「作業療法士(OT)が教える発達障害との向き合い方~子どもの発達を促す子育てのヒント~」2023年9月21日(木)文京学院大学 本郷キャンパスにてメディア向けセミナー「作業療法士(OT)が教える発達障害との向き合い方~子どもの発達を促す子育てのヒント~」が開催されました。発達障害領域がご専門で作業療法士(OT)として現在も現場で活躍されている文京学院大学 保健医療技術学部学部長 神作一実教授が登壇し、作業療法士(OT)の役割や発達障害のあるお子さんへアプローチ法、また子育てのヒントについて解説、セミナーの内容を抜粋して発達ナビ読者のみなさまへお届けします。作業療法とは「心と体」を分けず、その人そのものにアプローチするリハビリ神作一実先生(以下神作先生):作業療法士というと、日本では一般の人が関わる機会があまりなく、どんなことを行うのかについて知っている人は限られるかもしれません。ここでは私が考えている作業療法とはこういう感じのことだよというものを図にさせていただきました。Upload By 発達ナビ編集部みなさんも、「楽しいことをしていたら知らないうちにできるようになった」ということがたくさんあると思います。例えば、お友達に「テニスコートが取れたから、テニスに行かない?」と誘われて「行く行く!」となったとき、テニスをすることで心肺機能を上げようとか、筋力強化をしようとか、運動の協調性を高めようと考える方は少ないですよね。ただ「テニスをして楽しむこと」を想像して「行く行く!」と答える方が多いのではないでしょうか。でも、実際にテニスを楽しんでいたら、知らないうちに筋力が強化され心肺機能は鍛えられ、運動の協調性も高くなるでしょう。これが「楽しいことしていたら、知らないうちにできるようになった」ということです。実は作業療法というのは、この「楽しいことしていたら、知らないうちにできるようになった」を治療に応用したものと言えるのではないかなと思っています。私たちは、対象者の方のやりたいことを通して今ある障害を改善すること、そして、その人が持っている障害を受けてない部分を使いながらパフォーマンスを上げることを目指してサイエンスを使いながらアプローチしています。作業療法は心と体を分けずにその人そのものにアプローチをするリハビリテーションと言えるのではないかと考えています。作業療法の対象領域は大きく分けて4つあります。1、身体障害領域:脳卒中、脊髄損傷、骨折、やけどなどを対象2、高齢期領域:認知症、フレイルなどを対象3、精神障害領域:統合失調症、うつ病、アルコール依存症などを対象4、発達期領域:発達障害(ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD・SLD(限局性学習症))、脳性麻痺、知的障害、筋ジストロフィーなどを対象この領域をまたがって障害が複数ある場合ももちろんあります。ただ、作業療法は人に対して、「その人がどうなりたいのか、その人が何をやりたいのか」を視点にしていますので、療育をまたがる場合でも同時にアプローチが可能です。発達障害と深い関係性がある「感覚調整障害」神作先生:発達障害のある方たちには「感覚調整障害」というものがしばしば起きてきます。感覚過敏をはじめ、刺激が入りすぎてどの刺激に反応したらいいのか分からなかったり、 反対に刺激が入らなすぎて必要な情報がキャッチできないということ。また、LD・SLD(限局性学習症)のお子さんたちの場合は、眼球運動のコントロールが悪いため読み飛ばしたてしまったりといった体の使い方、いわゆる、体や指先が不器用な状態です。感覚調整障害があると、以下のようなさまざまな困りごとがでてしまいます。Upload By 発達ナビ編集部生活への影響がとても大きいため、作業療法ではこの感覚機能に対してアプローチして感覚統合機能の問題を改善し、生活のしづらさの解消を目指します。激しい偏食があるお子さんへ作業療法士はどうアプローチする?神作先生:では、発達障害のあるお子さんに対して作業療法士がどのようにアプローチをするのかお話しさせていただきます。基本的には、お子さんの状態の確認と問題の把握をし、感覚統合機能を促すための治療プログラムを作成し実施をいたします。治療プログラムは「Just right challenge」、つまりそのお子さんにとってちょうどいい挑戦になっているかを確認しています。偏食のように一見遊びとは関係ないようなことも、実は感覚統合機能が十分発達していないという、共通の背景がある場合があります。例えば、食べられるものが5食品しかない激しい偏食がある発達障害の4歳のお子さんに対しては以下のようにアプローチを行いました。・砂遊び、絵具、のりに触れること、水遊びも嫌い・跳躍器具、ブランコは大好きだが、姿勢が保てないためすぐ降りる・ハンモックのように姿勢を保つ必要がないものであれば30分以上乗り続ける・ハンモックやブランコに乗っていると目が合う。それ以外の場面では目が合わない・一人遊びを好む・母親の膝へは自分から乗るが、大人から抱っこすることは好まない〈食事場面〉・唇に牛乳がつかないようにコップで飲む・うどん、パン、豆腐も上唇につかないように食べている・手が汚れるとすぐにおしぼりや洋服で拭く1、触覚の過敏さがある。そのため食べ物からの感覚情報が十分にキャッチできておらず、新しい食品にチャレンジすることが困難2、前庭系(ゆれの刺激)は求めている状態1、ブランコに乗りながらアイコンタクトを取る(遊んでいる人と遊びの共有)2、ブランコ、跳躍器具、ハンモックに乗り対象物を視覚的にとらえながら自分から対象物に触れる(揺れながらパンチをする、いろいろなものを握る、的当てする)3、屋外の遊具やアスレチックで遊ぶ(楽しいことをしながらいろいろなものに触れる機会をつくる)少しずつ食べられるものが増えると共に、自分から母親以外の人の手を引いて遊びに誘うことが増えてきている。このように作業療法士は介入し治療を進めました。このお子さんの場合は、感覚情報の処理状況に着目し以下を取り入れたアプローチを行っています。・大好きなゆれ刺激を楽しみながら能動的に対象物に触れる機会を作る・感覚を媒体としたコミュニケーション・大人と一緒に遊ぶことの楽しさを伝える・大人に「やってほしい」ことを伝える機会を作る感覚情報機能の改善が進んでくると、食べ物からの感覚情報をしっかりキャッチすることができるようになりますので、遊びの広がりと共に、偏食が良くなったというケースです。子どもの発達を促す子育てのヒント神作先生:作業療法士は、お子さんに対する治療的な介入もしていますが、大人が子どもにとってどんな環境となればいいのか、 どうすると子どもの発達を促す環境になり得るのかという視点でもアドバイスを行っています。そこで最後にお子さんの発達を促すヒントについてお話しさせていただきます。作業療法士はお子さんが困っている状況、親御さんが困っている状況に対しても、アプローチを行っています。ただ、「大人が困っていること=子どもが困っていること」というように本来は一致しているといいのですが、なかなかそうではなく、大人が困っていることが子どもの問題点にされてしまうこともたくさんあります。そこの見極めも、作業療法士の大事な仕事です。発達障害のお子さんたちの場合、どうしたらいいのか分からない、 人にどう接したらいいか分からない、ものをどうやって扱ったらいいか分からない、いつ終わるのか分からない……こういった状況が多々あります。当然混乱しますよね。ですので、そのお子さんは「安心できるもの」だけをやろうとするわけですが、そうするとやれる幅が狭いので「こだわり」と言われてしまったりします。ただそのようなお子さんの行動に「こだわり」というラベルを貼るだけでは問題は解決しないと私は思っています。その「こだわり」と思えるような行動の背景には、必ず何らかの理由があると思うからです。困りごとをもつお子さんに対して、日常生活の中で慣れさせる、我慢させるとか、「あなたの頑張りが足りないからいけないのよ」と言うのはナンセンスだと思っています。感覚調整障害が背景にあったとすると、そのお子さんはかなりつらい思いをしながら不快な環境の中で生活をしていることが多いです。不快な環境の中に身を置き続けたら不安も高くなりますよね。ではお子さんの困りごとに対して大人ができることはなにかというと、以下の6つがあげられると思います。Upload By 発達ナビ編集部この図は、作業療法士が保護者支援としてよく行っている内容です。お子さんにとって「人」は環境の一部でもあります。周りの大人がいい方向に変化すると、お子さんにもいい環境を提供することができると思っています。子育ての大前提として大事なのは、どんなお子さんも独立した人格を持っていて、今は発達途上で、過去から現在の積み重ねの先に未来があると捉えることだと思います。そして以下の4つを心がけることがいいのではないかなと思います。1、できないことにあまりフォーカスしない。できることに注目し、子どものできること探しの達人になる2、他の子どもとあまり比較しない。比べられても子どもはなにかできるようになるわけではない3、困っているときに子どもからSOSを出せる関係をつくる。子どもが安心してチャレンジするための安全基地に4、自己肯定感を育む。自己肯定感が高いこどもは幸せを感じやすく、問題解決の工夫ができるまずは、お子さんのことを一番知っている親御さんが自信を持っていくことが大事です。一人で頑張らなくていいですし、子育てはみんなでやればいいですし、しんどいときにはもう頑張らない、そんなことも大切だと思っています。定型発達のお子さんであっても、障害のあるお子さんであっても、親御さんの不安はずっとつきまといます。残念ながら、なくなることはありません。だからと言って、否定的に捉える必要はなくて、ありのままの今のお子さんの姿を受け入れてみるといいと思います。お子さんたちは親御さんに、「ねえねえ、見て見て」とよく言ってきますよね。そのときにきちんと共感をして、すごいね、かっこいいね、やったね、面白かったね、見せてくれてありがとうね、というようなこと言ってみてはどうでしょうか。 きっと楽しい親子関係になれるのではないかと思います。困ったときは作業療法士に相談してください神作先生:大変なことはみんなで分担して楽しいことはみんなで喜ぶ、そんなことが作業療法士が考えている子育てでもあります。何か困ったことがあったら、ぜひ作業療法士を尋ねていただければと思います。地域の保健師さんにご相談いただいて作業療法士がいるところを探してほしいとお伝えいただければ、そこから発達支援センターなどを紹介してもらえます。また、児童発達支援事業所でもどのような職種の方がいるのかホームページで調べられるところが多いです。一人で頑張らず、一緒に成長していきましょう。Upload By 発達ナビ編集部日本作業療法士協会、埼玉県作業療法士会、摂食・嚥下リハビリテーション学会(評議員)、小児保健学会、障害者歯科学会、昭和歯学会に所属。作業療法士としても数多くの経験を持ち、作業療法士や作業療法士を目指す学生のみならず、保育園や幼稚園、小中学校の教諭、保護者に対してのセミナーも多数実施。「受け入れることで自律を促す子育て」を提唱し、発達障害との向き合い方について発信を続けている。主な研究テーマとして、自食時の捕食機能に関与している口唇および上肢機能の解明を専門とする。文京学院大学(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月25日人見知りはいつから始まる?人見知りの原因とは?赤ちゃんが普段接している養育者以外と接するときに、ぐずったり泣き出したりと人見知りが激しくて困っている方もいらっしゃると思います。人見知りは子どもが発達していく過程で、人を区別できるようになってくると起こると言われています。目安としては生後6~9ヶ月頃から始まり、2~3歳頃になるとおさまってくることが多いようです。ただ、子どもの発達には個人差が大きいため、下記の月齢はあくまで目安としてください。赤ちゃんは、生まれた頃はまだ視力も発達しておらず、身近な大人の姿もよく認識できていません。生後6ヶ月頃になってくると、養育者など身近な人の顔を判別できるようになってきます。あやしてもらうと喜んだり、養育者にしがみついたり、あとを追うようになったり、大人とのやり取りを楽しむ様子が見られるようになります。子どもと養育者は、このようにして愛着を築いていきますが、特定の大人との愛着関係が強まっていくことで、それ以外の慣れていない人と接すると、不安が高まり接触を避けたり泣いたりといった様子を見せることがあります。8~9ヶ月頃になると、多くの子どもが人見知りをするようになります。人見知りの激しさは子どもによって差があり、目をそらすといった消極的な場合から、泣き叫ぶなど激しい様相を呈する場合もあります。また、初対面ではなくても、あまり会う機会のない祖父母などの大人に対して、それまでは人見知りしなかったのに、急に人見知りをするようになる場合もあります。このように、人見知りは子どもが人を識別できるようになったことと、特定の大人との愛着関係ができたからこそ生じる状態と言えます。それまでいろいろな人と接していたのに、急に人見知りが始まると戸惑うかもしれませんが、子どもの発達の自然な過程なのであまり心配しないようにするといいでしょう。人見知りはおおよそ10ヶ月~1歳半頃が最も激しく、2~3歳頃になる頃には落ち着いてくると言われています。これは、10ヶ月~1歳半頃は愛着の対象である人(多くは養育者)が離れることに不安が強くなる時期だからです。そのため、慣れない人と接する場面では不安感からより人見知りが激しくなることが考えられます。その後、子どもがさまざまなコミュニケーション手段を獲得し、他者と関わる機会が増えていくことで次第に人見知りもおさまってくるようになります。参考:お母さんと子どものコミュニケーションのために|厚生労働省参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省参考:分離不安および人見知り|MSDマニュアル家庭版人見知りが激しい子に特徴はある?人見知りの程度や行動は個人差が大きく、まったく人見知りしないという子どももいれば、激しい子どももいます。人見知りが激しい場合、「話しかけられただけで泣き叫ぶ」「養育者以外が抱っこをすると泣く」「ほかの人の顔を見ただけで「怖い」と養育者に抱き着く」「養育者の陰から出てこない」など、比較的ささいなことでも大きく反応します。また、泣いている時間も子どもによって差があり、一度泣き出すとなかなか泣き止まず、養育者が困ってしまうということもあります。このように人見知りが激しく、外で泣き叫んでいるときなどは「何とかしなくては」と焦ってしまうこともあるでしょう。そのときに叱責するなど無理に泣き止ませるのは逆効果になることがあります。人見知りは養育者との関係がうまくいっているからこそ起きるものです。泣き続けている場合は、子どもが普段触れ合うことの多い人が抱っこをするなどをして、安心感を感じられるようにするといいでしょう。参考:親子の関係|東京都生涯学習情報人見知りが激しい場合、発達障害などの可能性がある?人見知りは子どもの発達の過程で生じるものと分かっていても、程度によっては「何かほかに原因があるのでは」「発達障害の影響かも」と感じることがあると思います。ですが、発達障害があるから人見知りが激しくなるというわけではありません。しかし、発達障害があることで不安が強く、そのことが人見知りの程度に影響を与えることは考えられます。人見知りが激しい以外にも、気になる行動や特性が見られた場合は専門機関へ相談してみるといいでしょう。発達障害のある子どもに見られる特徴例・癇癪が激しい・自分のことに夢中になり友達と遊ぶことが少ない・慣れない状況や急な変更に不安が強い・感覚過敏がある(著しい偏食、特定の音を過剰に嫌がる、ある洋服の素材を嫌がったり洋服のタグを嫌がったりする)・歯磨き、着替えなどの身辺自立が遅れがちここで挙げた特徴はあくまで一例です。人見知り以外にも発達で気になる様子がある場合は以下の機関に相談してみるといいでしょう。発達の気になる子どもの相談先・かかりつけの小児科・専門の医療機関(療育センター、児童精神科、小児神経科など)・市町村保健センター・児童相談所・子ども家庭支援センター・発達障害者支援センター対面だけでなく電話やインターネットを通じて相談できる場合もあります。WEBサイトなどで確認してみるといいでしょう。参考:支援者のための地域連携ハンドブック~発達障害のある子供への対応~|東京都保健医療局まとめ慣れていない人と接するときに、避けたり泣き叫んだりといった人見知り。子どもの人見知りは6ヶ月頃から現われて、2~3歳頃まで続くと言われています。いつまでも泣いていたり、それまで仲良くしていた人にも人見知りするようになると「困ったな」と感じるかもしれません。しかし、人見知りは養育者と愛着を形成できているからこそ起こる状態で、子どものコミュニケーション手段が増えることで自然とおさまってきます。しかし、人見知りの程度や期間が気になったり、ほかにも発達で気になる様子がある場合は、背景に障害などが隠れていることも考えられます。心配な方はかかりつけの小児科や保健センターなど専門機関に相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月22日株式会社Tcube(東京都港区、代表者 徐 伯昇、以下「Tcube」)と、ソフトバンク株式会社の子会社であるSBペイメントサービス株式会社(東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO 榛葉 淳、以下「SBPS」)は、教育業界のDXを支援するため、2023年11月1日から、Tcubeが提供する教育現場向け日程・入金管理システム「Minsche(ミンスケ)」とSBPSのオンライン決済サービスの連携を開始しました。「ミンスケ」を導入することで、受講料や物品購入費のクレジットカード決済が可能になり、「ミンスケ」を利用する事業者は、学習塾や習い事の教室における生徒のスケジュール管理から入金管理までを一気通貫でできるようになります。■ 「ミンスケ」と連携した背景これまで、学習塾や習い事の教室などの教育現場では、口座振替による入金管理を行っている場合が多く、引き落としができなかった顧客の管理や返金の管理などがとても煩雑でした。また、少子化が進む中、コスト削減のためにDXが急務となっているものの手を付けられていないといった状況もありました。そのような事業者の悩みを解決するため、このたび「ミンスケ」とSBPSのオンライン決済サービスは連携し、「ミンスケ」にクレジットカード決済を導入するに至りました。「ミンスケ」を利用する事業者が、クラスの受講申し込み受付から顧客管理、クレジットカード決済の入金状況をまとめてオンラインで管理することを可能とすることで、教育現場の業務効率化に貢献します。■ 「ミンスケ」で利用できる決済手段表1: ■ 「Minsche(ミンスケ)」について「ミンスケ」は、生徒のスケジュール管理から入金管理まで、煩雑になりがちな一連の業務を一気通貫でできるシステムです。保護者がクラスの受講申し込みをWeb上で行った後、事業者が内容を確認して「決定」ボタンを押すだけで、スケジュール表への反映からキャッシュレス決済、決定内容メールの送信まで自動的に処理します。受講クラスや決済状況、入金日は「生徒台帳」にまとめられるため、転記や整理の手間をかけることなく、それぞれの正確な状況を一目で把握することが可能です。特にこれから開業する事業者、まだ開業間もない事業者、またさまざまな理由で大胆な業務改善をしたい事業者は、ぜひ一度お問い合わせください。【「ミンスケ」の特長】■生徒のスケジュール管理から入金管理までの業務削減■キャッシュレス決済で未回収リスクを回避■契約書・会則のペーパーレス化■電話対応などの受付業務削減■保護者、生徒とのコミュニケーションを円滑化30日間の無料お試しサービスをご用意しています。詳しくはこちらからPDFをダウンロードしていただくか、お気軽にお問い合わせください。 ■ SBPSのオンライン決済サービスについてSBPSは、決済代行会社として事業者向けにオンラインショップで利用できる40種類以上のブランドの決済手段を提供しています。Visa、Mastercard、UnionPay(銀聯)の国際的なクレジットカードブランドのライセンスを保有しており、決済代行にとどまらず、アクワイアラの立場として加盟店審査や管理業務、決済サービス・不正検知サービスの提供までワンストップで行っています。SBPSが保有する決済データや決済に関する知見を生かして独自開発した「AI不正検知※」は、0円から安価で手軽に利用でき、不正な取引の早期発見に貢献します。TcubeとSBPSは、今後も事業者のニーズにお応えする利便性の高いサービスを提供していきます。※「AI不正検知」の詳細は、こちらをご確認ください。 ・このプレスリリースに記載されている会社名および製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。【会社概要】株式会社Tcube表2: SBペイメントサービス株式会社表3: 【「Minsche(ミンスケ)」に関するお問い合わせ】株式会社Tcube表4: 【決済サービスに関するお問い合わせ】SBペイメントサービス株式会社表5: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年11月20日楽しく読み書き計算の基礎づくりをーー『ワーキングメモリがぐんぐんのびる 単語メモリカードゲーム』「ワーキングメモリ」とは、目や耳から入ってくる情報を限られた時間で記憶し、統合しながら意味を理解する脳の働きのことです。