音楽教育が、子供の情緒や感受性、社会性や知能の発達にとても良い影響を及ぼすことは、すでに広く知られている事実です。また、子供たちが音楽を集中して聞くことで、言語を聞き取る能力もアップし、語彙力や語学力がつきやすくなるとも言われており、昨今ますます幼児のための音楽教室の人気があがっているようです。「音楽教室に通わせたいけれど、経済的な事情や、時間的な問題で難しい」というご家庭は、ぜひ家庭で音楽教育をしてみてはいかがでしょうか。今回は、家庭でもできる音楽教育についてご紹介したいと思います。つけっぱなしのテレビを消して、良い音楽を聞かせよう音楽教育というと楽譜を読んだり、楽器を弾いたりすることを想像しますが、 幼児期の子供にはまだまだ難しいもの。さらに楽器を演奏するにも、手が小さすぎますよね。ですから、乳幼児期はよい音楽をたくさん聞かせて、「耳つくり」をしてあげることが最も重要な音楽教育なのです。普段、リビングで子供と過ごすときなど、テレビをつけっぱなしにしているママも多いかもしれませんが、これからはテレビの代わりに良い音楽を流してみませんか。では、どんな音楽が子供にとって「良い音楽」なのでしょうか。クラシック音楽やジャズ・ポピュラー・日本の伝統音楽・童謡など、音楽といってもさまざまなジャンルがあります。もちろん、どのジャンルにもすばらしい音楽は存在していますが、子供におすすめなのが、それぞれの国の歴史とともに、長く生き続けてきたような音楽です。いくら流行しているとしても、機械的な音楽では、子供の想像力や情緒を育てることは難しいのです。手始めに、ママやパパが小さいころから聞いていた日本の昔ながらの童謡や、モーツアルトのクラシックなどの歴史ある音楽を選んで、部屋でゆっくりするときや、食事中のBGMとして流してみませんか?日常生活や遊びの中に音楽に取り入れる音楽教室ではなく、家庭で音楽教育をするメリットは、遊びや生活の一部として自然に音楽に親しめる点ではないでしょうか。子供が遊んでいるときに音楽を流してあげていると、無意識に子供の心に音楽が刻まれていきます。他にも食事中、寝かしつけの際、朝起きるときなど、その状況に相応しい音楽を選んで、自然な形で生活に取り入れていきましょう。また、子供が元気のないとき、イライラしているときは、まずは静かな音楽を流し、気持ちを落ち着けてから、活発な音楽を流すようにすると、子供たちの気持ちが明るくなったり いらだちをやわらげたりする効果があるとも言われています。このように、子供の気分を変えたり、気を紛らわせたりする手段として音楽を使ってみても良いでしょう。家族で一緒に音楽を楽しもう!子供の情緒や知能の発達に役に立つからと、一方的に子供に音楽環境を与えるだけでは、家庭での音楽教育は物足りないものになってしまいます。大切なのは、ママやパパの心にも、音楽を楽しむ余裕を持ってもらうことなのです。親子一緒に、童謡を歌ったり、音楽を聞きながらリズムを取ったりして、「音楽は楽しいものだ!」と子供が思えるようにしてあげましょう。ママやパパがピアノなどの楽器が弾けるのであれば、童謡やクラシックを演奏して子供に聴かせてあげることができますが、楽器が苦手だったとしてもハーモニカや鈴など、かんたんに演奏できる楽器を用いて、家族で歌いながら合奏するのもおすすめです。また「とんとんとんとんひげじいさん」や「いとまきまき」など、子供たちが大好きな手遊び歌を一緒に歌ったり、音楽に合わせて飛んだり跳ねたりすることも、立派な音楽教育です。このように、家族で音楽に親しみ、楽しんでいるという環境こそが、子供の音楽的感受性を育ててくれるのです。いかがでしたか?音楽が子供の心や脳に良い影響を及ぼすからといって、一方的に楽器を与えたり、子供が嫌がる音楽を聞かせようとしたりするなど、やみくもに「音楽」を押しつけることはやめましょう。子供たちが音楽に親しみを感じ、楽しめるようになってこそ、音楽が子供に良い影響を与えてくれるのです。まずは、親子で音楽を楽しみながら、子供が音楽に興味が持てるような環境づくりから始めてみましょう!
2016年06月08日北海道七飯町の山林で両親から置き去りにされ、7歳の男の子が行方不明になっていた問題。2016年6月3日の朝、男の子は無事に発見されましたが、この一連の騒動により、“尾木ママ”の愛称で親しまれている教育評論家の尾木直樹さんに対して批判の声があがっています。尾木さんはブログ上で、捜索活動が行われていた当初から繰り返し言及を続けていましたが、両親の行動を虐待だと批判したり、置き去りが真実なのか疑問を投げかけたりしていました。さらに、5月31日の更新では両親について、『警察にも間違いなく逮捕されることでしょうね』とまで発言。男の子の発見に際してはブログ上で喜びをあらわにした尾木さんですが、真実が明らかとなっていない中で行ってきた過激な発言に、ネット上では批判が集まっているようです。●教育評論家とは思えない尾木ママの発言に批判の声両親の逮捕にまで言及するなど、行き過ぎた発言もあった尾木さんに対しネット上では、『たしかに疑惑もあったけど、何も分かってない状態でおおやけに批判するのはどうなの?』『自分の発言がどういう影響力を持つかわかってないんだろうか』『喜ぶ前に両親に対して謝罪するのが先だろ』『最近の尾木ママはでしゃばりすぎ』『もう教育評論家という肩書きおろせよ』『いい加減なこと書くな。ブログだからって何でも許されるわけじゃねーぞ』『「間違いなく逮捕される」とか、よくこんなこと書けたな』『正直、尾木ママ胡散臭いと思ってた』など、教育評論家としての資質を問う声も聞かれます。また尾木さんは、東京五輪のエンブレム盗作騒動では、デザイナーの佐野研二郎氏が200億円のライセンス料を受け取ると指摘していましたが、その後、これが100万円だったことが発覚するといったこともあり、『軽はずみな発言ばっかりするよねこの人』『エンブレム騒動のとき、しっかりと事実確認してから自分の見解を述べますって言ってたのもう忘れたのか』『結局、この人は何も変わってなかったってことだね』といった声も見られます。高い問題意識を持ち積極的に情報発信する姿勢は大切かもしれませんが、教育に携わる立場である以上、軽はずみな発言をしてしまうのは控えた方がいいのではないでしょうか。【画像出典元リンク】・尾木ママオフィシャルブログ「オギ♡ブロ」/(文/パピマミ編集部)
2016年06月06日こんにちは、ママライターの広瀬まおです。2016年5月現在、教育機関でよく耳にする言葉に『アクティブラーニング』というワードがあります。これ、なんのことかわかりますか?「グループワークのこと?」「体験学習のことかな?」どちらも正解です。今回は、この『アクティブラーニング』についてお話します。●アクティブラーニングって、なに?アクティブラーニングとは、“能動的に学ぶ姿勢”のことを指します。日本では、2012年8月28日の中教審(文部科学省中央教育審議会)の答申をきっかけに、大学教育から持ち込まれました。大学の授業を受けたことがある方は、講義の風景を思い描いてみてください。教授が壇上に立ち、自分の知識を述べる。時折質疑応答を挟む場合もありますが、ほとんどは学生がアクションを起こすことはありません。ひたすらに講義を聞く、その“受動的な姿勢”から自ら動いて学ぶ“能動的な姿勢” へと変革しよう、というのが主旨でした。では、能動的な姿勢って何でしょう?先に述べたグループワークや体験学習もそうですが、もっとカンタンなことです。小学校の授業を思い浮かべてください。「これわかる人?」「はいはいはいはいはい!」みんな積極的に手を上げて授業に参加していますよね。ただ一方的に聞くだけではなく、授業に“参加”している。これが“アクティブラーニング”です。皮肉なことに日本では、小学校低学年では実現できているアクティブラーニングが学年があがるにつれてできなくなっている のです。それが顕著になった大学から、改革のメスが入りました。●アクティブラーニングができるとどんないいことがあるの?アクティブラーニングによって身に着くのは、知識の応用性 です。学んだことをその場で話したり、他の人の意見を聞いたりして刺激を受け、“新しい知識の発見”や“新しい価値の創造”を促すのです。これはこの先、グローバル化する社会において不可欠な要素だと考えられています。これもとってもカンタンに言うと、小学校1年生の子が「ああ!これがこうなるから、こうでこうなんだね!」という閃きに似ています。固定の概念だけでなく、得た知識を基盤にして新たな付加価値を作り出す 。そういったことが大人になっても求められるようになったのです。“先生が黒板に書いたものをノートに書き移す”というのが、これまでの授業の基本スタイルでした。厳密には“書き移す”というアクションを起こしているので、こちらもアクティブラーニングの部類には入ります。しかし、アクティブラーニングで一番大切なのは、“脳を動かして刺激を得ること” 。そのために、先生方も「どうすれば良いのか」という試行錯誤を繰り返しながら、導入を試みています。他の生徒の意見を聞けるのが、学校の授業の最大のメリットです。社会人としての基盤を、アクティブラーニングを通じて身につけていけたらうれしいですね。【参考リンク】・新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて | 文部科学省()●ライター/広瀬まお(コピーライター)
