですが、本人はここで勉強することはなく、物置きのようにしか使いませんでした。なんとか落ち着かせる方法はないかと、いつも考えていましたが、よいアイディアが浮かびませんでした。ボールにぎにぎの工夫は卒業。集中力アップのために新しい工夫にチャレンジをUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ小学生の頃、授業中に走り回っていたリスミーは、担任の先生の計らいで、ボールをニギニギしながら勉強することで集中力がアップし、授業中に走り回ることはなくなりました。ところが中学に上がる頃には本人が飽きてしまったのか、ボールにぎにぎの工夫が効かなくなってきました。授業中に走り回ることはしませんでしたが、おそらく無意識のうちに椅子や机をガタガタ鳴らすことが増えるようになりました。注意すると止めることができるのですが、すぐにまた始まってしまいます。すると、成績が伸び悩むようになってきました。リスミーを含め、わが家の4人の子どもたちを通わせていたインターナショナルスクールで、私も職員として働いていましたので、リスミーの学校での様子はよく分かっていました。そこで同僚のA先生になにかよい工夫がないか相談しました。A先生は、アメリカ本土の小学校で長年勤務してきた、発達凸凹の工夫に詳しい方であり、なおかつ発達凸凹の当事者だったのです。A先生は「アメリカの学校では脚ブランコというものを使っているよ」とアドバイス。ネット通販で脚ブランコを取り寄せてくれました。アメリカから取り寄せたツールをやってみると、ドンピシャの学習効果で大変身!Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイA先生の取り寄せてくれた脚ブランコは、椅子の下に取りつけることで、脚でブランコをこぐものです。日本とアメリカの学習机とイスはサイズや構造が異なっているため、取りつけの際には金具を自作しなければなりませんでした。A先生と一緒になんとか取りつけてリスミーに試してみました。結果は大成功。リスミーは脚でブランコをこぎながら、勉強に集中することができるようになり、再び成績がぐんぐん伸び始めました。その後は成長につれて、リスミーの多動も徐々に落ち着いていったのでした。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:室伏先生より)リスミーさんの、小中学生の頃のご様子や集中力アップのための工夫について、具体的に共有してくださりありがとうございました。ご両親からするととっても心配も多かったでしょうけれど、ズボンの穴や、餃子づくり、冷蔵庫の上での学習のエピソード、可愛らしく拝見させていただきました!脚ブランコというのは、私も存じ上げませんでしたので参考になりました。学校では導入がなかなか難しい場合もあるかと思いますが、ご家庭などでも導入してみるとハマるお子さんも多いかもしれませんね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月13日順調だった小学校時代、しかし中学入学後トラブルが増えた自閉症息子。勉強に部活と複雑に……10歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた息子の話です。小学校では通常学級に通っていましたが、そこでは解決できないような目立ったトラブルはありませんでした。しかし中学に入ってからは、勉強、部活にとトラブルが増えていき、対応に苦慮しました。小学校まではなかった学習トラブルが!アルファベットは鏡文字だらけ!小学生の頃からバランスの取れた字は書けませんでしたが、それでも文字を書くこと自体に困っておらず、特に対策もしていませんでした。しかし、中学1年生になると、教科書のルビが見えていないことが発覚。さらに画数の多い漢字についても、読めるけれど形がよく分からないので上手く書けず、本人は困っていたそうで……。そこで中学2年生になってからは通級指導教室に通い、授業やテストではルーペを使わせてもらっています。また、教科によっては拡大教科書を使ったり、授業で使うプリントを拡大コピーしてもらうこともあります。拡大したものを使うことで、ずいぶん楽になったようです。中学から本格的に始まった英語にはとても苦労しています。ローマ字のように、音をそのまま書けばいいわけではないので、スペルの綴りミスが頻発。さらに、アルファベットは、『b』と『d』、『p』と『q』、『a』と『u』をよく間違えます。『J』『N』『S』は鏡文字です。文法も、助動詞の使い方で混乱するなど、日本語とは違うため大変なようです。Upload By ユーザー体験談ただ、音読は得意なため、英語のスピーキングは流暢。ここでも得意不得意の凸凹を感じています。勝利至上主義の厳しい運動部へ入部。先生に配慮をお願いすると「任せてください!」と返事をしてくれたけれど……また、中学に入ると息子はソフトテニス部に入りました。顧問は若い女性の先生で、試合に勝つために厳しく、熱心に指導していました。息子がそんな厳しい練習をしている部活に入ると思っていなかった私。心配はありましたが息子の希望だったので、見守ることにしました。幸いにも部員は先輩を含めみんな優しかったようです。顧問の先生へは、最初に2つ配慮のお願いをしました。曖昧な表現がわからない場合があるので、できるだけ具体的に指導してほしいこと、疲れていることに気づかないので、一定の時間ごとに休憩を入れさせて欲しいことです。先生は「分かりました!大丈夫です、任せて下さい!」「ほかにもそういう子がいるので大丈夫です」、大会前には「少しでも息子君が活躍できるようにしたいと思います!」と言ってくれ、理解をしてくださっている感じでした。Upload By ユーザー体験談ただ、定期的にお便りを出してくれるのですが、「ミスが多くて気持ちが悪いプレーがある」、「このままでは、いつまでたってもあの学校には勝てない」、「気持ちで負けている」というような内容が多く、とにかく勝ちにこだわっている様子。もし部活でもこんな感じだとしたら、息子に合っているとは思えないし、つらい思いをしている子もいるんじゃないかと心配でした。指導されないまま半年以上放置されていた?顧問の先生に不信感が爆発入部して半年ほどたった10月のことです。たまたま部活の様子を見ていたほかの保護者の方から、「息子君、もしかして打ち方を知らないんじゃないの?」と心配そうに声をかけられました。まさかと思い私も様子を見て見ると、本当に息子が打ち方を知らないままテニスをしていたことが分かりました。入部して半年以上、もうすぐにシーズンオフなのになぜ打ち方を知らないの?大会や練習試合も打ち方を知らないまま出ていたの?誰も打ち方が違うって教えてくれなかったの?疑問が頭に浮かびました。私はあくまでも冷静に、責めるような言い方はせず先生に聞いてみました。すると、「打ち方のおかしい子が何人かいます。シーズンオフにきちんと指導するので、それまで待ってください」とのこと。息子以外にも打ち方を知らない子がいるかもしれないということにびっくりしました。下手な子どもの指導は後回しだったのかと、先生に対してかなり不信感を覚えてしまいました。息子は、誰にも打ち方が違うと言われたことがなかったそうで、事実を知ってショックを受けていました。その影響か、ようやく学校に慣れて落ち着いてきたのに、また学校を休むことが増えました。部活も出られずに帰ってきて、うつむきながら「打ち方が違うって教えてもらえなかったのは、やっぱ違うと思う……」と呟いていました。その後、副顧問の先生が打ち方を知らなかった子どもたちを集めて指導してくれ、何とか部活に出られていたのですが、ある日、お便りをもらってきました。「努力の仕方を間違えると、どんなに頑張っても上達しません。正しい努力ができるよう、自分で考える力をつけて下さい」というような内容でした。先生にそんなつもりはなかっただろうとは思いますが、なんだか「打ち方を知らないのは、考える力がない本人が悪い」と言われているように感じました。息子はお便りを読んで、「部活では『努力が足りない』って言われるし、どうしたらいいか分かからない……」と悩んでしまい、とうとう「部活がつらい」と言い出しました。私もこれ以上は無理だと思い、しばらく部活を休ませることにしました。Upload By ユーザー体験談休部から自分の意志で復帰した息子の成長に感動息子には「3月いっぱいくらいまで休んでみる?先のことはまた考えよう」と伝え、息子もしばらくのんびりしていましたが、2月頃、突然「部活出てきた」と復帰しました。私や事情を知っているスクールカウンセラーの先生などは驚いて、部活に復帰したことをかなり心配しましたが、本人は戻れたことが嬉しかったようです。復帰したいということを顧問の先生に伝えたら、先生は息子に謝罪してくれて、息子も「やっと顧問の先生にちゃんと教えてもらえるようになった」と嬉しそうでした。部活で配られていたお便りは、復帰した頃にはなくなっていました。Upload By ユーザー体験談数ヶ月休んでいたので、復帰するには勇気が必要だったと思いますが、自分の意志で復帰して本当に偉かったと思います。以前の息子なら、そのまま辞めていたかもしれません。どうやら「辞めてもいい」と思っていた私より息子のほうがしっかりしていたようです。その後、異動のために顧問の先生が変わりました。息子は今、楽しく部活に参加しています。中学校に入ると今までなかったようなトラブルがあり、問題も複雑になり対応に苦労しましたが、その分息子も大きく成長したように感じます。これからも、困ったことがあったらSOSを出せ、みんなと気持ち良く助け合える関係をつくれるような力を、身につけていってほしいと思います。イラスト/星河ばよエピソード参考/こぺはは(監修:鈴木先生より)本人は努力していても「努力が足りない」と言われると自尊心が下がります。少しでも努力した分を褒めてあげればよかったのです。できないことよりもできることを褒めてスモールステップでできたことを伸ばしてあげるということは、学習面でも同じです。たとえテストで30点だったとしても「よく30点取れたね、次回は40点を目指そうね」でいいのです。またASDには発達性協調運動症という不器用さが併存していることも多々あり、球技が苦手なお子さんも多くいます。無理せず少しずつ伸ばしていけばいいのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年01月07日特に勉強ができたわけではありませんが、大学卒業後に運良く大手企業に就職できた私。おかげさまで給料も良く、業務の内容にも満足しています。同い年の夫は家事の分担にも協力的! 文句は1つもない幸せな結婚生活だったのですが……。ある日突然、夫の会社が倒産! すこし前から良くない話をちょこちょこ聞いていましたが、まさか本当に倒産するなんて……。突然職を失い、夫は相当落ち込んでいました失業した夫突然のことで私も動揺しましたが、夫婦2人なら私の給料だけでもなんとか暮らしていけるはず……。「蓄えもあるので、そこまで焦って仕事を探さなくても大丈夫」と夫に伝えました。その後、夫は近所でアルバイトをしながら再就職先を探し始めました。並行して、資格の勉強にも取り組んでいて、前向きに頑張っていると思っていたのですが、数週間が経過すると、夫の態度がすっかり変わってしまったのです。帰宅が遅くなり家事も一切せず、ときにはお酒を飲んで帰ってくることも……。 しばらくはそっとしておいたのですが、ついに、再就職の面接をすっぽかしたことが発覚! さすがの私も黙っていられませんでした。 夫のプライドはズタボロ私が責めると「大企業で稼ぐお前がいれば家計は問題ないんだろう?」と夫。どうやら妻に養われているという状況がつらかったようです。励ますつもりで言った言葉が夫のプライドを傷つけていたなんて、私もショックでした。 この日から夫はバイトを増やしたようで、早朝から夜中まで家を空けるようになりました。連絡もすべて無視。家に帰らない日もあり、一体どこで何をしているのかわかりません。失業のショックで失踪なんてことがあったら困ります。心配になった私は、探偵に夫の調査を依頼することにしました。話を聞いた瞬間に探偵は「おそらくクロですね」と苦笑い。夫はどうやら浮気をしていたようです。 調査の結果ほどなくして、夫と浮気相手の調査結果が届きました。夫はキャバ嬢と浮気をしていて、彼女に貢ぐために早朝から夜までせっせとアルバイトをしていたのでした。 でも、その相手のキャバ嬢というのがかなりの曲者。調査結果を見て思わず笑ってしまいました。十分すぎる証拠をどう使おうか考えていた矢先、なんと夫から離婚を突きつけられたのです。 「浮気相手が妊娠したから離婚する」と言い出した夫。しかも、払う慰謝料なんてないから免除しろと言います。一方的な言い分に腹は立ちましたが、私も離婚を考えていたので、慰謝料を請求しない代わりに「今後一切私には連絡してこない」と約束をして、離婚を受け入れることにしました。 1年後、約束を破った夫は…1年後、一切連絡をしないと約束したにもかかわらず、元夫から電話がかかってきました。話を聞くと、再婚したキャバ嬢の妊娠は嘘。結婚前から多額の借金があったようで、肩代わりをさせられた上、自分の名義でさらに闇金で借金を作られていたそう。 元夫は電話の向こうで泣いていましたが、どれも私の予想していたことばかりです。もちろん同情する気持ちもありません。離婚するときにした『一切連絡しない』という約束を破ったので、取り決め通り罰金を請求すると元夫に告げたのでした。 職を失うのはつらいことですが、夫婦で支え合えることはとても素敵なこと。元夫も、アルバイトを掛け持つエネルギーを資格取得や就職活動に注いでいたら、結果は変わっていたかもしれませんね。著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年01月03日結婚後、主婦のなな子は嫁ぎ先で姑からいびられる日々を送っていました。また、好きでもない農家を手伝わなくてはならず……。かわいい子どもたちの存在が心の支えにはなっていたものの、現実の結婚生活は思い描いていた暮らしとは程遠いものだったのです。次第に、「農家の嫁以外もやってみたい」と思うように……。すると、息子を保育園へ送った帰り道、新しくできるスーパーのパート募集の求人を見つけます。その日以降、なな子の中でパートで働きたいという思いが強くなっていって……!? 「パートで働きたい!」という気持ちが日に日に増していき… (パートができたら、きっと変われる) いつの間にか、そう思うようになっていったなな子。 するとこの日、帰宅した娘に満点のテスト報告を受けました。 「今日ね!テスト返ってきて100点だったの!!」 「頑張ってたもんね!すごい!」 「テスト頑張ってきたのかい」 孫がテストで満点を取ったことを知ると、義母も笑顔で褒めてくれました。 「うん!バッチリ!だって唯一の取り柄だもん!!」 その言葉を聞いて、なな子はハッとしました。 (パートをしたら、大学は無理でも専門なら行かせてあげられるかな) そんな考えが頭をよぎったのでした。 一方で娘は、自分が勉強して偉い人になったら、"お母さんをこんな所にいなくていいようにしてあげる"そんな風に考えていたのでした。 なな子が"パートで働くことで、娘を専門学校で学ばせてあげられるかも……"と考える一方で、"自分が勉強して偉い人になったら、ママをここから解放してあげたい"と考えていた娘。なな子がつらいと思いをしているのを娘はちゃんと分かっていたのですね。お母さんを思う娘のやさしさにほっこりしました。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター みこまる 著者:原作者 いくたはな