ワーキングメモリに弱さがあると、学習の基礎である文字の読み書きや数の理解がスムーズに進まず、つまずきを感じやすくなります。本書は、カードゲーム方式で無理なく・楽しくワーキングメモリを伸ばすことを目的とし、ワーキングメモリ理論に基づいた教育支援の第一人者である広島大学大学院 人間社会科学研究科教授の湯澤正道先生が考案した5歳から大人までを対象としたカード教材です。カードは、本書の『音韻意識を高める単語メモリカードゲーム』に加え、『算数の基礎をそだてる数字マッチングカードゲーム』『特殊音をすばやく読む単語マッチングカードゲーム』と、全部で3つのシリーズで構成されています。カード毎に記憶機能を高める3つのゲームが収録され、親子や友達同士、支援者と遊びながら、楽しく読み書き計算の基礎づくりができるよう工夫されています。ワーキングメモリは国語や算数などすべての学習の基礎になるものですが、いったん学習が遅れてしまうと机に向かって勉強をすることに苦手意識を持ってしまうことも……。ワークシートのような勉強方式ではハードルが高いと感じている子どもも、カードゲーム方式の学習であれば取り組みやすいのではないでしょうか。家庭学習はもちろん、特別支援教育や放課後等デイサービスなど学校や支援の現場にもおすすめの教材です。理由が分かれば優しく寄り添えるーー『発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界』本書は、発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界をマンガで分かりやすく解説し、子どもの視点から行動の理由を探り、接し方のヒントやアドバイスがまとめられた一冊です。すぐに走り出してしまう、ルールや順番が守れない、友達を叩いてしまうなど、子どもの行動は大人からしてみれば不可解なことが多く、どう対応したらいいのか悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。本書では、「不可解な行動にも、その子なりの理由が必ずある」と伝えています。前半では、主に3~8歳の子育てで保護者が戸惑いがちな「ナゾの行動」をいくつか取りあげ、それぞれ2つのケースを紹介。発達障害・グレーゾーンと言われている子どもも十人十色です。同じような行動であっても、その理由は子どもにとって異なることを感じられるように工夫がされています。監修は、北海道大学名誉教授であり児童精神科医の田中康夫先生。発達障害の特性を持つ子どもやその家族、さらに関係者たちと繋がり、支え認め合うことを大切にした治療で支持されている発達障害のエキスパートです。本書の後半では、行動を理解したうえで、発達障害がある子どもと向き合うときに保護者が意識したいことについても記されています。親子で優しい絵本の時間をーー『たれみみうさぎのリッキ』本書は、ヨーロッパで人気の絵本作家ヒド・ファン・ヘネヒテンが手がけた全世界でシリーズ累計300万部発行のベストセラー絵本です。25年前に刊行された本書が、この秋復刊されました。うさぎのリッキの耳は、みんなの耳とは違います。なぜかいつも右の耳だけ、ダラーンと垂れ下がっているんです。みんなが「たれみみ」と笑うので、ピーンと立った2本の耳がほしくてたまらないリッキ。いろいろな方法で耳をのばそうとしますが、うまくいきません。でも、みんなと違うことは本当におかしなことなのでしょうか?時には泣きじゃくって、時には笑い転げて、「見た目も、性格も、考え方も、それぞれ違っていいんだよ」と、うさぎたちが教えてくれる絵本です。本書の対象年齢は3歳から。親子で過ごす絵本の時間を通じて「君は君のままですばらしい」と、お子さんに伝えてみてはいかがでしょうか。エリートなのに仕事ができない、当事者の葛藤ーー『ルポ高学歴発達障害』「ケアレスミスが多い」「人間関係がうまくいかない」など、生活や仕事上で問題を抱えることもある大人の発達障害。その中には、世の中で「高学歴」と言われる人も少なからず存在しています。世間一般の「エリート」のイメージと「障害」の実情の狭間で理解が得られず、周囲と自分を比べては落ち込み、悩みを抱えている当事者は多いと言われています。本書は、自身も発達障害当事者である著者の姫野桂さんが、高学歴の発達障害にフォーカスし「理解が得られにくい不条理」に迫った一冊です。本文では10人の発達障害当事者のインタビューを掲載。実態の見えにくい当事者の声を拾いあげると共に、大学の教壇に立つ側の視点として現役の大学教授に、医療側の視点として精神科医の取材も。大学における学習支援や、就労支援を行っている企業の取り組みも紹介されています。「高学歴」ということで、周囲から期待されるボーダーラインが上がり、理解を得られない人がいる現状を伝える本書は、今まさに苦しい思いをしている当事者にとって一助となるのではないでしょうか。それと同時に、発達障害が取りざたされる背景にある「異質であること」「非効率的であること」に不寛容な社会の姿を浮かびあがらせているようです。『自閉症児のことばを育てる発達アプローチ~ことばの6ステージ・特徴の理解と逆転の支援~』本書は、自閉スペクトラム症がある子どもの「ことばの発達とコミュニケーション」に焦点を当て、家庭でできることばの療育方法を紹介した一冊です。第1部では、「自閉症児のことばを引き出す方法」を、第2部では、自閉症児のことばの成長段階を6つのステージに分け、各ステージの特徴と支援方法に加え、逆転の発想のアプローチも紹介。6つのステージに分けられていることで、個々の成長に適したアプローチや、次に実践することなどが分かりやすく、療育の見通しがつきやすい内容となっています。著者は、自閉スペクトラム症がある娘の父親でもあり、発達支援教室で指導員を務める臨床心理士の矢幡洋先生。これまで40冊以上の著作を出版し、『数字と踊るエリ』(講談社)は第33回講談社ノンフィクション賞の最終候補にも。本書は、著者が自身の子育てを基に、子どもが興味を示し、家庭の日常の中で実践しやすい楽しいアプローチ方法がピックアップされています。子どもの発達で悩む保護者のヒントになると共に、家庭で行うことばの療育の楽しさも感じることができる一冊ではないでしょうか。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月18日for next株式会社(本社:千葉県柏市、代表取締役:草場 勇介)が運営する、未就学児~小学生向けのSTEAM教室「zunOw」※(読み方:ズノー)は、流山おおたかの森校(千葉県流山市)における、2024年度アフタースクールコース(学童)利用に向けた体験イベントを2023年11月23日(木)・12月3日(日)に開催することを決定しました。※「O」の字は「O」にマクロンを付したものが正表記■体験イベント開催概要開催日 :2023年11月23日(木)・12月3日(日)開催時間:第1部 10:00~11:30/第2部 13:00~14:30開催場所:zunOw 流山おおたかの森校(〒270-0138 千葉県流山市おおたかの森東4丁目1-6)<プログラム>アフタースクールコースで実施している算数脳・プログラミング・ロボットテックの3つのプログラムを体験していただけます。1. zunOwとは各プログラムの様子zunOwのコンセプトは『アソビとマナビで探究する次世代型教室』。“STEAM教育”を実践する小学生向けの教室として、2021年8月に北柏校(千葉県柏市)をオープン。現在はサービス提供対象を年中・年長まで広げ、次世代を担う子どもたちの教育に取り組んでいます。“STEAM”とは、Science・Technology・Engineering・Arts・Mathematicsの頭文字を取ったもの。STEAM教育は、子どもたちの「もっと知りたい!」「なんでこうなっているんだろう?」と言った知的好奇心を起点に、文理の枠を超えた良質な学びのインプット(知る)と、探究・創造していくアウトプット(創る)の循環を目指す、横断的・実践的・創造的な学びです。STEAM教育とはこれからのAI時代、文系・理系という枠組みを超え、STEAM教育は誰にとっても重要な学びになっていきます。経済産業省による『「未来の教室」ビジョン』(第2次提言/2019年)でも、教育の質・環境の改革に向けた3本の柱の1つとして「学びのSTEAM化」が提言されており、STEAMは今後の教育における重要なテーマの1つであることが分かります。zunOwでは、これらの潮流を捉えながら、算数・サイエンス・プログラミング・ロボットテック・アート等のさまざまなプログラムを提供し、子どもたちの興味関心に応じて、柔軟に受講カリキュラムをカスタマイズできることが特長の1つです。2. 流山おおたかの森校では「アフタースクールコース」を新設流山おおたかの森校校舎内zunOwでは、1店舗目となる北柏校を2021年8月に開校後、これまでに延べ2,000名を超える子どもたちにさまざまなプログラムを提供してきました。オフライン・オンライン両軸でのマーケティング活動に力を入れ、教育事業としては突出した“集客力”を武器に、2店舗目となる流山おおたかの森校を2023年4月に開校しています。流山おおたかの森校では、習い事として利用できるプログラムの他に、民間学童として利用できる「アフタースクールコース」も新設。2024年度の利用に向け、11月23日(木)・12月3日(日)には体験イベント 兼 保護者向け説明会を実施することが決定しました。「STEAM教育×民間学童」を実践する教室として注目を集め、他県在住の方からのお問い合わせも増加しています。3. 高まる“学童需要”を捉えたサービス開発アフタースクールコースの様子年々、共働き世帯は増加傾向にあり、学童保育の需要は高まってきています。一方で、学童の利用を希望しても定員超過などで入れない待機児童の数は、2023年5月1日時点で16,825人いると発表されています。(※)※:毎日新聞『学童保育の待機児童、1万6800人 共働き世帯増加で前年比増』(2023年6月28日)よりまた、千葉県流山市は、日本人人口増加率で全国2位(2023年1月1日時点)となっており、子どもの人口も増加傾向にあります。2023年4月1日時点で、市の人口の内、10歳未満の子どもは約24,100人で、70歳代の高齢者より多くなったと発表されています。このような背景を踏まえ、多くの子育て世帯が暮らす流山市、特に流山おおたかの森エリアへのzunOw出店にあたり、習い事だけでなく、学童として利用できるコースへの需要の高まりを感じたことが、アフタースクールコースの新規開設に繋がっています。zunOwを運営するfor next株式会社では、個別学習指導塾「正学館北柏校・流山おおたかの森校」も運営しており、中学受験~大学受験まで、幅広く学習のサポートをすることができます。個別指導の実績も持つ講師陣が、zunOwに通う子どもたちの宿題・自主学習もサポートしており、学習習慣を身につける「学習塾」として利用することも、STEAMのプログラムを探究していく「習い事」として利用することも可能なカリキュラムになっています。4. 今後の展望北柏校・流山おおたかの森校に続き、2023年10月船橋校を、2023年11月には都内1店舗目となる池袋校を開設しました。今後は、各エリアに合わせた形態でzunOwの出店を進めながら、オンライン配信での授業も開始する予定です。また、地域に根差した活動にも力を入れていきます。2022年4月から“出張授業”として、まつがさきの森幼稚園(千葉県柏市松ケ崎)にて、幼児に向けたSTEAM教育の授業を継続的に実施してきました。さらに、野村不動産グループが運営する、メガロス柏(千葉県柏市)のキッズアフタースクールのプログラムにも、zunOwのコンテンツを提供しています。2024年4月からは、メガロス立川南館(東京都立川市)でもプログラムを提供する予定です。このように、自社での教室展開に加え、地域の幼稚園や保育園、学童に対してもプログラム提供を行い、我々のSTEAM教育を広く地域に浸透させていきます。【会社概要】会社名 :for next株式会社所在地 :千葉県柏市松葉町2-15-13 クキタビル1F・2F代表者 :代表取締役 草場 勇介設立 :2010年6月事業内容:未就学児~小学生向けSTEAM教室「zunOw」の運営学習指導塾「正学館北柏校・流山おおたかの森校」の運営NPO法人「キャリアbase」の事務局運営経営コンサルティング事業【公式ホームページ】・zunOw : ・正学館 北柏校: ・キャリアbase : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年11月16日中学入学前に支援会議を行った自閉スペクトラム症(ASD)の息子現在高校生の息子(15歳)は、小学1年の時に自閉スペクトラム症(ASD)、中学1年の途中でLD・SLD(限局性学習症)と診断を受けました。小学校入学の頃からこだわりが強く、聴覚過敏があるため、授業中「はい!」と挙手する音に耐えられずパニックを起こした息子は、1年生の2学期から国語と算数のみ特別支援学級で受けるようになりました。静かな環境が息子には合っており少し落ち着くも、トラブルは常につきまとっていました。Upload By ユーザー体験談※通常学級在籍の場合、個別の支援は「特別支援教室」もしくは「通級指導教室」で行われます。もしくは特別支援学級に在籍し、特定の科目を交流級にて受ける形をとります。この体験談のお子さまについては、学校の判断により、通常学級に在籍しながら一部の科目について特別支援学級で受けています。中学生になる前には支援会議を行いました。・特別支援学級、通級指導教室どちらにするのか。・通級指導教室ならば、どの教科を通常学級で受けるのか。・仲の良い子と同じクラスにするのが良いのか、逆に仲の悪い子は誰なのか、クラスを離したほうが良いのか。息子が安心して生活できるように、このようなことを事細かく配慮していただきとてもありがたかったです。中学生も小学生の時と同じように、国語、数学、そして英語の授業を特別支援学級で、それ以外は通常学級で受けることになりました。先生の言葉がきっかけでクラスメイトからかわれ、本格的にいじめられるように……無事中学生になるも、1年生の時にある教科担任から「板書ができないのはサボっているからだ!」と怒られた息子。そしてこの言葉をきっかけに、クラスメイトからからかわれ、クラスで浮いた存在になってしまいました。息子は「お一人様」が好きなので最初は気にしなかったそうなのですが、からかいはだんだんとエスカレートし、ジャージが摩擦で破れる程引きずり回されるというひどいものに発展。いじめている子どもが在籍する部活の先輩も加わって、廊下を歩いているだけで転ばされたり、階段で足をかけられ転落したり……。そして、良くないことに息子もやられっぱなしではと抵抗して相手にパンチをしてしまったのです。そこをたまたま通りがかった学年主任の先生が見たそうで、息子は事情を話すも、相手の子どもたちからは「息子が悪い」と言われ、実際に殴ってしまった息子は何も言えなくなってしまい……。Upload By ユーザー体験談私はこの時点で学校側から連絡がきて、状況を知りました。ジャージが摩擦で破けていることは知っていましたが、息子は床で滑ったと言っていたので信じていました。先生の言葉がきっかけでいじめが始まってしまったこと、どんどんエスカレートしていったこと、そしてそれを息子が隠して堪えていたこと、それを息子が隠して堪えていたこと、そして反撃をしたことで加害者となってしまったこと……ショックでした。その間息子がどんな思いで学校へ行っていたかと思うと……どうすればいいのか悩みました。不登校になり毎日「僕なんていなくなったほうがいいんだ」という息子。そんな息子が前を向いたきっかけは?これがきっかけで、息子は学校に行きたくないと言い出し、夏休みをはさんで計2ヶ月、ほとんど不登校状態になってしまいました。毎日「僕なんていなくなったほうがいいんだ」と言うようになった息子。これではいけないと、私はいろいろな情報を集め、近場に発達障害の子ども向けの寺子屋的な教室があるのを知りました。そして息子にも話したところ、息子はそちらに通い始めました。学校以外の場所を知った息子は視野が拡がったようでした。息子より年下の子が慕ってくれたこともうれしかったのだと思います。そして少しずつ元気を取り戻していった息子は、だんだんと学校へも行けるようになりました。Upload By ユーザー体験談その後LDが分かったこともあり、中学2年生から特別支援学級へ完全に移りました。いじめっ子とも離れることができたので、学校へは問題なく通えるようになりました。どの高校を選ぶ?また不登校になったらと心配する母と息子の志望校は違うところでそして中学校生活も後半になる頃、高校進学について悩むようになりました。高校は義務教育ではありません。以前のように不登校になってしまったら、退学することになってしまいます。ですので、まず私が心配だったのは、全日制にきちんと3年間通うことができるのか?ということでした。できれば出席日数が関係ない通信制の高校、ただしずっと家にいると外に出たがらなくなってしまいそうだったので、週3日通い、レポート提出することで成績がつく高校が息子にはいいのではないかと思いました。ですが息子は、自宅近くの全日制の高校を希望しました。わが家は夫が早くに亡くなっているので、経済面で家に負担をかけたくないと思ったのかもしれません。また、息子はルーティンが好きなので、学校へは週5日通うのが当たり前と思っていた……という節もあります。私はあえて通信制の高校のことは話さず、息子には「目指している高校へ行けるといいね」と応援していました。息子の志望校の体験入学で不登校の原因となったいじめっ子と遭遇。フラッシュバックが!そして中学3年生になって、高校の体験入学に参加した息子。ですが帰りの車の中で、「楽しかったけど、あの子(いじめた子)もいたんだよ……」と真っ青になって語り始めました。そして「きっと学力が同じくらいなんだな……。高校でいじめなんて嫌。知らない子もいじめに加わったりされたら……。せっかく死にたい気持ちがなくなって楽しく過ごせるようになったのに……!」とフラッシュバックを起こしてしまったのです。Upload By ユーザー体験談高校にもいじめっ子がいるかもしれないということで、息子は志望校を変えました。私が希望していた通信制で週3日登校する高校です。自分から通信制にすると話してくれた時に、「実は私、その高校があなたに合ってるんじゃないかなって思ってたんだよ」とカミングアウトしました。すると息子は「そうだったんだ!」と笑っていました。この高校を選んで良かった!自分の信じた道を自信をもって進んでいって現在、通信制の高校を選んで良かったと二人で話しています。学校には、同じ発達障害を持つ子どももいてお互いの特性を知って配慮しあったり、趣味が似ているお友達とはとても深い知識を理解し合える素敵な関係を築くことができました。全日制に比べると校則も厳しくなく、登下校の時間も全日制の高校とかぶらず、朝はゆっくり、帰りは早いことで、息子も疲れることなく休まず通えています。アルバイトも始め、将来やりたい仕事も自分で見つけました。特別支援学級の先生です。そのため息子は今、大学への進学を目指しています。不登校だった時期からは考えられません。「我が身を抓って人の痛さを知れ」これは、私の恩師が教えてくれた言葉です。私の学生時代にもやはりいじめがありました。自分がいじめられたらどんな気持ちになるかという話の時、恩師はこの言葉を使われました。息子は、発達障害のある子どもがどこにつまづきやすいのか、どんなことが嫌なのか、また、いじめられる子どもの気持ちを身をもって経験してきました。そして、そんな子どもたちが1人でも減るようにと思う優しい青年に成長しました。自分の信じた道を自信をもって進んでください。いつでもあなたを応援しています。イラスト/カタバミエピソード提供/しのっぺ(監修:鈴木先生より)神経発達症のお子さんはコミュニケーションが苦手な場合があるため、学校ではいじめのターゲットになりやすい傾向があります。特に出身校が異なり、進学先で初めて一緒になった子どもたちから理解を得られづらいことがあります。IQテストで処理能力が低いお子さんは板書など写して書くことが苦手でマイペースです。ASDのお子さんに多い傾向があります。そういうお子さんにはタブレットで黒板の写真を撮るなど工夫が必要です。細かいところまで配慮してくれる通信制の高校は神経発達症のお子さんには向いています。自宅で自由に勉強できるからです。無理して全日制の高校だけを考えずに肩の力を落とせる通信制の高校も視野に入れつつ本人に行きたい高校を選択してもらうことが重要なのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月12日自動車免許を取りたいASD息子わが家の凸凹きょうだいの兄、タケル(自閉スペクトラム症(ASD)・現在22歳)は、普通自動車運転免許(いわゆる自動車免許)を取得するため、大学3年生の時に自動車教習所に通い始めました。入学のための書類を揃えるところでかなりバタバタしてしまいましたが……。教習のある日は、大学まで教習所のバスが迎えに来てくれることもあり、遅刻もせず安全に通うことができました。Upload By 寺島ヒロ学科教習はちょっと退屈だけど……自動車教習所の授業は「学科教習」と「技能教習」に分かれています。「学科教習」は50分が一コマ、30人ほどの集団で同じ教室で受けるので、まるで小中学校の授業のようです。