2016年05月31日昨今はモンスターペアレンツの増加が問題視されており、先生が子どもたちに教育をしづらくなってきていると言われています。一昔前までは先生からゲンコツされたり叩かれたりといったことが普通でしたが、今では絶対禁止となっていますよね。少し過保護にも思えますが、2012年に大阪市立桜宮高校で起こった体罰による生徒の自殺問題を考えると、必ずしもそうとは言えませんよね。この子どもに対する体罰問題、人によって意見が異なるため、なかなか結論を出すことは難しいです。実際に子どもを育てているパパママは体罰問題についてどう考えているのでしょうか。そこで今回は、パピマミ読者のみなさんに「どこからが体罰か」という質問をぶつけてみました!●「子どものしつけ」でどこからが体罰だと思いますか?・1位:殴る/蹴る……25%(139人)・2位:すべて体罰であり、問題である……18%(103人)・3位:チョークや物を投げつける……14%(80人)・4位:他の人(生徒)の前で罵倒する……13%(73人)・5位:近くの机や椅子を蹴る……11%(60人)・6位:必要があれば、どれも体罰というほど大げさなものではない……9%(51人)・7位:正座させる/廊下に立たせる(肉体的苦痛を伴う姿勢の強要)……5%(30人)・8位:怒鳴る……3%(18人)・9位:頭などを軽く叩く……2%(12人)※有効回答者数:566人/集計期間:2016年5月20日〜2016年5月24日(パピマミ調べ)●1位:殴る/蹴る『どんな理由であろうとも、殴ったり蹴ったりはただの暴力。教師ならちゃんと言葉で説き伏せてほしい』(30代ママ)『論外。前に体罰を受けた小学生がPTSDを発症したという話もあったし、アザのあとは消えても心の傷は一生残る 。暴力は絶対許せない』(40代ママ)体罰だと思う基準として一番多かったのは、『殴る/蹴る』になりました。たしかに殴ったり蹴ったりというのは“しつけ”の最終手段であり、子どもの心に傷を残す可能性が高いので避けてほしい行為ですね。暴力は相手に恐怖を与えることで手っ取り早く“しつけ”をすることができますが、根本的な解決にはなりません。本当に子どもの成長を願うのなら、じっくりと言葉で諭し、体ではなく心に訴えかける必要があるのではないでしょうか。とはいえ、どんなに言葉で叱っても言うことを聞かない子どももいます。子どもの価値観は親からの教育で決まるため、言葉ではなく体罰を受けて育った子どもには言葉での説教が効果を持たないとの指摘もあります。どんな状況であっても一切手を出すべきではない、と断言できるかというと難しいところではあります。●2位:すべて体罰であり、問題である『殴る蹴るはもちろんのこと、怒鳴ることさえ体罰だと思う。子どもを萎縮させた時点で心に傷が残るわけだから、やってほしくない』(20代ママ)『全部ダメ。人様の子に手を上げるなんてどんな精神してるんだろって感じ』(40代ママ)続いて多かった回答は『すべて体罰であり、問題である』で、18%(103人)となりました。約2割のパパママが、“怒鳴る”ことを含めて子どもを萎縮させる行為は体罰だと感じている ことが分かりました。昔の熱血教師もののドラマなどでは生徒と先生がぶつかるシーンが美談として描かれる傾向にありましたが、今だとすべてただの体罰として片付けられてしまう可能性がありますね。でもたしかに、自分のかわいい子どもが嫌な目にあってほしくないという気持ちはとてもよく分かります。最近では教師が手を上げられないことをいいことに、やりたい放題やる『モンスターチルドレン』が話題となりましたが、体罰の基準が厳しくなれば、教師はこれまで以上に手を焼くことになるかもしれません。●3位:チョークや物を投げつける『私が子どものころ、やたらイスを投げてくる先生がいて怖かったw。あれは完全な体罰』(30代ママ)『チョーク投げる先生って今はもういないと思うけど、もし目に当たったりしたら失明の可能性もある し、体罰だと思う』(30代パパ)3番目に多かったのは『チョークや物を投げつける』で、14%(80人)となりました。たしかによく物を投げる先生っていますよね。ほとんどの先生は本当に生徒に当たってしまわないように配慮していると思いますが、それがチョークであれノートであれ、当たりどころによっては大きなケガにつながる可能性もあります。とくにイスを投げるような先生であれば、殴る蹴るなどの暴力よりも危険だと言えます。小学校の場合では生徒がマネすることもあり得るので、これは避けてほしい行動ですね。----------いかがでしたか?あなたはどこからが体罰だと感じたでしょうか。子どもへの体罰の基準は一概に定義づけることができないため、なかなか解決するのが難しい問題です。しかし、日頃から先生とコミュニケーションを十分にとっておくことで過剰な体罰を防ぐことができると思います。もし、それでも先生から体罰を受けているようであれば、しっかりと先生と話し合い、場合によっては校長先生に訴えるなどの手段をとるようにしましょう。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜9位)】「子どものしつけ」でどこからが体罰だと思いますか?()●文/パピマミ編集部
2016年05月26日【ママからのご相談】プログラミングが必修化されるとニュースで聞きました。正直、うちの家は主人も私も機械に弱くて、正直なところよくわかりません。心配なので、スマホやタブレットを触らせたこともないのです。でも、それでは良くないのかもしれないと不安になりました。プログラミング教育とはどのようなものなのでしょうか。●A. プログラミングは、今後の社会を生きていくうえで必要な能力!?こんにちは。教育コンサルタントの佐々木です。親御さんの時代と比べて、教育内容はどんどん変化しています。子どもの教科書を見て、困惑した親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。今話題になっているのは、プログラミング教育の必修化。普段ITに関わる機会のない人にとっては、どんなものなのかイメージが付きにくいかもしれません。そこで、本記事ではプログラミング教育とはどういうものなのか、どんなメリットがあるのかをご紹介します。●プログラミングとは?プログラミングとは、コンピューターを動かすためのプログラムを作ること です。私たちの生活が便利になるのは、IT技術がどんどん発達を遂げているからです。すでにIT技術は私たちの生活になくてはならないものになっています。●なぜプログラミングを必修化するのか?技術の急速な発展により、IT技術者が世界的に不足しています。日本でも、国際的な競争力を上げていくためにも、今後さらなるIT技術者不足 が予想されます。プログラミング教育を必修化することで優秀なIT技術者を増やし、技術力を上げることが日本の未来につながるのです。●習い事に「プログラミング教室」が大人気?子どもの習い事としてプログラミング教室 が注目されていることをご存じでしょうか。最近の子どもたちは、生まれたころからデジタル機器に囲まれて育っています。ゲームやスマホを触ったことのない子はほとんどいないでしょう。そんな子どもたちだから、デジタル機器の中身はどうなっているのか、どういう作りなのか、興味を持つ子は少なくないはずです。先にも述べたように、IT技術者は深刻な人手不足。プログラミングを学んでおくことで、手に職をつけられる可能性もあるのです。子どもの将来の職業の選択肢の一つとして考えたいと思うのも親心でしょう。また、プログラミングの過程で、論理的思考力や発想力、問題解決力が養われる という観点も見逃せません。プログラマーを目指さないとしても、社会に出たときかならず求められる論理的思考力、問題解決力をいち早く子どもに身につけられるならば、有意義な習い事といえるのかもしれません。●学校ではどのように必修化するのか?小学校のプログラミング必修化については、新しい科目を作るのではなく、今ある教科に盛り込んで教えることで現在検討が進んでいます。中学校ではすでに技術・家庭の一環としてプログラミングについて教えていますが、さらに拡充する予定です。高校では、選択科目としてプログラミング教育がありますが、必修科目 とする動きで進めています。----------このように、各方面から注目を集めているプログラミング教育。まずは、お子さんと一緒に電子機器に触れてみたり、どうやって動いているのかに興味を持ってお子さんと話をしてみるだけでもいいのではないでしょうか。【参考リンク】・小学校段階における倫理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議の設置について | 文部科学省()●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年05月15日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。子どもが小さいうちはさほど負担にならない教育費。それが、中学校、高校、大学と進むにつれて負担が大きくなっていきます。日本政策金融公庫が実施した『教育費負担の実態調査』によると、高校から大学卒業までにかかる教育費は、約900万円に上ることがわかりました。教育費をどうやってねん出しているかという質問では、約22%が「奨学金」と回答しています。このように、親の教育費負担の支えとなっている奨学金ですが、問題も出てきています。それに伴って、奨学金制度が大きく変わろうとしています。本日は、最新の奨学金動向をお伝えしたいと思います。●現行の奨学金制度と問題点●利用者数奨学金は、自治体や各大学・学校のものなどさまざまなものがありますが、大きな制度としては日本学生支援機構の奨学金があります。以前は“日本育英会”という名前で知られていましたので、聞いたことがあるという方も多いと思います。同機構によると、2011年度の同機構の奨学金利用者は約129万人。大学や専門学校に通う学生の3人に1人が利用している 割合 となります。年々その割合は増加しており、大学生の中で奨学金を利用している割合は5割を超えるというデータもあります。●制度同機構の奨学金は、将来に返済が必要な“返済型”といわれるタイプです。返済の必要がない“給付型”ではありません。学生は、在学中に毎月一定額の奨学金をもらい学業を継続します。卒業し就職した段階で、毎月定額の返済がスタートするという仕組みです。定額返還だけでなく、申請すれば、年収が300万円を超えるまで返済が猶予される『所得連動返済型奨学金制度』という制度も2012年から使えるようになりました。この場合は、所得が300万円に達しない場合は返済ゼロとなりますが、1円でも超えたら月々1万5千円弱の返済が始まるという、“ゼロか100か”という仕組み です。●問題点不況や就職難、非正規雇用の増加で、奨学金の返済が遅れたり、支払えない延滞者は2011年度末で33万人になりました。2003年度末から11万人増えるという急増ぶり です。さらに、同機構が独立行政法人化したことで厳しく回収されることになりました。3か月滞納した人を銀行の個人情報信用機関に登録したり、滞納者への対応を民間の債権回収会社に委託 したりもしています。