2023年12月31日夫は司法試験浪人生。夫の夢を応援して生活は私が支えていますが、婚活アプリを利用して2度目の不倫が発覚し……。不倫をした夫は私に離婚を迫ってきました。しかもその理由が、運命の相手に出会ったからだというのですから……もう開いた口がふさがりません。 もう限界…ある人に相談することに夫の1度目の不倫のとき、義母は離婚を勧めてくれました。私があのとき、やり直すと言わなければ……と後悔しています。義母はいつも実の娘のように接してくれるので、今回の件も相談することにしました。 義母に夫のことを話すと、「うちのバカ息子! 司法の勉強をしている身でありながら2度も不倫をするなんて、あきれてものが言えない。わが子であっても許せない」と憤りを隠せません。 実はいま、ある事情で夫に家をい出され、ネットカフェで寝泊まりしています。それについても義母は自分の家に来るよう言ってくれました。 私物を人質に取られてしまい…夫は私に離婚届のサインと慰謝料の放棄を求め、家を追い出しました。求めに応じなければ、家にある私物をすべて処分すると言ってきます。 私は両親の形見の品を大切にしており、今回はそれを盾にとった形です。あまりに汚いやり方で、義母も驚きを通り越して呆れていました。義母は「形見は取り返す!」と意気込み、ふたりで作戦を考えることになったのです。 作戦にまんまとハマった夫ある日、義母から夫に連絡をしました。たまたまですが、義母と不倫相手の名前が一緒だったので、なりすますような形になってしまいましたが……。 知らない番号から連絡がきたので夫は最初怪しんだようでしたが、携帯電話が壊れたから新しい番号にしたと言うとすんなり状況を受け入れたようです。そして内容証明が送られてきて既婚者だと知ったと伝えると、夫は慌て出しました。 不倫相手の君が一番で、これからも一緒にいたいと思っていると熱く語った夫。だからこそ、婚姻を解消してからその話を打ち明けようと思っていたと言い訳をしました。そして、解決するまでご両親には黙っていてほしいとお願いしてきたのです。 その話を聞いて、再び気持ちが盛り上がったかのように返信。付き合い始めた日を覚えているかと尋ねると、夫は簡単に答えてくれました。携帯電話が壊れて一緒に撮った写真が1枚もなくなったと言うと、何枚も写真を送ってくれました。「明日のデート、楽しみにしているよ♡」「あら、デートなんてたっくんが子供の時以来ね〜♡」「は?」そこでやっとおかしいと気づいた夫。正体を明かし、不倫の証拠集めに協力してくれてありがとうと伝えました。 不倫の証拠を集めて行動スタート証拠を集めた後、私は今回の件を弁護士に相談。私の荷物に手を出したら法的手段を取ると伝えました。私物を盾に脅すのは脅迫罪が適用される場合があり、勝手に形見の品を捨てたら器物損壊罪になるようです。 司法の道に進みたいと勉強しているのなら知っているはずだと思うのですが、夫は勉強していなかったようです。どうりで何度も試験に落ちるはず……。結局、私と夫は離婚。不倫の証拠をもとに慰謝料を請求しました。元夫は慰謝料の件で義母に泣きついたようです。どうやら私への慰謝料を不倫相手の実家に立て替えてもらったらしいのですが、その実家はじつは経営状況が良くないらしく……。今後は家業を手伝ってほしいと言われているようです。 これでは今年も試験に受からない、きちんと勉強したいから助けてくれと言ったようですが、義母はこれを無視。いま、元夫はどうしているかわかりませんが、義母とは連絡を取り合って楽しく過ごしています。 ◇ ◇ ◇ 支えてくれている妻のことを裏切り、追い出そうとひどい仕打ちをするなんて信じられませんね。理不尽な主張を盾にして慰謝料の支払いを渋るような元夫のことは忘れ、幸せに暮らしてほしいですね。 著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2023年12月27日いつも何かと人を小馬鹿にしてくる義父。その対象は息子(夫)や娘(義妹)にだけではなく、息子嫁の私や娘婿にも被害があるのです。クイズに答えられないと小馬鹿にし、義父の中で一般常識とされることを知らないと鼻で笑うことも……。知識が多く、物知りだと自覚している義父の態度に腹が立っていました。しかし、まさかの逆転劇があり、義父が人を小馬鹿にすることが減ったエピソードをご紹介します。 徐々に気になりだした言動義父は新聞社に勤めているため知識が豊富でとても物知りだということは、夫と結婚する前からわかっていました。ためになる話やマナーについても詳しく、ひと言で言えば完璧主義者。夫と結婚し義実家に行く頻度も多くなり、食事やお酒を一緒に楽しむ時間が増えていくなかで、どんどん距離が縮まり義父の言動に「ん?」と思うことも増えてきました。 というのも、会話のなかで難しい言葉を使われたときに答えられず聞き直すと、「この言葉知らなかった? はい、すぐ調べてみよう」と言われたり、「問題です。これは何でしょう」とうんちくを出題され、答えられないと鼻で笑われ、「知らないかー、ちゃんと勉強しないとー」と小馬鹿にされ始めました。 自分の常識が一番正しい初めは自分の息子や娘だけを小馬鹿にしていた義父ですが、だんだんと息子嫁である私のことも小馬鹿にしてきました。小馬鹿にするといっても許せるレベルではなく、鼻で笑いあしらうタイプ。そんな義父とクイズ番組を見ながらお酒を飲んでいるとき、漢字の書き順が出題され家族皆で答えていると、義父ひとりだけ回答が違い、あとの4人は同じ回答でした。 私は内心「義父が外れたらおもしろい!」と思ってしまったのですが、まさかの本当に義父だけが間違えてしまったのです。義父は「俺はこれで何十年も書いてきた! そんなことあるはずがない!」と辞書を開きましたが、やはり辞書を見ても義父が間違えていました。「間違いもあるよなー」とボソッとつぶやいた義父。完璧主義者の義父が初めて恥ずかしそうに言ったため、とても意外で驚きました。 今までの思いをぶつける家族夫も実家に帰る前には毎回、「また今日も小馬鹿にされるんやろうな」「小さいときから小馬鹿にしてくる親父が嫌いだった」と言っていました。また、「いつか見返してやりたいと思っていた。それ以外はいい親父なんだけど」と言っていたので、今回初めて間違えた父を見て、夫は「誰だって知らないこともあるし、間違いもあるんやから小馬鹿にするのやめたら?」と笑い混じりに雰囲気が悪くならないよう伝えました。 それを聞いた義父の娘や義母も「昔からお父さんそうだもん。自分が間違えたら恥ずかしいでしょう!」と楽しそうに伝えていて、義父もやっと少し周りの家族が嫌な思いをしていたことに気づけたようです。 私自身も「物知りでないといけない!」とプレッシャーを感じていたため、義実家に行くのが苦痛になっていましたが、こんなまさかの逆転劇があるとは思ってもいなかかったため、驚きました。 完璧主義者のため、義父は自分をはじめ息子や娘が恥をかかないように教えていたのだと思います。その方法は家族を不快にさせていたため正しいとは言えませんが、実際に自身が間違えたときに悔しい思いをしたことを機に、人を小馬鹿にすることはグンと減り、私のプレッシャーも軽減しました。 著者:平山 光3歳と5歳の姉妹のママ。約1年の不妊治療を経て、無事第一子の妊娠が発覚。第二子は自然妊娠で授かる。アトピー症状のある第二子をきっかけに、自然食や自然治療法を勉強中。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター こちょれーと
2023年12月06日プレゼントにも!発達障害フレンドリーな人気商品をご紹介「発達ナビ×フェリシモ」発達が気になるお子さんや保護者さま、当事者の方が便利に快適に過ごせるためのグッズづくりは、第5弾が進行中です。今回は、これまで開発した中から5商品をご紹介します。「見えなくなると(隠れると)中身を忘れてしまう」という声から生まれたアイテムです。メッシュ素材で中身が見えやすく、仕切りは取り外し可能で自分仕様にカスタマイズOK。正面と側面に便利なアイコンカードが入れられるポケットがあるので、家族で使い分けもできます。持ち運びしやすい持ち手付き。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します「かばんを替えるとカギや財布を忘れてしまう」「ハンカチがかばんの底でぐちゃぐちゃになる」などの声から生まれた、バッグの持ち手に簡単に固定できるバッグインウォレット。メッシュ素材で中身が見やすいのはもちろん、がばっと開くじゃばら仕様で取り出しやすいのもポイント。財布やカギ、スマホやハンカチなどをひとまとめにしておけば、バッグを替えたときの忘れ物防止にも。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますうっかり忘れ対策に便利な人気アイテムです。服薬の管理やお子さんの支度、持ち物チェック、勉強の目標など、曜日で異なるルーティンワークを可視化し、ワンタッチでチェック可能。壁に掛けられるほか、裏面にはマグネットも付いているので、冷蔵庫に貼るのもおすすめ。タスクボード上にイラストも描けるため、お子さんにも分かりやすく伝えられます。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します座り姿勢をサポートする座面クッションと、正しい足の位置がひと目で分かる足もとマットのセットです。お子さんの座り方が気になるけれど、「ちゃんと座りなさい」と注意が曖昧になりがち……。そんな保護者の方も、具体的に座り方を伝えられます。クッションは両面すべり止めつきなので、体幹が弱いお子さんでも安定感が持続します。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します「文房具が見つからなくて勉強や作業がなかなか始められない」「ものをどこに片づけたのか分からなくなる」といった声から生まれた、まるごと持ち運びできるお道具箱です。仕切りで見やすく整理できて、入れるものの定位置が分かるように貼れるアイコンシート付き。ふたは一体型で、中にはA4ファイルなどを挟めるゴムが付いています。お薬や手芸、メイク道具の収納にもおすすめ。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します『カラフル収納BOX』『タスク管理リストバンド』は2024年3月発売予定!発達ナビ×フェリシモC.C.Pコラボ商品企画第5弾では、発達ナビの「みんなのアンケート」や、教員、放課後等デイサービスのスタッフの方にお集まりいただいたオンライン座談会やサンプルのモニターを経て、『カラフル収納BOX』『タスク管理リストバンド』の商品化が進行中です!発売は2024年3月中旬ごろを予定していますので、お楽しみに!
2023年12月06日幼稚園入園まで、長男の発達の遅れに気づかなかった長男は3歳まで保育園に預けることもなく、自宅保育で育てました。そのため集団行動を苦手とする長男の発達の遅れには気づいておらず、近所にいくつかある幼稚園のうちの一つに入園しました。長男が入園した幼稚園は、周辺の他の幼稚園に比べると、園生活の中でお勉強的な要素を多く取り入れていて、発表会などやることが比較的多い園でした。Upload By プクティ入園当初は登園を渋ったり、制服を嫌がったりしていた長男でしたが、徐々に慣れて登園できるようになりました。ところが、入園から半年以上経った頃、保護者面談で「いまだに長男くんは教室から脱走したり、運動会の練習も参加しなかったりしているので、発達支援センターへ連絡をして療育に通ってほしい」と言われました。そこから発達支援センターへ相談を開始し、年中の時に療育医療センターで軽度の知的発達症(知的障害)と診断されたのでした。診断されてからは並行通園の形で療育にも通いだし、幼稚園の担任の先生から聞いた困り事を療育先の先生へ伝え、改善するための練習に繋げることができました。忙しい中でもきちんと長男の様子を観察してくださった担任の先生には本当に感謝しています。しかし、大事なことと分かっていながらも、幼稚園のお迎えのたびに、長男がどんなことができていなかったか、どんなことで困ったかなどの話を、毎回謝りながら聞くのは少しつらいものがありました。Upload By プクティ幼稚園からの呼び出しそんな日常を過ごしていたある日、幼稚園から呼び出しがありました。保護者面談の時期でもあったので、長男の幼稚園での様子を聞くだけのつもりでいたのですが、担任の先生から「園長と主任も同席します」と伝えられ、これはただ事ではないな……と身構えた私は、夫と共に幼稚園へ行くことにしました。Upload By プクティ普段の保護者面談は教室で担任の先生と行うのですが、この日は園長室へ通されました。そして園長先生から伝えられた言葉は……Upload By プクティ「年長は難しい」という言葉にショック……そして幼稚園退園へ園長先生からの言葉には非常にショックを受けました。直接的に「退園」と言われたわけではないのですが、年長は難しいとハッキリと伝えられたので、「退園を促されているのかな……」と夫婦で感じました。ただ、この幼稚園では求められるレベルも高く、長男ができないことを日々聞かされることもつらかったですし、長男にも無理させているのでは……と薄々感じていたこともあり、私たちはすんなりと退園することを決めたのでした。Upload By プクティ結果的には「退園」という形になってしまいましたが、幼稚園の先生が長男の発達の遅れを指摘してくれたからこそ、早い段階で療育や医療に繋がれたと思いますし、長男の面倒をよく見てくださった幼稚園にはとても感謝しています。そして、私たちは長男により合った環境を探すことにしたのでした。執筆/プクティ(監修:初川先生より)長男くんの幼稚園退園のエピソードをありがとうございます。幼稚園での集団生活を始めてみて、他のお子さんとの違いに気づくこと。他のお子さんができている集団での活動に教室を飛び出すといった不適応行動を呈するなど、お子さんの苦戦に気づくこと。発達的な課題を持つお子さんにはよく見られることではあります。幼稚園はおそらく私立だったのかと想像しますが、私立園だと特に園での活動や教育方針というものが園ごとに設定しているので、勉強に力を入れている、あるいは運動に、といった特色があります。慣れることで活動に加われる場合、療育などを併用して集団でのルールを知っていくことでできることが増える場合ももちろんあります。ただ、園としての方針と、他の子どもたちの成長により求められることが高度になることなどによって、きっとますます長男くんは集団に加われなかったり、苦戦したりといったことが予想されたのですね。日々の連絡でもお子さんが「できなかった」エピソードを聞くのはつらいですね。また園長先生を交えての面談はなかなかの衝撃だったろうとお察しします。ただそれは、お子さんに環境が合っていないことを伝えてくれていることでもあり、合わない環境で過ごすことが成長促進になるのか、ということは立ち止まって考えてみたいところではあります。就学前の大切な時期、遊びや集団活動を通して、みんなと一緒にやるって楽しい、歌や工作、運動の楽しさなどを体験的に知ってゆく大事な時期です。療育を勧められたこと、日々の「できない」知らせも面談も保護者からするとつらい面は当時は強かったと思いますが、それによってお子さんの得意不得意を知る、今の環境にはどうやら合っていないと知る(逆に言うと、今よりも多少なりとも合った環境は別に存在しているであろうと感じる)、そうしたことができたのは長期的に見ると大切なプロセスであったと感じます。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2023年12月05日掃除中の引き出しから出てきたのは目を疑うようなアレでしたUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。次男ウッシーヤは、幼い頃から成人した現在まで整理整頓が苦手です。日々工夫を重ねているので最近はずいぶんできるようになりましたが、小中学生の頃は、物の片づけや整理整頓がまったくできませんでした。そのため休みの日は、私が見守る中、ウッシーヤ本人が学習机とそのまわりの掃除をすることがよくありました。ウッシーヤが小学校高学年の頃の、ある休日のことです。いつものようにウッシーヤに声をかけながら、床の上に散らかった物の片づけや掃除機がけを済ませたところ、なんだかまだ臭いが気になったので、引き出しの中身をすべて出して掃除するように言いました。