部屋を暗くしてのビデオ学習の時間も結構あるので、睡魔に襲われたり、飽きてしまったりすることもあったようですが、元々「お勉強」の好きなタケルのことなので、まずまず問題なく過ごせました。技能教習はつまずきの連続……!しかし問題は「技能教習」!ある程度予想はしていましたが、タケルは発達障害の特性から自分の体をスムーズに動かすことが苦手です。素早く必要な動作ができないというわけではないのですが、なんだか動きが「がちゃがちゃ」してしまうのです。そんなタケルを見て、教習所の教官は「慌てるな、無駄な動きをするな」と指導してくれるのですが、慌てているわけではないので直せません。むしろ注意されたことで慌ててしまい、ミスをしたり、道を忘れてしまったりして、路上教習が滞るようなことがありました。また、タケルの場合、将来バギーや軽トラに乗る可能性が高いということで、MT教習を受けていたのですが、半クラッチがうまくできずに悩んだこともあったようです。これは何度かやっているうちに「分かってきた!!」と言いだし、やがてできるようになりましたが、他の生徒さんに比べるとかなり進度は遅かったようです。特性上の大問題!「左はどっちだ?」また、タケルには「右と左がとっさに分からなくなる」という特性があります。少し考える時間があれば大丈夫なのですが、教官に「はい、そこを左!」と指示を受けた時に瞬時に反応できません。「あわあわ」となってポイントを通過してしまうこともしばしばあり、路上教習が中止になった時もありました。Upload By 寺島ヒロとはいえ、左右の判別は気をつければできるようになるというものではありません。技能教習の検定(見極めテスト)に2度落ち、さすがにこの時はタケルも落ち込んでいました。ただ、タケルの場合「右」「左」という教官からの言葉がハンドルを切る方向と紐づいていないだけで、曲がる方向自体は分かっているわけです。そもそも、自分の目的地は分かっているのですから、教官からの「右」「左」の指示を聞く必要はありません。「指示を聞くのは重要じゃない、つまり技能教習の検定にさえ通過してしまえば良いのだ!」と、気がつきました。検定に使う道、全部行く!そこで、私が車にタケルを乗せて、技能教習の検定に使う道を全て連れまわすことにしました。検定に使う道は6通り(逆順を合わせて12通り)あって検定直前にしか分かりません。教官は教習生が目的地までの道を覚えるのが大変だから「次は右へ曲がって」「ここは左へ」と教えてくれているのです。親切心なのです。でも、タケルの記憶力なら検定に使われる12通り全ての道順を完全に覚えることができるはず!そして道を完璧に覚えていれば、指示を聞かずともどちらに曲がるべきか分かるはずなのです!この作戦は当たり、タケルは教習所の卒業検定に無事合格!運転免許試験場での本試験(学科試験のみ)も一発合格しました。イマドキ鬼教官なんていない?教習所では小さなトラブルはありつつも大きな困り事にはぶつからず、少し時間を消費しただけで何とか運転免許を取得できました。おそらくフロアでも教室でもタケルは「がちゃがちゃ」していたはずですが、教習所の方がさりげなくフォローしてくれていたようです。息子によれば「みんな優しいよ?合理的配慮とか意識してるんじゃない?」とのこと。私が教習所に通っていた頃は怖ーい鬼教官もいたものですが、少しずつ時代は変わっているんだなあと思います。執筆/寺島ヒロ(監修:室伏先生より)タケルさんが運転免許を取得するまでの詳細を共有くださり、ありがとうございました。12通りもある道のりを全て完璧に記憶できるなんて、素晴らしい強みですね!運転は右手と左手、さらには足や目を連動させて動かさなくてはなりません。視覚情報や眼球運動、体の姿勢や手足の動きなどの感覚をまとめて処理し、まとまりのある滑らかな運動を行うことを協調運動と言います。自閉スペクトラム症がある方では、協調運動の苦手さを持つ方もいらっしゃり、運転のような瞬時にさまざまな部位を連動させて動かさなくてはならない作業が苦手だなと感じる方も少なくないと思います。もしかしたら、運転に対してハードルが高いと感じていらっしゃる方もいるかもしれませんが、仮に苦手さがあったとしても何度も繰り返し練習することで技術は上達していきますので、焦らずにトライしていただきたいと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年11月07日自閉スペクトラム症の息子、日常生活の中の不器用とはスバルは幼稚園での生活の中で、明らかに飛び抜けて不器用でした。特に道具を使うことが苦手で、筆、はさみ、縄跳び、楽器はもちろん、日常生活の中でも服のボタンやファスナー、お弁当包みなど、あらゆることにサポートが必要でした。この頃インターネットで「発達性協調運動障害(発達性協調運動症/DCD)」という言葉を知り、本を探して読みました。ダンスや縄跳びなどの協調的運動、ボール投げなどの全身運動、ボタンやファスナーなどの微細運動がとても苦手……。読めば読むほどスバルのことが書いてあるようで一人で納得しました。実際に「発達性協調運動障害」と診断されるのはもう少しあとになりますが、私はこの時からスバルには「発達性協調運動障害」があると思って接し、幼稚園にも配慮をお願いしていました。微細運動ではボタン、ファスナー、お弁当包みなどの身の回りのことは小学校入学までにどうにかマスターしましたが、道具の上達は非常にゆっくりです。全身運動ではブランコなどの遊具で遊ぶ姿はそれなりにサマになっていましたが、ダンスや体操は先生の個別指導がつくほど苦手でした。ちなみに両足ジャンプは4歳、片足立ちは7歳、ケンケンは8歳でマスターしたので年齢と比べてかなりゆっくり成長しているように感じています。※編集部注:発達性協調運動障害は現在、「発達性協調運動症」という診断名となっていますが、最新版『DSM-5-TR』以前の診断名である「発達性協調運動障害」といわれることも多くあります。この記事では、一般的にも使われることが多い「発達性協調運動障害」の名称も合わせて使っています。参考:発達障害(はったつしょうがい)|e-ヘルスネットもう一つの困り事年長になり「小学校」が目前に迫ってくる頃、もう一つ気になることがありました。それはひらがなが書けないことです。このくらいの年齢だと書けない子もたくさんいるのですが、「い」「こ」「つ」くらいの簡単な文字なら見本を見ながら書けると思います。でも、スバルにはそれができませんでした。ひらがなに興味がないわけではなく、むしろ文字が好きで1歳半からひらがなを読み始め、2歳の誕生日の頃には十数個、3歳の誕生日の頃にはひらがなの読みはマスターしていました。年長の春にはひらがな、カタカナ、アルファベット、小学1年生程度の漢字は読めるようになっていました。大人向けの自動車雑誌を愛読していたので「輸入車」「燃費」のような車関係の難しい漢字も読めました。しかし「い」と書かれた見本の真横に「い」を書くことができないのです。Upload By 星あかりこの「読み」と「書き」で、できることの大きな開きが私を不安にさせました。スーパー不器用BOYとして小学校入学。特別支援学級へひらがなに関しては入学直前の春休み中、とあるゲームにどハマりし「登場するキャラクターの名前やアイテムの名前をリスト化したい」という欲求が限界まで高まり、ぼんやりとですが模倣できるようになりました。そして読めるか読めないかギリギリラインではあるものの自分の名前が書けるようになりました。この時は綺麗な丸や三角はまだ書けないくらいの不器用さだったので、自分の名前もしっちゃかめっちゃかなラインではあったものの、人類が月に降り立ったレベルの感動でした。数日前の入学前の面談では「まだ自分の名前も書けません」と相談したばかりだったので、まさか入学までに自分の名前が書けるようになるとは思いませんでした。Upload By 星あかりこの時のスバルは、作業療法士さんの検査で「とても不器用」と言われたものの診断は受けていなかったので、学校にどのように配慮をお願いして良いのか少し悩んでいました。しかしスバルの就学先の特別支援学級では、診断名があろうがなかろうが困り事に向き合った配慮をしてもらえました。例えば、文字を書くのが苦手なスバルなら、マスからはみ出ていてもトメやハネがむちゃくちゃでも、丁寧に書いていれば丸をもらえました。そしてスバルの成長レベルに合わせて少しずつ正しい字が書けるように導いてくれました。成長と言っても「読めるか読めないか」から「ギリギリ読める」そして「だいたい読める」レベルのゆっくりとした成長ですが、難しい漢字でも「だいたい読める」字が書けるようになったのは本当にものすごい成長です。さまざまな教科で不器用による困り事がありましたが、先生がいろいろな方法を試してくださったり、私がインターネットで調べた便利グッズを使ってみたり、ときにはスバルから代替案を提案したり、過ごしやすいように工夫していました。それがごく普通に行われる環境でした。さまざまな苦手を抱えたほかのクラスメイトたちも、それぞれが学びやすいように工夫していました。苦手なことに対して配慮してもらえ、自分で提案した工夫が採用されて、クラスメイトもそれぞれ苦手なことを工夫しながら学んでいる環境は、スバルにとってとても過ごしやすそうに感じました。「小学校に入学するまでにひらがなが書けるように」と、気負う必要はなかったなと安堵しました。得意なはずの算数で、まさかのつまずきが……!特別支援学級の中で、得意分野を伸ばしつつ苦手分野を少しずつ底上げしながらのびのびと学んでいたスバルでしたが、特に算数は不器用が影響しないので気に入っているようでした。しかしそんな算数の授業にそれは突然現れたのです。そう、定規です。スバルは定規で直線を引くことが難しかったのです。左手で定規を押さえて右手で線を引くことがなかなかできませんでした。最初は左手で押さえた定規が鉛筆に押されて動いてしまい、まっすぐな線が引けませんでした。そこで左手で定規をしっかり抑えるようにアドバイスすると、マックスパワーの左手で定規を押さえ、同じくマックスパワーの右手で線を引くものだからプリントやノートはビリビリに破けてしまいました。どうやら左手は強く、右手は優しくというような使い分けが難しかったみたいです。これには工夫の達人である先生も悩んでしまいました。結局、裏に滑り止めのついた定規を何本も買い、何度も練習しているうちに「ギリギリ直線……?」が引けるようになりました。スバルはのちに「かけ算よりも直線を引くほうが難しかった」と語っています。そんな苦手だった定規も、いつの間にか使えるようになりました。算数だけでもコンパス、分度器、そろばんと次々と大きな壁が現れますが、アイデアを出し合いながらコツコツと地道に向き合っていると、案外知らぬ間にできるようになっていたりしました。できるようになったと言っても、上手になったわけではないし年相応とは言えないのですが、この日々を通して私とスバルは技術的にも精神的にも苦手との向き合い方を学んでいます。ときにはクラスメイトとの差を目の当たりにし悲しむ日もありますが、アイデアと地道な努力でゆっくりゆっくり進んでいます。執筆/星あかり(監修:初川先生より)スバルくんの著しい不器用さ(発達性協調運動症)に関する育ちと手立ての歴史のシェアをありがとうございます。自閉スペクトラム症、ADHD(注意欠如多動症)、SLD(限局性学習症)の3つの発達障害にくらべると、発達性協調運動症(DCD)は知名度もいまひとつであったり、手立ての方策も詳しい人は詳しいけれど、なかなか詳しい人に出会いづらいという面が残念ながらあります。特別にトレーニングや練習を重ねる方向性ももちろんありますが、日常生活や学校生活の中でできることもあり、そうした面について今回のこちらのコラムでご紹介いただいたように思います。苦手なことを「どうしてできないのだ、練習が足りない!」と無理にやらせてもできるようにはならず、今できることを着実に熟達させていくと共に、少しずつ上手なやり方へと寄せてゆくような関わりが大切です。あかりさんや学校の先生方(スバルくんは自閉症・情緒障害の特別支援学級に在籍されていますね)が一緒に工夫されてきたような、手立て・工夫を施しながら本人の成長を待つ方法、とても素晴らしいと感じました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年11月07日妊娠中は1人で過ごすことが多かった、すやすや子さん。住んでいる場所には知り合いもおらず、夫は出張がち。出産したら話せるママ友がほしいと思っていましたが、産後はメンタルが落ちることも。育児教室で出会ったママからは保険、児童館で知り合ったママからは宗教、それぞれ勧誘にあいました。一方で、気を遣いすぎることなく一緒に旅行をしたり、同じ悩みや考えを持ち何でも話せたりして、産後に子ども抜きの付き合いができる「友だち」もできました。そして今、近所の公園で子ども同士が遊び仲間というママ友ができ、そのママ友田中さんの手料理パーティーに招待されたのですが、なんと夫婦2人から勧誘されてしまうという事態が起こりーー。ママ友の田中さんからは鍋、調理料、洗剤。そして夫からは浄水器とサプリ。手作りの料理に子どもの面倒まで見てらっているーー。そんな状況に追い込まれたすや子さんは、つい買ってもいいかもと思い始めますが、すんでのところで一緒にいたカヨさんが断ち切ってくれました。 「私、勧誘されるの2回目なんです」ママ友の衝撃告白 田中さん宅からの帰り道、すや子さんとカヨさんは勧誘について振り返っていました。すや子さんはこれまで、田中さんの言動で「あれっ?」と思うこともあったものの家に行くまで気づけませんでしたが、カヨさんは違いました。カヨさんはすや子さんにすみませんと謝った後、田中さんはもしかすると勧誘してくる恐れもありそうと薄々勘づいていたようでした。しかし、そうでない可能性もあるため、言い出しづらかったと打ち明けます。すや子さんはカヨさんの察知能力に驚きますが、カヨさんは勧誘に遭うのは2回目だと言い、自身の息子が0歳の頃の話を始めました。 周囲に知り合いもいなくて孤独だったカヨさんは気分転換に息子と出かけた公園で、自分の母親と同じぐらいの年齢の女性に声をかけられました。30分ほど話をしていると、その女性が今度ご飯を食べに来ないかと誘われました。初対面でしたが優しそうな人で、自宅で学習塾の先生をしているということもあり、信用できると思ったカヨさんは女性宅へ行くことに。約束の日に家に行くと豪華な手料理が用意されていて、食べている間は息子を見てくれるという親切さに感動しながら食事をいただいたカヨさん。食後、女性から食器を片付けるように言われて洗っていると、使っている洗剤の良さを熱心に語り始めたところから少し違和感を感じたカヨさん。食器を洗い終わると、洗ってくれてありがとうと女性に言われて、カヨさんも食事のお礼を伝えました。すると、「はい、千円」と女性は手を出してきました。「え?」あまりのことに驚くカヨさん。食事代の請求なのでしょうか? ◇◇◇ 田中さん夫婦の勧誘を回避してくれたカヨさんの1回目の勧誘話の序盤ですが内容は衝撃的でしたね。頼れる人もおらず慣れない育児で孤独だった時に、公園で自分の母と同じぐらいの年齢の女性に優しく話しかけられ、その女性宅で食事をいただいたところ、最後にお金を請求されるという展開。カヨさんはきちんと手土産を持って伺っていますし、誘われた時の流れからお金が発生するとは考えづらいもの。初めての子育てで、ゆっくり食事の時間を取ることもできなかったであろうカヨさんにとって食事中までは天国だったはずですが、その落差に人間不信になりそうですよね。初対面の相手の家に行くか迷ったカヨさん。母と近そうな年齢ということのほかに、自宅で学習塾の先生をしているところが信用したポイントでしたが、この出来事では職業は関係ないと改めて考えさせられますね。 次の話著者:マンガ家・イラストレーター すやすや子
2023年11月02日発達障害のある次男の中学校生活がいよいよスタート!Upload By スガカズ発達障害(ADHD、LD)のある次男はこの春から中学校の通常学級に通っています。希望していた週一回の特別支援教室(通級指導教室)にも無事に通えることになりました。次男は昔から、環境の変化が苦手です。環境の変化があるときに対人関係のトラブルが起こりやすくなります。小学校に入学してからは大人(今回の場合は学校の先生など)とのトラブルが大半で、小学校低学年の頃はかんしゃく(暴言、物にあたる)や脱走がときどきありました。そのため、「次男の特性をあらかじめ知ってもらっていたほうがトラブルを未然に防げる」と思い、次男の特性などを中学校に事前に共有しています。学校生活スタート。本人の気持ちは……?次男は小6の秋におこなった、特別支援教室(通級指導教室)の体験での自己紹介で「中学校に入ったら怒るのをなおしたい」と言っていたり、入学直前には「中学校に入ったら新しい友達をつくる」「どんな学校なのか楽しみ」と話していました。小学校卒業前から本人の情緒は比較的安定していて、中学校に通ってからも不安定になることはありませんでした。知らない人も多く小学校とは違った環境でしたが、よい緊張感をもって中学校に通い始めました。入学から1ヶ月ほど経つと、クラスにも徐々になじめるようになり、新しい友達も増えました。また、クラス担任は次男との関わり方が上手く、次男自身も担任を好意的に思っているようで、大きなトラブルもなく毎日学校に通うことができています。Upload By スガカズただ、昔から朝は苦手で、緊張感がなくなった現在は、遅刻が目立つようになりましたが……。部活動はソフトテニス部に入部しました。体を動かすことは昔から得意だったので、テニスは未経験でしたが、どんどんできることが増えていきました。週5日の練習や、休日の試合など熱心に活動しています(平日の朝は遅刻が目立ちますが試合の朝は不思議と遅刻しません)。一度だけ、体育の先生と意思の疎通がうまくいかず、泣いて授業を抜け出したことがありましたが、その際には担任が次男に事情を聞き、学校で話し合って解決することができました。授業は前向きに参加しており、小学校の頃と比べると大きな成長を感じています。初めての定期テストと、課題提出7月、次男にとって人生で初めての定期テストがありました。次男は書字障害があり、文字を書くことが困難なため、書字を含めた勉強が苦手です。ただ、小6の頃から毎月療育に通っており、そのお陰で、文字を書く困難さは改善されました。小学校の頃はノートが真っ白だったのですが、中学校では、困難さを抱えつつも努力して書こうとしているようです。次男の中学校は、普段は課題が出ないのですが、定期テストの日に、課題の提出を求められます。小学校に通っていた時は、宿題の内容を担任の先生と話し合って調整してもらっていました。ですが、中学校では課題の範囲が学年で決まっており、次男だけ調整することは難しいということでした。また、この時期の子どもは友達との時間を優先しがちなので、本人が家にいない時間が増えました。そのため、課題に取り組める時間の確保が難しかったです。Upload By スガカズ【1週間の間にこなす課題】・国語漢字20ページ・数学50ページ・英語20ページ全ての問題を解いて丸つけ間違ったところはノートにやり直して提出結局、締め切りが1週間という限られた時間で次男が課題をこなすことはできませんでした。数学、英語はなんとか提出できましたが、国語の課題は手をつけられなかったので、未提出です。また、テストに向けた復習をする時間はまったくありませんでした。そもそも私は「次男は中学校でテストを受けてくれるのだろうか?」といった疑問がありました。中学校のテストは小学校の時よりも長時間の集中力や、見通しが求められます。もともと小学校でのテストが、書字の困難さを含めさまざまな理由から、白紙のままで0点で返ってくることも珍しくなかったのです。そのため、数日間、みんなと同じようにテストを受け続けることは難しいのでは?と、私は思っていました。Upload By スガカズ期末テストは3日間あったのですが、本人は3日間乗り越えることができました。国語は白紙に近い状態でしたが、受けてくれただけで、十分だと思いました。はじめての定期テストを終えて気付いたこと・漢字にルビがふられていた→ルビふりのお願いはしていませんでしたが、学校側で学習障害(LD)の生徒向けの対応をしてくれていました。・テスト時間の延長は個別で対応ができる→後日、テスト結果を持参して療育に相談しに行った際に、テスト時間の延長ができるかもしれないという話になりました。実際に学校に質問したところ、別室に移動して受けることができるということでした。今のところ本人の当日の意向から、延長の対応はしないでテストを受けています。・プリントをホチキス留めしてプリントの順番がバラバラにならないようにする。→国語のプリントが右とじのスクラム製本だった(ホチキス留めされていなかった)。テスト中にプリントを落としてしまい、順番が分からなくなったので、問題の意味が理解できなかったから白紙に近かったのだそう。学校には、ホチキスを持参する旨を共有した。ホチキス留めをしただけで2学期の国語の中間テストは解いた問題の数が増えた。初めての課題提出で気づいたこと・課題の範囲は先に知ることはできないが、どのワークを使うのかは分かったので、得意な教科は、時間がある時に少しずつ進められるとよい→とは言っても次男の特性から、声かけが重要ですが、「先生から言われてないからやらなくてもよい」と自己判断する場面があったので、先生から「中学生は自主的にやらないといけない」と次男に伝えてもらいました。Upload By スガカズ本当によかったと思うことは、「クラス担任との相性がよい」ということです。次男が通うソフトテニス部の顧問をしているので、テスト後の部活に参加する条件が「数学の提出を完了させること」だったそうです。