こうなると、滞納した本人はいわゆるブラックリストに入れられたことになります。中には厳しい回収に耐えられずに、自己破産に至った若者も発生しています。もはやこれは“奨学金”ではなく“ローン”の態様になっているのです。●2017年春から奨学金制度が変わるこのような状況から、従来の“ゼロか100か”の奨学金返済制度ではなく、所得額に応じて返済額が柔軟に変動する新制度が検討されています。2016年3月に文部科学省の有識者会議では新制度の概要案を決め、先の見通しがみえてきました。2017年度の新規貸与者からは、一定の金額を毎月返すか(定額返還型)、年収に応じて返済額を変えるのか(所得連動型) を選べるようになる見込みです。年収が144万円を超えた段階で、所得額の9%を返還額とします。年収がなくても卒業後すぐに毎月2,000円の返還を求められるという点も新しくなります。卒業後の所得はマイナンバーを使って把握するなど、最新の動向を踏まえた内容になっています。最後に、奨学金の返還に関するデータをお示しします。日本学生支援機構が、奨学金の延滞者(遅れている人)と、無延滞者(期限どおりに支払っている人)に調査を行った結果によると、“奨学金を返済する義務がある”という理解が進んでいない ことがわかったのです。延滞者では「申込手続きを行う前」に返還義務があるとわかっている人は、49.5%。一方、無延滞者では90.3%となりました。延滞者は無延滞者に比べて、申込手続き時点での返還義務の認識が十分ではないことがわかったのです。これは、申し込みを親が行い、子どもは特に内容を知らされることなく就職して返済義務を知るパターンが多い と想定されます。将来、子どもにとっても「え?返済しなきゃいけないお金があるの?予想外の事態!」とならないように、奨学金をもらう場合は、子どもに説明して申し込むことが必要だと思います。【参考文献】・教育費負担の実態調査結果(平成27年度) | 日本政策金融公庫(PDF)()・平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果 | 日本学生支援機構()・新たな所得連動返還型奨学金制度の創設について | 文部科学省()●ライター/佐藤理香(株)
2016年05月05日こんにちは。教育ライターのyossyです。近年、奨学金制度に関する報道を新聞・ニュース等で見かけることが増えました。学生時代に学費が払えずに貸与型の奨学金を利用したけれど、卒業後も返済ができずに苦しむケースが増えているというのです。では、どうして困る若者が増えているのでしょうか。その背景や、検討中の新しい奨学金制度に関してご紹介します。●奨学金問題が起こっている背景に子どもの貧困&雇用の不安定日本の学費は世界的にみても比較的高い水準にあると言われています。しかし、平均給与は下がっており、子どもの貧困が問題になっている状態。「大学まで行って学びたい」と思うと、重い負担を強いられることになるのです。教育費に困ったときに、まず思い浮かべるのが「奨学金制度」ですよね。特に、日本学生支援機構の奨学金が有名です。文部科学省によれば、実に学生等の約4割が利用している とのこと。奨学金には一部に給付型(返済の必要がないもの)もありますが、多くの人は貸与型(返済する必要があるもの)を利用しています。しかし、近年非正規雇用者が増加していることも問題になり、雇用が不安定。誰もが「卒業して働き出せば返せる」という時代ではなくなってしまいました。日本学生支援機構によれば、平成26年度末時点で、1日以上返済を延滞している人は全体の約9%。延滞のきっかけが家計の収入低下や支出増加である場合が多く、継続して延滞している理由として“本人の低所得”を挙げる人が半数以上います。少しでも状況を打開するため、日本学生支援機構は大学別に未返済率を公表することも発表(2017年度より)。奨学金返済に関して物議を醸しているのです。●所得に連動して返済額が変わる? 新たに導入が検討される奨学金制度のポイントこういった状況をふまえて、国は新たな奨学金制度の創設を検討しています。マイナンバー制度が導入されたことも手伝って、いわゆる『新所得連動返還型奨学金制度 』に関する議論を重ねているのです。いったんは、平成29年度の無利子奨学金新規貸与者から導入することを目指しています。しかし、現在でも一定の条件を満たせば、・家計が厳しい世帯の無利子奨学金を受けている学生が、卒業後に一定収入を得るまでは返済期限を猶予する制度(所得連動返還型無利子奨学金制度)・返済額を減額して返済期間を延長する制度(減額返還制度)などの救済措置があります。これでは不十分なのでしょうか?『所得連動返還型無利子奨学金制度』と『新所得連動返還型奨学金制度』は名前が似ていますね。何が違うのか、ポイントをみていきましょう。●(1)『所得連動返還型無利子奨学金制度』(現行制度)・年収300万円を超えると、収入に関わらず一定額で返還開始(一部控除あり)・学生時代の世帯(主に父母)が低所得の場合のみ適用される●(2)『新所得連動返還型奨学金制度』(平成29年度より導入が検討されている制度)・学生時代の世帯の所得状況は関係しない・所得が一定額を超えるまでは最低返還月額の2,000円を返還・一定額を超えると、所得に応じた返還額とするこれまでは、世帯の収入(主に両親の経済状況)によってそもそも適用にならないという人もいました。新制度が開始すれば、本人の経済状況のみで返済額が決定される ようになります。また、年収300万円というラインを少し超えただけで、「家計が苦しいのに定額返済しなければいけない」という状況が改善されるというわけですね。----------新制度はまだ検討中で、解決しなければいけない問題も多くありますが、困っている学生や卒業後の若者たちが、少しでも楽になってほしいものです。【参考リンク】・新たな所得連動返還型奨学金制度の創設について(第一次まとめ) | 文部科学省()・平成26年度奨学金の返還者に関する属性調査結果 | 日本学生支援機構()●ライター/yossy(フリーライター)
2016年04月30日【ママからのご相談】4歳と1歳の兄弟がいます。小さいうちに貯金をした方がいいと言われていますが、なかなかできずに焦っています。長男は私立の幼稚園に通っており、毎月月謝が3万円なのですが、習い事などの出費も多くなかなか貯金ができません。皆さんどのようにして貯金しているのでしょうか?●A. 実は小学校低学年はお金のため時です。ご相談ありがとうございます、ファイナンシャルプランナーの常磐麗奈です。子どもは大きくなるにつれ教育費がかかるものと思われますが、実は、幼稚園時代は授業料そのものが高い ので貯金ができないのは仕方がないとも言えます。公立小学校に進学するなら教育費は少し楽になるので、このときにためるようにしましょう。●習い事を除いた教育費は、幼稚園より小学校の方が安い幼稚園と小学校の教育費はいくら違いがあるのか、文部科学省の学習費調査をもとに見てみましょう。年間の学校教育費、学校給食費、学校外活動費(塾、習い事など)を合計すると、公立小学校は約32万円、公立幼稚園は22万円、私立幼稚園は約50万円です。一方、学校だけにかかる費用(学校教育費)を比較すると、公立小学校は約6万円、公立幼稚園は約12万円、私立幼稚園は32万円です。小学校の学校教育費負担がかなり軽くなる ことがおわかりいただけると思います。●習い事を始める前に小学校に上がると学校に支払うお金が減るので、つい習い事を増やしてしまいがちです。しかし、習い事は一度始めるとなかなかやめづらいので、慎重に選ぶようにしましょう。中学受験をするかもしれないというのであれば、3年生の3学期から通い始める進学塾に備えて貯蓄を増やさなければいけません。公立に進学するというご家庭も、中学に上がる際には制服や通学用品、その他もろもろ、10万円程度はあったほうがよいでしょう。また、その後の大学までの学費を考えて貯蓄を進めておくに越したことはありません。●給食費の引落口座を教育費貯蓄用の口座に給食費は学校の指定銀行で引き落としになります。これを家計とは分けて教育費積み立て用口座としておくと便利です。子ども手当など給付のあったものは全てこちらの口座に振り込んでおくと、給付金が家計に混ざって食費に消えることがありません 。またこの口座に毎月貯蓄するようにしておくと、この口座にあるお金が教育費や子ども関連費に使える額と認識できるので便利です。小学校低学年のうちがため時なので、習い事は吟味して最小限に抑え、貯金するようにしましょう。【参考リンク】・平成26年度子供の学習費調査 | 文部科学省()●ライター/常磐麗奈(ファイナンシャルプランナー)
2016年04月30日こんにちは。教育コンサルタントの佐々木です。子どもを賢くしたい、頭のいい子に育ってほしい、勉強ができるようになってほしい……子どもがいる親御さんなら誰しもそう願っているのではないでしょうか。そこで、脳科学の見地から、簡単にできる子どもを賢くするコツをご紹介いたします。●(1)適度な運動頭を良くするためには、脳をよく動く状態にすること、つまり脳に血が回ること が重要です。脳に血を回すためには、適度に運動をすることが大切です。集中力が落ちたと感じたらウォーキングをしたり、片付けなど単純作業をして血流を良くしましょう。ちなみに、食後に眠くなるのは胃に血液が流れるため脳に血が回らないためです。●(2)緊張感を持たせるストレスになる程の強い緊張感はパフォーマンスを下げてしまうものですが、適度な緊張感は脳を活性化します 。人が見ているところでは下手なことができないので、一生懸命やろうとするでしょう。あるいは、「絶対に○日までに終わらせる!」という緊張感は脳のパフォーマンスを上げます。たとえば、締切の日や補習の日程に楽しい予定を入れてしまえば、絶対に落とすわけにはいかないので、必死で勉強に取り組むでしょう。●(3)締切や時間制限を設ける時間設定を必ず設けましょう。「何時間でもいいよ」と言われると、脳はだらけてしまいます。宿題をするにしても、今日中に終わればいい、いつでもいいとしてしまうのではなく、時間を決めて取り組みましょう。30分かかりそうなものであれば20分にセットするなど、かかりそうな時間より少し短くする ことで、緊張感を演出できます。キッチンタイマーや、スマートフォンのタイマー機能を使って、時間内に必ず終わらせる習慣を作りましょう。