ウッシーヤは平静のようでしたが、かすかに動揺したようにも見えました。私は、ウッシーヤは心の状態が顔に出ないことを当時は理解していませんでした。ウッシーヤが引き出しを開けると、スパゲティーが私の目に飛び込んできました。私はわが目を疑いましたが、確かに食べかけのスパゲティーでした。スパゲティーはかなり長い間、引き出しの中に放置されていたようで、腐って悪臭を放っていました。夫ラクマは子どもらしい失敗だと笑って面白がっていましたが、私はとても笑えませんでした。どんなにきつく叱っても一向に、整理整頓や物の管理ができない状態は良くならなったからです。片づけだけでなく、忘れ物や失くし物、クラスメイトの物を間違えて持ち帰ることが非常に多かったのです。その直後、ウッシーヤが特別支援教育の専門家から「発達凸凹の傾向があるようだ」と指摘されたことを受けて、自分でもいろいろ調べて工夫するようになりました。勉強道具の所定の位置にラベルを貼って整理整頓を促したUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ特別支援教育の専門家のアドバイスで、ウッシーヤは療育を受けるようになりました。そして親である私たちも発達に関する文献や資料を読んで学ぶうちに、叱るのは逆効果だから工夫するほうが大事だと知るようになりました。私たちは工夫の一つとして、勉強机の上や引き出しの中にラベルを貼り、置き場所を決めるということをやってみました。机の上には「バッグだけ置く」と書いて貼り、バッグを置くエリアをテープで囲みました。4つある引き出しの取っ手にはそれぞれ「よく使うもの」「いっぱいになったら整理して捨てる」「普段使わないもの①」「普段使わないもの②」とラベルを貼り、使い分けるよう教えました。「よく使うもの」とは、文房具などです。「いっぱいになったら整理して捨てる」とは、学校からの宿題や行事などの連絡が書かれたプリント類です。「普段使わないもの①」とは、小物や雑貨類などです。「普段使わないもの②」とは、お出かけ用のバッグやポーチ、画材などです。この工夫のおかげで、毎週末になると、散らかった勉強机周りの整理整頓が手早くできるようになりました。でも目を離すとすぐに散らかったり忘れ物が増えたりするので、工夫したことがしっかり実行できているかの定期チェックは、とても大事だと感じていました。宿題などの忘れ物防止のため、教科ごとに色分けしたファイルをつくったUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ中学生になると、教科書などの勉強道具もますます増えてきたので、国語・数学・英語・理科・社会の主要5教科は、それぞれ異なる色のラベルを貼ったファイルを用意しました。日々の宿題や家庭学習などは、毎日ファイリングすることで、見分けやすく、かつ取り出しやすくしました。授業にはファイルごと持って行き、バッグを開けると、すぐにラベルが目に入るので、分かりやすくなりました。ちゃんと活用できているか、毎朝・毎晩、バッグとファイルの中身をチェックUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイこれらの工夫がきちんと活用されているか、私はバッグとファイルの中身をほぼ毎日チェックしました。ただ私自身も忘れ物が多いタイプなので、チェック漏れが心配でした。そのため毎週末には、夫ラクマと二人で一週間のふりかえりを行い、次男ウッシーヤの整理整頓のチェック漏れがないかを確認し合いました。このような学習の工夫はほかにもいろいろあります。当事者の家族会や講演会で、わが家の子どもたちの学習の工夫を紹介する機会が良くあるのですが、当事者家族ほど「こんな大変なことはできない」といった否定的な意見や感想が出てきます。確かに毎日工夫をしていくのは保護者の時間が取られるし、忍耐も必要です。しかし、私たちの経験上では、苦労するのは工夫をスタートした数ヶ月です。発達凸凹タイプの子どもたちは、習慣化できれば地道に継続できることが多いように感じます。もし、しばらく続けて効果が現れないようなら、別の方法に切り替えるとうまくいく場合が多かったです。親族や家族からは「過保護ではないか」という批判もよくありました。発達凸凹タイプが工夫することは、近視の人がメガネをかけるようなものです。そして、それは決して甘えでも怠けでもないのだと周囲に理解してもらうことは、工夫することと同じくらい大切なのです。でも、なかなか言葉だけでは周囲の人は理解してくれません。根気よく説明することに加えて、工夫で結果を出すことが大事だと思います。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:新美先生より)次男さんの整理整頓の支援の工夫について、詳しく教えて下さりありがとうございます。整理整頓が苦手な方への対策をタイプ別に大きく分けると、「細かく区切って1対1対応でどこに何をしまうかを明確にする、ラベリング・ファイリングをするといった方法が有効なタイプ」と、逆に「細かく分けずに、ざっくり一つの袋・箱に全部なんでも入れる、定期的にチェックして不要なものは処分するといった方法がマッチするタイプ」があります。整理整頓が苦手なお子さんは、どういうやり方があるのかも分からないので、やり方を提示して、運用の仕方を大人(親や学校の先生など)と一緒に経験していき、中学生、高校生と年齢が大きくなるにつれて、段階的に自分でできるようにしていくという丁寧な支援が必要だと思います。これは過保護ではなく、自立のために必要な支援ですよね。整理整頓の仕方も、合う合わないがあります。親や先生とお子さんとでは、整理整頓のタイプが違うこともあります。記事にもコメントされているように、効果がないやり方にはおしつけずこだわらず、別のやり方を試みるというのも、よいかと思いました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年12月01日娘を出産し、育休も終えて職場復帰を望んでいた主人公・夏菜子さんは、義母に反対されつつも娘を保育園に預けることに決めました。しかし入園式に行ってみると、なんと知らないうちにキャンセルされていたことが判明。困っていると夫は勝手に「娘を義母に預ける」ことを決め、夏菜子さんは不安に思いつつも娘を義母に預けて働き始めることに。そんなある日、家のトラブルで数日間義実家に泊まることになりました。そこで夏菜子さんが目にしたのは、無理に勉強をさせたり、食事は娘の苦手なオートミールを強要したりする娘に厳しい教育を行う義母の姿でした。 萌ちゃんのためを思って!娘に厳しい教育を行う義母を見て不信感を覚えていた夏菜子さん。家事の手伝いをしていると、冷蔵庫に娘が通うはずだった保育園の電話番号のメモが貼られていることに気づきました。 保育園をキャンセルしたのかと聞くと、悪びれもせず「そうよ」と答えた義母。その言い分は、「娘のためを思って」というあきれたものでした。 今から勉強しないと男にナメられる、体型をキープすればモデルになれる、など娘の意思を無視した理想を押し付けようとする義母に、夏菜子さんはついにブチ切れ。「もう関わりたくありません」と告げ、義実家を出ました。 しかし自分の家は水道が壊れているため、しばらく帰れません。夏菜子さんの実家は遠いので仕事の前に娘を預けにいくこともできません。いろいろと悩んでいるうちに、夏菜子さんは娘のために「一人でも生きている力をつけないと」と強く決心したのでした。 ◇◇◇ 保育園をキャンセルしていたのは、なんと義母でした。しかもそれは、自分好みに教育したいという自分勝手な理由から。これにはあきれてしまいますね。 おそらく義母は義母で、純粋に孫を大切に育てたいという思いもあるのでしょう。しかし、まずは1番近くで娘を見ている両親に相談する必要があるのではないでしょうか。夏菜子さんはキッパリと義母を拒絶して義実家を出ましたが、みなさんならどうしますか? ベビーカレンダーでは、この話が最終回となります。夏菜子さんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。作画:おかまき著者:ライター 夏菜子
2023年11月22日楽しく読み書き計算の基礎づくりをーー『ワーキングメモリがぐんぐんのびる 単語メモリカードゲーム』「ワーキングメモリ」とは、目や耳から入ってくる情報を限られた時間で記憶し、統合しながら意味を理解する脳の働きのことです。ワーキングメモリに弱さがあると、学習の基礎である文字の読み書きや数の理解がスムーズに進まず、つまずきを感じやすくなります。本書は、カードゲーム方式で無理なく・楽しくワーキングメモリを伸ばすことを目的とし、ワーキングメモリ理論に基づいた教育支援の第一人者である広島大学大学院 人間社会科学研究科教授の湯澤正道先生が考案した5歳から大人までを対象としたカード教材です。カードは、本書の『音韻意識を高める単語メモリカードゲーム』に加え、『算数の基礎をそだてる数字マッチングカードゲーム』『特殊音をすばやく読む単語マッチングカードゲーム』と、全部で3つのシリーズで構成されています。カード毎に記憶機能を高める3つのゲームが収録され、親子や友達同士、支援者と遊びながら、楽しく読み書き計算の基礎づくりができるよう工夫されています。ワーキングメモリは国語や算数などすべての学習の基礎になるものですが、いったん学習が遅れてしまうと机に向かって勉強をすることに苦手意識を持ってしまうことも……。ワークシートのような勉強方式ではハードルが高いと感じている子どもも、カードゲーム方式の学習であれば取り組みやすいのではないでしょうか。家庭学習はもちろん、特別支援教育や放課後等デイサービスなど学校や支援の現場にもおすすめの教材です。理由が分かれば優しく寄り添えるーー『発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界』本書は、発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界をマンガで分かりやすく解説し、子どもの視点から行動の理由を探り、接し方のヒントやアドバイスがまとめられた一冊です。すぐに走り出してしまう、ルールや順番が守れない、友達を叩いてしまうなど、子どもの行動は大人からしてみれば不可解なことが多く、どう対応したらいいのか悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。本書では、「不可解な行動にも、その子なりの理由が必ずある」と伝えています。前半では、主に3~8歳の子育てで保護者が戸惑いがちな「ナゾの行動」をいくつか取りあげ、それぞれ2つのケースを紹介。発達障害・グレーゾーンと言われている子どもも十人十色です。同じような行動であっても、その理由は子どもにとって異なることを感じられるように工夫がされています。監修は、北海道大学名誉教授であり児童精神科医の田中康夫先生。発達障害の特性を持つ子どもやその家族、さらに関係者たちと繋がり、支え認め合うことを大切にした治療で支持されている発達障害のエキスパートです。本書の後半では、行動を理解したうえで、発達障害がある子どもと向き合うときに保護者が意識したいことについても記されています。親子で優しい絵本の時間をーー『たれみみうさぎのリッキ』本書は、ヨーロッパで人気の絵本作家ヒド・ファン・ヘネヒテンが手がけた全世界でシリーズ累計300万部発行のベストセラー絵本です。25年前に刊行された本書が、この秋復刊されました。うさぎのリッキの耳は、みんなの耳とは違います。なぜかいつも右の耳だけ、ダラーンと垂れ下がっているんです。みんなが「たれみみ」と笑うので、ピーンと立った2本の耳がほしくてたまらないリッキ。いろいろな方法で耳をのばそうとしますが、うまくいきません。でも、みんなと違うことは本当におかしなことなのでしょうか?時には泣きじゃくって、時には笑い転げて、「見た目も、性格も、考え方も、それぞれ違っていいんだよ」と、うさぎたちが教えてくれる絵本です。本書の対象年齢は3歳から。親子で過ごす絵本の時間を通じて「君は君のままですばらしい」と、お子さんに伝えてみてはいかがでしょうか。エリートなのに仕事ができない、当事者の葛藤ーー『ルポ高学歴発達障害』「ケアレスミスが多い」「人間関係がうまくいかない」など、生活や仕事上で問題を抱えることもある大人の発達障害。その中には、世の中で「高学歴」と言われる人も少なからず存在しています。世間一般の「エリート」のイメージと「障害」の実情の狭間で理解が得られず、周囲と自分を比べては落ち込み、悩みを抱えている当事者は多いと言われています。本書は、自身も発達障害当事者である著者の姫野桂さんが、高学歴の発達障害にフォーカスし「理解が得られにくい不条理」に迫った一冊です。本文では10人の発達障害当事者のインタビューを掲載。実態の見えにくい当事者の声を拾いあげると共に、大学の教壇に立つ側の視点として現役の大学教授に、医療側の視点として精神科医の取材も。大学における学習支援や、就労支援を行っている企業の取り組みも紹介されています。「高学歴」ということで、周囲から期待されるボーダーラインが上がり、理解を得られない人がいる現状を伝える本書は、今まさに苦しい思いをしている当事者にとって一助となるのではないでしょうか。それと同時に、発達障害が取りざたされる背景にある「異質であること」「非効率的であること」に不寛容な社会の姿を浮かびあがらせているようです。『自閉症児のことばを育てる発達アプローチ~ことばの6ステージ・特徴の理解と逆転の支援~』本書は、自閉スペクトラム症がある子どもの「ことばの発達とコミュニケーション」に焦点を当て、家庭でできることばの療育方法を紹介した一冊です。第1部では、「自閉症児のことばを引き出す方法」を、第2部では、自閉症児のことばの成長段階を6つのステージに分け、各ステージの特徴と支援方法に加え、逆転の発想のアプローチも紹介。6つのステージに分けられていることで、個々の成長に適したアプローチや、次に実践することなどが分かりやすく、療育の見通しがつきやすい内容となっています。著者は、自閉スペクトラム症がある娘の父親でもあり、発達支援教室で指導員を務める臨床心理士の矢幡洋先生。これまで40冊以上の著作を出版し、『数字と踊るエリ』(講談社)は第33回講談社ノンフィクション賞の最終候補にも。本書は、著者が自身の子育てを基に、子どもが興味を示し、家庭の日常の中で実践しやすい楽しいアプローチ方法がピックアップされています。子どもの発達で悩む保護者のヒントになると共に、家庭で行うことばの療育の楽しさも感じることができる一冊ではないでしょうか。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月18日特別支援学級?通常学級?悩んだ就学問題現在6歳の息子は、4歳でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。幼稚園へは楽しく通っていたものの、切り替えの苦手さ、こだわり、癇癪、見通し不安など問題が盛りだくさんだった息子。小学校入学にあたっては進学先に頭を悩ませていました。最初は小人数で指導してもらえる特別支援学級の方が息子も落ち着いて過ごせるのでは?と思っていましたが、住んでいる自治体には情緒学級がなかったため療育の先生、かかりつけ医の先生に相談しました。すると、息子は新しいことを学ぶのに喜びを感じるタイプであること、学校でみんなと学びたいという気持ちが強いことから、通常学級が好ましいとみなさん同意見でした。そこで通常学級に席を置きつつ通級指導教室で感情のコントロール方法を学ぶほうが合っているのではないかということになり、わが家の希望は通常学級+通級指導教室に決定しました。そして、年長の9月就学相談へ臨んだのですが……。Upload By ユーザー体験談「通級指導教室は必要ない」就学相談でこちらの希望は聞いてもらえず就学相談は自治体の就学科の担当者1名と私(母)、2名で行いました。