好意をもっている先生に言われてしまったこと、部活に早く参加したい気持ちが、本人を動かしているんだろうと思います。テストの結果にはあまりこだわりませんが、提出できる課題を少しずつ増やせればいいなと思います。執筆/スガカズ(監修:井上先生より)中学生活で初めての定期テスト、親御さんもお子さんもかなり不安だったと思います。スガカズさんも触れておられましたが、書字障害や感覚過敏など医師や専門機関の診断、所見や意見書があれば、話し合いによって解答欄の拡大や別室受検など症状に応じた合理的配慮が可能になる場合があります。また、提出物に関しても手書きではなく、パソコンやタブレット端末の活用で代替するなども考慮されるかもしれません。合理的配慮の際には、実施前に本人が納得すること、実施したあとに本人の意見を取り入れながら改善していくことが大切です。周囲の生徒と異なる支援を受けることが本人の心理的な不安につながる場合もありますので、お子さんの思いを尊重しながら本人のペースで進めていかれるとよいと思います。スガカズさんも書いておられるように教師との信頼関係も何より大切ですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月01日脳のタイプ僕は、人間はさまざまな「脳のタイプ」をもっていると思っています。つまりいろいろなタイプの人がいる、ということです。当たり前だよと、言われるかと思いますが、すでに知られている「発達障害」って、そのいろいろな人のなかのあるタイプ(特性)を言っているのです。すでに1977年にトーマスとチェスは子どもの気質を研究し、平均的な子以外に、育てやすい子、気難しい子、順応の遅い子が一定の割合で存在しているという結果を出しています。子どもはあるいは人間は十人十色というわけです。でも、そのなかで、現代社会を生きていく中で、「生きづらさ」を抱えてしまう子どもがいます。その子どもたちの行動や感情表現、あるいは物の見方、感じ方、考え方や気づき方などから、いくつかのタイプ分けをして、そこに名前をつけたものが「発達障害」となりました。個性とも言えるのですが、この名前がついた脳のタイプをもつ人は、現代社会でよく理解していただき、適切な関わりをしていただくことで、生活のしにくさが、ある程度安定すると思われます。脳のタイプを理解することは、その方の生活を安定させる一歩になります。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」というように、まずは相手をよく知ることです。ただし、脳のタイプといっても、きちんと分別できるものではなく、ここにも十人十色の混合色が混じり合います。どれほど似た者同士であっても、まさに一人ひとり異なる世界を持っています。特性としての理解Upload By 田中 康雄かといって、千差万別、いろいろだねとなると、あまりにも漠然としていて、理解と適切な対応の基本形が見えてきません。何事も基礎は大切です。そこでそれぞれの「発達障害」のタイプについての理解は重要です。このタイプは、こだわりや対人関係が苦手で、特定の感覚が鋭すぎたり鈍かったりするようです。このタイプの子どもたちと出会うと、僕は彼らの心にあるいいようのない不安感を感じてしまいます。こだわりは不安を軽くする自分の世界観であり、対人関係になじまないのも、状況が見えない不安からであり、感覚の鋭さは不安の強い自分を守る諸刃の刃のようなものと、僕は仮に理解しています。とても繊細で慎重な子どもと思うことで、こちらも無理に関わろうとか、急に距離を詰めるような関わりを控えることで、少なくとも不安を強めないようにします。Upload By 田中 康雄このタイプは、じっとしていることが苦手で、考えるまえに行動が先になり、集中注意が行き届かず、生活では注意やお叱りを頻回に受けてしまいます。本人は注意されても次の瞬間に別なことに気が移ってしまうので、周囲からすると、反省しない子と、また評判を落としてしまいます。でも、僕は、彼らがとても豊かな発想力をもち、いざというときにびっくりするほどの力を発揮することも知っています。でもそんな彼らが日々の失敗と叱責にこころを痛め、悩み、自分を責めているようにも感じます。時々、彼らの笑顔がこころから発せられていないこと、さらには笑いながら涙することにも再三遭遇しています。Upload By 田中 康雄このタイプは、知的な能力な維持しているのに、学習で獲得する「読み・書き・計算」がなかなか身につかず、学校生活がつらくなってしまいます。決して努力不足ではありません。僕が昔関わった子は、「漢字を1つ覚えると2つ忘れてしまう」と言いました。その時の寂しげな笑顔が忘れられません。Upload By 田中 康雄このタイプは、いわゆる運動神経が鈍いと言われ、昔は運動オンチと言われていました。かくよう僕がまさに運動オンチでした。この協調運動は体育の授業だけでなく、鉛筆が上手に持てない、リコーダーが吹けない、コンパスが使えないなど、さまざまな場面で不器用さを発揮します。そしてこの「できなさ」は、その子にとって「恥ずかしい」体験としてこころに植え付けられます。Upload By 田中 康雄特性の理解から、その子の思いを想像する今回監修させていただいた『発達障害・グレーゾーンの子どもが見ている世界」は、そんなタイプをもつ子どもたちが、どんな気持ちで日々を送っているかを考えてみたものです。こうした特性のない人からすると、なぜそんな感じ方、考え方をするのか、どうしてこれができないのか、きっと不思議なことでしょう。でも、こうしたタイプがある方からすると、逆に、どうしてそれができるのか?なぜそんな風に感じて、考えるのか、不思議でなりません。この本のChapter1では、そんな子どもが見ている、感じている日常を想像してほしくて、16の「ナゾ行動」にたいして、子どもの世界をそれぞれ2つほど展開しました。十人十色といっても、1つのナゾ行動に対して10も20も展開していては、本書がこの10倍以上の厚さになってしまいます。ここに示したナゾ行動の説明は一つの仮説にすぎず、こんな子もいるよ、という提案です。もっともっと、別の理由を持った子どもはたくさんいます。わが子の、保育士や教師の方なら目の前の子どもたちの、その言動の理由を想像して探ってみませんか?あるタイプだからこの言動でなく、Aくんだからこの言動、そうかBくんだからそうしたのか、と思えるようになれば、なによりもAくん、Bくんが、分かってくれたと思って、とても喜んで、安心してくれると思います。例えば、ナゾ行動8にあるような、遊びのルールが守れないというナゾ行動にも、守れないという以前に、そのルールが理解できていない場合や、分かっていても自分の思い通りにしたくて結果ルールを確信犯的に破ってしまう場合もあります。Upload By 田中 康雄Upload By 田中 康雄このようにある場面の言動を、その子はどのような理由から表出しているのか、日々の言動を観察し、あれこれと心情を想像し、こんな気持ち?あんな気持ち?と考え続ける。そうすることでその子の理解が進んでいくと、僕は思うのです。注意や叱ることの前に、「そうか、こうしたかったんだね」「もしかして、こんな気持ちだったのか」と、子どもの思いに少しでも近づき、思いを重ねようとするだけで、きっと、その子は、安心する、守られている、と感じるのではないでしょうか?脳のタイプを知ることは前提として大切です。同時に、一人ひとりの生活の癖、関係の取り方など生活から見えるその子の有り様を、重ねることで、多面的に、そしてより深く、子ども理解が進むように思います。どんなことにも、わけがある。そこに、その子の唯一無二の「思い」が隠れていると、僕は信じています。ナゾ行動に隠れた意味を考えるとき、保育士や教師の方であれば、複数人であれこれと考えてみるのも一つです。僕たち応援する大人も、みな十人十色なので、想定外の仮説が聞けるかもしれません。こうした議論は僕たちの理由を知るための引き出しを増やすことになります。分からないときは、その子に聞くのも大事です。実は、きちんと説明できるかもしれません。想像しましょう。話し合いましょう。分からないことは聞きましょう。そして、何事もよいと思ったことを試してみましょう。僕たちができることは、いつも「仮に理解している」に過ぎません。でも「実際に」支援することで、その子を理解することができるものです。その叩き台の一つが、本書の16のナゾ行動です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年10月30日「東大卒はなるべく隠しておきたい」という当事者の言葉『ルポ高学歴発達障害』は、世の中で言われる「高学歴」の発達障害当事者10人のインタビューや、大学教員、精神科医、支援団体への取材を通じて「理解が得られにくい不条理」に迫った1冊です。このコラムでは、著者である姫野桂さんのインタビューをお届けします。Upload By 発達ナビ編集部――姫野さんはご自身の経験も合わせて、発達障害についてさまざまな発信をされてきました。今回、「高学歴発達障害」をテーマに選ばれたのはどのような思いからですか?姫野桂さん(以下、姫野):以前、高学歴なのに発達障害の特性で仕事がうまくいっていない方の記事を読みました。今まで取材してきたなかでも京都大学を卒業している方で、同僚はすぐに覚えられる電話対応などの仕事が覚えられずにうつ病になってしまったとお話ししてくださった方がいました。高学歴というとエリート道を進んでいると思われがちですが、実は悩みも抱えている人が多いことを伝えたくて本にしました。また、私自身は超高学歴ではありませんが、就職活動や会社員時代に苦労したのでそういった苦悩も書きたかったからです。――大人の発達障害当事者の方からは、「ケアレスミスが多い」「マルチタスクが苦手」「職場でのコミュニケーションがうまくいかない」といった声が聞かれますね。姫野さんご自身の苦労とは、どのようなものだったのでしょうか?姫野:就職活動で例を挙げると、当時は自覚がなかったのですが算数障害があり、SPI(適性検査)の数学がまったくできませんでした。大手企業はSPIを導入しているところが多かったため、大手企業は避けるようにして中小企業に絞りました。――そうすると面接に進めるように?姫野:そうですね。ただ、自分をより良く見せることが不得意なこと、本音を話してしまうことなどから、うまくいきませんでした。例えば、「なぜ弊社を選んだのですか?」と聞かれた際に「福利厚生が良かったからです」と答えたり、「何か質問はありませんか?」と聞かれた際に「残業はどのくらいありますか?」といった質問をしたりしていました。――今回、10人の発達障害当事者の方を取材されています。印象的だった言葉を教えてください。姫野:東京大学法学部卒の女性の「東大卒はなるべく隠しておきたい」という言葉です。東大卒ということで期待されるボーダーラインが上がってしまうという点は、理不尽だと思いました。※本書では当事者の方のプライバシー保護のため、氏名や年齢、事実関係などが一部変更されています最後に、石川さんに東大卒であることを“損”に思ったことはあるか聞いてみた。「それはあります。やはりハードルを上げられてしまうので、「東大卒だったら何でもできるだろう」というような感じで“合格ライン”が上がってしまう感じがあるんです。だから、なるべく隠しておくほうが得だなと思います。石川真里さん(東京大学法学部卒業)の言葉――早稲田大卒の男性も同じようなことをお話しされていますね。結果的にその会社は辞めたのですが、そのとき僕を怒鳴っていた上司は学歴コンプレックスがあったんです。「お前は俺が行きたかった大学を卒業しているのになんでそこまで仕事ができないんだ」と言われたことがあって。(中略)必要のない限りは、大学名を口にしなくなりました。三崎達也さん(早稲田大学経済学部卒)の言葉――そして、お二人とも「東大は自分にとても合っている場所だったので、それはすごく良かった」「自分のポジティブな部分を作ってくれたのは早稲田のおかげ」というように、誇りに思われているのも印象的でした。プライドとの折り合い――精神科医の熊代先生とは、高学歴の発達障害者が自身のアイデンティティと向き合っていくことの困難さについてお話しされていますね。ご自身の体験と重なるようなことはありましたか?姫野:私自身、発達障害が分かったのが30歳のときでした。就活を始めた頃、鬱病を疑って心療内科にかかったのですが、発達障害については何も言われず、抑鬱状態という診断を受けました。もっと早く発達障害があると分かっていたら、就職活動の仕方や仕事選びも変わってきていたのではないかと思います。当時はリーマンショックの影響で周りの友人もなかなか内定が出ない人が多かったので、発達障害が原因ではなくリーマンショックのためだと考えていました。それでも、「なぜ人事受けが良いはずの大学なのに受からないんだ」という葛藤がありました。そのあたりのプライドの折り合いをつけられたら良かったなと思います。子どもの頃から学業では優れていても、社会関係の部分ですごく弱みや苦手があるということを踏まえて、天狗にならないようにするというか、学歴を鼻にかけないようにするのが処世のあり方として結構重要になります。そのためには自身の発達適性の早い段階での把握は肝要です。(中略)ただし一方で、「自分には何かできるはず」「秀でたものがあるはず」といったアイデンティティを持つことには可能性もあるんですよね。ここも高学歴発達障害者の方のアイデンティティの形成戦略としてかなり難しいところです。熊代亨さん(精神科医)の言葉「大学が一番楽しかった」という声――筑波大学における学生支援についても取材されていますね。姫野:筑波大学のヒューマンエンパワーメント推進局の取り組みは素晴らしいと感じました。特に発達障害のある高校生へ向けた「大学生1日体験講座」で、10名限定ですが高校生一人ひとりに学生のメンターがつき、中には「障害学生支援技術」などを履修したピア・チューター(有償のボランティア)がいるのはとても魅力的だと思いました。ピア・チューターになるには自由科目の「障害学生支援技術」を履修したうえで、視覚障害、聴覚障害、発達障害といった形でコースに分かれた集中講義を受けてもらいます。佐々木銀河さん(筑波大学ヒューマンエンパワーメント推進局)の言葉ただ、多くの高学歴発達障害者を取材してきて、ほとんどの人が「大学が一番楽しかった」と答えています。社会に出てからどう自分の特性とつき合っていくかが課題だと思っています。――たしかに、「社会に出てから」「就職してから」直面した困難がインタビューからも強く感じられますね。最後に、本書をどのような方に読んでほしいとお考えでしょうか。姫野:高学歴発達障害当事者だけでなく、同僚や家族、友人など身の回りに高学歴発達障害の方がいる方にも読んでいただき、周りの期待やエリートのイメージと実情との乖離、活躍している大学時代の友人との比較、アイデンティティとの折り合い……といった「高学歴であるからこその葛藤」があることを知ってほしいです。そして、「あの人は高学歴だから」という前置きを外して個として見てもらえたらと思いますし、彼らが苦手そうなことにぶち当たって困っていたら「何か手伝おうか?」と声をかけるなど、そっとさりげなくフォローしていただきたいです。――ありがとうございました。姫野 桂さんフリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。著書に『私たちは生きづらさを抱えている発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)『生きづらさにまみれて」(晶文社)電子書籍『ダメ恋やめられる!?発達障害女子の愛と性」(集英社)。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年10月27日言いたいことを文章にするのが苦手なコウですUpload By 丸山さとこ中学生の息子のコウは学校から帰った後、学校で起きたことを話してくれることがあります。その話は友達との間で起きた楽しいことや感心したこと、授業で疲れたこと、部活動で頑張っていることなどさまざまです。楽しい話から愚痴までコウの話を聞くのは面白いものですが、できれば聞きたくない話もあります。「お母さん、〇〇を学校に置いてきちゃった」から始まる忘れ物の話です。置いてきた物のバリエーションは広く、体操服・給食袋・宿題・筆箱・傘・保護者宛てのプリント・水筒などいろいろとあるのですが、先日はコウが「お母さん、ふくらはぎを学校に……」と言いよどんでいたので、思わず「置いてきちゃったの…?」と聞いてしまいました。コウに「そんなわけなくない?」と突っ込まれて「そんなわけないけどさ~!」とひとしきり笑った私。「でもね、今のは完全に『〇〇を学校に置いてきちゃった』のパターンだったじゃない?」と言うと、コウはどうも今ひとつ納得いかないようでした。後日、夫や私の母から「それは『ふくらはぎを学校に置いてきたの?』ってなるね」と言われたことでようやく納得できたコウでしたが、どう言えば伝わりやすかったのか?と考えると、すぐには思いつかないようでした。どうやらコウとしては、話している途中で言葉に詰まらなければ「ふくらはぎを学校にいる途中で小まめに揉んでいた」と言いたかったらしいのです。「学校『に』って言ったから、そのあとが上手く続かなかったんじゃない?ふくらはぎを学校『で』小まめに揉んでた……であれば伝わるんじゃないかな?」と私が提案すると、コウは「確かに!」と、うなずいていました。Upload By 丸山さとこコウは小学生の頃『てにをは』を使うことが苦手で、日常会話や作文などの学習中につまずくことがしばしばありました。ですが、コウ自身に困っている実感はありませんでした。『てにをは』を適切に使わないと相手に話が通じにくいことに、あまり気がついていなかったそうです。そんなコウも中学生になった今では「あれ?」と引っかかるような『てにをは』の使い方はずいぶん減ったと思っていたのですが、「今でもふとしたときに、こんがらがることがあるのだな」と改めて思う出来事でした。「てにをは」が苦手だと、話が迷走しがちになるようです神経発達症(発達障害)がある子どもの中には、『てにをは』の使い分けが難しい子どもがしばしばいると聞いたことがあります。今思い返すと、コウもその一人だったのかもしれません。小学生の頃のコウは、「お父さんが僕にあげてくれたの」などの不思議な『てにをは』の使い方をすることがよくありました。Upload By 丸山さとここれはコウがお父さんからビー玉をもらったときの発言だったため、「お父さんが僕に“あげる”をしてくれた」という文の組み立て方なのかな?と思いました。「”教える”をしてくれた→教えてくれた』『”遊ぶ”をしてくれた→遊んでくれた』などの文と同じパターンの考え方をしたのだと考えると、「コウなりの理屈はあるのだろうな」と感じます。ですが、コウが「お母さんにくれた色鉛筆で塗ったよ」と言って描いた絵を見せてくれたときは、「途中で文がねじれてない?」と首をかしげたくなりました。・お母さんがくれた色鉛筆で塗ったよ・お母さんにもらった色鉛筆で塗ったよという2つの文が、途中で入れ替わってしまったように感じたからです。そのため、コウから言われたときは「あれ?」と引っかかったものの、何がおかしいのかその場では分かりませんでした。Upload By 丸山さとこ会話中の発言というものは、発言そのものだけではなく『相手に関して知っている情報』や『その場の状況』も併せて解釈し、理解するものです。そのため、幼い子どもの疎い発言であっても、周囲の大人はある程度意図を汲むことができます。共にASDとADHDがある私と息子であっても、暮らしの中で共有している情報の多さから『相手が伝えようとしていること』を何となく理解できてしまうところがあります。そのため、コウ独特の言い回しに慣れるまでは、「今の言い方は何か変だな?」と思ってもどこがおかしいのは分からず、突っ込むことができませんでした。意識的にコウの発言を聞きとめるようにすることで、私も少しずつコウの話し方のどこに違和感を覚えたのか分かるようになっていきました。そうして、コウの言いたかったことをさり気なく言い直すことができるようになりました。Upload By 丸山さとこ小学生の頃のコウは指摘や注意に対する反発や混乱が強かったため、「その言い方は間違っているよ」などの強い否定を含んだ言い方は避けるように気をつけつつ、小まめに言い直すことを心がけました。「お父さんにもらったんだね」「お父さんがくれたんだね」「お父さんが『あげる』って言ったの?」などと言い直すことを繰り返すうちに、コウも自ら「今のは、『お父さんにもらった』って言ったほうが分かりやすいかな?」と考えて言い直すようになっていきました。少しずつ変化していった、コウの「てにをは」の使い方このように『てにをは』の使い方があやしかったコウですが、小学校高学年あたりから少しずつ「今のはこう言うといいかな?」と考えて言い直すようになり、中学生の今は不思議な文章をつくることもかなり減りました。「ふくらはぎを学校に……」と言いよどんでしまったのも、コウがある程度『てにをは』を理解してきたからこそだろうと思います。「ふくらはぎを学校で揉んでた」と言いたいところを「学校『に』」としてしまったことで、後に続く言葉が分からなくなってしまったそうです。Upload By 丸山さとこ「少しずつ『てにをは』を使い分けられるようになってきたのはどうしてだろう?」とコウに聞いてみると、「国語の授業で文法を習ったのは大きいと思う。ちゃんとルールがあるんだなって分かった」と答えてくれました。