●(4)ライバルを設定する人と競い合うこと は脳の回転数を上げることに非常に役立ちます。負けたくない気持ちから、モチベーションアップも期待できます。例え難しいことだとしても、ライバルがいれば、それをできるように頑張れるものです。●(5)子どもに教えてもらう人に教えることには緊張感が伴い、脳のあらゆる場所を使って考えたり説明したりするため、脳が活性化します。受け身な講義での理解度は5%であるのに対し、人に教えることの理解度は90% と言われています。子どもを賢くしたいならこれを利用しない手はありません。お子さんに、学校で起きたことや学校であったことを説明してもらうことを習慣にすれば、脳が活性化し頭が良くなるでしょう。----------脳を活性化し回転をよくするためには、脳の血流を良くしながら、常に緊張感を持って取り組むことが大切です。自宅で実践できることがほとんどですので、ぜひやってみてくださいね。【参考文献】・『覚えない記憶術』樺沢紫苑・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年04月24日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。各地で入園式や入学式も行われ、いよいよ新生活がスタートしましたね。1学年進級したお子様も、新たな気持ちで新学期を迎えていると思います。新学期は、親も子どもも“新しい生活がスタートする”という真新しい気持ちになります。4月はこれまでの生活やスタイルを見直す大チャンス!特に小学校に入学したばかりの新1年生、来年小学校にあがる年長さんにとっては、がんばり時の1年です。そこで今回は、教育アナリスト・清水克彦氏の著書『よい親ダメ親ふつうの親』を参考に、チャイルドコーチングアドバイザーの視点から、5〜6歳のお子様にやる気をもって行動してもらうコツを3つお伝えします。●(1)自分で決めさせる!年長さんや1年生は、子どもにとっては憧れの年次 です。本人たちは「園では一番上のクラスのお兄さん!」「私はもう小学生のお姉さん!」だと思っています。さらに、園や学校でも「もう年長さんですよ」「もう幼稚園児ではありませんよ」と、少しだけ大人扱いをされるというケースも増えてきます。この年齢になると、理屈が通用するようになり、責任感もしっかり芽生えています。そのため、頭ごなしに押し付けられたり、いろいろと言われたりすると反発することが多くなります。たとえば、こんなコミュニケーションをとっていませんか?「○○やりなさい!」→NG忙しかったり、やってほしいのにやってない状況にあると、つい言いがちなセリフです。多くの場合、このように言ってもすんなり事ははこびません。そんなときは、次のように子どもに決めさせてみてください。○○と□□、どっちからやる?→GOOD清水氏もこの年齢特有の『小1プロブレム』 の問題を取り上げる中で、学校の規則を守れないなどの子どもの問題行動の背景には主体性の欠如があると指摘しています。主体性をつけるために大切だと説いているのが“子ども自身にルールを作らせ、決めさせること” なのです。子どもに“自分で”決めさせれば、納得してやりますし、何より自分で決めたことをやりとげるという忍耐力、やり遂げたときの達成感は自信につながりますよ。●(2)できたところを認める!「自分で何でもできる!」「自分で何でもやりたい!」と思っている5、6歳児。日々、さまざまなことにチャレンジしていると思います。自分でできると思っているからこそ、他人や大人から間違いを指摘されたり、否定されるのはとても嫌がります 。たとえば、こんな風に言いたくなりませんか?※ひらがなの「ほ」の文字を書いているわが子。「ほ」の右側の部分が「ま」のように上に出てしまっているのを見て…「そうじゃないでしょ!」→NG子どもはきっと「自分で書けたよ!」と自慢したかったはずなのに、逆に大人に間違いを指摘されてしまうケースです。こういう場合は、「もうやーめた」と学びの意欲が一気になくなります。こんなときは次のように、まずはできているところを認めてください。「最後にくるっと書くところがうまいね!」→GOOD年長さん、小学1年生はプライドが芽生えています。まずはできているところを、できるだけ丁寧に具体的にほめることがポイントです。単に「すごいね」と言うだけでは、簡単には満たされません。どこがどうすごいのかを細かく説明して認めると効果的 です。清水氏も、具体的にほめることがやる気スイッチを入れると指摘しています。さらに、間接的にほめ言葉が子どもに届くようにすることも効果的だといいます。例えば「園の先生が、〇〇ちゃん、なわとびが10回飛べるようになってかっこいいと言ってたよ」という具合です。細かい注意や指摘は、認めた後に行いましょう。●(3)うちでの役割を与える年長さんや小学生になると、園や学校でも役割が与えられます。小動物の世話をはじめ、花の水やりや給食係など、多くの場面で自分の役割があります。この役割こそが、子どもに責任感をもたせる重要な役目 をしています。そのつど、思いついたときに何かをお願いすることが多いかもしれませんが、定期的な役割があるとより一層責任感が強まります。ただし、役割を与えたからといってこんな言い方はダメです。「もう小学生になったのに、こんなこともできないの?」→NGマイナスな言い方をするとやる気もなくなってしまうので、コミュニケーションには気をつけましょう。次のように、子どもにYES、NOを判断させる言い方だと気持ちよく役割を引き受けてもらえそうですね。「小学生になったから、○○の仕事をまかせてもいいかな?」→GOODお願いした役割が大切であることを教え、それを果たしてくれないと困ってしまうという因果関係も伝えるとより効果的です。----------いかがでしたか?やる気UPのコツはまだまだありますが、まずは新年度に3つから挑戦してみませんか。【参考文献】・『よい親ダメ親ふつうの親』清水克彦・著●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年04月14日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。4月になり、気持ちも新たに新生活をスタートされたところではないでしょうか。中には4月からシングルになり子育ては自分一人でする!というママ、パパもいるかもしれません。 実は、3月は離婚がもっとも多い月 なのです。さて、一般的にはシングルマザー、シングルファザーは“ひとり親”と呼ばれています。ひとり親の多くは、生活のために働いて子どもの世話もして、とにかく自分のことは後まわしで頑張っています。今、このひとり親に対する支援が拡充してきています。今回は、その背景と支援の概要をお伝えしたいと思います。●ひとり親への支援〜拡充の背景〜ひとり親への支援が拡充してきているのには主に2つの理由があります。●(1)母子世帯の増加厚生労働省の「全国母子世帯等調査」によると、母子世帯は約123万世帯、父子世帯は約22万世帯となっています。これが増加傾向なのか否かを見たいので、1983年と1998年、2011年で比較してみます。まずは、父子家庭の結果です。予想に反し、父子家庭はすべての年でほぼ一貫して約20万世帯前後を推移しています 。一方、母子家庭の結果は1983年で約70万世帯でした。それが1998年には90万世帯を超え、2011年には120万世帯を突破しています。1983年と2011年をくらべると、たった30年ほどで2倍近く増加している ことがわかりました。ちなみに、ひとり親になった要因として8割は離婚でした。●(2)ひとり親の就労が難しい母子世帯の平均総所得は、年間約235万円であることが同省の2014年調べでわかりました。父子世帯は400万円弱でした。これは、遺族年金や児童扶養手当などを含んだ総所得でもこの状態です。子どもを持つ世帯の平均が696万円であることと比べると、ひとり親の収入は少ないことが明らかだと思います。ひとり親の場合、育児の負担がすべて一人にかかるため、どうしても仕事をセーブする必要がでてくる ことが大きな要因です。育児のために、パートやアルバイト、非正規雇用が多くなりますし、そもそも就業自体が難しい場合もでてくるのです。●支援は大きく4つある!2012年に「母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別措置法」が成立した後、2014年には改正され、より充実した支援を求められるようになりました。国の動きの活発化にともない、各自治体では具体的な施策の実行が進んでいるところです 。支援の内容は、大きく4つに分けられます。●(1)子育て・生活支援これは、専門家である母子・父子自立支援員による相談支援、ヘルパーの派遣、保育所などへの優先入所、子どもの学習支援ボランティア派遣、母子生活支援施設の機能拡充などがあげられます。●(2)就業支援母子・父子自立支援プログラムの策定やハローワークとの連携による就業支援、能力開発等のための給付金の支給などがあります。特に最後の能力開発は、介護・福祉系の就労を後押しするために専門の資格をとろうとする場合に取得費を貸与できる仕組み など、2016年4月からスタートする支援が充実しています。●(3)養育費確保支援ひとり親にとって、安定して養育費を確保できることは子育てに大きな支援になります。そのため、養育費に関する啓蒙活動や説明、相談支援体制が整っています。●(4)経済的支援児童扶養手当などの給付金や、母子父子寡婦福祉資金、就職のための技能習得や児童の修学など12種類の福祉資金を貸付するような支援があります。基本的には、国の方針を受けて各自治体が具体策を実行しています。「こんなことでもいいのかな……」と思わずに、近くの役所に問い合わせてみてください。それぞれの自治体独自の支援もあります。ぜひ活用して、よりよい生活にしてくださいね!【参考リンク】・「離婚に関する統計」の概況 | 厚生労働省()・母子家庭等関係 | 厚生労働省()●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)