最初に私が通常学級に所属しながら通級指導教室に通いたいと希望したところ、以前受けた知能検査結果を見ながら「知的な問題がないので、通級指導教室は必要ないと思います」とバッサリ。そして今では通常学級でもある程度配慮が受けられるからと熱く説明されました。・声かけ・座席配慮・答案用紙にバツをつけない・癇癪の時に別室などで対応するその他の要望もできる範囲で聞いてもらえるとのこと。私が圧倒されていると、さらに続けて特別支援学級や通級指導教室には予算に限りがあると説明され、あまり人数を増やしたくない……という雰囲気をひしひしと感じてしまった私。その後も「まだ入学まで半年あるから成長するかもしれませんよ?」「就学前健診で学校側から言われたら通級指導教室を考えればいいのでは?」などと言われたため、こちらの話す時間もほぼ取れず終了してしまいました。これで通常学級に通うことが決定してしまったのです。Upload By ユーザー体験談本当にこれでよかったの?悩んだ母は電話をとった!本当にこれでよかったのか……とても悩みました。就学前健診の時に再度学校側に相談することも考えましたが、今回の就学相談で療育の先生、かかりつけ医の先生から勧められていたことがちゃんと伝わっていたのかも自信がありませんでした。このままモヤモヤしていても仕方がありません。やっぱりもう一度伝えなければと思った私は、勇気を出して電話をすることにしました。緊張しながら「先日の就学相談では通常学級を進められたのですが、やはり通級指導教室にも入りたいと思っておりまして……。就学相談をもう一度お願いしたいのですが」と話したところ、「では二次面接をしましょう」とあっさり二次面接を受けられることになりました。今度はきちんと自分の思っていることを伝えようと面接に行くと、前回とは別の方が担当でした。面接ではすでに通級指導教室に行くことを決めていたかのように話がスムーズに進み、通級指導教室が無事決定。力んでいたので拍子抜けしましたが、電話をしてよかったと本当にほっとしました。楽しみにしていた小学校。でも入学式では奇声と大癇癪を起こしてしまい……入学までは学校生活に関する絵本を読み聞かせたり、幼稚園と学校の違いを話したり、小学校がどういうところかイメージがつくようにしていました。幼稚園のようにいつも先生がついてくれるわけではないこと、自分で自分のことをしたり、みんなと同じように行動することが増えること、遊べるのは休み時間だけ、授業中は席に座って話を聞くなど息子には難しいことが多い状況だと話していましたが、その時は「できるよ」「勉強楽しみ」など前向きな発言が多くありました。また学校を見学し、学校内の雰囲気も味わってもらいました。そして迎えた入学式当日。学校を楽しみにしていた息子でしたが、初めてのことへの不安から学校に着いた途端に不機嫌になってしまいました。受付が終わると親はホールへ、子どもは教室へと離れ離れになったためその後どうしていたかはわかりませんが、入場は泣きながら先生につき添われて入場、席に着きしばらくすると奇声を上げて癇癪を起こしてしまいました。初めて見るくらいの癇癪と奇声で、私もビックリするほどでした。Upload By ユーザー体験談先生がホールの外へ連れ出してくれたので私も外に出てつき添いましたが、癇癪は全くおさまりません。支援コーディネーターの方が居たので一緒に校内を散歩させてもらい、式が終わる頃ようやく落ち着きました。この時の私は疲労困憊。もう疲れと悲しみでいっぱいでした。不安にならないようにといろいろ準備をしましたが、息子には事前の対策は効果なかったようです。もし今就学前に戻れるなら、入学式のイメージや大勢の人の中に入るということをもっともっと具体的に本人に伝えてあげたりイメージできるように考えてあげればよかった……と思っています。困りごとが多い息子が楽しく過ごせる居場所へ入学後、通常学級で実際に受けられた配慮は、座席を1番前にしてもらうこと、支援員にほぼ専属でついてもらうこと、見通しを立てられるよう予定を伝えてもらうなどでした。それでも息子は勝敗や順番にこだわって泣きわめいたり、プリントを破いたり、ときには全く関係のない子を叩いてしまうことも……。そんな息子の行動のため、授業も度々止まってしまっていたようです。Upload By ユーザー体験談学ぶことは好きだけれど、息子に集団行動は難しかったようでした。本人はみんなと勉強したいと頑張ってはいましたが、それ以上の配慮を求められる状況ではなかったため、1年生の2学期から情緒学級のある学校へ転校しました。問題行動はまだありますが、幸いにも癇癪の頻度は減り、癇癪になっても自分で切り替えができるようになってきています。勉強はゆっくりになってしまい不満もあるようですが、一方で楽しいことも増えたようで、母としてはホッとしています。就学前は就学先について悩みましたが、入った後も引き続き試行錯誤中です。今は息子が楽しいと思うことが少しでも増えていってくれればと思い、これからも息子の学校生活をサポートしていけたらと思っています。イラスト/taeko※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:鈴木先生より)残念なことに、自治体や教育委員会は子どもファーストではなく定員・予算ファーストとなってしまう場合があるようです。神経発達症を診断できる小児科医が増えてきたためか、診断が増えると特別支援学級のニーズが高まり、受け皿が限られていることからこういう事例が増えています。しかし、あくまでも子どもファーストで教育する必要があるのではないでしょうか。理解のある市町村では特別支援学級の教室を増室して対応しています。残念ながら、その市町村の教育に関わる予算次第ということです。教員数も含めて市議会で議論する必要があります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月17日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受け、次男は多動傾向がありました。幼稚園に通い始めると、兄弟2人とも発達医療をすすめられて困惑します。長男は就学のため小学校の支援級の見学や知能検査を受けるも結果は普通級。幼稚園からは次男の検査も急かされ、兄弟で診察を受けに児童発達センターへ。長男はADHD、次男は多動という診断を受け、医師から的確な助言ももらって、息子の育て方に悩んでいた心が少し救われます。結果を伝えると、園長は自分の手柄と言わんばかり。年中になる次男は幼稚園から園外療育を提案され、幼稚園と療育園の並行通園を始めました。夏休みに次男の就学に向けた会議がおこなわれ、幼稚園をやめるという選択肢を提示され、幼稚園の面談でその決断を迫られてーー。夫婦で話し合った結果、幼稚園の退園を決めたと報告すると、主任先生は安心した様子で、園長は笑みを浮かべていました。退園を決めた一番の理由を聞かれ、衝撃を受けるゆーとぴあさん。さんざん退園を迫ってきたのに、最終的な判断は両親が決めた形にしたいようにしか思えませんでした。当の次男は療育園を行きしぶり、幼稚園に行きたいと泣く日が続きます。そんなわが子を見て、息子や自分を責める気持ちと同時に母としての申し訳なさ、これまでの苦悩などいろんいろな気持ちがあふれて、次男を抱きしめて涙が止まらず……。 「安心してくださいね」療育園からの温かい言葉に心から感謝 ※エビリファイ:一般名「アリピプラゾール」。抗精神病薬。心の具合を調整し、気持ちを穏やかにする薬。気持ちのたかぶりをしずめる作用がある。強い不安感や緊張感、興奮状態、うつ状態などさまざまな精神症状に応用され、副作用も比較的少ないとされている。対象は小児期の自閉症スペクトラムに伴う易刺激性で年齢6歳以上18歳未満の使用を目安にしておくとよい。 療育園だけの通園になり、しばらくしてからの面談にて。担任から次男のうれしい報告を受けたあとに幼稚園での様子を聞かれ、園からの逃亡や大変な出来事を話すと驚かれるとともに、園長からは人数の多い幼稚園では時間をかけることができずに、何をすべきかが理解できなかったのだろうが、療育園ではわかるようにきちんと教えていくので安心するようにとの言葉をもらったゆーとぴあさん。幼稚園を退園する時は、療育園に通うことで周りの目が気になったり、将来のことを不安に思うこともありましたが、息子が過ごしやすい支援があるここを選んだことが心からよかったと感じていました。 1年後、次男が年長になった12月。小学校の支援学級の見学でまた幼稚園の園長と偶然再会することに。イキイキしている園長とは対照的に、彼女が引率していた幼稚園の保護者はどんよりした様子。支援級の見学が終わり質問時間になると、幼稚園の保護者が質問をする様子を見てその母親の気持ちが痛いほどよくわかりました。 見学会が終わり、少し園長と話したゆーとぴあさん。次男の様子を聞かれ、園長から提案のあった支援学校も考えたが、病院から処方された薬が息子に合って落ち着いたことを話すと、勉強熱心な園長はその薬の名前をメモしていました。今となっては、次男には療育が必要だったので園長の判断は正しかったし、療育をすすめてくれてよかったと思えていました。 帰り際、一緒に見学をしていた幼稚園の保護者が声をかけてきて、療育に通っていたことを知らなかったと告げられます。支援級にするかどうか尋ねられますが、わが子の支援級は決まっていると答えたゆーとぴあさん。そのママは悩んでいたようでしたが、結局子どもは普通級を選択したようでした。 一緒に見学した幼稚園の保護者のように、幼稚園から療育をすすめられても普通級に通うケースは多いものの、支援級に入る選択もあるよう。長男のように判断に悩むケースもあり、幼稚園や保護者にとって難しい判断を迫られることに違いはありません。 ◇◇◇ 幼稚園から療育園に至るまでの経緯は、ゆーとぴあさん家族にとって生活の負担や気持ちのアップダウンが大きく、決して平坦な道ではありませんでしたが、療育園では息子の理解はもちろん成長をよく見てくれ、保護者の気持ちにも寄り添ってくれるという、ずっと追い求めていたものがありました。 発達障害について義家族や実母からの無理解、幼稚園の園長からの療育への一方的なすすめ。兄弟ともに発達障害の検査を受け、紆余曲折ありたくさん悩んだゆーとぴあさん。できれば幼稚園には療育の勉強だけでなく、保護者の不安な気持ちの共感や寄り添いがあればと思いますが、最終的には理解ある療育園にたどり着けて本当によかったですよね。次男が成長でき、そんなわが子を見ているのも幸せに違いありません。今はまだ大変なこともあるようですが、お子さんと一緒にゆっくり歩んでいってほしいですね。 ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年11月12日発達凸凹じゃないと思っていたけれど、父ラクマにも特性が!?Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は私・ワッシーナを筆頭に、家族全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。これまで私は、「家族の中で夫だけは発達凸凹タイプではない」と思ってきましたが、ラクマは、子どもたちと妻の私が発達凸凹と気づいた当初から「自分も当事者では?」と言っていました。でも私は彼に「その程度の苦しみかたでは生ぬるい」と答えました。私と子どもたちに比べて発達凸凹の特性に苦しんでいるようには見えなかったからです。ところが最近になって、福祉の専門家たちから、ラクマに発達凸凹当事者としての手記執筆や講演の依頼がたびたび来るようになりました。この状況に、私もラクマが発達凸凹である可能性を認めざるを得なくなりました。どこに行っても、やってはいけないことを必ずやる子どもだったUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイラクマの家族に聞くところによると、幼い頃の彼は、多動・多弁・過集中で味覚・触覚の過敏があり、好奇心の強い子どもだったようです。思いついたら、すぐにやらないと気が済まないので、見慣れないものがあると、とにかく触りたがりました。ラクマの幼児期は今から60年ほど昔のことなので、どの家庭にも暖房器具として火鉢があったそうです。幼いラクマは親戚の家に入るやいなや火鉢を見るとすぐに駆け寄り、ひっくり返しました。家の者が慌てて片づけるの見てゲラゲラ大笑いしていたとか。どうやらラクマは大人も遊んでくれているものと思ったらしいです。その頃は、彼が親戚の家に行くと、どの家庭もあわてて貴重品を手の届かないところに隠したそうです。また、道路では後ろ歩きをしてドブにはまり(当時は側溝に蓋がない)、街に出ると知らない人について行っていつの間にか隣の席で一緒に映画を観ていたりして、家族をパニックに陥らせていました。高い塀から飛び降りて釘を踏み抜いたり、階段から転げ落ちて頭を縫ったり、急いで窓を開けようとしてガラスを割って手首を切ったり……。考える前に行動して失敗したエピソードは数えきれないほどでした。4歳上のラクマの姉は「ラクマは将来、どんな大人になるだろうか」と心配かつ楽しみであったそうです。親族たちは「ラクマは落ち着きがなさすぎるから、まともに学校へ通えないだろう」と予想していたのでした。学校では問題児でトラブルだらけ。でも本人は問題だとは感じてなかったUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ多くの親戚の予想に反して、ラクマは毎日きちんと学校に通いました。ところが小学生になる少し前に吃音が始まりました。話し始めの言葉がうまく出ないのです。「ぼ、ぼ、ぼ、ぼくは、サ、サ、サ、サッカーがしたい」という感じです。早く、たくさん話したいという焦りがあったのかもしれません。給食はほとんどの野菜が食べられないため完食指導で何度も吐きそうになり、地獄だったそうです。シャツのタグはすぐに破り捨て、セーターは当時から今も着ることができません。授業中は先生と争うようにしゃべりまくり、窓の外の動きや音に気を奪われてボーッとしたりしていました。小学1年生になってもひらがなで自分の名前が書けませんでしたが、2年生になって初めて名前を書いたら、先生が感動してホームルームで「今日初めてラクマ君が自分の名前を書きました」とうれしそうに発表するのを聞いて驚いたそうです。本人からすれば「勉強は簡単そうで、いつでもできるからやらなかっただけ」だったため、教師の評価は心外だったのでしょう。こんな調子ですから、クラスメイトからいじめやからかいの対象にされることが多かったのですが、本人はキレやすいタイプだったので、教室や運動場でよく取っ組み合いの喧嘩をしていました。ラクマ本人は自分に問題があるとは感じておらず、むしろ周りのほうに問題があると思っていたようです。ラクマの母は4年生になっても勉強ができない息子を心配して、大学生の家庭教師をつけました。ある日、家庭教師がローマ字を教えようとしたところ、ラクマは五十音を覚えていないどころか、そもそも五十音というものがあることすら知りませんでした。家庭教師はすぐにやめてしまったようです。どうやら、さじを投げられたみたいです。図書係になって読書にはまると、学業面でも劇的な進歩がUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ家庭・地域・学校で問題だらけの息子に心労が絶えなかったラクマの母は、もともと小柄なのに、10キロ以上も痩せてしまったそうです。悩んだラクマの母は、息子を落ち着かせたい一心で書道などの習い事や野球、サッカー、ゲーム、プラモデルなどを手当たりしだいやらせてみました。ところが何をやってもわりあいすぐに上達するのに、続けることができません。5年生になった時、母はラクマに、図書係になることを強く勧めました。図書係になったラクマは、いきなり読書に没頭するようになりました。書架にある本をかたっぱしから読んで、卒業する前に学校の図書室の本を全部読み、それでも足りずに母親に頼んで新刊が出る度に購入していました。