国語の授業で学んだ文法を使って日常生活の中で試行錯誤していくことで、少しずつパターンをつかんできたのかもしれません。執筆/丸山さとこ(監修:初川先生より)「てにをは」の難しさについてのエピソードをありがとうございます。てにをは(助詞)の使い方も難しいですが、おそらくは「主体をどこにおいて最後までねじれずに文を組み立てるか」というところで、つまずきやすかったのかもしれないですね。「お父さんにくれたお菓子」だと、最初は「お父さん」を言っているから、「お父さんにもらった」と自分をそのまま主体で語ればよいのですが、お父さんのイメージが強くなるとお父さんが主体化して「お父さんがくれた」当時の状況から「お父さんにくれた」と混ざってしまった感じがします。すぐに指摘してしまうと反発を生むということで、配慮しながら言い直すプロセスを経て、今やお互いに折々に確認しながら話されるようになったとのこと、何よりです。ただ、これはなかなか高度なやりとりだなと思うので、どのご家庭でもできるかというと、なかなか難しい面もあるかもしれません。「てにをは」の難しさが多く表れる場面はおそらく、修飾語となるときだと思いますが、何かの言葉にかけていく話し方を選ぶのももちろんいいのですが、分けて話すのも1つの道かもしれないとは感じました(「お菓子食べてもいい?お父さんがくれたお菓子」)。中学生になったコウくんは、国語で文法を習うことで、このあたりのルールが整理されてきたとのことも何よりです。国文法を系統立てて習うのは小学生ではなく中学生になってからなのですよね。ただ、学校の授業ではそこまで明示して扱いませんが、小学生用の市販の国文法テキストや作文ドリルのようなものでは、このあたりが扱われています。小学生のうちにと思われる場合は書店でそうしたものをまずは眺めてみていただければと思います(低学年用のものでも、助詞を2択から選ぶ問題などが出ていたりして、分かりやすいです)。あるいは、英文法を習う際に、自動詞他動詞、助詞の扱いを知り、このあたりがクリアされる場合もあるかなと感じました。最近は英単語をイラストや図で理解する本も出ていますが、そうしたもので理解したほうが整理されるお子さんも(中学生以降では)いらっしゃるかなと思いました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年10月24日結論から言うと…特別支援学校は必ずしもランドセルがNGというわけではない特別支援学校への通学かばんは、一般的な学校に比べてかさばる持ち物が多いこと、子どもの扱いやすさを考えて、リュックが適していると思われることが多いです。しかし、必ずしもランドセル通学がNGというわけではありません。私の息子は知的障害を伴う自閉スペクトラム症があり、特別支援学校に通っていますが、息子の学校でもランドセル通学は問題なく許可されています。そして、何より息子自身がランドセルで通学しているのです。ただし、学校によってはランドセルが許可されていなかったり、指定のかばんがある場合もあるかもしれません。そのあたりはぜひ、個々の学校に直接問い合わせてみてください。そして、もしランドセルが許可されているのなら、はじめからリュック一択とせず、ランドセルを検討する余地もあるのではないかと私は考えています。リュックに決めていたけれど…背負わせてみたかったランドセルUpload By べっこうあめアマミ息子の進路が特別支援学校に決まり、入学準備を考えはじめた時、私は通学かばんはリュックでと考えていました。深い意味もなく、特別支援学校とはそういうものだと思っていたからです。特別支援学校では教科書を使った学習はほとんどなく、持ち物の大半は衣類や給食グッズなどの雑貨類。ランドセルのような角ばった形である必要はないし、「大容量のリュックであるべきだ」という固定観念にとらわれていたのです。しかし、入学が近づくにつれ、店頭やテレビCMなどでランドセルが目につくと、私はなんともいえない胸のザワザワ感に襲われるようになりました。当時、両親や義両親からランドセルの話をふられても「うちは特別支援学校だから必要ない」と言い切っていた私は、心のどこかで強がっていたのかもしれません。「ランドセルを選ぶなんて、”普通”にこだわっている親に見られるんじゃないか」「特別支援学校に通うと決めたのに割り切れていないみたいに思われそう」そんな、ほかの保護者に対する謎の見栄があったように思います。そうやって、心の奥底には「息子のランドセル姿を一目見てみたかった」という本心があったのに、無理やり蓋をしていたのでした。「うちは両方買いました」説明会で聞いた第三のアイデアUpload By べっこうあめアマミ年が明け、特別支援学校の入学説明会に行った時のことです。通学用品の説明の中で、「通学はリュックでもランドセルでもどちらでも大丈夫ですよ」という話がありました。特に保護者から質問があったわけではなかったのですが、在学中のお子さんにもランドセルを使っている方はいて、荷物が多い日だけリュックを使うなどして対応していると教えてくれました。私はその話が気になり、たまたま近くに座っていた方に、通学かばんについて話をふってみました。すると、その方から思いもよらない答えが返ってきたのです。その方は、すでに両親に子どものランドセルを買ってもらったと言うのです。そして何の迷いもなく、普段はリュックで、荷物が少ない日だけランドセルを使うつもりだと言いました。「もし使わなくても、入学式の日だけでもいいから、やっぱりランドセルを背負わせたくて」私はその言葉を聞いて、ずっと胸の内を支配していたザワザワがパァッと晴れていくように感じました。「どちらかに決めなくていい、両方使えばいいんだ」「特別支援学校に決まってもランドセルを背負わせたいっていう気持ち、私だけじゃなかったんだ」そう思うと、一気に気持ちが楽になりました。狙い目は値下げ後のランドセル、息子のうれしそうな顔に、購入を即決!Upload By べっこうあめアマミ次の休みの日、私たち家族は量販店にランドセルを見に行きました。するとそこで、うれしい誤算がありました。時は2月。すでに次年度入学者向けのランドセル商戦はほぼ終わっています。そうなると、型落ちとなった次年度入学者向けのランドセルが軒並み値下げしていたのです。結局、息子のランドセルは2万円程度で買えました。すでに買っていた大容量のリュックも2万円程度。あわせても4万円。近年のランドセルの相場を考えると、決して高すぎる出費というわけでもありません。そして、何よりも喜ばしかったのが息子の反応でした。ランドセルを初めて背負った息子は、うれしそうな笑みを浮かべ、ずっと手放そうとしなかったのです。「やっぱりランドセルってうれしいよね、一生に一度のことだもの、買ってあげたいよね」そう思った私と夫は、その場で即決でランドセルを購入したのでした。入学後、ランドセルって実際どうだった?Upload By べっこうあめアマミ4月になり、息子は無事、特別支援学校の入学式の日を迎えました。あの日買った、ピカピカのランドセルを背負う息子を見て、私たちはやっぱり「買ってよかった」と思ったのです。そして、意外にも同じようにランドセルを背負っているお子さんは何人もいました。「入学式だけかもしれないから」そう言いながら、うれしそうにはにかむ保護者の方。入学式だけだとしても、一生にたった一度の機会、ランドセルを背負わせたっていいじゃない、と思うのです。入学後も、うれしい誤算がありました。実は、意外とランドセルの出番が多かったのです。あくまで息子の場合ですが、小学1、2年生の間は、一年のうちで学期末と学期始め、夏のプールの日、1ヶ月に1回あるかどうかの特別な持ち物がある日以外は、全てランドセルで通学できました。つまり、リュックの出番のほうが少なかったのです。その後、本人の体格が大きくなったことにより着替えのかさが増えると、徐々にランドセルではきつくなってきましたが、もともとの値段を考えたらこれだけ使えれば充分かなという気もします。息子が利用している放課後等デイサービスが、施設に着替えなどの持ち物を置いておける施設だったことも、荷物が多くなりにくかった要因かと思います。このように、通う学校や利用する施設、子どもの体格などによって差は出ますが、特別支援学校でもランドセルで長く通える例もあります。来年度、お子さんの特別支援学校入学を考えている方も、いずれ特別支援学校へ入学することを視野に入れている方も、ランドセルをあきらめるのは早いかもしれません。このコラムで、かつての私のようなザワザワ感を感じていた方の気持ちが少しでも晴れれば、うれしく思います。執筆/べっこうあめアマミ(監修:初川先生より)特別支援学校に就学するにあたってランドセルを使用するかどうかについての迷いや決断についてのシェアをありがとうございます。ランドセルには小学生になったこと、これからは学校に通って勉学にも励む年齢になったことなどさまざまな象徴的な意味合いが含まれますね。お子さんからしても、あの独特な形や風合いがかっこいい、憧れのように感じる場合もあるでしょう。本人、保護者や家族の心理的な意味合い、そして、実用的な面からの意味合い。だいぶ軽くなったとはいえ、ランドセルは何も入っていなくてもある程度の重さがあり、固さもあります。窮屈に感じるお子さんもいるかもしれません。そうした、それぞれを考えて決断された“両方使う”。そこに至るまでの悩み、逡巡含めて、とても共感的に読ませていただきました。きっと同じく心がざわざわしながら入学準備されている方にもご参考になると感じました。ありがとうございます。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月23日インクルーシブ教育システムとはインクルーシブ(inclusive)とは「包摂的な」「包み込む」という意味を持っており、インクルーシブ教育とは「誰も排除せず、すべてを包み込む教育」とされています。現在の日本の学校ではマジョリティ(多数派)の子ども中心のつくりとなっています。例えば、障害のない子ども、シスジェンダー(生まれたときの性別と自分が自認している性別が一致している)の子ども、家庭環境が安定している子どもなどです。しかし、実際の社会の中には障害のある子ども、性的マイノリティの子ども、外国にルーツのある子ども、社会的養護が必要な家庭の子どもなどもいます。そのようなマイノリティ(少数派)の子どもたちが排除されないように、マジョリティ、マイノリティ関係なく誰もが当たり前に通常の学校に通えるように教育システムを変えていくことがインクルーシブ教育においては必要です。日本では、障害者の権利に関する条約を踏まえて、インクルーシブ教育システムの構築が進められています。インクルーシブ教育システムとは文部科学省でこのように定義されています。「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:包容する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。引用:共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)概要|文部科学省このコラムでは、・インクルーシブ教育って?・インクルーシブ教育の実践例・合理的配慮の手順・インクルーシブ教育の課題・インクルーシブ教育を広めるために保護者ができることなど、インクルーシブ教育についてのギモンから、課題まで専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【専門家が回答】メリット、デメリットは?実践例や保護者ができることなどインクルーシブ教育を分かりやすく解説!ここからはインクルーシブ教育・インクルージョン研究者/一般社団法人UNIVA 理事の野口 晃菜先生にインクルーシブ教育についての質問にお答えいただきます。(質問)「インクルーシブ教育」という言葉を最近よく聞くようになりました。「みんな一緒に」という考え方ということなのでしょうか。一体どのようなものなのか分かりやすく教えてほしいです。(回答)多様な子どもがいることを前提とした教育です。教育の形を何も変えずに、ただ多様な子どもが同じ場にいるだけではインクルーシブ教育ではありません。インクルーシブ教育のためには、学校教育の在り方そのもの、例えば先生や子どもの人数、カリキュラム、学校経営や学級経営、授業づくりの在り方などを見直し、変革していく必要があります。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに発達障害があり、「インクルーシブ教育」について関心があります。今世界や日本で実際に行われているインクルーシブ教育にはどのようなものがあるのでしょうか。(回答)通常の学級における授業のスタイルや学級経営のスタイルを、多様な子どもがいることを前提に変えている学校がたくさんあります。例えば、教科書を使って、先生が黒板に板書をして、一斉指導をするスタイルではなく、一人ひとり自分のペースに応じて学ぶ授業スタイルや、テーマに沿ったプロジェクト型学習を自分で計画して進めるスタイルの授業など。一人ひとりが違う興味関心があり、得意な学び方が異なり、休み時間の過ごし方も異なる、など、多様な子どもがいることを前提とした学級経営や授業づくりをした上で、個々に必要な合理的配慮をすることがポイントです。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもに発達障害があり、特性から学校で苦労していることが多くあります。このような場合インクルーシブ教育のために合理的配慮などをお願いできるのでしょうか。先生への伝え方や手順、あると役立つものなども教えていただけるとうれしいです。(回答)合理的配慮は、障害者差別解消法という法律において義務付けられています。ぜひ合理的配慮を学校に意思表明してください。お子さんの年齢や特徴にもよるかと思いますが、なるべくお子さんとどのような合理的配慮が学校であるとよいか、まずは話し合ってみてください。ポイントは、まずは学校においてお子さんが学ぶ上でのバリアがどこにあるのかを先生と話すこと。その上でそのバリアを解消するための合理的配慮について話し合うことです。もし学校側が保護者の方が提案した合理的配慮が難しいという場合、その理由を聞いてみてください。その上で、どのような合理的配慮であれば可能かを、ぜひ話し合ってみてください。可能であれば、その場に子どもさん自身が参加されることをお勧めします。担任の先生のみでなく、特別支援教育コーディネーターや管理職の先生にも同席をしてもらうと、いろんなアイディアがでてくると思います。「バリアをどう解消するか?」という観点からぶれずにみなさんで対話をしてみてください。学校における合理的配慮の事例は、国立特別支援教育総合研究所のインクルDBにたくさん掲載されています。そのほかにも、私が編著として9月に出版した書籍「LD(ラーニングディファレンス)の子がみつけたこんな勉強法学び方はひとつじゃない! - 合同出版」にも合理的配慮の事例や、そのためのプロセスがたくさん掲載されていますので、参考にしてみてください。参考: インクルーシブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)|国立特別支援教育総合研究所参考:LD(ラーニングディファレンス)の子がみつけたこんな勉強法学び方はひとつじゃない!|合同出版Upload By 発達障害のキホン(質問)インクルーシブ教育がもっと日本に浸透すればいいのにと思っています。広めていくためにはどのような課題があるのでしょうか。(回答)インクルーシブ教育は障害のみの話ではなく、子どもたちは多様であることを前提とした教育です。そのためには、障害分野のみでインクルーシブ教育の議論をしたり、制度をつくるのでは限界があります。日本には不登校状態の子どもも、外国にルーツのある子ども、性的マイノリティの子もたくさんいます。学校教育そのものをどのように変えていくのか、より大きな視点での議論が必要です。教育施策の中で優先順位を上げていくために、より多くの人が知り、関心を持てるような工夫が必要です。そもそも教育そのものにもっと予算が割かれることも必要です。Upload By 発達障害のキホン(質問)通っている学校などでもっとインクルーシブ教育を知ってもらうために、保護者としてできることはあるのでしょうか。(回答)上記のご質問への回答とも重なりますが、まずはご自身のお子さんにとって今の学校で学ぶ上でのバリアはなにかを明らかにし、その解消方法として合理的配慮の意思表明を学校にしていただくことができることかと思います。学校はまだ合理的配慮に慣れていません。みなさんの行動により、学校にとって合理的配慮がどんどん当たり前のものになっていくと思います。また、ぜひその経験を周りの保護者とも共有してみてください。Upload By 発達障害のキホンインクルーシブ教育にまつわる関連コラム(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年10月21日小2まで何も指摘されなかったけれど、9歳で分かった発達障害現在12歳の息子は9歳で自閉スペクトラム症(ASD)、反抗挑戦性障害(反抗挑発症)、LDの診断を受けました。息子は、イヤイヤ期の時はそれなりに大変ではありましたが、産まれてから小2の秋頃までは発達に遅れや気になる部分はありませんでした。定期健診でも何も指摘されず、園や学校の担任からも問題なしと言われ続けてきました。そんな息子に変化があったのは、小学校2年生の2学期頃でした。登校渋りが始まり、家で癇癪·暴言が……この頃から息子は宿題を極度に嫌がるようになりました。それまでは、学校のテストではそれなりの点数がとれていたのですが、かけ算につまづいた頃から、10点や20点といったテストを持ち帰るようになったのです。当然宿題も難しかったのでしょう。泣きながら夜遅くまでかかることもありました……。Upload By ユーザー体験談自力では授業に追いつけなくなったことで、周りのみんなから取り残される不安、劣等感から、ちょっとしたことで癇癪や暴言がでるようになりました。これはのちに、反抗挑戦性障害と診断されることになります。そして登校渋りも始まりました。完璧主義の息子は「学校へ行くのはつらい」けれど「休んでしまう自分を許せない」という気持ちの間で毎日激しく揺れていました。どっちにも進めず、登校前には玄関で泣きわめく日々……。私もどうしたらいいか迷う毎日でしたが、担任の先生には登校を促してほしいと言われたため、ただただ息子に登校するよう促す毎日でした。そんな中、学年の年度末からコロナ禍による休校に突入。ここから息子はもっと荒れていきました。Upload By ユーザー体験談「お母さんが僕をこんな風にしたんだ!」暴言・暴力がエスカレートし、児童精神科を受診3年生に進級後も休校は続いたため、学校からはたくさんの自宅学習用の課題(宿題)が出されました。息子はこれをこなすことができず、癇癪を起こしました。結局休校明けは初めて課題を終えることなく登校していきました。完璧主義の息子にとって、とてもつらいことだったと思います。そして現実逃避からか、ゲームにのめりこむようになりました。上手くいかないと暴言・暴力です。「なんでこんなゲーム作りやがったんだ!」「お母さん!ゲーム会社に文句言ってよ!」(コントローラーを投げつける)止めたり諭すと今度は矛先がこちらに向きます。「お前が僕をこんな風にさせたんだろ!」と殴りかかってきたり、壁を殴り蹴り穴を開け……。きょうだいにも八つ当たりすることもあり、私はそれを必死で止めました。Upload By ユーザー体験談ゲーム以外でも、例えば髪が伸びる、爪が伸びるといったことでさえ「伸びるな!」とキレてしまいます。切ってもらうのが面倒臭いからのようです。また、食べこぼしをすると「なんだ!この皿は!」と。全てに対して他責的です。何を言っても否定·反発しかされないので、何も言わずに様子を見ていると「聞いてんのか⁉」「返事しろ!」と壁や床を叩き気を引いてきます。外では完璧主義からかいい子にしている息子は、その反動で家では「かまってちゃん」。こちらが反応するまで続くので、無視もできない状態です。そしてついにポツリポツリと学校を休むことが増えてきました。児童精神科で検査をしたところ、自閉スペクトラム症(ASD)、反抗挑戦性障害、LDの診断で、学力は「実年齢より2学年下」という結果をいただきました。私は「やっぱりな……」と思いました。完全不登校、学力は小2~小3の息子の進学先は……それから現在に至るまで、息子は完全に不登校です。支援センターや児童精神科など各所相談しましたが、本人は嫌がるので親だけが通う日々です。ただ、幸いにも学校が非常に協力的で、通常学級に在籍しながら特別支援学級を自由に受けられるようにしてくださり、本人が行けそうな授業だけ単発で飛び入り参加することが時々あります。少しずつ増やしていこうと話しています。そんな息子についての現在の悩みは、中学への進学です。息子自身は自分の将来については、あまり考えていないように親からは見えます。「学校へは行けるようになりたいけれど、頑張るのはつらいし面倒臭い」というのが本人の弁です。現在の適応は情緒クラスなのですが、学校へは特に以下のポイントに絞って相談しました。・もし登校した場合、現在の学力は小2~小3くらいなので中1の勉強は理解できない可能性が高い。勉強が分からず不登校に逆戻りでは元も子もない。とにかく勉学がどうとかよりも「登校できる」を最優先に考えたい。・中学も不登校かもしれないが、いつ「行く」と言うか分からないので、少しでも登校できる可能性の高いところを希望したい。