2016年04月07日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。いろいろなことを「自分でやりたい!」、でも気分を損ねるとすぐに「イヤイヤ!」となるのが2~3歳の子どもたち。私自身、2歳の子どもがいるのでよくわかります。一方で、育児雑誌や書籍、 インターネットでは、「トイレトレーニングやってますか?」「生活習慣を身につけましょう」「社会性を育てよう」などと言われ、ママにとってはプレッシャーもかかってくる時期 です。そこで今回は、2~3歳の子育てでみなさんが何に力を入れているのかを参考にして、なかなかうまくいかない現状をもとに、チャイルドコーチングアドバイザーの視点から“子どもができない理由”をお伝えしたいと思います。●2~3歳の子育てで力を入れていることは何?ベネッセが行った調査によると、子育てで力を入れていることの上位5つは以下のようになりました。・1位:他者への思いやりをもつこと……50.3%・2位:親子でたくさんふれあうこと……49.4%・3位:社会のマナーやルールを身につけること……43.5%・4位:基本的生活習慣を身につけること……42.1%・5位:自分でできることは自分ですること……35.7%確かに、親としては「できてほしいな」「力を入れたいな」と思う内容ばかりです。しかし、実際はいかがでしょうか?トイレに誘ってもそっぽを向いている、お友達のおもちゃを取ってしまう、一人で着替えができないなどなど、「できてほしいな」と「実際にできること」はだいぶ違うのではないでしょうか。「うちの子は何度注意してもわからない!」「繰り返し言ってもできるようにならない!」なんて頭をかかえていませんか?でも、大丈夫。これは普通です。 なぜなら理由があるからなんです。●子どもができない理由とは?大人には大人の事情があるように、子どもには子どもの事情があります。子どもができない理由は大きく2つあります。●(1)興味がない!「自分で!」ということが増えてきたので、一見、何事にもチャレンジしているように見えてしまう子どもたち。実際は、「自分が興味や関心があるもの」「単純に面白そうと思ったこと」のみを、“自分で”やりたいだけなのです。逆に、「楽しそう」「やってみたい」と思えないことは、自分からやるとは言わないはずです。つまり、親が力を入れたいと思っていることがあれば、それに遊びの要素を取り入れたり、子どもを面白おかしく誘ったりして「やってみたい!」とその気にさせることが必要 なんですね。●(2)何を言われているのかわからないこの時期は、お話しすることが上達してきます。「普通に話しても通じるわ」と思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、子どもは話の大筋をわかっているかもしれませんが、言葉の意味を十分に理解できるほど発達してはいない のです。親は言葉で伝えたと思っても、子どもは「?」「何を言われているんだろう」ということも。言葉だけでなく、お片づけを一緒にする、公園では「おもちゃを貸して」の行動を一緒にとるなど、行動のイメージを具体的に持たせることも必要です。----------いかがでしたか?「うちの子はまだ○○できない」と他人と比較して気をもむのではなく、「去年に比べると○○も、△△もできるようになった!」と、子ども自身の成長を経年で見たいものですね。【参考リンク】・幼児の生活アンケート | ベネッセ教育総合研究所()●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)
2016年03月31日親は子に、「自立した大人になって、社会に貢献してほしい」と願うもの。でも、毎日子どもと接するなかで、知らず知らずのうちに子どもの芽を摘み取ってしまっているとしたら?子どもたちに向けて、生きる力をはぐくむキャリア教育を提供している「NPO法人キーパーソン21」代表理事、朝山あつこさんに話を聞きました。キャリア教育とは、わくわくできる生き方を応援すること3人の男の子を育てた朝山さんにキーパーソン21を立ちあげた経緯を聞きました。「長男が通う中学校で学級崩壊が起こりました。子どもたちが無気力だったり暴れたりする様子を見て、子どもたちがわくわくと主体的に生きていくには、どうしたらいいだろう?と考えました。日本中の子どもたちと社会のために、学校教育とは違う方法で子どもたちにアプローチしようと決意し、2000年にキーパーソン21を立ちあげました。キーパーソン21では、自分の好きなもの・大切なものが世の中の仕事とつながっていることに気づかせ、子どもたちの主体性を引き出す<夢!自分!発見プログラム!>を開発。学校や教育施設で、35000人近くの子どもたちに向き合い、好きなことを職業意識に結びつけ、自信を持たせる活動をしてきました。キーパーソン21が掲げるキャリア教育の理念は、大切なのは、なりたい職業を探すことだけではないということ。キャリア教育というと、大人はすぐに、将来よい職業につくための教育という発想になりますが、それだけではなく、子どもが何が好きなのか、どう生きたいのか、何なら一生懸命がんばれるのかを見つける応援をすることです。自分は、どんなことにわくわくできるのかという本質がわかれば、特定の職業につくことだけに縛られず、より広い意味での自分の夢や生き方を発見できます」「○○が好き」の裏に潜む子どもの本質を見極めよう朝山さんは親があることを心がけるだけで、日常生活のなかで、子どもの”好き”の本質を見極めることができると言います。そのあることとは、子どもが何かに夢中になっているときに、なぜ”○○が好き”なのかをひも解くこと。「たとえば、子どもが野球が好きという場合、大人が安易に言いがちなのが『野球選手になればいいね!』という一言。でも、野球選手になれる人はほんのわずかです。子どもたちは、野球選手にはなれないと知った時点で、挫折感を味わうだけ。ここで、なぜ野球が好きなのか?に着眼することができれば、可能性がぐっと広がります。実は”好き”の理由はさまざま。”好き”のキーワードは、<野球>という名詞かもしれませんし、<チームで>という形容動詞かもしれないし、<上達を感じる>という動詞かもしれません。つまり同じ野球でも、A君は<作戦や戦略を立てることが好き>、B君は<チームのために役立つことが好き>、C君は<素振りなどで日々の上達を感じることが好き>ということかもしれません。親がそれを感じることができれば、たとえばA君には家族旅行の計画を考える機会をあげる、B君にはお手伝いをしてもらう、C君には毎日の上達がわかるグラフを作ってあげるなど、わくわくする機会を与えて、自信をつけてあげればいいのです。自分はチームプレーが好きだと気づき自信がついた子は、将来職業を選択する際に、チームでプロジェクトを作っていくような職業を幅広く視野に入れることができます。親が、子どもの”○○が好き”に潜む理由をキャッチする力を備えているか、広い可能性を感じてあげられるか、それが子どもを伸ばせるかを左右するのです」多様な仕事や生き方があることを伝えよう「さらに親ができることとして、子どもが小さいうちから、多様な価値観や生き方、仕事があることを伝えることです。たとえば上の例では、3人に共通するキーワードとして野球があります。野球が好きな子には、選手になる以外にも野球に関わる仕事はたくさんあるという可能性を示してあげることで、子どもたち一人ひとりが自分なりの夢を持つことができます。キーパーソン21でも、<夢!自分!発見プログラム!>の一貫として、さまざまな仕事で活躍する大人が、自分の人生や仕事について語る、<おもしろい仕事人がやってくる!>というプログラムを提供しています。子どもたちからは『今をがんばることで、未来につながっていくことがわかった』『大人になるのもおもしろいかなと思った』などの感想が寄せられています」子どもは親とは別の人間。親も自立する準備を最後に、朝山さんからママ達にメッセージをいただきました。「子どもはいつか親から自立し、言う通りにはならなくなるものです。親は小さいうちからそのことを覚悟し、子どもは自分とは違う人間なのだと意識しておくことが必要です。子どもが自立する時期は、親が第二の人生を考える時期とも重なりますが、くれぐれも子どもを追いかけることがないように(笑)。子どもの自立が怖いのであれば、その気持ちを認め、どうして怖いのか考えてみること。すると、子どもを自分とは違う一人の人間として見ていなかったということに気づくと思います。子どもの自立はさみしい面もありますが、一人の人間として成長した子どもが、どんな考えを持ち、どんな仕事をする大人になるのか、幼い頃とは違う楽しみがあります。今はお子さんを信じて、幸せな時間を存分に楽しんでほしいと思います。どんな子にも、わくわくする未来があるのですから」朝山さんの話を聞いていて、じんわり心に響くものがありました。子どもの職業選択に関して、親は勝手な夢を描きがちですが、子どもがわくわくする人生を選ぶ姿を、わくわくと見守れる親になりたいですね。取材協力:認定NPO法人キーパーソン21<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年03月31日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。卒業式や入学式のシーズンを迎えました。このタイミングをきっかけに子どもにスマートフォンや携帯電話を買い与える機会も多くなります。入学祝いにゲーム機器をプレゼント!ということもよく聞く話です。スマートフォンなどは、大変便利な通信機器です。仕事でもプライベートでも、今や欠かせないものとなっています。このような通信機器の普及によって、子どもたちは日々インターネットにアクセスすることが可能になってきています。実際、「ゲーム機器として子どもに与えたはずなのに、子どもが自分の写真付きでネットに投稿していた」ということもあります。遊びのつもりで……、操作を間違って……。文字だけでなく画像としての個人情報も知らず知らずのうちに他人にさらされ、子どもに危険がおよぶ可能性 があります。そこで今回は、子どもを守るためのネットのルールについてお伝えしたいと思います。●子どもは何を使ってネットにアクセスしてるの?内閣府が行った最新の「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、青少年の79.7%が何らかの機器でインターネットを利用していることがわかりました。