休日になると朝から書店に行って新刊を買うと、すぐに家で読み始め、最後まで読み終えて本から顔を上げると、いつのまにか夜になっていて驚くことが度々あったそうです。読書に熱中して半年ほど経つと集中力がついて、先生の話がしっかり聞けるようになり、周囲が驚くほどいきなり成績がアップ。学年でもトップクラスの成績になりました。吃音も次第に目立たなくなり、中学になるとほとんど消えていました。本の虫になったラクマは「大人になったら本を読んだり書いたりする仕事につきたい」と思い描くようになりました。仕事で培った技術を家族への工夫に活かし、その内容を絵本やマンガ・エッセイで発表Upload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ小学生の頃、小柄で問題児だったラクマは、高校から背が高くなり、大学中退後に広告代理店に勤務してコピーライター職につき、物静かな大人になりました。少年時代の彼を知る幼なじみや親族からは「まるで別人のようだ」と、よく驚かれるそうです。ラクマは大人になって一見大きく変わったようですが、実のところ、過集中な特性はあまり変わっていないようにも見受けられます。読書にはまると今でも時間が分からなくなり、あまりにも飛行機や電車などを乗り忘れるので、空港や駅では決して本を読まないというマイルールを今も守っています。コピーライターは映像やイラスト、キャラクターなどと言葉の表現を組みわせて、多くの人に情報を伝える技術です。結婚して子どもが4人になり、家族全員が発達凸凹当事者だと気づくと、彼の過集中な特性やコピーライターとしての技術が、家族を元気にするための工夫に活かされてきました。家族それぞれの発達凸凹の特性をキャクター化してデザインし、それぞれのキャラクターを言語化したネーミングで、家族の工夫のストーリーをマンガでまとめています。ラクマは、家族全員の技術を持ち寄って、映画や絵本などを作りたいという夢を思い描いています。4人の子どもたちは、それぞれ商業映画やTVコマーシャル、イラスト、フラワーアレンジ、英会話の分野で活動していますので、その夢の実現も遠いことではないかもしれません。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:森先生より)発達障害のある方の中には「周りがやっているから自分もやっておこう」という考え方があまり馴染まない方もいます。ですので、子供の頃は勉強をする意味が分からなくて「勉強ができない」と誤解されてしまうケースもあります。しかし、ひとたび興味を惹かれたり、目的のために必要だと本人が考えると、爆発的なエネルギーで勉強に向かうこともあります。「過集中」と呼ばれ、それこそ、興味を惹かれる物事には寝食を忘れて没頭することもめずらしくありません。ラクマさんにとっては、読書や表現に興味を惹かれて、そしてそれが世間からも求められる形で才能を発揮できるコピーライターはまさに天職。ラクマさんのお母様は、ラクマさんにいろいろな習い事を経験させる中で向いていそうなことを探して、図書係を勧めてくれたのでしょうね。このように、才能をうまく発揮できる方向を、親子で探っていけると生きやすくなるでしょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月10日私は製薬会社で化粧品の研究と開発をしている理系女子(リケジョ)です。大学時代に5歳年上の夫と出会って結婚し、幸せな日々を送っています。義両親や義兄はとてもいい人なのですが、義姉とその息子がとてもわがまで、義兄も甥の将来を心配している様子。 そんなある日、事件が起こってしまいました……。 義姉に甥っ子の宿題を押し付けられて……ある日、義姉と小3の甥が急に私の家にやって来ました。そして、「ママ友グループで旅行に行くから夏休みの宿題やっといて!」と言ってきたのです。甥も「おばちゃん、頭いいんでしょ? だったらその頭の良さが本当かどうか、こういう時に見せてよ」と挑発してきました。 宿題を押し付けられ、心底腹の立った私は、夫と義兄に連絡をして2人をギャフンと言わせるために作戦を立てました。1週間後、私はリケジョのプライドをかけ、宿題をすべて終わらせました。 宿題の逆襲!義姉と甥の大誤算私は「中身を確認してくださいね」と言って手渡したものの、甥はそのまま学校に提出した様子。私の作戦通り、2学期が始まった途端、義姉と甥が怒りながら私の家へやって来ました。 実は、小学3年生のレベルを大幅に超えて、私の知識を総動員して宿題を解いたのです。算数の解き方もわざと難しい公式を使い、読書感想文のために読んだ本は哲学書。甥が自分でやっていないことがすぐに先生にばれ、親子で叱られたそうです。 「あんたのせいで怒られた!」と怒る2人に対し、私は「全力でやれって言ったのも、中身を確認せずに提出したのもお2人ですよ?」と反論。義姉は「全部の宿題をやり直しになったんだから、もう一度ちゃんとやり直すか、私と息子に迷惑料払いなさいよねっ!」と言ってきました。 義兄に怒られてそのとき、私から連絡を受けていた義兄と夫が部屋に入ってきました。そして、義姉と甥に「お前たちはどれだけ迷惑をかければ気が済むんだ?!」「自分の宿題を自分で全部やるのは当たり前だろ!」と激怒。 義兄は「迷惑料を払えだって? ふざけるな! お前が遊んでる間、彼女は必死に宿題をやってくれたんだぞ! お前が自分で働いて迷惑料を払え! できないならもう離婚だ!」と言い渡し、義姉は大慌て! 義姉は慌ててパートを見つけて働き始めました。そして、甥は自分の力で宿題をやり直すことに。 甥っ子は勉強好きにその後、懸命に宿題をやった甥は勉強に目覚めたようで、自ら塾へ行きたがり、以前の自己中心的な態度から、真面目な男の子へと変化していきました。そして、先日甥から電話があり「おばちゃん、この前はごめんなさい。僕、勉強を教えて欲しいんだけど……」と言ってきたのです。私はその申し出に喜び、甥に勉強を教えるようになりました。 長い人生の中でたとえ失敗したとしても、気持ちを入れ替えて取り組めばやり直せるものです。これからは、家族全員で甥と義姉の再スタートを応援するつもりです。著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2023年11月02日3児のママとして奮闘するオニハハ。さんの長男・イチくんは小学生。親として何よりも驚いたのが、自分が子どものころより圧倒的に多い宿題量。親がつきっきりでないとイチくんの集中力は続かず、かといって、下の子2人の世話も、夕食の準備も放棄できない……。しかも、夫は帰宅が遅く、頼ることもできません。学年が上がるにつれ、宿題は増える一方。3年生になったイチくんは、宿題を終わらせないまま登校します。それでも先生に叱れることはなく、味を占めたイチくんは無敵状態に。しかし、ついに先生から自宅へ電話がかかってきてしまいます。無理にでも宿題をやらせるべきか否か、オニハハ。さんは悩みますが、夫は「宿題やった覚えねぇし」と言うのです。「でも俺、子どものころに宿題やった覚えねぇし」——。 夫の意外な一言に目からウロコのオニハハさん。は、「宿題をやる意味」について考え始めます。 必死に説明してみたけれど… 「ちゃんと説明できる自信ないな……」 オニハハ。さんは「宿題をする理由」について検索。大量の宿題を前にやる気をなくしそうなイチくん本人にも、同じ質問をします。 「勉強しないとバカになるからでしょ。俺、バカだもん」 「イチはバカじゃないよー!! テストだって、いい点取れてるし!」 オニハハ。さんは沈んだ表情を浮かべるイチくんを目いっぱい励ましながら、宿題をする理由を伝えます。 しかし、イチくんの表情は曇ったまま……。 「わかった、頑張る!!」 オニハハ。さんの必死さに根負けしたのか、一度は机に向かったイチくん。しかし、やる気も長くは続かず、数分後には力尽きてしまいます。 イチくんを奮起させるべく、宿題をする理由について、オニハハ。さんは自身の後悔やイチくんの未来も交えながら説明しますが…… 「お母さんは大学行ったの? じゃあ、俺も行かない」 大学に進学していないオニハハ。さんは、完全なる図星。 それでも宿題をすることの先にあるメリットを語り続けますが…… 「勉強していなくても、お父さんもお母さんも、今、幸せそうだもん!」 オニハハ。さんの頑張りもむなしく、イチくんは満面の笑み。説得するどころか、むしろ複雑な気持ちになってしまうのでした。 宿題をする理由、大人でも戸惑ってしまう質問ですよね。 子どもに宿題をさせることは、大人にとっても大きな苦労。すると、ついつい隣の芝が青く見えそうなものですが、宿題があるのは他国も同様の様子。国際的な学力調査団体によれば、調査に参加した60以上の国と地域のすべてに宿題が課されていたとか。 宿題に取り組ませることへの親の悩みは、もしかすると万国共通なのかもしれません。>>次の話著者:マンガ家・イラストレーター オニハハ。
2023年10月25日心身が限界を超えてしまった7月に入り、日本語教師養成講座で模擬授業をどんどんこなしていた時期のこと。自分の模擬授業が終わって少しした時に、急に激しい胃痛と吐き気が襲ってきました。ASDのある私は、さまざまな刺激に敏感に反応をし、体調に影響が出てしまう傾向があります。6月半ばに母を亡くし、その時点ですでに体調を崩していたのですが、日本語教師養成講座のスクールの都合で、7月からのハードスケジュールをこなさなければなりませんでした。「かなりの無理がかかる」と分かりつつもその無理をこなしていた状況だったので、胃腸症状が出た時には「案の定、きたな……」と思いました。7月からの2ヶ月間は想像以上にきつく、土日もずっと休みなしに模擬授業の教案を作っている状態。このままでは本当に倒れてしまうと思いましたが、この科目は授業の編成上、途中で別の日程に振り替えることができないことが分かりました。仕方なく、私は大学受験で無理をしすぎて以来、絶対自らは選ばなかった「死ぬ気の頑張り」を自分に強いました。それからはやはり、胃痛と食欲不振、下痢傾向が続き、入眠のしにくさ、睡眠の質の低下も出てきました。悪いことに8月に入ると新型コロナにまでかかり、残遺症状がプラスされてもうわけが分からないぐらいあちこち具合が悪くなりました。この夏の異常な暑さもあいまって、本当に参りました。どうにか8月末近くに実践系の授業を終えた私は、「誰がなんと言おうと残りの課程を後ろ倒しにしなければ年単位で再起不能になる」と思い、9月から数ヶ月、徹底的に休むことに決めました。心身の負荷が閾値を超えた最大のサインは「食べられない、寝られない」私は、心身の負担が閾値を超えたサインとして、まず「食べられない、寝られない」を設定しています。過労やうつ傾向などで病院に行く目安もこの2点だと言われているのを聞いたことがあります。食事と睡眠は生命維持に不可欠な要素ですから、ここがうまくいかなくなると事態は深刻だということになりますね。私の場合、ここに痛みと精神症状を加味して考えています。体のどこかが常に痛い(頭痛、腱鞘炎、腰痛など。自律神経が参っているところから、筋肉が常に過緊張状態にあるのではと考えています。頭痛は思うように洗髪できなくなるレベルになると深刻な状態)気持ちのざわつき(頭の中で思考が止まらず、ずっとくるくる回っていて、スイッチオフができないような状態)イライラ(私はこんなに頑張ってるのに! みたいな感じで、普段よりも狭量になる。イライラした瞬間に胃がキュッとさしこむのも感じていました)サインが出たらすぐに対処を心身への負荷が閾値を超えたと思ったら、すぐに対処することが必要です。ケアが遅れるほどに回復に時間がかかります。私は今回、サインが出てからやむをえず2ヶ月ぐらい無理を重ねてしまいましたが、経験上「回復にはケアせずにいた期間の半分は必要」と考えています。たとえば、私は2ヶ月間無理してしまったので、1ヶ月間は全てを投げうって完全に休養することが必要、といった要領です。今までで一番回復に時間がかかったエピソードとしては、大学受験でしょう。少なくとも高校の3年間ずっと過労状態で、風邪をひくと治らず、一度は血尿血便を出して倒れたこともありました。受験直前は睡眠、トイレ、食事、お風呂のほかをすべて勉強に注ぎ、1日に16時間は勉強していたので、受験を終えたらバーンアウトしてしまい、大学時代はほぼ棒に振ってしまうことに。以来、「勉強する」ということ自体がトラウマになってしまいました。まずは医者にかかる元気を出す……私の回復方法体調を崩してしまったら、まずは医者にかかるのが何より大事です。ただしここには、「医者に行けるだけの元気も出ないときがある」という問題があります。このため、深刻に体調を崩したときは、まずは負荷となることをすべて放り出して、「ともかく寝る、少なくとも横になる」というステップが必要になります。とにかく横になり、少しでも気力体力を回復させるもともと食事は夫の担当で、掃除洗濯が私の担当。普段より掃除機の頻度が下がったり、洗濯はなんとかできるけれどたたんでしまうのができなかったりというのを我慢してもらい、お風呂は洗ってもらったりすることも。夫の都合がよいときは、頼んで車で病院に送り迎えしてもらうこともあります。医者にかかり、症状に合う薬を処方してもらうまずは精神科の主治医のところに行きます。内科も必要そうならかかります。片頭痛がひどいときは脳神経外科に行きます。薬の調整をしてもらって、少しでも回復力のあるよい睡眠がとれ、食べる気力が出るようにしてもらいます。少し回復してきたら鍼灸へ体調の底を脱したら、何度か鍼灸に行きます。3日に1回ぐらいじっくりやってもらうのを数回繰り返します。私の場合、これでさらによく眠れるようになり、身体の緊張が抜けてきます。動けるようになってきたら家の中でストレッチや軽い家事家で起きていられる時間が出てきたら、ヨガやストレッチでさらに身体を整え、投げうっていた家事を少しずつ再開します。少しでも家事ができるようになってくると家の中もさっぱりし、気持ちも明るくなってきます。通常の生活に戻るステップ4の段階を終えたら、少しずつ通常の生活に戻ります。朝起きて昼に活動して夜に眠る。疲れてるなと思ったら少し昼寝したり、早寝したり。体調不良の原因となるような生活スタイルに戻らないように注意します。普段から自分をよく観察し、かかりつけの病院をまじめで、つい無理してしまう人も多いと思います。しかし、長く健康に仕事や勉強をし続けられるように、自分の状態をよく見て適宜休みをとり、頑張りの度合いを調整するのも、とても大事な誠実さだと思います。自分の人生を生きるのは自分の心身しかありません。できるだけ無理はしないように心がけたいと私は思っています。また、体調を崩したとき、とっさにかかっても普段の自分の様子を把握してくれている医者がいるのは心強いし、受診もスムーズです。このためにも、普段からかかりつけの医者を持っておくことをお勧めしたいです。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)一般的には、まじめな人ほど鬱になりやすいと言われています。またASD特性がある方は感覚過敏、特に音過敏があるので静かな環境が望ましいのです。学校や職場の環境が良くないと、ストレスという心の摩耗が進み体調を崩す傾向があります。そのためにはできるだけ「無理をしない」事とリフレッシュする事が重要です。何でもいいので何らかのスポーツを定期的にすることをお勧めしています。心のストレスを発散できる可能性が高いからです。また、体を動かすことで睡眠も良くなるかもしれません。子どもも大人も日中の活動性を高めることが重要なのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月22日インクルーシブ教育システムとはインクルーシブ(inclusive)とは「包摂的な」「包み込む」という意味を持っており、インクルーシブ教育とは「誰も排除せず、すべてを包み込む教育」とされています。現在の日本の学校ではマジョリティ(多数派)の子ども中心のつくりとなっています。例えば、障害のない子ども、シスジェンダー(生まれたときの性別と自分が自認している性別が一致している)の子ども、家庭環境が安定している子どもなどです。