相談の結果、一番登校できる可能性の高そうな学校・学級を選択し、申し込みました。本人には就学の面接だけを嫌々ながらも受けてもらいました。Upload By ユーザー体験談暴力は減りました。母の願いは「失敗を恐れず成功への糧にできる人になってほしい」幸いにも今は激しい暴力はなくなりましたが、心がキャパオーバーになると暴言は出てしまいます。息子には自分で考えて行動できる人になって欲しいと思っています。ですので、学校へ行くも行かないも、勉強するもしないも、何をして楽しむかも自分で決めること。自らの力で選んでほしいです。ただ、家族やほかの人と過ごすためには、最低限のルールを守ることが必要です。相手が困ることはしない、暴言暴力はしない……これだけできれば、人との関係も築いていけるのではないかと思います。また、世の中には誰にもどうにもできないことがあり、それは泣いても叫んでも怒っても暴れても叶うことはないので、折り合いをつける能力を身につけられたら……。完璧主義が故に失敗を恐れすぎている息子なので、失敗は悪い事でも時間の無駄でもなく、今後の成功への糧にできるものなんだと、前向きにとらえて行ってほしいです。これから息子がどのように成長していくのか、親として寄り添っていきたいと思います。イラスト/星河ばよ※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:新美先生)学校は、全員が同じ場所で同じやり方で学習・活動を一律に行うのが当たり前とされているので、たまたまそのやり方、進み方に合わないお子さんにとっては、「みんながやれていることをやれない自分」に直面させられて追い詰められてしまうということが簡単に起きてしまいます。息子さん、たった2年生という幼い時期に本当につらい思いをされたのだと思います。追い詰められてどうにもならないストレスが、癇癪、暴言・暴力という形で噴出したのでしょう。「お母さんが僕をこんな風にしたんだろ!」という言葉は、本人のどうにもならない行き場のない苦しさの表れで、決してお母さんが悪いわけじゃないと理解しても、それをわが子から言われたらどれほどつらかったことかと思います。息子さんもお母さんも本当にお疲れ様です。そんな、経緯をくぐりぬけ、学校に行かないまま中学進学をむかえるというのは、親子ともに複雑な心境を抱かれているかと思います。中学は行くか行かないか分からなくても、もし行く気になった時のために、在籍級を進学前から決めておかなきゃいけないという学校の融通のなさにいら立ちつつ(注:いら立っているのはコメントしている私で、記事内容では全くそんなことは書かれていません)、もし登校できた場合に一番行きやすそうな場所を選んだ、その保護者としての思いを聞かせてくださり、記事を読んでとても共感しました。記事には息子さんの「学校へは行けるようになりたいけれど、頑張るのはつらいし面倒臭い」という発言が書かれていました。「面倒臭い」ということばの裏には、小2の時期に極限まで頑張って燃え尽きてしまった苦しい記憶が反映されているのかもしれません。この先の人生の中で、息子さんにとって適した環境、頑張ることで報われる機会をスモールステップで経験することで、頑張っても頑張ってもつらすぎた記憶が上書きされていくことを願うばかりです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年10月20日話を最後まで聞けずに、すぐに動き出す次女は、話終わるまで手を握るUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイわが家は母である私・ワッシーナを筆頭に、家族のほぼ全員が個性いろいろな発達凸凹タイプです。それぞれの特性をキャラクター化しており、動物の顔をしています。幼児の頃から動きが大きくて速かった次女リスミーは、小学生になるとますます活発な子どもに育ちました。リスミーは食欲もあり、親族からは「一日中、何かを食べている子だね」と言われていました。よく動くせいか、食べるわりには体が細いです。これは大人になった今も変わりません。リスミーは私が何かを伝えようとしても、話が終わらないうちに動こうとします。私はリスミーの手をしっかり握ってから、話をしていました。ところが今度は、まだ私の話が終わらないうちに、リスミーは自分の話をし始めます。なので、二人同時に話をすることになってしまいます。そうなるとお互いの声が重なって騒音のような感じになるので、私が混乱してしまいます。リスミーには「お話の仕方にはルールがあるのよ」と伝えて、小学生になったばかりの子どもでも分かるように交通ルールの例え話をしました。交通ルールの例え話で説明し、実際に現場も見せるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ「相手が話し中の時は、こちらは赤信号なの。だから話してはいけない。相手の話が終わったら、こちらが青信号だからお話をしていいのよ」お話だけではなかなか身につかないので、実際に交差点へ行って、信号ルールを確認し、青信号になると一緒に横断歩道を渡りました。それでもまだ幼いリスミーは待ちきれず、私のお話中に割り込んでこようとします。リスミーは大きな動きや大きな声はないものの、とにかく動き始めのタイミングが速いのです。そんな時は「リスミーの話はちゃんと聞くから、もうちょっと待っててね」と安心させてから、話を続けました。リスミーが私の話を最後まで、しっかり聞けた時はなるべくオーバーに褒めてあげました。毎回ではないですが、よくお話を聞けた時は、時々ご褒美もあげたりました。このような工夫を行うようになったのは、リスミーが保育園児の時に、構音障害の診断を受けて、言語聴覚士のトレーニングを受けたことがきっかけでした。診断が出てトレーニングを受ける中で、劇的に成長していったリスミーを見て、私自身が日々のリスミーとの関わり方を工夫すれば、きっと良い変化があると感じていたからです。学校の三者面談でリスミーが授業中に走り回っていることを知らされるUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイリスミーは小学校1年生の時からインターナショナルスクールに通っていました。担任はアメリカ人の先生でした。小学校での三者面談の時のことです。先生から「リスミーさんは算数の授業中に教室を走り回っています。注意しようとしたら、素早く席に着くので、注意することもできません」と言われました。私が「どうして走り回っているの?」と隣にいるリスミーに確認しました。するとリスミーは「自分は答えを書いたから、周りの人に教えて回っている」と言いました。私は先生に「その答えは当たっていましたか?」と尋ねました。すると先生は「間違っていました」と答えました。私がつい笑ってしまうと、先生は「落ち着いて検算をして答えを確かめるといいです。この子は解き方は身につけているので、落ち着いて取り組めば、きっと大丈夫です」と言いました。担任からボール握りの工夫を教わり、学校と家庭で同じ工夫を行い効果がすぐ出たUpload By ラクマ/ワッシーナ/ニャーイなにか工夫が必要だと分かりましたので、先生に「落ち着くために、何をすればいいですか?」と聞いてみました。先生は「授業中、ボールをニギニギさせながら勉強してみましょう。ご家庭での学習の時もやらせてみてください」と答えました。リスミーはその日から早速、自宅でも学校でも柔らかいボールを握りながら勉強を続けました。すると集中力がついて、成績がグンとアップしました。学校と家庭で同時に同じ工夫を行うと、効果が何倍にもなるという印象を受けた出来事でした。執筆/ラクマ/ワッシーナ/ニャーイ(監修:森先生より)「こうしちゃダメ!」「落ち着きなさい!」と言い聞かせるよりも、「こうしようね」と伝えたり、代わりの動作を教えるほうが効果的だと言われています。言い聞かせるときに手を握るのは、安心にもつながりますし、動かないでお話を聞けるのでとても良い方法ですね。ボールをニギニギすることも、決まった動作をすることや、手の感覚を刺激することで、ストレスを感じにくくして落ち着くことができると言われています。お母さんの教え方もとっても良いですし、学校の先生も、リスミーさんのことをよく見てくれていますね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年10月20日ママパパ向け子育て実感学習ゲーム『ieRU~イエル~』(以下 ieRU)が、2023年10月17日(火)にリリースいたしました。ゲームをしていく中で子育てのコツを掴み、親子関係向上、子供の学力向上、子供の夢を叶えてあげることのできるママパパをサポートします。日本中のママパパが「子育ては楽しい!簡単!」になり、未来が明るくなることを願い開発しました。ieRU概要《ieRUでできること》・子供の心を育てる声がけ学習・子供の体を強くする食育・ゲーム報酬のコインで子育て講座や様々な家族イベントへ参加可能・講座は本物の講師!直接コミュニケーション可能・幅広い分野から子育て情報を発信・育児の悩み相談・ママパパのストレス解消イベント…など ジャンルにこだわらず新しい情報を随時提供!《ieRUの特徴》子供の心と体を強くし、可能性を最大限に引き出せるママパパへ。・子育ての学び・家族の体験イベント・親同士の繋がりのすべてが、ieRUだけで完結!子育ての新常識スマホゲームで、自分らしい子育てをお楽しみいただけます。■ieRU 概要ダウンロード無料対応:iOS、Android対象:プレママ~6歳ぐらいまでの子を持つママパパ◆iOS ◆Android 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年10月18日こんにちは!HugMugfriendsの生山です☺︎我が家は、兄弟共にリビング学習&タブレット学習をメインにしています。英語など音が必須な科目は、兄弟揃って同じ空間にいると周りの音が気になって集中しにくいということでキッズヘッドホンを購入することにしました!いろいろ調べてみて、私なりに気になるキッズヘッドホンのポイントは5つありました!キッズヘッドホン選び5つのポイントをご紹介!① 耳当てのクッション性。② 有線であること。③ 音量制限機能があること。④ デザイン⑤ 折りたためること。この5つです☺︎ヘッドホンデビューにおすすめ!『BIGGERFIVE』のヘッドホンそして、小学1年生の次男のヘッドホンデビューに選んだのはこちらの【BIGGERFIVE 】子供用ヘッドホンです!5つのポイントで紹介していくと、① クッション性は、とにかく柔らかくて耳への負担が少なく集中出来るとのことです!シリコン外層なので落としても安心!② 音質や、接続の安定性を重視したかったので有線にしました。3.5mmのプラグなので幅広く使えるかなというのもポイントです☺︎③ こちらは、子供の聴覚保護のため85dB/95dBの音量調節が可能ということ!大音量だと子供の耳に負担があり危ないのではないかと気になっていました。耳のためにも、元々は長時間使おうと思ってはいなかったのですが、やはり音量を守れるのは必須でした!④ デザインは文句なく可愛くて、マカロンの様なデザインでカラーも4色あるので迷ってしまいました☺︎⑤ 折りたためるのはもちろん、軽くて巾着付きだったので持ち運びも楽々です☺︎有線・無線両方使える♪ 『OJX』のヘッドホン小学4年生の兄は、自分で音量管理をして自ら小さめの音で使用してくれるので、キッズタイプではなく、大人用で長く使える事を重視しました!今は主に有線で学習用に使っていますがこれから色々な用途で使うと思うので、長く使えそうなこちらを選びました!使いやすくて耳も痛くならず、お気に入りだそうです。(笑)ヘッドホン収納には、『無印良品』のフックがおすすめ!ヘッドホンの収納はこんな感じで、無印良品のフックを使って背もたれに引っ掛けています!お子様の耳のためにもそれぞれの選び方のポイントがあると思いますが、少しでも参考になれば嬉しいです!
2023年10月18日実家の母から、いきなり夜更けに電話が……!先日のことです。夜も遅くなってから実家の母からWeb電話がかかってきました。今年の母の日に私がタブレット端末をプレゼントしてから、たまにWeb電話がかかってくるようになっていました。とはいえ、かかってくるのはいつも昼間でしたので「何かあったのか?」と緊張しました。電話に出てみると母が涙目で「今いい?」と言います。深夜の電話、その訳は?「タケちゃんに謝りたい。私はひどいことをしてしまった」と母。なんのことやら分かりません。母とは離れて暮らしているし、ここ数年はコロナ流行の影響もあり、子どもたちとはほとんど接点もないはず。謝ってもらうようなことがあったかな……?しかし、よくよく聞いてみると、驚きの事実が分かりました。Upload By 寺島ヒロずっと情報から遠ざかっていた母「実は、新聞を取るのをやめたのよ。ほんとは随分前からほとんど読んでなかった」母が言うには、新聞や本は細かい字が目につらくてほとんど読んでいなかったとのこと。私の本も全然読んでないのだそう。「随分前ってどれぐらい前?」と聞いたら、「還暦過ぎたあたりから」と!え?20年近くも読まない新聞を取っていたの!?思わず声に出すと「老眼になったから新聞はいらないと新聞屋さんに言えなかった。アンタには分からんやろうねえ……」と、母は言いました。「ばあば」を変えた母の日のプレゼント「でも、母の日にタブレット端末をもらったから、インターネットでニュースが読めるようになった。新聞屋さんにもタブレットで読むから要りませんは言える」。母が新聞をやめたきっかけはタブレット端末を手に入れた事だったのです。「タブレットだとピンチアウトでいくらでも拡大できるので、これまで読んでなかったような記事も読むようになった」と、母。そのうち発達障害についての記事も目に入るようになり「発達障害ってこういうことだったんだ!」と、初めて知ったのだと。そして孫たちが小さかった頃のことを、夜になるといろいろと思い出すようになったのだそうです。Upload By 寺島ヒロ「今思えばタケルは本当にふざけてなかったし、体が思ったように動いていなかったのだ。その時は腹立たしく、そのまま放ってしまったが、何か良くないことをしたという思いが私の中にも残っていたのだろう……。忘れられなかった」と母は言いました。「その時にタケルが『(祖母からそれをふざけていると言うんだと叱られたので)これがふざけているということなのか……?』とポツリと言った言葉と、幼稚園児とは思えないような深刻な表情が今でもまざまざと思い出される」「妹のいっちゃんにも私はいろいろしとるやろうなあと思う」と続けました。15年の時間とデジタルの進化のおかげ母親の私からすると、まあまあそういう事があったんだろうなあ、とは思っていました。子どもたちは祖母の家から帰ってくると不安定になったり、誤学習をしていたりしたので、後からのフォローも大変でした。しかし、それでも当時は実家に預ける他に選択肢はなかったのです。母は今年80歳です。元職は学校の職員でした。私の子どもだけではなく、発達障害のある子どもに不適切な接し方をしたことは一度や二度ではない、むしろ忘れていることの方が多いのかもしれません。それだけに「子どもたちに謝りたい」と言ってくれたことには驚きました。意外と子どもたちには「意外ではない」?子どもたちを「ばあば」とのWeb電話に呼んだところ、「やっぱね、そうじゃないかと思ってたよ」「昔の教育を受けた人だもん、仕方ないよ。気にしてない」と2人して同じようなことを言っていました。若い時分に家を出た私と違い、子どもたちは老いた母と一緒の時間を過ごしていたので見抜いていた部分があったようです。もしかしたら、娘には弱みを見せないようにしていたのかもしれませんが……。以前発達ナビのコラムで、シルバー世代の親には理解を求めない、「分からないから」と任せてもらえた方が気楽と書かせてもらったのですが……歳月とデジタル技術の進歩のおかげで、私と母との距離は少し縮まったかもしれないと感じています。執筆/寺島ヒロ(監修:新美先生より)すごいエピソードで感動して読ませてもらいました。寺島さんも以前に書かれていたように、シルバー世代の方々は生きてきた時代が違うので、発達障害について理解してもらえない場合は、無理に理解してもらおうと思いすぎないほうがいいと思うことは多いです。そんなシルバー世代のお母さまが、80代になって、タブレット端末で情報を再び得られるようになったら、お孫さんの幼い頃のことを振り返って、謝らなければというお気持ちになってくれるなんて、柔軟な思考の素晴らしいお母さまですね。老眼で新聞を読むのをあきらめていた20年がもったいないように思ってしまいますが、80代になっても情報を保障してくれるタブレット端末というものが出てきたこともうれしく思います。情報を正しく受け取れれば、人間の思考も変化してくるということでもありますね。これは発達障害のお子さんの情報保障にもつながる話だと思いました(本人に分かるように視覚支援等を用いることで、理解できること、できるようになることが増えるという構図が重なると感じました)。興味深いエピソードを聞かせていただきありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年10月09日小学1年生:字がきれいに書けない!長女が通っている小学校では、低学年の国語の課題と言えば「字を正しくきれいに書く」ことがメインでした。しかし、長女にとってはこれがとても難しかったのです。1年生のひらがなの書き取りでは、長女の書く文字は芯がないというか、なんだかフニャフニャした字形になっていました。担任の先生にも毎回訂正をされていて、書き取り用のノートは真っ赤になっていました。でもこの時の私は、長女に知的な障害があるとは全く気づいておらず、「字はきれいな方がいいかな……」といった程度にしか考えていませんでした。Upload By 吉田いらこそこで私は長女を硬筆の習い事に通わせることにしました。長女本人の意思ではなく、無理やりだったので本人のやる気はもちろんゼロ。長女は講師の先生とお話をするのにもかなり緊張していて、数ヶ月通っても一向に上達しませんでした。ある日、硬筆の習い事に行く前につらそうな表情をしている長女を見て、なんだかかわいそうな気持ちになってきました。別に小学校低学年の今頑張らなくても、成長していけば次第に字をきれいに書けるようになるかもしれない。本人がきれいに書きたいと自覚を持ったら書き方が変わるかもしれない。そう思って私は長女の硬筆の習い事を退会させることにしました。もう行かなくていいと知った時の長女のうれしそうな顔………。本当につらかったのだなと思いました。現在中学1年生になった長女ですが、相変わらず書く文字はフニャフニャとしています。字をきれいに書くことがいいこと、きれいに書きたいと本人が思える日が来た時にはまた練習を頑張るかもしれませんが、今はまだこのような状態です。Upload By 吉田いらこ小学2年生:算数の習い事が続かない長女は4歳の頃から自学自習形式の塾に通っていました。受講していた科目は算数と国語で、最初は簡単なひらがなや点つなぎからスタートする教材でした。最初はゲームのようで面白かったようですが、だんだんと難易度が上がるにしたがって、通うのを嫌がるようになりました。長女がとくに難しく感じるようになったのは算数で、単元の難易度は小学2年生の足し算くらいだったと思います。塾だけが特に早い進度ではなく、学校の授業と同程度の進度でしたが、長女にとってはつらかったようです。とうとう、習い事の日は泣き出すようになってしまいました。ここでもう少し言い聞かせて習い事を続けていたら、もしかしたら算数を好きになっていたのかもしれませんが、小学2年生の頃に退会しました。私の中で、泣いてでも頑張らせた方がいいのか、判断がつかなくなってしまったのです。現在は知的障害の診断を受けたので「算数の習い事、そりゃあ難しかっただろうね、つらかったね」と思いますが、当時はこれでいいのかとモヤモヤしたことを覚えています。Upload By 吉田いらこ現在中学1年生の長女が通っている習い事は、バイオリンと個別の学習塾の2つです。学習塾については毎回文句を言いながらも通っています。塾には行きたくはないけれど本人の中で「中学生は勉強するもの」という認識があるので仕方なく、といった感じでしょうか。いっぽうでバイオリンは本人が希望して始めた唯一の習い事で、こちらは楽しそうに通っています。本来の習い事とはこういう楽しいものをやるべきなんだろうなと思いつつ、「もう少し勉強にも興味をもってほしいな」と親としては願ってしまいます。執筆/吉田いらこ(監修:初川先生より)長女さんの小学校低学年時の習い事についてのエピソードをありがとうございます。字をきれいに書けるようになるために硬筆を習うことで上手に書けるようになる子もいますが、お手本を見て、自分の書こうとしている升目の同じところから書き始めて、お手本と同じようにマス目の4分割したどこを線が通って、どう曲がったり止めたりして……と字をきれいに(お手本にならって)書くというのは手と目の動きを協応させたり、視覚的な認知や俯瞰する力などが問われるなかなかのマルチタスクです。単に回数をこなせば上手になるわけでもなく、いらこさんがご指摘のように本人のモチベーションもだいぶ必要だろうなと感じます。場合によっては、家で大きな紙に大きく練習したほうが上達の近道になる場合もあるかもしれません。算数や国語など教科学習に関する自学自習の塾も、繰り返して習熟する段階の内容で、かつ、繰り返して学ぶことが向いているお子さんには良いと思います。ただ、そもそもつまずきがある場合は、そこを乗り越えるのが困難なセッティングではあるので、どこかで壁にぶつかることもあるだろうと思います。