上位4つは以下の通りです。・スマートフォン……46.2%・携帯ゲーム機……22.6%・ノートパソコン……20.3%・タブレット……17.5%番外編として、インターネット接続テレビなどもランクイン。子どもは、ボタンを押してインターネットにつながるなら何でも使うというような印象を受けました。「中学生、高校生の話でしょ?」と思われた方、実は小学生もかなり多い ことが分かっているんですよ。小学生だけで見ても、このようなインターネットにつながる機器の普及率は86.2%!前年から+2%です。さらに、インターネットの利用率は61.3%。前年は53%だったのに急上昇ともいえます。●どんなトラブルが発生してるの?トラブルは子どもの生命に関わるものから、子ども自身が自己解決できるレベルまで大小たくさんのトラブルが発生しています。その中でも比較的多いのが以下の6つのトラブルになります。●(1)ネットへの書き込みトラブルSNSや掲示板などが身近になりました。軽い気持ちで書いた内容がきっかけとなるトラブルが増えています。文字上では感情を読み取ることがなかなか難しいものです。文字だけだとキツイ印象を与えるだけでなく、一度発信した内容はなかなか取り消すことができません 。「炎上」とはよく聞くことですが、文字通り、ネット上である投稿が火種となり瞬く間にコピーされて広がっていきます。このため、「自分の投稿を削除すればいいじゃん」と思っても完全には削除できなくなり、場合によっては一生おびえることにもなりかねないのです。●(2)チェーンメールをしてしまう不特定多数の人に同じ内容のメールを送るように求めるものがチェーンメールです。たとえば「受験合格のお守りメールだよ。20人に同じ内容のメールを送れば幸せがくるよ!」という感じです。このようなメールを受け取ったら、内容に惑わされることなく削除して自分のところで情報が広がるのをとめる 必要があります。またチェーンメールに添付されたファイルを開いた場合、ウィルス感染することがあります。●(3)迷惑メール・スパムメールにひっかかる「期間限定で占い無料」などの文句に誘われメールアドレスを記入した結果、迷惑メールが突然増える場合があります。その登録を解除しても、今度は別のところからメールが届くことも。受信拒否設定をしたり、こまめに削除を繰り返したりして対応しましょう。「このメールが不要な方は、件名に受信拒否と書いて返信してください」などと書いてあっても返信してはいけません。さらに迷惑メールが増えてしまう からです。メールアドレス等の個人情報を登録する前に、本当に必要があるかを確認する癖をつけさせましょう。●(4)架空請求がくる架空請求、ワンクリック詐欺と呼ばれるトラブルです。クリックしただけで料金が請求される手口が増えています。こんな連絡がきたら、自分だけで解決しようとせずに、必ず周りの人や相談窓口に対応をあおぐようにさせましょう。●(5)著作権・肖像権のトラブル人には自分の容姿などを勝手に利用されない権利である肖像権があります。また、絵や文章には、それを作った人に著作権があります。このように権利があるものを、許可をもらわずに勝手にインターネットに掲載した場合、法律違反に問われる可能性 があります。カメラ付き携帯でお友達と撮影したものをみだりにネットにアップしない、本屋さんの本をカメラで撮らないなど、権利にまつわる指導は親が行う必要があります。●(6)スマホ依存・携帯依存・ゲーム依存スマホや携帯、ゲーム機器などへの子どもの依存者は増えていると言われています。友達と多数の投稿やメールをやり取りするため、寝不足になったり、朝起きられなかったりするという状況です。オンラインゲームに1日20時間以上も没頭 したり、肌身離さずスマホを持ちチェックしたりしていないと落ち着かない子どももいます。一度このような状態になってしまうと、改善するのは大変な労力が必要です。----------いかがでしたか?通信機器を持たせる前に、家庭でのルール作りをすることで依存を回避できることがあります。『家族で話し合いを! 子どもに守らせたい“スマホの使用ルール”7か条』でもお伝えしていますので、ぜひ参考になさってくださいね!【参考リンク】・青少年のインターネット利用環境実態調査 | 内閣府()・こどものネット・ケータイトラブルのトラブル相談 | 東京都()●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年03月24日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。毎年2月~3月は、保育園の入園が決定する時期です。入園予定の子どもがいるワーママにとっては、この先のキャリアや生活が大きく変わる転換期。保育園に入れなかった方も、入れた方も、入園の結果を受けて、4月以降の生活を考えることになります。“保育園に入園できる!”という方も、実はやっと一山越えただけで、入園前後にはたくさんの試練!?が待っています。多くの場合は、子どもの入園と同時にお仕事もスタートするものです。私自身も、仕事復帰当日に子どもが発熱してしまい、復帰日を変更してもらったという苦い経験があります。ママ自身もいっぱいいっぱいな上に、子どもも新しい入園生活が始まるのは想像以上にストレスになります。そこで今回は、保育園に子どもを入園させた経験があるママの声をもとに、4つの入園あるあるをお伝えします。事前に、保育園の入園事情を少しでも頭に入れておけば、ママのストレスも緩和されるかもしれませんね!●(1)大量の書類準備!『入園が決まったという連絡がきたのが2月末、その後3月12日に保育園で説明会がありました。説明会では大量の書類が渡され、4月1日の入園日に持ってきてくださいと言われました』(30代ママ)そうなんです。入園に関してはたくさんの書類の準備が必要になります。中には、銀行の窓口に行って手続きをしなければならない書類や、実家等に確認が必要なもの、緊急時のシッターを確保しなければならないものなど、書類を書くだけでは済まされないものもあります。入園ギリギリになって焦らないように、もらった書類は初めに全部目を通しておきましょう 。●(2)入園グッズはびっくりするほど多い!?『入園グッズといえば、入園バッグや上履きなどありきたりなものをいくつかイメージしていました。ところが、1歳の子どものリストを見たところ、なんと計21項目もの準備物 が!しかもその全部にフルネームで記名が必要だと知り仰天しました』(20代ママ)特に0歳、1歳と低年齢のほうが準備物は多くなります。スーパーのビニール袋、大サイズと小サイズ(それぞれ縦横何センチくらい)、布バッグ、大・中・小サイズ(それぞれ縦横何センチくらい)など、かなり指定の細かい園もあります。「市販のものを買おうと思っていたのに指定のサイズがなかった!」ということもありがちです。また持ち物はビニール袋1枚、おむつ1枚に至るまで、すべてに記名することが一般的です。特に、消耗品類は毎日持っていくことが多いので、初めに多めに準備しておくと安心です。●(3)慣らし保育で親子ともに病む『一番キツかったのが慣らし保育。ママと離れるときはギャン泣きで、お迎えに行くと先生から“〇〇ちゃん、ずっと泣いてました”と言われるし……子どもにこんな思いさせてまで働く必要ある!?と真剣に悩みました。泣き声だけでやられました……』(30代ママ)“慣らし保育” は、入園当初に子どもが園生活に慣れるように、通常の保育時間よりも短い時間で預かってもらうことです。慣らし保育がない園もあれば、1か月以上あるところもありさまざまです。多くの子どもがママと離れる際に泣くことから、“後ろ髪引かれる”思いで仕事に出掛ける方が多いと思います。個人差はあると思いますが、お迎えに行くころには子どもはニコニコと遊んでいたりするものです。初めはつらい思いをしますが、これも親子ともに成長できる次のステージに入ったと心して、明るく乗り切ることがポイントです。●(4)仕事スタート! 直後に「休みます」宣言『仕事に復帰したら新しい部署に配属されました。知らない人ばかりだったので、早く信頼してもらわなきゃ!と気が張っていました。復帰から2日後、保育園から“〇〇君、お熱です。お迎えに来てください”と電話が!早々に早退したうえ、まさかのインフルエンザで連休をもらう羽目になりました』(40代ママ)復帰したと思ったらすぐ休まなければならないこともまれではありません。なぜなら、子どもは新しい園生活で疲れて抵抗力が低下し、病気にかかりやすくなっているのです。また、集団生活なので、他の子が病気になるとうつりやすい環境にあります。子どもは突然病気になるものだ ということを前提に、日ごろから仕事環境を整えておくことも大切です。仕事のタスクを整理したり、進捗(しんちょく)をこまめに報告することは基本です。そのほかにも、上司や同僚とランチをともにし、現在の家庭の状況を伝えておくなど、周囲の人とコミュニケーションをとるように心がけましょう。「子どもが病気だから休む」ということが当然のように振る舞うと、サポートしている周囲の人は不快な思いをするものです。周りの人の支えのおかげで、かわいい子どもを育てながら仕事ができるんだと、日ごろから感謝の思いを伝えることはとても重要ですよ。●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年03月17日【ママからのご相談】4月から小学2年生になる女の子がいます。幼稚園のころから、塾や水泳、英会話などに通わせています。でも、自宅では自分から全く学校や塾の宿題をやらないので、「早く宿題をやりなさい!」と叱ってばかりいます。まだ低学年だから仕方がないとは思っていますが、中学受験を考えているのでこの先不安です。どうしたらよいのでしょうか?●A. 熱心なママほど子どもの未来にレールを引きがち。何事も強制はNG。こんにちは。中学受験の経験があるママライターのKOUです。ご相談者さんは、お子さんが学校などの宿題を自分から進んでやらず、なかなか学習習慣がつかないことをお悩みなのですね。学校から帰ってダラダラ過ごし、宿題をやらないお子さんを見ていると、イライラしてしまって「早く宿題やりなさい!」などと叱ってしまうのは、世の中のママたちがつい陥りがちな行為です。知人の小学校教員によると、親から何度も「宿題やりなさい!」