しかし、実際の社会の中には障害のある子ども、性的マイノリティの子ども、外国にルーツのある子ども、社会的養護が必要な家庭の子どもなどもいます。そのようなマイノリティ(少数派)の子どもたちが排除されないように、マジョリティ、マイノリティ関係なく誰もが当たり前に通常の学校に通えるように教育システムを変えていくことがインクルーシブ教育においては必要です。日本では、障害者の権利に関する条約を踏まえて、インクルーシブ教育システムの構築が進められています。インクルーシブ教育システムとは文部科学省でこのように定義されています。「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。引用:共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)概要|文部科学省このコラムでは、・インクルーシブ教育って?・インクルーシブ教育の実践例・合理的配慮の手順・インクルーシブ教育の課題・インクルーシブ教育を広めるために保護者ができることなど、インクルーシブ教育についてのギモンから、課題まで専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【専門家が回答】メリット、デメリットは?実践例や保護者ができることなどインクルーシブ教育を分かりやすく解説!ここからはインクルーシブ教育・インクルージョン研究者/一般社団法人UNIVA 理事の野口 晃菜先生にインクルーシブ教育についての質問にお答えいただきます。(質問)「インクルーシブ教育」という言葉を最近よく聞くようになりました。「みんな一緒に」という考え方ということなのでしょうか。一体どのようなものなのか分かりやすく教えてほしいです。(回答)多様な子どもがいることを前提とした教育です。教育の形を何も変えずに、ただ多様な子どもが同じ場にいるだけではインクルーシブ教育ではありません。インクルーシブ教育のためには、学校教育の在り方そのもの、例えば先生や子どもの人数、カリキュラム、学校経営や学級経営、授業づくりの在り方などを見直し、変革していく必要があります。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに発達障害があり、「インクルーシブ教育」について関心があります。今世界や日本で実際に行われているインクルーシブ教育にはどのようなものがあるのでしょうか。(回答)通常の学級における授業のスタイルや学級経営のスタイルを、多様な子どもがいることを前提に変えている学校がたくさんあります。例えば、教科書を使って、先生が黒板に板書をして、一斉指導をするスタイルではなく、一人ひとり自分のペースに応じて学ぶ授業スタイルや、テーマに沿ったプロジェクト型学習を自分で計画して進めるスタイルの授業など。一人ひとりが違う興味関心があり、得意な学び方が異なり、休み時間の過ごし方も異なる、など、多様な子どもがいることを前提とした学級経営や授業づくりをした上で、個々に必要な合理的配慮をすることがポイントです。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに発達障害があり、特性から学校で苦労していることが多くあります。このような場合インクルーシブ教育のために合理的配慮などをお願いできるのでしょうか。先生への伝え方や手順、あると役立つものなども教えていただけるとうれしいです。(回答)合理的配慮は、障害者差別解消法という法律において義務付けられています。ぜひ合理的配慮を学校に意思表明してください。お子さんの年齢や特徴にもよるかと思いますが、なるべくお子さんとどのような合理的配慮が学校であるとよいか、まずは話し合ってみてください。ポイントは、まずは学校においてお子さんが学ぶ上でのバリアがどこにあるのかを先生と話すこと。その上でそのバリアを解消するための合理的配慮について話し合うことです。もし学校側が保護者の方が提案した合理的配慮が難しいという場合、その理由を聞いてみてください。その上で、どのような合理的配慮であれば可能かを、ぜひ話し合ってみてください。可能であれば、その場に子どもさん自身が参加されることをお勧めします。担任の先生のみでなく、特別支援教育コーディネーターや管理職の先生にも同席をしてもらうと、いろんなアイディアがでてくると思います。「バリアをどう解消するか?」という観点からぶれずにみなさんで対話をしてみてください。学校における合理的配慮の事例は、国立特別支援教育総合研究所のインクルDBにたくさん掲載されています。そのほかにも、私が編著として9月に出版した書籍「LD(ラーニングディファレンス)の子がみつけたこんな勉強法学び方はひとつじゃない! - 合同出版」にも合理的配慮の事例や、そのためのプロセスがたくさん掲載されていますので、参考にしてみてください。参考: インクルーシブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)|国立特別支援教育総合研究所参考:LD(ラーニングディファレンス)の子がみつけたこんな勉強法学び方はひとつじゃない!|合同出版Upload By 発達障害のキホン(質問)インクルーシブ教育がもっと日本に浸透すればいいのにと思っています。広めていくためにはどのような課題があるのでしょうか。(回答)インクルーシブ教育は障害のみの話ではなく、子どもたちは多様であることを前提とした教育です。そのためには、障害分野のみでインクルーシブ教育の議論をしたり、制度をつくるのでは限界があります。日本には不登校状態の子どもも、外国にルーツのある子ども、性的マイノリティの子もたくさんいます。学校教育そのものをどのように変えていくのか、より大きな視点での議論が必要です。教育施策の中で優先順位を上げていくために、より多くの人が知り、関心を持てるような工夫が必要です。そもそも教育そのものにもっと予算が割かれることも必要です。Upload By 発達障害のキホン(質問)通っている学校などでもっとインクルーシブ教育を知ってもらうために、保護者としてできることはあるのでしょうか。(回答)上記のご質問への回答とも重なりますが、まずはご自身のお子さんにとって今の学校で学ぶ上でのバリアはなにかを明らかにし、その解消方法として合理的配慮の意思表明を学校にしていただくことができることかと思います。学校はまだ合理的配慮に慣れていません。みなさんの行動により、学校にとって合理的配慮がどんどん当たり前のものになっていくと思います。また、ぜひその経験を周りの保護者とも共有してみてください。Upload By 発達障害のキホンインクルーシブ教育にまつわる関連コラム(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年10月21日子どものチーム入団で10数年ぶりにサッカー現場に。今は国内外の指導について情報を勉強中のコーチ。サカイクのSNSで池上さんのドイツ視察を見ての質問。最近日本代表はドイツに2勝するなど強くなってきているが、ドイツ視察に行ってみて日本の育成現場と大きく違うのは何?指導経験が浅くても取り入れられるメニューがあったら教えて。とのことジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、4回目となるこの夏のドイツ視察で見てきたことを元にアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ボールを奪われない距離感が日本と海外では違う、相手に奪われない適切な距離の取り方を教えて<お父さんコーチからの質問>池上さん、こんにちは。地方都市の少年団で5、6年生を担当しています。サッカーはそこそこ強豪校でやっていて、大学でも趣味で続けてはいましたが、指導の勉強をしたことはありません。息子がチームに所属して、十年以上ぶりぐらいでサッカーに関わった保護者コーチです。そのため、ネットなどで国内外の指導について勉強中です。サカイクのSNSでこの夏ドイツ視察に行かれていたことを知りました。ドイツは育成大国で、その取り組みは日本も導入してきているのは知っています。最近代表レベルではドイツに2勝したり、日本の育成も世界と比べても評価できるのではないかと思っているのですが、実際ドイツ視察を行って育成年代で日本と大きく違う事はどんなことがありましたか。指導経験が浅い保護者コーチでも簡単に取り組める練習メニューなどがあれば教えてください。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。私がドイツの小学生のプレーを観たのは、ブンデスリーガの下部組織でした。小学生たちが、12歳でボール運びができ、戦術をしっかり理解してサッカーをやっていることに驚きました。いいタイミングでスペースに飛び込んだ子に、これもいいタイミングでパスが出ていました。精度の差こそあれ、やっているサッカーはトップチームの選手たちと変わらないのです。一方、日本の子どもはボールをもらうとまずドリブル。速い展開やボール運びはできません。ただ、私が観たドイツの子はプロクラブの下部組織なので、いわゆる「選ばれし子どもたち」です。だったら、そうではない一般のアマチュアの街クラブでは、どんなふうなのか。どんな指導環境なのか。そこを学びたくて、日本の町クラブの指導者たちとドイツに視察に行き始めました。■流れるようなボール運び、戦術理解ドイツと日本の育成で最も違う点コロナの影響でいけなかった年もありますが、今年で4回目になります。この夏は、2つのグループに分けて、一方はドイツからオランダに足を伸ばすツアーを加えました。結論から言うと、街クラブの子どもたちも流れるようなボール運びができ、戦術を理解していました。サッカー偏差値の高さはブンデスリーガの子どもたちと変わりません。つまり、ドイツと日本の育成で最も違う点は「技術ではなく戦術理解の指導を優先する」ことだと感じました。具体的に言えば、指導者がサッカーの入り口に立つ小学生に、その瞬間どこにどのように動いたほうがいいのか、何を、どこを見たらいいのか、ピンチのときどうやって守ったらいいのか、を教えることです。決して、止める・蹴るといった足元の技術から教えません。止まったまま2人組でキックを蹴ったり、ひとりでコーンドリブルをするといった日本でよく見る練習は、ドイツでは一切見たことがありません。パス交換やドリブルなど基礎的なスキル練習らしいことも時折やりますが、いつも2人から3人組で行う。常に「他者(の意志)を感じる」力を育めるよう、なおかつサッカーを楽しめる練習が行われていました。そして、当然ではありますが、コーチたちは怒ったり、焦ったりして大声を出したり、出来ない子を責めたりはほとんどありませんでした。指導者も子どもたちも、まさしくサッカーを楽しんでいました。だからでしょう。私たちはドイツで団子サッカーを見たことがありません。試合を視察すると、町のどんなチームでもほとんどがゴールキーパーからビルドアップをします。キーパーはパントキックをしないし、バックの選手から前線へのロングボールもありませんでした。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■日本は技術→認知→判断で指導するが、ドイツや欧州のサッカー先進国では逆この連載でも何度か「教えることの順番が違いますよ」という話をしました。日本はこれまで、技術→認知→判断で指導してきましたが、ドイツをはじめ欧州のサッカー先進国ではその逆です。足元の技術がおぼつかなくても、ボールを運ぶ練習をしてサッカーの本質を知ることから始めます。最初に判断力を磨き、認知を深めます。そうすると、ポジショニングは良かったのにトラップをミスするといった状況がたくさん出てきます。そこで初めて「じゃあ、ボールコントロールの練習もしてみよう」となれば、子どもたちは意欲的に取り組みます。もうサッカーの「やり方」はわかっているので、あとは細かいミスをなくせばいいだけです。その流れで、ドイツでは中学生や高校生年代で、もう一度足元のスキルアップを意識させるような練習をやります。このようなロードマップで育成すると「小さいときは上手かったのに、大きくなったら下手になった」とか「足元は上手いけれど、オフ・ザ・ボールの動き方が理解できないのが弱点」といった選手は出てこないのです。もうちょっと年齢が上がってユースレベルのカテゴリーになると、コーチは「タイミングをうまく合わせよう」と声をかけます。例えば「今、君がもう少し我慢して、このタイミングで走り込んだらチャンスになったね」といったアドバイスです。決してパスを「正確に蹴りなさい」ではないのです。■田中碧選手の所属チームでは擬人法を使って「サッカーの本質」を伝えている(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)田中碧選手が在籍するフォルトゥナ ・デュッセルドルフにも視察に行った際、広報を務める日本人スタッフの方にとても興味深い話を聞きました。フォルトナでは小学生に大事なことを伝えるときに、擬人法を使うそうです。動物に例えるのです。「さあ、君たちはオオカミの群れです。獲物をとらえるために、みんなそれぞれ役割が決まっている。みんなで協力して狩りをして、みんなで美味しい食事をしよう。でも、誰かひとりでも一匹オオカミになってしまうと、協力し合えない。一匹オオカミはひとりでえさをとれなくて死んでしまうんだ。だから一匹オオカミを作ってはいけないよ」これはサッカーというスポーツはみんなでやるものだ。自分勝手にプレーしないことが大切だ。チームで動かなくてはいけない――そんなサッカーの本質を子どもにわかりやすく伝えるため、狼に例えています。さらに、ピッチの上で首を振っていっぱい見たほうがいい、と視野を取る重要性を伝えるときは「フクロウの眼のようになれ」を挙げます。フクロウは右と左の眼球をバラバラに動かせます。いろんなところがいっぱい見られるというわけです。サッカーを理解してもらうために、どうすれば子どもに伝わるかにとてもエネルギーを割いていました。大人から「ちゃんと見ろ」とか「走れ」といった抽象的な声掛けも耳にしませんでした。メニューはネットでも本でもどこからでも引っ張れます。まずは、ここまで説明したことを参考にして、ボールを運ぶことを理解させてください。メニューはひとりでやらないものを軸に選んでください。こちらの連載でもメニューの話はたくさん出てくるのでチェックしてみてください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年10月20日小2まで何も指摘されなかったけれど、9歳で分かった発達障害現在12歳の息子は9歳で自閉スペクトラム症(ASD)、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)、LDの診断を受けました。息子は、イヤイヤ期の時はそれなりに大変ではありましたが、産まれてから小2の秋頃までは発達に遅れや気になる部分はありませんでした。定期健診でも何も指摘されず、園や学校の担任からも問題なしと言われ続けてきました。そんな息子に変化があったのは、小学校2年生の2学期頃でした。登校渋りが始まり、家で癇癪·暴言が……この頃から息子は宿題を極度に嫌がるようになりました。それまでは、学校のテストではそれなりの点数がとれていたのですが、かけ算につまづいた頃から、10点や20点といったテストを持ち帰るようになったのです。当然宿題も難しかったのでしょう。泣きながら夜遅くまでかかることもありました……。Upload By ユーザー体験談自力では授業に追いつけなくなったことで、周りのみんなから取り残される不安、劣等感から、ちょっとしたことで癇癪や暴言がでるようになりました。これはのちに、反抗挑戦性障害と診断されることになります。そして登校渋りも始まりました。完璧主義の息子は「学校へ行くのはつらい」けれど「休んでしまう自分を許せない」という気持ちの間で毎日激しく揺れていました。どっちにも進めず、登校前には玄関で泣きわめく日々……。