習い事は本人にとって得られるだろう良きことと、精神的・体力的負担などとのバランスを見ながらご検討いただければと思います。特に低学年の時期は、学校に行って帰ってくるだけでへとへとのお子さんもいると思います。コンディションの悪い状態ではどれほどいいことをしたところで、なかなか良い時間とならない場合もあります。体力や余力のある小学校高学年くらいから始めてうまくいった方もおられます。興味関心、必要性、お子さんの状態やモチベーションなどさまざまな点からぜひご検討ください。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月06日中学生になった自閉スペクトラム症の太郎自閉スペクトラム症の太郎が通う中学校の特別支援学級では、授業は基本的に交流学級にて行い、小学生の時のような個別の指導がほぼなくなる。Upload By まゆん中学校に進学するにあたって、私はそこに不安を抱いていた。学習面の遅れは元々あり、ギリギリで追いついている感じだった。個別指導だったからこそ追いつけている部分があったと思う。いざ、中学生になり太郎の学習面の遅れは著しかった。テストも個別の部屋ではなく交流学級で受けることになり、ますます点数は下がった。しかし、提出物と宿題だけは放課後等デイサービスや祖母の支えもあり、ほぼクリアできていた。太郎自身は交流学級での生活は楽しんでいる様子であり、特別支援学級での友達関係や担任の先生との関わりも楽しそうだった。しかし、中学校生活が半年も経つ頃には、宿題の多さに不満を漏らすことが増えてきた。ただ、不満を漏らすものの提出期限には間に合わせることができていた。しかし、宿題と提出物でいっぱいいっぱいで、ほかの学習に手をつけることはできなかった。私は、「勉強をするように」というような声かけはしなかった。怠けて勉強をしてないから点数を取れないわけではないと理解していたからだ。太郎は学習したことをすぐに忘れてしまう。指導されたその時は理解したと思っていても時間が経つともう忘れてしまう。そんなところも、今後の生活にどう影響するのかと心配があった。太郎が感情を出せる場所小学生の頃から太郎は、放課後等デイサービスの先生たちに心を開いている。中学校に進学後、太郎は週に4日から5日、放課後等デイサービスへ通っている。私に話さないこと、見せない面を、スタッフの人たちが知っていることもある。特に宿題や学習について不満を漏らすことが多かったようで、「宿題が多すぎる……」とつぶやいていたと先生たちから聞いた。Upload By まゆん太郎は普段1人で行動をすることが少ない。家にいるか、放課後等デイサービスか学校だ。太郎が感情を出せる場所が家庭だけでなくて良かったと思う。放課後等デイサービスという場所があって本当に良かった。Upload By まゆんそう思うと同時に、そろそろ本当に限界なのではないだろうか……そう気づき始めた。私の予感が、その後どうなったかはまた時間を置いてつづりたいと思う。あとがき中学生になり、学習もより複雑になってきました。小学生まではなんとかついていけていましたが、中学生になり周りとの差は明らかなものになっています。お話しがあったのがワーキングメモリー、知的の部分でした。今、かかりつけ医に相談し、より詳しい検査をすすめている段階です。これから高校進学、就労の話も出てくると思うので重要なポイントになると思っています。執筆/まゆん(監修:森先生より)成長するにつれて、保護者の方だけで支えることのできる範囲にも限界が出てきますよね。学校の勉強はどんどん複雑になりますし、提出物や宿題のサポートを受けられると心強いですね。また、思春期に入ったお子さんは保護者の方にはなかなか相談できない部分も出てくるものです。放課後等デイサービスのように、お子さんにとって、学校とも家庭とも違う自分を出せる場所があると、心の平穏につながりますね。保護者には見せられない感情を出してリラックスできる場があると、日常で生じるストレスともうまく付き合えるようになるのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月03日好きなことには過集中!やるべきことには注意散漫!Upload By 丸山さとこ現在中学生の息子コウには、ASDとADHDがあります。ADHDの特性によるためなのか、意識的に集中力をコントロールして物事に取り組むことが苦手です。趣味に関しては過集中して寝食を忘れて取り組むいっぽうで、宿題など『意識的に集中しなくてはいけない作業』では、雑談を始めたり消しゴムをコロコロ転がしたりして気が散ってしまいがちです。コウは書字が遅く疲れやすいため、小学校の宿題では漢字の書き取りなど『書く量』の多さで苦戦していました。高学年になると書き取りノートのマスの数も増えるため、3~5行書いたところでコウの気持ちが折れてしまうようになりました(日によっては5文字程度で力尽きてしまいます)。そんな様子を見ていた私は「苦手な作業だし、集中しづらいのも無理はないのかな」と思っていました。ところが、中学生になった今、コウは「宿題は嫌じゃない」と言います。なぜなら、中学校の宿題はプリントが主体のため、小学校の宿題に比べて書字の量が少ないからです。実際、コウは宿題を進めながら「興が乗ってきた!」と言うこともよくあります。そんなときは、数分で宿題を終えることも珍しくありません。でも、宿題が進まない日ももちろんあります。進まないなかでも、グニャグニャしながらも頑張って机に向かっているコウを見ていると、「集中できるか否かは、コウ本人にとってコントロールが難しいことなのだろう」と感じています。宿題が、出せないままに、はや中2……(五七五)Upload By 丸山さとこ私は実家が遠方にあるため、夏休みと冬休みはコウをつれて1~3週間と長めの帰省をしています。その間は私の外出中などは、私の母がコウを見ていてくれることがあるのですが、先日帰省した際は「コウ君宿題してるみたいだけど、さっきから伸びたり縮んだりしているだけで全然進んでない」と母から報告の電話を受けて笑ってしまいました。グニャグニャしながら机に向かい、伸びたり突っ伏したりを繰り返しているコウの姿が目に浮かぶようでした。Upload By 丸山さとこそんなコウの宿題風景を前にしても、最初私の祖母だけは「こっちに来たときくらいノンビリしたらいいよ」と言っていました。ですが、滞在して数日たつと、そんな祖母まで「コウ君、宿題しなくて大丈夫かね?」と言うようになりました。コウの周りの大人たちがつぎつぎとしびれを切らしていくのを見ると、「コウの宿題を見ていて焦るのは私だけじゃないんだ!」と、少し面白くなりました。それでも、コウの宿題への取り組み方や集中力のなさを『やる気や真面目さの問題』にはしたくないと私は考えています。というのも、コウは小学校高学年の頃『宿題が進まない』現実と『宿題は絶対やらなければいけない』という考えと、『宿題は苦痛なのでやりたくない』という思いとの板挟みに合い、気持ちが不安定になったことがあったからです。ときには「宿題をできない僕はダメなやつだ」と絶望して泣くこともありました。そんなコウが、中学生の今「宿題は嫌いじゃないよ。やるのも出すのも忘れちゃうけどね!」と笑って言えるようになったのは、長い目で見れば良い変化なのではないかと思います。Upload By 丸山さとこ「集中力の補助線」を利用しながら試行錯誤している毎日です中学生になった現在も相変わらず宿題に集中できないコウですが、私に説明しながら解くことで集中の取っ掛かりをつくったり、雑談をしながら進めることで『気が乗らないことに取り組む苦痛』を和らげたりするなど、コウができる工夫は増えてきました。今はそうして私を集中力の補助線にしているコウですが、だんだんとそれをアイテムや自分自身への声かけで代用するようになっていくのではないかな? と思います。タイマーをかけて「よし、やるぞ!」と気合を入れたり、私に向かって動画配信者風に解説をしたりしながら宿題を進めるコウの姿を見て、頼もしく感じています。Upload By 丸山さとこ執筆/丸山さとこ(監修:藤井先生より)「集中力の補助線」という表現がとても良いですね。コウくんにとって、さとこさんの声かけが、集中力の補助線になっているのですね。自治体、学校によっては宿題がないところも出てきています。自主学習といって、お子さんが興味あることに取り組み、家庭学習を行うことを主体にしているようです。学校からの宿題には取り組めなくても、興味あることの延長線上の学習なら取り組めるお子さんもいます。宿題を極端に嫌がる場合には、宿題の内容の工夫について、学校と相談すると良いと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年10月02日「特性=障害」とはならないまずはみなさん、「発達障害」という言葉はすでに知っていると思いますが、これにはいくつか種類があって、大きくは次の3つです。1.自閉スペクトラム症(ASD)2.注意欠如多動症(ADHD)3.学習障害(LD)今回は、なかでも1.自閉スペクトラム症(ASD)について取り上げていきます。なぜなら、「自閉スペクトラム症」の特性やコミュニケーションがとりわけ理解されづらく、「普通、分かるでしょ?」というのが、分からないタイプの子たちだからです。Upload By 本田秀夫なお私は「発達障害」は病気というより、「少数派の種族」のようなものととらえています。また、「特性=障害」とはならないため、障害(Disorder)を除いて、「自閉スペクトラム(AS)」、「注意欠如多動(ADH)と呼んだりもします。このコラムのなかでも、以降は『マンガでわかる発達障害の子どもたち 自閉スペクトラムの不可解な行動には理由がある』と同様に「自閉スペクトラム」と呼んでいきます。Upload By 本田秀夫自閉スペクトラムの特性のあるお子さんは、園や学校での集団活動で、周りとペースが合わないこともあります。そんなお子さんのことを理解してもらうために、今回は、直観的に理解しやすいマンガをまじえてお伝えしていきます。皮肉や言外のメッセージが通じないUpload By 本田秀夫このマンガで親が言いたいのは、「誰が洗うと思ってんの?(洗うのはあなたじゃなくてお母さんでしょう?こんなに汚してしまったら、お母さんは大変なのよ。ケロッとした顔をしていないで、少しは反省したところを見せなさい)」というようなことですよね。そのような「含み」を込めて、「誰が洗うと思ってんの?」と問いかけているわけです。ところが子どもは、その一切合切の含みがわかっていない。申し訳なさそうな態度をとるわけでもなく、服を洗うのは「洗濯機」だという事実だけを答えています。遠回しな注意より、世渡り術やこぼさないコツをおそらくこの子には自分がとがめられているという認識がありません。このようなやりとりは、自閉スペクトラムの特性がある子によく見られることで、私たち支援者にとっては「あるある」です。子どもはふざけているわけではないので、反論したり叱ったりしないで、マンガのようにおだやかに受け止められたら理想的だと思います。遠回しに注意するのはやめて、「こういう場面では形だけでも謝罪する」という世渡り術を具体的に教えてもいいかもしれません。さらに毎日の生活のなかで、飲み物をこぼさないようにするコツも教えていければ、言うことはありません。言外のメッセージに気づかないケース相手の言っていることの「言外のメッセージ」に気づかない例は、ほかにもあります。・自転車に乗っている幼稚園の友達が転んだのを見て、自転車に「大丈夫?」と声をかける・公園の砂場でひとり遊びをしているときに、友達から「1人なの?」と声をかけられ、「4人家族だよ」と答えるいずれの場合も当人の立場で考えてみると、その子たちなりの筋が通っています。先の洗濯機の例では、母親はスイッチを入れるだけで、実際に服を洗うのは洗濯機だという、より正確な答えを出していますし、友達が乗っていた自転車の損傷を心配してもいいはずです。そして、「4人家族」と答えるのは、理屈の上では必ずしも不正解ではありません。気づかなかったら、はっきり教えてあげるしかし、多くの人に「どこか変」と思わせるのは、なぜでしょう?実は、「誰が洗うと思ってんの?」の質問には「謝りなさいよ!」のメッセージが、「1人なの?」という質問には「1人なら一緒に遊ばない?」というメッセージが込められています。また、「大丈夫?」と声をかけるのは、「私は心配していますよ」というメッセージを伝える目的があるからです。自転車に対しては、そのような目的は不要です。「普通、分かるでしょ?」が分からないのが自閉スペクトラム症の子どもたちの特性です。言外に込められたメッセージに気づかなかったら、そこははっきりと具体的に教えてあげてほしいと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年09月25日学校を休ませていい?悩む保護者へ精神科医の回答が届く!「学校休んだほうがいいよチェックリスト」【LINEにて無料利用可】Upload By 発達ナビニュースお子さんから「学校休みたい」「学校行きたくない」と言われたとき、休ませていいのか、どう対応すべきか多くの方が迷われるのではないでしょうか。そんな保護者、教員の方々などに向けたサービス「学校休んだほうがいいよチェックリスト」が2023年8月23日にリリースされました。こちらは不登校専門紙・不登校新聞、個別指導塾のキズキ共育塾、オンラインフリースクールのBranchという不登校のお子さんやご家族を支援している3社が開発し、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センターの松本 俊彦先生が監修されたチェックリストで、LINEにて無料で利用できます。不登校による深刻な問題として、学校を休むべきときに保護者が子どもを無理に登校をさせ続ける「過剰適応」というものがあります。これによって子どもは追い詰められ、うつ病や自殺といったリスクが高まってしまいます。しかしこの「学校休んだほうがいいよチェックリスト」を使い、休むべき基準を知ることで過剰適応を防ぐことが可能です。「学校休んだほうがいいよチェックリスト」は、不登校の予兆となる20個の質問に「はい」「いいえ」で答えることで、お子さんの状況に応じて、監修の先生からの回答が届きます。チェックリストを利用することで、休んでもいい基準を事実ベースで客観的に判断することができます。Upload By 発達ナビニュース子どもは適切に休むことができれば元気を取り戻すことができます。不登校を恐れ過ぎず、適切に子どもを休ませる判断の一助として、このサービスを利用してみませんか?※「LINE」はLINE株式会社の商標または登録商標です。※クリックすると、発達ナビのサイトから「学校休んだほうがいいよチェックリスト」のページに遷移します。※このチェックリストは3社が非営利で運営しているため、開発と運営のためクラウンドファンディングを実施しています。ご興味のある方は以下寄付ページをご覧ください。※クリックすると、発達ナビのサイトから「READYFOR 学校休んだほうがいいよチェックリスト」のページに遷移します。3,847の事業者が導入!障害のある人に向けたデジタル障害者手帳「ミライロID」Upload By 発達ナビニュース2019年に登場した障害のある人に向けたデジタル障害者手帳「ミライロID」を導入する事業者が、2023年8月31日時点で3,847に達しました。250以上の自治体での手続きや各種交通機関での利用のほか、レジャー施設、ショッピングやグルメなどさまざまな場所でご利用いただけます。「ミライロID」は障害者手帳を登録できる無料アプリ。障害者手帳を持ち歩くことなく、またカバンから出し入れする手間もなく、スマートフォンで素早く提示することができます。音声読み上げにも対応しています。「ミライロID」に登録できる障害者手帳は、「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」の3つ。障害種別によって、一人ひとりに合わせた情報も受け取ることができます。また、保護者がお子さまの障害者手帳を登録することも可能です(ただし、一つの障害者手帳を複数の端末で登録することはできません)。そのほか、レジャー施設、ショッピングやグルメなどでお得に使える電子クーポンを利用することができたり、障害者割引価格のチケットをオンラインで購入することも可能。車いすなどの福祉機器の仕様や必要なサポートの内容を登録すれば、窓口での伝達をスムーズに行えます。また、施設のバリアフリー情報も確認できるので、外出時の負担を減らしてくれます。Upload By 発達ナビニュース「ミライロID」の利用方法は3ステップ1. 「ミライロID」のアプリをスマホにダウンロードする2. お持ちの障害者手帳を撮影し登録します(顔写真の掲載された障害者手帳のみ登録可能)3. 導入施設でミライロIDの提示や、クーポン・チケットの利用ができます。※アプリは無料で使用できますが、ご利用の際に通信量に応じたパケット通信料金が発生します。使える場所の一覧や詳細のご利用条件は、以下より確認できます。WEBページ:アプリ:画面下部の「使える場所」をタップ暑さも和らいで外出には絶好の季節の秋、「ミライロID」を利用してお出かけしてみてはいかがですか?※クリックすると、発達ナビのサイトから「ミライロID」のページに遷移します。暗闇の中、五感を使って楽しむ「秋を感じる 見えない東北の旅」、食のマインドフルネスを体感「『一粒』大地の恵みを感じ一粒米(イチリュウベイ)のいのちを頂く」開催/ダイアログ・イン・ザ・ダーク2023年秋のプログラム「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」は、純度100%の真っ暗闇の中で見ること以外の感覚を使い、一緒に参加する仲間たちと共に、さまざまなシーンを体験するエンターテイメント。体験を案内するのは、普段から目をつかわないで生活をしている、視覚障害があるアテンドスタッフです。1988年、ドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれ、これまで世界で900万人以上が体験しています。「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の「暗闇」はいつも同じではありません。季節など、テーマに合わせて、さまざまな体験を暗闇の中ですることができます。2023年の秋には2つのプログラムが開催中です。Upload By 発達ナビニュース紅葉する木の葉、季節の移ろいを知らせる虫たちの鳴き声、優しい川のせせらぎ……9月から始まったのは、暗闇の中にある東北の豊かな秋を感じるプログラムです。8人1グループになり、視覚障害者のアテンドと一緒に五感を使って東北への旅情を味わってください。〈詳細〉「秋を感じる 見えない東北の旅」開催期間:2023年9月7日(木)から11月23日(木・祝)体験時間:90分会場:ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」東京都港区海岸1丁目10番45号アトレ竹芝シアター棟1Fチケット:大人:3,850円学生:2,750円小学生:1,650円(税込)※クリックすると、発達ナビのサイトから「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」のページに遷移します。Upload By 発達ナビニュース昨年好評を博したプログラム「『一粒』大地の恵みを感じ一粒米(イチリュウベイ)のいのちを頂く」が、神宮外苑前「内なる美、ととのう暗闇。」で再登場します。こちらは、「食のマインドフルネス」を体験できるプログラム。私たちが当たり前すぎて普段忘れがちな「いただきます」「ごちそうさま」の本来の意味を感じることができます。暗闇の中で、米一粒と自分の関係を改めて捉えなおしてみませんか?〈詳細〉「『一粒』大地の恵みを感じ一粒米(イチリュウベイ)のいのちを頂く」開催期間:2023年9月16日(土)~2024年1月8日(月・祝)体験時間:90分会場:三井ガーデンホテル 神宮外苑の杜プレミア 2階東京都新宿区霞ヶ丘町11番3号チケット:大人:5,500円(税込)※18歳未満はご体験いただけません。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年09月23日無料の参加登録受付中!発達が気になるお子さんやご家族へ届けたい、オンラインセミナーが9/23(土)に開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラム学校へ行きたがらない。ずっと家にこもっている。勉強はしないまま……。そんなお子さんが今どういう心の状態なのか、どう声をかけたらいいのか、ずっとこのままなのだろうか。ご不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。発達ナビでは不登校のお子さまとそのご家族に、ご自宅で情報を得られる機会をお届けするために「不登校サポートセミナー」を開催します。・日時:2023年9月23日(土)9:30~13:35(予定)・参加費:無料・形式:Zoomウェビナー配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください・内容:専門家講演、発達が気になるお子さまや不登校のお子さまを応援する企業によるセミナー※企画調整中のため、今後変更となる場合もございますオンラインセミナーの内容をご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラム夏休みも終わり2学期が始まりましたが、「学校に行きたくない」と言うお子さんへ、どう関わったらいいのか・この先どうなっていくのか、不安な気持ちでいる方もいらっしゃると思います。