と言われると、お子さんは“やらされている感”が強くなって、ますます自分からやるという意欲が湧いてこなくなる という悪循環が起きやすいといいます。●学ぶ環境を整え、あとは放任するまずは、私自身の小学校時代を振り返ってみます。中学受験をしたのは30年くらい前。母は働いていましたが、私に習い事をほぼ毎日させていたほどの教育ママでした。ただ、「勉強しなさい」とは一切言いませんでした。低学年のころは、私もそれほど宿題を真面目にこなしていた記憶がありません(苦笑)。私立小に通っていたこともあり、4年生になると周囲は進学塾に通っている人がほとんどでした。母によると、「お友達がみんな塾に行っているから」という理由で、私から母に頼んで受験対策の塾に通い始めたといいます。受験勉強をしている途中、勉強自体をやめたくなったことが何度もありました。でも、「塾に通いたいと言い出したのはあなたなのだから、やめるのも自由よ」と母から軽く言われると悔しくなって、受験勉強は続けました。母は、習い事などたくさんの学ぶ環境を整えてくれましたが、決して強制はせず、どちらかというと放任されていたように感じます。そのやり方が、私には合っていた ようです。あくまでも私の経験談であり、全ての方に当てはまるというわけではありませんので、ひとつの例としてご参考にしてください。そこで、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為について、御三家や灘中などの難関校に何人も合格させたカリスマ家庭教師で名門指導会代表の西村則康さんの著書『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』を基に探ってみました。●(1)「教育熱心な母親ほど子どもの未来にレールを引きがち」【例】『4年生のAくんは、1年生から大手進学塾に通っている。塾通いは母親が決めた。なぜならば、難関の男子校に入らせ、最終的には東大や慶応大に合格し、父親と同じ医者を目指してほしいからだ。母親は受験経験がなかったが、小学校入学と同時に志望校の合格実績が高い大手進学塾で学べば間違いないと思い選んだのだ。ただ、Aくんは最近、入塾してきた優秀な子たちに圧倒され、クラスが落ちるのではないかと不安な気持ちでいっぱいだ。本音は、塾ではなく野球をやりたい。今は頑張る気になれない』偏った教育熱心なママさんは、先回りして子どもの未来にレールを引きがち。しかも、そのレールの幅が狭いことが特徴 です。勉強も遊びも、親がいいと思ったことだけをやらせて、机に向かわせる。さらに有名大学や一流企業に入ればもう人生は安泰だという、今の日本にはそぐわない考えを持っていると言います。それが、『本来は可能性を秘めている子どもの未来を狭めている』と、西村さんは警鐘を鳴らしています。●(2)「英才教育のほとんどは間違っている」【例】『Bさんは、娘さんがお腹にいたときからクラシック音楽をかけたり、絵本の読み聞かせをしたりして胎教に取り組んだ。出産後、子どもの脳に良いことは全て試し、2歳からは右脳を鍛える幼児教室に入室。そのほか、スイミングや体操教室にも通った。そのおかげか、幼稚園や小学校の低学年までは他の子と比べて飲み込みが早く、運動神経も勝っていた。ところが、中学受験が本格化してきた5年生のとき、娘さんは思うように学力が伸びなくなり、親子共々、初めて人生の壁にぶつかった』西村さんは、『英才教育のほとんどは役に立たない』と言います。人間の脳は、特別なことは何もしなくても自然に成長していけるだけのプログラミングが施されており、間違った英才教育というのは、そのプログラミングを無視して無理やり脳を早く作りあげようとするものだと指摘しています。だからこそ、人間が自然に育っていくプログラミングに応じて、その年齢なりのベスト を目指すことをお勧めします。●(3)「習い事を強制しない」【例】『男の子は運動ができた方がいい、と思い込んでいるCさん。水泳にサッカー、空手を1年生の息子さんに習わせている。でも、お勉強も大切。文武両道を目指し、週2回は学習塾にも通わせている。息子さんは嫌がらずにやっていたが、最近になって突然「塾に行きたくない」と言い出した。学校の宿題や毎日の習い事が負担になり、疲れが出てきたようだった。「継続は力なり」と考えるCさんは、「休んじゃダメ」と息子さんを叱咤激励。無理やり塾に行かせた』偏った英才教育について疑問を投げ掛ける西村さんは、子どもが幼いころには、適切な量や質の刺激を与えることを心がけるよう強調しています。意図的に与える英才教育などの“学習刺激”以上に、普通の生活の中で親が知らないうちに子どもが受けている“学習刺激”に注目すべきだと言います。たとえば、友達との遊びや一人遊び、家でのお手伝いや会話を通じて、子どもは学習に結びつく刺激を受け続ける そうです。小学生の場合は、習い事にしても、親の一方的な考えて決めるのではなく、続ける基準は子どもが喜んで楽しそうにやっているかどうかです。どんな習い事でも、子どもが喜々としてやっていればそれは間違いなく効果があると言います。●(4)「“たくさん解きなさい”は親の幻想」【例】『5年生のDくん。4月からもう6年生。中学受験の勉強にも力が入る。Dくんの目標は、苦手科目の算数を克服すること。母親からは「やった分だけ力がつく。問題をたくさん解きなさい」とハッパを掛けられる。だから、塾のテキストで間違えた問題と類似した問題を、自宅で何度も解いてみる。でも、テストになるとまた同じような問題につまずいてしまい、なかなか得点に結びつかない』今まで子どもにかけてきた時間やお金が、その子自身の能力や成績の伸びにつながらない場合は、そのやり方が間違っているようです。親の中には、猛勉強さえさせれば成績が上がると考えている人がたくさんいます。西村さんは、勉強量と成績の伸びは必ずしも比例しないと言い切ります。勉強の質も大切な要素 だそうです。たとえば、子どもを塾に通わせている親の多くが陥りがちなのは、少しでもたくさんの問題を解かせようとすることです。塾から帰ってきた子どもが、今日習った知識をきちんと身につけたどうかわからないうちに、それと似た類題を解かせる。そのときの子どもたちの解き方を見ると、ほとんど問題文を読んでいない と言います。「このあたりの数字と、あのあたりの数字を引いて、それをこっちの数で割れば……」という、あいまいな記憶に基づいた解き方をしているようです。つまり、問題に対して“何が分かっているのか?(仮定)”と“何を聞いているのか?(結論)”を確認して、結論までの過程を考える作業がスッポリ抜けた解き方で終わってしまう危険があるのです。●(5)「悪い点をとってきたときの口争いは、何のメリットもない」【例】『3年生のEくんは、国語で30点台を取ってしまった。これまでの最低点だ。テストは、必ずお母さんに見せないといけない。気が進まないが、テストをお母さんに見せた。「え?これ、どういうこと?」と、お母さんは何度もEくんに尋ねる。「こんなひどい点数を取って!ちゃんと勉強しているの?」と怒鳴った。Eくんは、「今回は調子が悪かったから……」などと答えた。「調子が悪いって、どこが悪かったのよ!」とお母さん。しばらく説教が続き、Eくんはうなだれながら言い訳を探していた』悪い点数を取ったとき、親が怒りに任せて「何なのこの点数は!」と子どもに責めるのはNG行為だと言います。西村さんによると、とげとげしい言葉を浴びせることで、子どもは「やっぱりお母さんに怒られちゃった」「お母さんのこの怒りをどう静めようか」などと考え始めます。低学年の場合は、「大変なことをしちゃった。お母さんがこんなに怒るんだから、とんでもなく悪いことをしてしまったんだ」と頭の中はパニックになります。このような会話が繰り返されると、子どもはやがて起死回生のセリフを見つけ出します。「うるさい、くそばばあ!」と、点数が悪くて叱られている状況から、ひどい言葉を投げ掛けることで論点をすり替えよう とするかもしれません。口争いは子どもにはささくれだった気持ちだけが残り、母親には怒りと心配が渦巻きます。言い争うことではなく、悪い点数を取ってしまった原因を探りその対策を考えることが大切だそうです。----------以上、教育熱心なママさんたちが陥りがちなNG行為5選でした。子どもたちのほとんどが宿題をやりたくないと思うのは当然です。私もそうでした。そこで親が、「宿題をやりなさい」と言ったとしても心に響かないかもしれません。まずは子どもに、宿題をやらないことによって「どうなるか?」と考えさせることが重要だと思います。実際に、宿題をやらず学校で先生から怒られたり、きちんとやってきた子が褒められたりすることで、自分から「やろうかな」と思えるまで様子をうかがっても良いかもしれませんね。強制だけでは、子どもは動かないと感じます。ぜひ、ご参考にしてください。【参考文献】・『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』西村則康・著●ライター/KOU(ママライター)