私もどうしたらいいか迷う毎日でしたが、担任の先生には登校を促してほしいと言われたため、ただただ息子に登校するよう促す毎日でした。そんな中、学年の年度末からコロナ禍による休校に突入。ここから息子はもっと荒れていきました。Upload By ユーザー体験談「お母さんが僕をこんな風にしたんだ!」暴言・暴力がエスカレートし、児童精神科を受診3年生に進級後も休校は続いたため、学校からはたくさんの自宅学習用の課題(宿題)が出されました。息子はこれをこなすことができず、癇癪を起こしました。結局休校明けは初めて課題を終えることなく登校していきました。完璧主義の息子にとって、とてもつらいことだったと思います。そして現実逃避からか、ゲームにのめりこむようになりました。上手くいかないと暴言・暴力です。「なんでこんなゲーム作りやがったんだ!」「お母さん!ゲーム会社に文句言ってよ!」(コントローラーを投げつける)止めたり諭すと今度は矛先がこちらに向きます。「お前が僕をこんな風にさせたんだろ!」と殴りかかってきたり、壁を殴り蹴り穴を開け……。きょうだいにも八つ当たりすることもあり、私はそれを必死で止めました。Upload By ユーザー体験談ゲーム以外でも、例えば髪が伸びる、爪が伸びるといったことでさえ「伸びるな!」とキレてしまいます。切ってもらうのが面倒臭いからのようです。また、食べこぼしをすると「なんだ!この皿は!」と。全てに対して他責的です。何を言っても否定·反発しかされないので、何も言わずに様子を見ていると「聞いてんのか⁉」「返事しろ!」と壁や床を叩き気を引いてきます。外では完璧主義からかいい子にしている息子は、その反動で家では「かまってちゃん」。こちらが反応するまで続くので、無視もできない状態です。そしてついにポツリポツリと学校を休むことが増えてきました。児童精神科で検査をしたところ、自閉スペクトラム症(ASD)、反抗挑戦性障害、LDの診断で、学力は「実年齢より2学年下」という結果をいただきました。私は「やっぱりな……」と思いました。完全不登校、学力は小2~小3の息子の進学先は……それから現在に至るまで、息子は完全に不登校です。支援センターや児童精神科など各所相談しましたが、本人は嫌がるので親だけが通う日々です。ただ、幸いにも学校が非常に協力的で、通常学級に在籍しながら特別支援学級を自由に受けられるようにしてくださり、本人が行けそうな授業だけ単発で飛び入り参加することが時々あります。少しずつ増やしていこうと話しています。そんな息子についての現在の悩みは、中学への進学です。息子自身は自分の将来については、あまり考えていないように親からは見えます。「学校へは行けるようになりたいけれど、頑張るのはつらいし面倒臭い」というのが本人の弁です。現在の適応は情緒クラスなのですが、学校へは特に以下のポイントに絞って相談しました。・もし登校した場合、現在の学力は小2~小3くらいなので中1の勉強は理解できない可能性が高い。勉強が分からず不登校に逆戻りでは元も子もない。とにかく勉学がどうとかよりも「登校できる」を最優先に考えたい。・中学も不登校かもしれないが、いつ「行く」と言うか分からないので、少しでも登校できる可能性の高いところを希望したい。相談の結果、一番登校できる可能性の高そうな学校・学級を選択し、申し込みました。本人には就学の面接だけを嫌々ながらも受けてもらいました。Upload By ユーザー体験談暴力は減りました。母の願いは「失敗を恐れず成功への糧にできる人になってほしい」幸いにも今は激しい暴力はなくなりましたが、心がキャパオーバーになると暴言は出てしまいます。息子には自分で考えて行動できる人になって欲しいと思っています。ですので、学校へ行くも行かないも、勉強するもしないも、何をして楽しむかも自分で決めること。自らの力で選んでほしいです。ただ、家族やほかの人と過ごすためには、最低限のルールを守ることが必要です。相手が困ることはしない、暴言暴力はしない……これだけできれば、人との関係も築いていけるのではないかと思います。また、世の中には誰にもどうにもできないことがあり、それは泣いても叫んでも怒っても暴れても叶うことはないので、折り合いをつける能力を身につけられたら……。完璧主義が故に失敗を恐れすぎている息子なので、失敗は悪い事でも時間の無駄でもなく、今後の成功への糧にできるものなんだと、前向きにとらえて行ってほしいです。これから息子がどのように成長していくのか、親として寄り添っていきたいと思います。イラスト/星河ばよ※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:新美先生)学校は、全員が同じ場所で同じやり方で学習・活動を一律に行うのが当たり前とされているので、たまたまそのやり方、進み方に合わないお子さんにとっては、「みんながやれていることをやれない自分」に直面させられて追い詰められてしまうということが簡単に起きてしまいます。息子さん、たった2年生という幼い時期に本当につらい思いをされたのだと思います。追い詰められてどうにもならないストレスが、癇癪、暴言・暴力という形で噴出したのでしょう。「お母さんが僕をこんな風にしたんだろ!」という言葉は、本人のどうにもならない行き場のない苦しさの表れで、決してお母さんが悪いわけじゃないと理解しても、それをわが子から言われたらどれほどつらかったことかと思います。息子さんもお母さんも本当にお疲れ様です。そんな、経緯をくぐりぬけ、学校に行かないまま中学進学をむかえるというのは、親子ともに複雑な心境を抱かれているかと思います。中学は行くか行かないか分からなくても、もし行く気になった時のために、在籍級を進学前から決めておかなきゃいけないという学校の融通のなさにいら立ちつつ(注:いら立っているのはコメントしている私で、記事内容では全くそんなことは書かれていません)、もし登校できた場合に一番行きやすそうな場所を選んだ、その保護者としての思いを聞かせてくださり、記事を読んでとても共感しました。記事には息子さんの「学校へは行けるようになりたいけれど、頑張るのはつらいし面倒臭い」という発言が書かれていました。「面倒臭い」ということばの裏には、小2の時期に極限まで頑張って燃え尽きてしまった苦しい記憶が反映されているのかもしれません。この先の人生の中で、息子さんにとって適した環境、頑張ることで報われる機会をスモールステップで経験することで、頑張っても頑張ってもつらすぎた記憶が上書きされていくことを願うばかりです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年10月20日話を最後まで聞けずに、すぐに動き出す次女は、話終わるまで手を握るUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族のほぼ全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。幼児の頃から動きが大きくて速かった次女リスミーは、小学生になるとますます活発な子どもに育ちました。リスミーは食欲もあり、親族からは「一日中、何かを食べている子だね」と言われていました。よく動くせいか、食べるわりには体が細いです。これは大人になった今も変わりません。リスミーは私が何かを伝えようとしても、話が終わらないうちに動こうとします。私はリスミーの手をしっかり握ってから、話をしていました。ところが今度は、まだ私の話が終わらないうちに、リスミーは自分の話をし始めます。なので、二人同時に話をすることになってしまいます。そうなるとお互いの声が重なって騒音のような感じになるので、私が混乱してしまいます。リスミーには「お話の仕方にはルールがあるのよ」と伝えて、小学生になったばかりの子どもでも分かるように交通ルールの例え話をしました。交通ルールの例え話で説明し、実際に現場も見せるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ「相手が話し中の時は、こちらは赤信号なの。だから話してはいけない。相手の話が終わったら、こちらが青信号だからお話をしていいのよ」お話だけではなかなか身につかないので、実際に交差点へ行って、信号ルールを確認し、青信号になると一緒に横断歩道を渡りました。それでもまだ幼いリスミーは待ちきれず、私のお話中に割り込んでこようとします。リスミーは大きな動きや大きな声はないものの、とにかく動き始めのタイミングが速いのです。そんな時は「リスミーの話はちゃんと聞くから、もうちょっと待っててね」と安心させてから、話を続けました。リスミーが私の話を最後まで、しっかり聞けた時はなるべくオーバーに褒めてあげました。毎回ではないですが、よくお話を聞けた時は、時々ご褒美もあげたりました。このような工夫を行うようになったのは、リスミーが保育園児の時に、構音障害の診断を受けて、言語聴覚士のトレーニングを受けたことがきっかけでした。診断が出てトレーニングを受ける中で、劇的に成長していったリスミーを見て、私自身が日々のリスミーとの関わり方を工夫すれば、きっと良い変化があると感じていたからです。学校の三者面談でリスミーが授業中に走り回っていることを知らされるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイリスミーは小学校1年生の時からインターナショナルスクールに通っていました。担任はアメリカ人の先生でした。小学校での三者面談の時のことです。先生から「リスミーさんは算数の授業中に教室を走り回っています。注意しようとしたら、素早く席に着くので、注意することもできません」と言われました。私が「どうして走り回っているの?」と隣にいるリスミーに確認しました。するとリスミーは「自分は答えを書いたから、周りの人に教えて回っている」と言いました。私は先生に「その答えは当たっていましたか?」と尋ねました。すると先生は「間違っていました」と答えました。私がつい笑ってしまうと、先生は「落ち着いて検算をして答えを確かめるといいです。この子は解き方は身につけているので、落ち着いて取り組めば、きっと大丈夫です」と言いました。担任からボール握りの工夫を教わり、学校と家庭で同じ工夫を行い効果がすぐ出たUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイなにか工夫が必要だと分かりましたので、先生に「落ち着くために、何をすればいいですか?」と聞いてみました。先生は「授業中、ボールをニギニギさせながら勉強してみましょう。ご家庭での学習の時もやらせてみてください」と答えました。リスミーはその日から早速、自宅でも学校でも柔らかいボールを握りながら勉強を続けました。すると集中力がついて、成績がグンとアップしました。学校と家庭で同時に同じ工夫を行うと、効果が何倍にもなるという印象を受けた出来事でした。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:森先生より)「こうしちゃダメ!」「落ち着きなさい!」と言い聞かせるよりも、「こうしようね」と伝えたり、代わりの動作を教えるほうが効果的だと言われています。言い聞かせるときに手を握るのは、安心にもつながりますし、動かないでお話を聞けるのでとても良い方法ですね。ボールをニギニギすることも、決まった動作をすることや、手の感覚を刺激することで、ストレスを感じにくくして落ち着くことができると言われています。お母さんの教え方もとっても良いですし、学校の先生も、リスミーさんのことをよく見てくれていますね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年10月20日2人兄弟を育てるゆーとぴあさん。2歳児健診で長男は言葉が遅いと発達相談を受け、次男は多動傾向がありました。次男は保育センターの親子教室などに自主的に参加して幼稚園に備え、入園当初こそ不安があったものの、すぐに幼稚園に慣れてひと安心。しかし、次男の担任の先生から発達医療センターに行くように告げられ、長男もほぼ同時期に発達医療をすすめられて困惑します。通っている幼稚園のママ友に相談すると、園長は支援級をすぐにすすめることで有名と知りました。長男の就学のため小学校の特別支援級を見学し、知能検査を受けた結果、普通級という結果に。支援級の覚悟も持っていたゆーとぴあさんは複雑な感情に。長男の検査が終わったと思ったらすぐに次男の検査のため、兄弟で病院の診察をすすめられ児童発達センターへ。医師の冷静で的確な言葉に驚き、次男の育て方に悩んでいた心が少し救われたのでした。児童発達センターの診察を受けて、幼稚園へ報告の面談に出向いたゆーとぴあさん。園長に診断を聞かれ、長男がADHD、次男が多動と答えると「やっぱり思った通り!」と、さも自分の手柄のように誇らしげ。その様子をみて、長男と次男の病院の検査や見学などの指示は担任ではなく園長によるものだったと気づくのでした。園長は発達障害について勉強しており、園の図書室に私物の関連書籍を入れるなどの積極的な面がある一方で、親の気持ちに寄り添ってはくれずーー。 次男の療育を増やしたいと思っていたのでうれしい提案! ※OT(作業療法):手の運動や細かな動作が苦手な子どもに対して、手指の動かし方など日常的に必要な動作ができるよう練習、作業活動を通した支援をおこなう。 ※ST(言語療法):言語療法士により、「食べる」「聞く」「話す」支援をおこなう。会話やコミュニケーション方法、聞こえなどの練習のほか、摂食や嚥下の訓練などもおこなう。 幼稚園の職員室にて。園長が次男の担任にゆーとぴあさんへの新たな面談を促し、日程が組まれました。 ゆーとぴあさんは最近面談が多いと思いつつ、今度は何の話だろうと臨むと、担任の先生が次男の療育でのリハビリ状況について尋ねてきました。現在は病院でのリハビリのみと答えると、担任はもっと療育を増やしたほうがいいと言い、近くの療育園で幼稚園児対象の午後の療育が始まるので利用しないかと提案してくれました。 療育を増やしたいと思っていたゆーとぴあさんは、幼稚園のあとに行けるという好条件に、ぜひやってみたいと答えます。担任もゆーとぴあさんが幼稚園の提案を受け入れてくれてひと安心しているところへ、園長が面談後の様子を確認。担任が先ほどの内容を伝えたところーー。 「は? 私の言ったことと違うじゃない! そっちの案じゃないわよ!」すごい剣幕で担任を叱責。担任の伝言はどうやら園長の考えていたものとは違っていたようで、再度面談をして訂正するように指示をするのでした。一体何が違ったのでしょうか? ◇◇◇ 現在、次男の療育は病院のリハビリのみだったので、療育を増やしたいと思っていたゆーとぴあさんにとって、幼稚園が終わってから行ける療育は願ってもない提案でした。しかし、その提案は園長が考えていたものとは違っていたようです。園長の発達障害についての勉強熱心なところはいいのですが、ゆーとぴあさんの気持ちに沿ったものであることを願いたいですね。次の話ゆーとぴあさんの連載は、以下のサイトからもご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。 著者:マンガ家・イラストレーター ゆーとぴあ