まずはお子さまの心の状態を理解し、前向きになってくれるサインを見逃さず接していくことが大切です。今回は、自身も40歳を目前にADHDの診断を受けた不登校新聞代表が、当事者目線で、また不登校や特性のある当事者、親、識者など400人以上に取材してきた経験も踏まえてお話しいただきます。当日は視聴者のみなさまからの質疑応答タイムもご用意しています。ぜひご参加ください!講師:石井志昂 氏不登校新聞の代表。『不登校新聞』とは「当事者の声に寄り添う」をモットーに、日本で唯一の不登校に関する新聞として、98 年に創刊。 以来1000 名を超える不登校・ひきこもり当事者経験者の声を掲載。2022年からは不登校の親専用コミュニティ「親コミュ」を設立。自身も中学生で不登校を経験しており、不登校新聞にかかわり続けている。近著に「フリースクールを考えたら最初に読む本」(2022年/主婦の友社)Upload By 発達ナビアライアンス プログラム悩みの深いご家庭と向き合う無学年式オンライン教材「すらら」。2022年は不登校や発達の気になる生徒2,700名(すらら利用者全体の約6割※)が家庭学習で利用。そして、家庭学習を見守る保護者の関わり方を学ぶほめビリティ講座は、今年リニューアルし約150名の方が受講されています。※株式会社すららネット調べ本講演では、繊細で不安が強く、無気力になってしまうお子さま、挑戦したい気持ちはあっても、不安になる気持ちとうまく向き合えないお子さまなどを持つ保護者さまへ、心理療法の「認知行動療法」も取り入れた関わり方や事例をお伝えしていきます。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達が気になるお子さまの子育てをオンラインサポートする「発達ナビPLUS」。発達ナビPLUSの監修者でもある公認心理師・緒方広海先生に、思春期の二次障害への「特徴」とその「相談の目安」について解説いただきます。・そもそも二次障害って?・不登校や引きこもりは二次障害なの?・二次障害への対応はどうすれば?など、特性があるお子さまの二次障害に関する疑問やお困りごとへの手立てについてお話しします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達に特性がある子の「好き」をのばし、力に変えることのできる習い事や保護者さまの関わりについて解説する、保護者向け勉強会です。ゲームや動画が大好きなお子さまが、実際に好きなことを力に変えた成長事例などを交えて、保護者さまの関わり方のポイントや習い事の選び方、将来への活かし方についてご紹介します。・子どもの「好き」を力にする親の関わり方や習い事って?・事例で分かる!「好き」を伸ばした子のストーリー・将来に活きる力に変えるために今からできることは?Upload By 発達ナビアライアンス プログラム不登校や引きこもりがちなお子さまがいるご家庭向けの勉強会です。復学や居場所など、学校に行かない選択をした子へのサポートや、中学以降の進路の選択肢について解説します。1.不登校支援の選択肢フリースクールや訪問教室など、不登校のお子さまへの支援の選択肢や選ぶ際のポイントを解説します。2.中学以降の進路の選択肢義務教育以降の高校進学の選択肢として、通信制・サポート校や高等専修学校、チャレンジスクールなど、不登校に理解のある進路を幅広く知ることができます。3.教育にまつわる準備教育資金やお子さまの自立後に必要になってくる費用など、現実的な準備についても解説します。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。
2023年09月20日共働きのママとパパのお助けサービスとして、教育シッター×お手伝いを行うOkosapoおこサポ(所在地:東京都渋谷区、代表:平林 直美)は、新サービスとして、0~5歳の保護者を対象とした全5回講座を開始いたします。講座では、偏差値70ラインのトップ校に合格されたご家庭で実際に行われてきた「国語力を育てる家庭教育の実際」を限定公開でお伝えします。特典: 3か月間、無料の個別コンサルティング付きURL : 幼児向け保護者講座■提供背景Okosapoおこサポは、小学生を対象に、独自の読解力向上プログラムを提供してきました。「幼児のもっと早い時期から、ことばの学習をしておけばよかった」という保護者様のご要望にお応えして、この度、幼児向けに「ことばの力」に特化した講座を開始することになりました。読解力を向上させていく背景には、文章の読み取りに対するアプローチだけでなく、語彙力をいかに高めるかという点が大きく関係しています。しかし、語彙力はすぐに増えるものではなく、長い時間をかけて、日頃の学びの繰り返しを経て養われるものです。「幼児のもっと早い時期から……」という保護者様の声は、まさにこの点が理由となっています。Okosapoおこサポの独自の読解力スキルは、実は0歳からの継続された家庭教育の延長線上にあります。中学受験で偏差値70ラインを維持してきたトップ校のお子様が実際に家庭でどのように学んでいたのか。それは、漠然と本を読み聞かせるのでも、大量の問題演習を行うのでもありません。Okosapoおこサポの国語力アップの技術をお伝えします。「理系なので国語は得意ではない。勉強しても国語は伸びない。」という方も、ヒントを得られると良いと思います。幼児期に言葉については、発達について多くお悩みが寄せられています。この時期の言葉の発達が、後に小学校に入学してからの学習に影響を及ぼし悩まれることもあります。今回のご要望の多くは、中学受験の国語の読解に関するものでした。が、特に低学年のお子様においては小学校の特別学級での学習受講の有無についてのお悩みも寄せられています。より多くのご家庭で、生活のなかで言葉の力を高めるプログラムを取り入れることができたら、こうしたお悩みの改善につながっていくのではないかと思います。■サービスの特徴*ここが違う トップ校の国語力まで到達する子の学び方限定公開 一日の過ごし方例試験解答の実際*忙しいママ、パパでもお家でできる実践例の紹介毎日たった5分の〇〇〇お家まるごと〇〇〇化計画*小学校受験 言語、お話の記憶 特訓お家での学習ポイント合否を決めるポイント■ご利用の流れ10月1日より受付開始(定員になり次第締め切り…1クラス5名)(1) 予約先 直通電話 070-5455-5937・ info@ocosapo.com (2) カウンセリング(3) 参加クラス決定(4) レッスン料振込み(5) レッスン開始(~5回(3か月)終了)■サービス概要講座名 : 0歳からが決め手 勉強しないのに伸びる国語トップ校の家庭でしていたこと限定公開0~5歳の保護者対象 全5回講座(3か月間)提供機関: 2023年11月より3か月間提供時間: クラスごとに異なります。1回60分+個別コンサルティング平日 10:00~14:00/土日 10:00~19:00場所 : 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階アクセス: 「渋谷」駅 徒歩8分料金 : 50,000円(税込)/[税込 全5回分]URL : ■会社概要Okosapoおこサポ共働きのママとパパのお助け 教育シッターサービス代表者 : 代表取締役 平林 直美所在地 : 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-23-4 桑野ビル2階設立 : 2022年7月事業内容: 教育シッター×お手伝いサービスURL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Okosapoおこサポ お客様相談窓口直通TEL: 070-5455-5937MAIL : info@ocosapo.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月20日株式会社アンフィニ(所在地:茨城県つくばみらい市、代表取締役:片山 章彦)は、当社が受託運営する青森県むつ市内の放課後児童クラブ(川内小学校なかよし会)において、ユニロボット株式会社が開発したAIロボットの「ユニボ先生」を新たに導入しました。URL: ユニボ先生について【導入の背景】放課後の活動の中で、子ども達が自主的に学習に取り組む事は保護者の要望でもあり、放課後事業を運営する事業者としても大きな課題です。時間割に学習時間を単純に取入れるのではなく、放課後の特徴でもある「自主的にかつ楽しんで」活動に取り組むような仕組み作りが大変重要です。そこで株式会社アンフィニでは、いつもの学童の先生達だけではなく、新しいAIロボットの「ユニボ先生」の導入をテスト的に実施しました。このAIロボットの「ユニボ先生」は、子ども達と対話しながら学習内容を教えてくれるコミュニケーションが可能な先生ロボットです。できたら褒め、できなくても励ましながら進める学習は、子ども達に集中と笑顔をもたらし、学習への切っ掛けや意欲、やる気を起こさせます。この「ユニボ先生」のスゴい所が、算数の勉強を教えてくれるだけではなく、子ども達からの質問に答えてくれたり、歌をうたってくれたり、クイズを出してくれたりと本当のお友だちの様に会話ができる事です。子ども達にとって、ユニボ先生が出迎えてくれるなかよし会は今まで以上に楽しい、居心地の良い場所になってくれています。株式会社アンフィニでは、今後青森県むつ市内のその他の放課後児童クラブ(川内小学校なかよし会)への展開も前向きに検討しており、むつ市が目指す「新たな価値の創造-Smartcity Mutsu-」の放課後事業への展開を積極的に行うこととしています。【株式会社アンフィニについて】名称 : 株式会社アンフィニ所在地 : 〒300-2307 茨城県つくばみらい市板橋1812-16代表者 : 代表取締役 片山 章彦事業内容: 放課後児童健全育成事業の新規開設・運営受託、認可保育園・その他各種保育施設の新規開設・運営受託URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月20日認定NPO法人ポケットサポート(岡山県岡山市、代表理事:三好 祐也)は、2023年10月7日(土)に小児慢性疾患を抱える小学生から高校生を対象として体験交流イベント『ポケットスペースin津山』を岡山県小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の一環として津山市中央公民館で開催します。イベント当日は参加者全員で自己紹介ゲームをした後、マジックショー&簡単マジック講座やカード・ボードゲームでの交流を通じて、同じような病気療養経験のある同世代の仲間づくりを目的としています。感染症対策のため少人数にて開催します。先着15名で、事前参加申込が必要です。参加は無料となっております。事業紹介チラシ表面●イベント開催概要開催日時:2023年10月7日(土)13時~16時会場 :津山市中央公民館 大会議室(岡山県津山市大谷600番地)参加費 :無料対象 :慢性疾患を抱える小学生~高校生ときょうだいが対象内容 :ボード&カードゲームを楽しむ、マジックショー鑑賞&簡単マジック講座定員 :先着15名(感染症対策のため人数を制限します)申込方法:10月2日(月)までに下記の申込フォームから申し込みください。イベント詳細ページ: イベント詳細チラシ: ●岡山県小児慢性特定疾病児童等自立支援事業についてこの事業は長期にわたり療養を必要とする子ども同士の交流や、ボランティア等と交流・学習支援、ピアサポート相談の機会を作ることにより、情報交換やコミュニケーション等による社会性を育み、子どもたちの健全育成と自立促進を図ることを目的として実施しています。個別相談は幼少期に病気療養経験のある支援員が対応いたしますので、安心してご相談ください。事業紹介チラシPDF: ●認定NPO法人ポケットサポートについて認定NPO法人ポケットサポートは、岡山県岡山市を中心に小児がんや心臓病などの慢性疾病を抱える主に小学生~高校生とその家族を対象に「病気を抱える子どもたちが将来に希望をもって自分らしく暮らせる社会」をビジョンに掲げて、入院治療中から退院・復学・自宅療養中まで切れ目のない継続的な支援活動を展開しています。・支援拠点(事務所)を開放した学習&交流スペースの開設・岡山市内2カ所の小児入院病棟に訪問しての相互交流支援・同じような長期療養を経験した支援員によるピアサポート相談・当事者家族を対象とした夏祭りやクリスマス会などの交流イベント・地域支援ネットワーク拡充のための講演会・研修会の開催コロナ禍に関わらず、入院中の子どもたちは家族や友達と離れての生活になり、孤立感や精神的ストレスを感じやすくなります。そんな子どもたちには「自分ひとりだけがしんどい思いをしているわけではない」「自分だけが特別なわけではない」と思える空間や、励まし合える仲間がいることがとても大切です。「友達と同じように遊んだり、勉強したり、友達と会話したい!」という子どもたちの願いを叶えるために私たちポケットサポートは活動をしています。・団体名 : 認定特定非営利活動法人ポケットサポート・代表理事 : 三好 祐也・事務所所在地 : 〒700-0932 岡山県岡山市北区奥田本町22-2・公式ホームページ: ・活動開始時期 : 平成23年7月・法人格取得 : 平成27年11月(平成30年4月13日に認定NPO取得) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年09月20日学習障害当事者37の工夫を収録ーー『LDの子が見つけたこんな勉強法「学び方」はひとつじゃない!』本書は、学ぶうえで困難さを感じたことのあるLDがある当事者とその家族の協力を得て、学校生活で困った具体的な場面と、その困りごとに対しての工夫をまとめた一冊です。1章では「私たちが勉強するときにしていた工夫」として、37の工夫を紹介。「読み」「書き」「暗記」などの事例と共に、診断名と困ったこと、それぞれの具体的な工夫がイラストも交えて分かりやすくまとめられています。また、工夫に対して、応用のポイントやヒントとなるコメントもついています。2章では、学校生活や合理的配慮について、事例からさらにふみこんだ当事者へのインタビューが掲載されています。社会人となって働いている大人から、現役の学生、保護者、年代もさまざまな当事者の工夫が数多く紹介されています。ほかにも障害者支援に携わる支援者からのメッセージに加えて、編著者の野口晃菜さん、田中裕一さんの対談も収録。子ども自身が困った時に、誰に相談するかをイメージする手助けにもなるでしょう。「授業中に板書が終わらない」「漢字を覚えられない」「勉強がおもしろくない」。 学校生活や授業で、「なんだかしんどい」「どうしたらいいか分からない」と疎外感を感じている子どもや、サポート法が分からず迷っている保護者に寄り添う一冊です。『起立性調節障害お悩み解消BOOK 「朝起きられない」子に親ができること!』起立性調節障害がある子どもは、中学生の10%を占めているといわれ、思春期に発症しやすい身体の病気です。症状は、頭痛・めまい・怠さ・朝の起きにくさなどがあり、症状が強くなると、学校に行きたくても身体が思い通りにならず、遅刻や欠勤を余儀なくされてしまうことも多いといいます。著者の吉田誠司先生は、2014年に起立性調節障害に関する研究で医学博士号を取得し、現在は、大阪医科大学小児科で心身症外来を担当する子どものこころの専門医です。本書は吉田先生がこれまでの診療のなかで得た当事者や保護者の経験がまとめられており、また、それぞれの場面で保護者が抱える悩みや、その悩みに対する対処法なども紹介されています。第1章では、起立性調節障害の仕組みを自立神経機能から解説。第2章は、食事・運動・睡眠など非薬物療法のポイントなど治療について、第3章では子どもが家で1日過ごすときに親子で意識したいこと、第4章では学校との関わり方や、学校選びや受験のポイントまで組み込まれています。起立性調節障害の症状のために学校に通えない、また、やりたいことができずつらくく悲しい思いをしている子どもや保護者もいることでしょう。本書は、起立性調節障害という疾患を知り、症状の改善と、学業や将来のこと、家庭での過ごし方、そして当事者である子どもとの接し方など、保護者が抱えるさまざまな悩みの解消の一助となるのではないでしょうか。『子どもたちはインターネットやゲームの世界で何をしているんだろう?児童精神科医からみた子どもたちの「居場所」』本書は、ゲームやアニメ、マンガの愛好家であり、子どもとゲームやインターネットとの関わりについて各方面での発信にも力を注ぐ児童精神科医の関正樹先生が、子どもたちの「居場所」としてのゲーム・インターネットの世界について、最新鋭の調査データや研究、そして臨床事例を交えて解説した一冊です。本書では、インターネットやゲームの世界に子どもたちが傾倒するには、その子どもたちなりの背景があると記されており、子どもたちがゲームやインターネットに没頭していく過程が丁寧に分析されています。そして、大人がその世界を知るために気をつけておきたいポイントを取り上げると共に、事例などを通じて子どもたちにとっての「居場所」としての意義を提案し検討するという形が取られています。また、本文中には、「ストリートファイター」や「スプラトゥーン」など実際のゲームも事例として登場し、ゲーム愛あふれる関先生ならではの視点も見どころの一つです。ゲームやインターネットの世界について網羅的に記述されている本書では、発達障害・不登校の子どもたちとインターネットやゲームの世界についても取り上げられています。「居場所」を求める子どもたちのなかには、リアルの世界で大きく傷ついたり溺れそうになっている子どももいるのかもしれません。SNSで胸のうちをつぶやかざる得ないときにも、それを責めるのではなく、共感的にその背景に目を向けることの重要性も記されています。本書は、目の前にいる子どもと接していく参考になると共に、子ども・青年たちに関わる支援者や臨床家や教育現場の教師など、「子どもの居場所のあり方」について関心のある多くの方にぜひ手に取ってもらいたい一冊です。子どもも家族も楽しい食事時間を過ごしてほしいーー『ダウン症のある子どもの離乳食から食事へー食べる機能を育てるためにー』ダウン症(21トリソミー)とは700人から1000人に1人の発生頻度と言われる21番染色体が1本多く存在することで起こる疾患です。ダウン症がある子どもは低緊張のため、哺乳力が弱いだけではなく、口唇を閉鎖する力も弱く、舌も突出しやすく、また咀嚼の発達自体もゆっくりで丸呑みしやすいといったことも多い傾向があるため、離乳食や食事の進め方にも注意が必要だとされています。本書は、日本ダウン症療育研究会会長であり大阪医科薬科大学小児科名誉教授の玉井浩先生が監修した、「ダウン症のある子どもの離乳食や食事はどうやって進めていけばよいか?」ダウン症のある子どもの家族の悩みに答える実践的な解説書です。食べさせ方や座り方、食事道具の選び方や使い方をはじめ、家族や保育者からよくある相談や困りごとをまとめた41のQ&Aなどをイラストや写真を交えて分かりやすく解説。さらにQ&Aでは成人になってからの食に関する悩みについても記されています。また、巻末付録には成長曲線(0〜36ヶ月・0〜18歳)も掲載。「子どもも家族も楽しい食事時間を過ごしてほしい」という想いを込めて書かれた本書。ダウン症がある子どもやその家族を支える医師や看護師、栄養士などの医療従事者、保育士をはじめとする保育関係者に、手元においてもらいたい一冊です。『「共感」からはじめる 発達障害のある子どもの支援教室における行動―情緒の問題を解決する6つのステップ』発達障害のある子どもの暴言や暴力、パニック、さらにゲーム依存といった行動上の問題の背景には、障害からくる特性だけではなく、養育環境や対人経験などのさまざまな要因が絡んだ子どもの情緒面の苦しみがあるのではないでしょうか。本書は、小中学校の通常学級や特別支援学級で発達障害のある子どもと関わる教員や支援者が、子どもが起こす行動上の問題の先にあるその背景を理解し、子どもの情緒に共感して適切に関わり、効率的な支援が行えるようになるための6つのステップを解説しています。著者は、宮城教育大学大学院教育学研究科教授の植木田潤先生。本書のなかでは、植木田先生が25年以上にわたり継続してきた教育相談やカウンセリングのなかで培ってきた事例も組み込み、事例理解を通じて「共感からはじめる支援」を体感できる内容となっています。また、障害特性や目に見える行動だけではなく、養育環境や対人経験といった「育ちの軌跡」や、それらによって生じた価値観などにも注目し、子どもだけではなくその家庭との関わり方のポイントや具体的な支援方法についても詳しく解説されています。発達障害がある子どもたちが示す行動上の問題は、実は、子どもたちの発する救済信号かもしれません。本書は、その行動や情緒の問題の背景にある子どもたちの想いや願いを理解し、支援しようと日々奮起している教員や支援者に読んでほしい一冊です。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年09月17日育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん
うちの家族、個性の塊です