2023年10月19日主婦の加奈子は夫のモラハラ発言に悩み、日々の夫婦生活にストレスを抱えていました。夫との生活が苦痛だった加奈子はいつしか心の拠り所として、宝くじを買うようになるのですが、ある日3億円に当せんすることに! すると、モラハラ夫に対する緊張の糸がその瞬間から切れてしまったのでした。宝くじに当たったことで、夫に離婚したいと伝えるのですが、意見がかみ合わず。仕方なく加奈子が妥協すことになるのですが、ある日夫が浮気をしているという話を息子から聞かされることに。加奈子はすぐに探偵に浮気調査を依頼。すると、すぐに浮気の証拠写真が集まったのでした。加奈子は自分を裏切った夫に復讐するために、夫の会社の懇親会で浮気の写真をばらまき、会社の人たちに夫の失態を知ってもらうことを思いつきます。そして懇親会当日、それを実行することで、会社内での夫の信頼は地に落ちてしまいました。 そして、夫と加奈子は離婚することになるのですが、加奈子は息子に離婚したことを話せずにいたのでした。離婚が確定すると、加奈子は宝くじの当選金を受け取りに銀行へ。無事3億円が記載された通帳を渡されるのですが、3億円には一切手をつけず、加奈子は新たな職場で働くことに。 そんなある日、加奈子が帰宅すると、息子が突然「ごめんなさい」と謝ってきて……!? 突然謝罪する息子。その手には…!? 「ごめんなさい……!」 そう言って加奈子に見せてきたのは、85点テストでした。 「あはは、なんだそんなこと……?また次、頑張れば……」 しかし、息子は悲しそうな表情でうつむくと口を開き始めました。 「最近わかんないところが少しずつ増えてきて、前はお父さんに聞けたんだけど……」 「お父さん……まだ忙しいって……?」 すると、あるとき夫に言われた「ロクに勉強して来なかったやつが、想太をちゃんと育てられのかよ!!」という言葉を加奈子は突然思い出したのでした。 ◇◇◇ 85点のテストを見せると、謝ってきた息子。下を向いてうつむいたその表情からは、なんだか寂しそうな感じが伺えます。勉強についていけない焦りのほか、勉強を教えてくれるお父さんがいなくなってしまった悲しさもあり、そのような表情を浮かべていたのかもしれません。「お父さんまだ忙しいって?」という言葉には、そんな息子の悲痛な叫びのようなものが感じられました。>>次の話著者:マンガ家・イラストレーター ちなきち
2023年10月11日DV被害者を受け入れるNPO法人DV対策センター(神奈川県横浜市)には、過酷な生活による心身疾患や遊ぶ時間がない家族からの相談が増えています。DV被害者家族が参加する「メタバースイベント」を横浜市青葉区の「SPRAS青葉台」(オンライン参加可能)にて、2023年10月22日(日)に開催します。【DV被害者家族が「失った笑い」とは?】収入が少ないDV被害者にとって、修学旅行は頭痛の種です。旅費の工面に奔走する家庭も多く、DV被害者を支援するNPO法人DV対策センターは、母親からの相談を受けています。また、DV被害者家族は通院を避ける傾向があります。その理由は、費用だけでなく加害者への連絡を避けるためです。インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症が流行しても、通院を控えるため、体調が悪化しやすいのです。母親が心身疾患のため体が動かず、子どもが家事を仕切る、ヤングケアラーも多いのです。「母は布団からまったく出られず、ご飯は私が作ってます。家の中がぐちゃぐちゃで、とても勉強する場所がない。」被害者が失った場所を取り戻す必要があります。【母から子へ続くDVの連鎖】母親が心身疾患になる要因は複雑です。ワンオペ育児、家事・子育て・就労のトリプルワーク、加害者である父親との複雑な関係が重なるため、常に強いストレスに晒されているからです。中には、母親から子どもへの言葉の暴力など二次被害もあり、虐待が連鎖しやすい深刻な状況があります。NPO法人DV対策センター代表 穂志乃は、母親を家事から解放することがカギと訴えます。強いストレスを下げることで、母子の心身が改善します。「お泊りや食事会など、子どもだけの場を作り、普段言えない事を自由に言え、自己肯定感が向上します。母親も自分の時間を持てます。」また、同団体は、子ども、母親、それぞれに、自尊心を育てる「エンパワーメント講座」を月2回行っています。「兄弟にも邪魔されず勉強ができるし、みんなが自分の話を聞いてくれる。家では、家事を当たり前のようにやらされて、とってもつらい。」学習支援しかし、課題もあります。「加害者からの接触を避けたい」や「子どもが引きこもりだから」といった理由で、参加したくてもできない家族が多いことです。DV被害者の子どもの3割は引きこもりの傾向があり、イベントに参加しません。【メタバースイベントに参加するDV被害者家族の深い理由】そこで、DV被害者親子を招待する参加型イベントを顔出し不要のメタバースで行います。DV被害者に聞いたところ、顔を出し不要なら参加したいとの声をもらっています。過去2回のイベントでは、様々な感想をもらっています。「息子が興味津々で、体験が終わってからもやりたい!やりたい!と何度も言っていました。全部楽しかったとのことです。」、「メタバースは家に居ながら誰かと繋がりたい時や水族館に行ったり遊んだりできる空間で手軽に参加できて良かったです。」メタバースイベントは、DV対策センター職員が子どもと交わした会話がきっかけでした。サポーターからの問いかけに「はい」、「いいえ」だけだった子どもが、ゲームの話になると、生き生きとし、「このゲームは最低2,800ポイント必要です」や「〇〇さんは、別格の強さで頼りにしています」など、ゲームを通じたコミュニティの存在に気づきました。ゲームと相通じるメタバースは、引きこもり傾向のある子どもの参加が期待できると気づきます。メタバース画面5若者の生きづらさを解消するメタバース空間「MeeTaa」を運営する横浜市立大学医学部 宮崎智之准教授のご協力、ご助言で今回のイベントを実現しました。宮崎智之准教授は「様々な生きづらさに晒される若者ですが、リアルやバーチャル、自分に合った繋がりを育み、逞しく生きる糧にして欲しいです。」とコメントしています。NPO法人DV対策センターは、公益財団法人パブリックリソース財団のコロナ禍の住宅困窮者支援事業2(休眠預金活用事業)に採択され、DV・虐待被害者が避難するためのシェルターとステップハウスの開設準備を行なっております。また、Learning for AllとREADYFORによる虐待を防ぐ緊急居場所支援事業に採択され、虐待を経験した子どものための支援を行っております。夏休みどこにも行けないDV被害者家族と近隣の母子家庭の子ども達の親子の思い出作りのためにメタバースイベントを開催し、運営のための寄附も募っています。また、DV対策センターはメタバースを活用したエンパワーメント講座の定期開催を計画し、引きこもり傾向になる子どもが仲間と交流し、性のあり方、暴力の問題と対策などを学ぶ機会を増やす計画です。【親子で体験!メタバースイベント開催(第3回)】・日時 :2023年10月22日(日)・場所 :SPRAS青葉台神奈川県横浜市青葉区青葉台1-13-1 青葉台郵便局2階/3階オンライン参加可能・参加者 :DV被害者家族と母子家庭・プログラム:第1回(14:00~15:15)、第2回(14:45~16:00)-メタバース体験(14:00~14:45、15:15~16:00)-トークセッション(14:45~15:15)横浜市立大学准教授 宮崎智之先生、株式会社Litm 代表取締役 相澤利春氏、横浜市政策局共創推進室共創推進課 関口昌幸氏・定員 :現地参加はパソコン台数に限りがありますので早めにお申し込み下さい。パソコン持参も可能ですが、メタバース環境により人数制限があります。オンライン参加も可能です。メタバースイベント案内<お問い合わせ先>DV対策センターの活動にご関心のある方は、下記ページか二次元コードでお問い合わせ可能です。 二次元コードまた、電話またはメールでのお問い合わせも可能です。TEL : 080-7821-4660MAIL: dv.taisaku@gmail.com 【法人概要】NPO法人DV対策センター所在地: 〒227-0033 横浜市青葉区鴨志田町807-5URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月11日幼いころに癇癪を頻発し、自分として生きる大変さや自分の内面に悩み続けたすみかさんが、幼少期の記憶をたどります。友だちがかわいい靴を履いているのを見て、お母さんに買ってもらおうと思ったすみかさん。ですが、靴はデザインより機能性ということで買ってもらえませんでした。洋服もすみかさんの意見を聞くことなく選ぶため、言っても分かってくれないと諦めます。そして、前の学校で親友だったモモちゃんとの文通にもお母さんが口出ししてきました。手紙には「彼氏ができた」と書かれており、すみかさんのテンションは上がります。しかし、それを聞いたお母さんは、すみかさんとモモちゃんのタイプが違うと判断。「友達やめたら?」と助言します。なんて事を言い出すんだと思ったすみかさん。お母さんに対していろいろ思うことがあり……。子どもを心配する気持ちからですが、遊びに行くときに誰と?どこに?と口うるさく言ってくるお母さんを、すみかさんは疎ましく思っていました。洋服や流行のモノにも興味がないので、一緒に話せるお母さんが良かったなと考えることもーー。あるとき、お母さんの友だちとの食事会にすみかさんも参加。そこで、お母さんがあまり輪に入れていないことに気づきました。家にいるときはおしゃべりで怒りん坊、外では大人しい、自分と同じじゃん!と思ったすみかさん。ほかの子のお母さんが気になり……。 友だちのお母さんと比べたところ… ある日、すみかさんは親友のノナちゃんと話し、ノナちゃんのお母さんが宿題を見ることに驚きました。すみかさんはお母さんから宿題について聞かれたことがなく、通知表を渡しても見ている様子はありません。そこで、お母さんは私に興味がないのかなと感じます。ですが、お母さんは家でも持ち帰ってきた仕事をしており、夜はお酒を飲んで寝落ち……。疲れているから仕方ないとも思いました。 またあるとき、同じ水泳部の夏子ちゃんと話していたすみかさん。「スイミングスクールには通わないの?」と聞いたところ、「勉強する時間がなくなるからダメなんだ。成績が下がったら部活も辞めさせるって言われてるし……」という返答が。「勉強しなさい」という親がいることを知り、夏子ちゃんの家は厳しいんだなと思います。すみかさんは母親のことをうるさいと思っていましたが、算数がわからなくても怒られたことはなく、案外何も言わない方なのかな!?と考えるように……。 すみかさんのお姉ちゃんが中学校のテストで学年1位になったときも、すみかさんと比べることはなく、「努力よ、努力」と冷静なお母さん。自分たち3姉妹のことを見た目や成績で比べない、いいお母さんなのかも……と思い始めます。ほかのお母さんも厳しそうだし、よそのお母さんと比べるのはやめようと思ったすみかさんでした。 友だちのお母さんが子どもにどのように接しているかを知ったことで、自分のお母さんの良いところを見つけていったすみかさん。きょうだいがいると勉強や運動面など比べてしまうこともありますが、すみかさんのお母さんは一人ひとりの個性を尊重しているのかもしれません。すみかさんが思っているより、子どものことをよく見ているのかも……。今後の親子関係の変化が気になりますね。 著者:マンガ家・イラストレーター すみか自身の体験をもとにエッセイ漫画を描いている主婦です。
2023年10月10日小学1年生:字がきれいに書けない!長女が通っている小学校では、低学年の国語の課題と言えば「字を正しくきれいに書く」ことがメインでした。しかし、長女にとってはこれがとても難しかったのです。1年生のひらがなの書き取りでは、長女の書く文字は芯がないというか、なんだかフニャフニャした字形になっていました。担任の先生にも毎回訂正をされていて、書き取り用のノートは真っ赤になっていました。でもこの時の私は、長女に知的な障害があるとは全く気づいておらず、「字はきれいな方がいいかな……」といった程度にしか考えていませんでした。Upload By 吉田いらこそこで私は長女を硬筆の習い事に通わせることにしました。長女本人の意思ではなく、無理やりだったので本人のやる気はもちろんゼロ。長女は講師の先生とお話をするのにもかなり緊張していて、数ヶ月通っても一向に上達しませんでした。ある日、硬筆の習い事に行く前につらそうな表情をしている長女を見て、なんだかかわいそうな気持ちになってきました。別に小学校低学年の今頑張らなくても、成長していけば次第に字をきれいに書けるようになるかもしれない。本人がきれいに書きたいと自覚を持ったら書き方が変わるかもしれない。そう思って私は長女の硬筆の習い事を退会させることにしました。もう行かなくていいと知った時の長女のうれしそうな顔………。本当につらかったのだなと思いました。現在中学1年生になった長女ですが、相変わらず書く文字はフニャフニャとしています。字をきれいに書くことがいいこと、きれいに書きたいと本人が思える日が来た時にはまた練習を頑張るかもしれませんが、今はまだこのような状態です。Upload By 吉田いらこ小学2年生:算数の習い事が続かない長女は4歳の頃から自学自習形式の塾に通っていました。受講していた科目は算数と国語で、最初は簡単なひらがなや点つなぎからスタートする教材でした。最初はゲームのようで面白かったようですが、だんだんと難易度が上がるにしたがって、通うのを嫌がるようになりました。長女がとくに難しく感じるようになったのは算数で、単元の難易度は小学2年生の足し算くらいだったと思います。塾だけが特に早い進度ではなく、学校の授業と同程度の進度でしたが、長女にとってはつらかったようです。とうとう、習い事の日は泣き出すようになってしまいました。ここでもう少し言い聞かせて習い事を続けていたら、もしかしたら算数を好きになっていたのかもしれませんが、小学2年生の頃に退会しました。私の中で、泣いてでも頑張らせた方がいいのか、判断がつかなくなってしまったのです。現在は知的障害の診断を受けたので「算数の習い事、そりゃあ難しかっただろうね、つらかったね」と思いますが、当時はこれでいいのかとモヤモヤしたことを覚えています。Upload By 吉田いらこ現在中学1年生の長女が通っている習い事は、バイオリンと個別の学習塾の2つです。学習塾については毎回文句を言いながらも通っています。塾には行きたくはないけれど本人の中で「中学生は勉強するもの」という認識があるので仕方なく、といった感じでしょうか。いっぽうでバイオリンは本人が希望して始めた唯一の習い事で、こちらは楽しそうに通っています。本来の習い事とはこういう楽しいものをやるべきなんだろうなと思いつつ、「もう少し勉強にも興味をもってほしいな」と親としては願ってしまいます。執筆/吉田いらこ(監修:初川先生より)長女さんの小学校低学年時の習い事についてのエピソードをありがとうございます。字をきれいに書けるようになるために硬筆を習うことで上手に書けるようになる子もいますが、お手本を見て、自分の書こうとしている升目の同じところから書き始めて、お手本と同じようにマス目の4分割したどこを線が通って、どう曲がったり止めたりして……と字をきれいに(お手本にならって)書くというのは手と目の動きを協応させたり、視覚的な認知や俯瞰する力などが問われるなかなかのマルチタスクです。単に回数をこなせば上手になるわけでもなく、いらこさんがご指摘のように本人のモチベーションもだいぶ必要だろうなと感じます。場合によっては、家で大きな紙に大きく練習したほうが上達の近道になる場合もあるかもしれません。算数や国語など教科学習に関する自学自習の塾も、繰り返して習熟する段階の内容で、かつ、繰り返して学ぶことが向いているお子さんには良いと思います。ただ、そもそもつまずきがある場合は、そこを乗り越えるのが困難なセッティングではあるので、どこかで壁にぶつかることもあるだろうと思います。習い事は本人にとって得られるだろう良きことと、精神的・体力的負担などとのバランスを見ながらご検討いただければと思います。特に低学年の時期は、学校に行って帰ってくるだけでへとへとのお子さんもいると思います。コンディションの悪い状態ではどれほどいいことをしたところで、なかなか良い時間とならない場合もあります。体力や余力のある小学校高学年くらいから始めてうまくいった方もおられます。興味関心、必要性、お子さんの状態やモチベーションなどさまざまな点からぜひご検討ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月06日めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
やっぱり家が好き〜おっとぅんとみったんと私〜
子育ては毎日がたからもの☆