2016年03月13日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。もうすぐ新学期スタートの時期ですね。このタイミングをきっかけに新しい習い事を始めるお子様も多いと思います。習い事のなかでも、特に人気があるのは“英語”です。親世代の英語といえば、一部を除いて小学校での授業はありませんでした。多くの方が中学生から英語の学習をスタートしたのではないでしょうか。ところが、現在の英語事情は親世代とは違うのです。「何となく聞いたことある」という方も多いと思いますが、今回は改めて今の学校の英語教育についてお伝えしたいと思います。●小学校では英語が必修!ご存じですか?実は小学校5、6年生は、英語の授業が必修なのです 。2011年度から、英語の授業は“外国語活動”として小学校でも取り入れられています。週1回、年間35時間もの時間が英語の活動にあてられています。現在は“教科”として位置づけられているわけではないので、指定の教科書はありません。多くの学校では、担任の先生が中心となって、ALTという外国語の指導助手や日本人講師と一緒に教える形態が多いようです。英語でのコミュニケーションに重点をおいた活動になっています。さらに、必修ではない小学校低学年でも英語教育活動が行われているケースが多いことがわかっています。親世代のように「英語は中学から」の時代ではないのですね。●進む英語教育の改革東京オリンピックが開催される2020年に向けて、英語教育の改革がさらに進む見込みです。現在は、小学校5、6年生において英語が必修ですが、早ければ2018年からは小学校3、4年生へと前倒しで行うことが検討されています 。さらに、現在は教科としての位置づけではないとお伝えしましたが、近い将来、教科になる可能性が高まっています。教科になると、指定の教科書が使用され、テストが実施されることになります。テストに伴い、成績がつけられることになるでしょう。中学受験の試験科目に英語が入ってくることも考えられます。●中学以降の英語教育も変わる!これまでの中学英語では、“読む”“書く”が中心の教育でした。今後は、新たに“話す”“聞く”を増やすことが検討されています。さらに、中学以降、高校では、英語の授業は基本的に英語で行われるようになります。高校においては、英語での話し合いや発表など、授業で求められるレベルが高度になります。英検でいうと準2級~2級程度以上が目標とされているようです 。大学以降は、現実の社会で使える英語力が重視されるでしょう。大学入試で試される英語力も変化する可能性が高いです。就職においても、すでに“英語=外資系企業”というイメージはなくなっています。今後はどの企業でも英語力はスタンダードな知識として求められていくのです。----------いかがでしたか?今の子どもたちに求められている英語力は親世代のものとは比べものにならないくらいハイレベルになってきています。固定観念にとらわれずに、教育も変化し続けているということを理解するのも大事ですね!【参考リンク】・今後の英語教育の改善・充実方策について報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~ | 文部科学省()●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年03月10日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。入園・入学の時期、新学期のスタートが間近になりました。そわそわしている親御さんも多いと思います。同じようにお子様もドキドキしたり、ワクワクしていることでしょう。そんな中、この時期を楽しく過ごせない子どもがたくさんいます。いじめられている、不登校である、引きこもりだ、クラスを荒らしているなど、よく見聞きするのではないでしょうか。実は、このような行動をとる子どもたちの背景には共通点があったのです。そこで今回は、子どもたちの悩みを長年聞いてきたスクールカウンセラーの意見を参考に、問題行動の共通点についてお伝えしたいと思います。●問題行動の共通点は『自己肯定感の低下』子どもの『問題行動のすべての根っこに共通してあるのは、一つ。自己肯定感の低下』だと、明治大学教授でスクールカウンセラーの諸富氏はいいます。自己肯定感とは、自分をありのままに受け入れることができることです。自分のひどいところも、他人に嫉妬したりする気持ちも、もちろんうれしい気持ちも含めて、それが自分なんだと自身を認められることです。問題行動をとるような子どもは、「どうせ私なんか……」「どうせ僕はダメなんだ……」といったように、言葉にならない心のつぶやきが発せられているのです。自尊心が傷ついている状態 なのです。●自己肯定感を育てるには何が必要?問題行動の背景には自己肯定感の低下があるということをお伝えしました。では、どうやったら自己肯定感を育てることができるのでしょうか?同氏によると、『「自分は役に立てている」「自分は必要とされている」と子どもに感じさせることで自己肯定感を育てられる』といいます。次に、子どもに必要性や役立ち感をもたせることができる方法をご紹介します。●自己肯定感を育てる2つのアプローチ自己肯定感を育てるには2つの効果的なアプローチがあります。1つ目は、粘り強い肯定的な言葉かけです。自宅であれば、「ママはこれからクッキーを作るんだけど、○○ちゃんのお手伝いが必要なの 」というような語りかけです。このようなメッセージを送り続けることが大事です。「やーだよー」などと言われても、裏切られても見捨てずに、粘り強くかかわり続けることで、子どもの心にじわーっと自己肯定感を育むことができます。「○○ちゃんのことが必要なんだよ」というメッセージを伝えていくのです。2つ目は、自分は役にたてていると感じられる役割 を与えることです。私も2人の子どもがいるのですが、上の子は配膳係、下の子はテーブル拭き係、お箸を並べる係などと、係を決めて家事をやってもらっています。子どもは、「私にもできることがある」という感覚を抱けるようになり、自信をもつことにつながります。----------いかがでしたか?「忙しいと自己肯定感どころじゃないわよ!」という声も聞こえてきそうですが、思い出したときだけでもいいのでぜひやってみてくださいね!【参考文献】・『教師が使えるカウンセリングテクニック80』諸富祥彦・著●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年03月03日こんにちは。教育コンサルタントの佐藤理香です。“子どもの貧困 ”と聞くと、みなさんはどこの国をイメージするでしょうか?きっと日本をイメージする人は少ないと思います。私が書いたこのコラムを読んでいるような人は、自宅にパソコンがあったり自分専用のスマートフォンを持っていたりとさまざまな環境が整っているのではないでしょうか。しかし、わが国の経済格差は大きくなっていると言われています。それは子育て世代にも例外なく影響し、親の経済格差がそのまま子どもの経済格差につながっているという現実があるのです。今、日本では“子どもの貧困”が問題となり明るみになってきています。“貧困”は遠い海外の国の話ではない のです。そこで今回は、日本における“子どもの貧困”についてお伝えしたいと思います。●世界から見た日本の“子どもの貧困”「世界から見たら日本は裕福な国だから、子どもの貧困も少ないわ」と思っている人が多いのではないでしょうか。2012年にユニセフが発表した報告によると、日本の子どもの貧困率は約15%でした。これは先進国の35か国中で比較すると9番目に高い貧困率なのです。なんと、この数字は日本の子どもの7人に1人が貧困状態 であることを意味しています。このため日本政府も対策に乗り出しており、『子どもの貧困対策会議』が設置されたり、『子どもの貧困対策の推進に関する法律』が整備されたりと徐々に大きな動きになりつつあります。●貧困による子どもへの影響は?衣・食・住の環境に影響が出ることが多いでしょう。今の日本では毎食とることすら難しい子どもたちが出てきています。ガスや電気のない(止められた)生活を強いられている子どももいるのです。都道府県別では、特に沖縄県が絶対的な貧困率が高いという結果もあります。何よりも、教育環境は貧困の影響をもろに受ける ことになります。教育は生死に関わるものではないため優先順位が落とされてしまうのです。文部科学省が実施した全国学力テストの結果を見ても、世帯年収の多い家庭の子どもはテストの正答率が高く、世帯年収の少ない家庭の子どもは正答率が低いということがわかっています。学校教育は子どもたち全員に平等に機会が与えられています。しかしながら、世帯年収でこのような学力差が出てしまうのは、学校の外でも教育を受けられるかという点にあります。複雑な要因がからみあっているとは思いますが、つまるところ親の経済的ゆとりがあれば学校外で教育を受けられ、より学力が向上するということになります。●「うちには関係ない」では済まされませんでは、“うちにはあまり関係ない”ので“子どもの貧困”を放置しても大丈夫でしょうか?「お友達が給食費を払えなくて……」「バス代がなくて登校できない子がいる……」という近場での状況も出てきます。もっと大きな視点で見ると、子どもたちは私たち親世代や日本の将来を支える担い手 です。この子どもたちの貧困を放置した場合、本来は社会を支えていくはずの子どもたちが“支えられる側”になってしまう恐れがあります。親の貧困が子どもにも連鎖してしまう負のスパイラルです。これは社会保障費の増大につながりますし、人材の減少や経済市場の縮小など、負の影響が大きくなります。「うちにはあまり関係ない」と思っていた、まさにうちの子たちがこの負担を背負っていくことになるのです。いかがでしたか?“子どもの貧困”は他国のこと、人ごとではありません!ぜひアンテナを高くして情勢を見守ってくださいね。【参考リンク】・子どもの貧困対策の推進に関する法律 | 内閣府(PDF)()・先進国の子どもたちの貧困─ユニセフ報告書「Report Card 10」より─ | 日本ユニセフ協会(PDF)()●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)
2016年02月25日「自分で考える力を養う」ことが教育の目標として掲げられ、欧米の教育が脚光を浴びています。そのための効果的な学習について、フランスやアメリカの例を取って、以下にまとめてみました。他人からの学びこそが、すべての基礎自分で考える力を養うためにまず重要なことは、「他人から学ぶ」こと。自分で考えるためには材料が必要であり、そのほとんどは他人から生み出される知識です。ごくごく一部の天才的なひらめきを除いて、新たなアイデアや発想、イノベーションのほとんどは、先人による知識の蓄積から学んだことが土台にあるといいます。そのため、アメリカの大学では学生に専攻分野で必読書となるものを徹底的に読み込ませ、論文を書かせます。週に1,000ページぐらい読むのは当たり前で、ほぼ毎週、何本も論文を書きます。読んで、書いて、読んで、書いてを繰り返すことで、先人が蓄積した知識を十二分に吸収し、それについて考え抜いた後で、ようやく自分で新たなアイデアを生み出すことができるようになると考えるからです。フランスでも同様に、大学への入学資格となるバカロレアは論述試験となりますが、これまで学んできたことを基にして自分の考えを理論的に展開する力が問われます。特に哲学の試験では、教科書をはじめ、数々の哲学書に書かれている内容を上手く整理し、最後に自分の考えを述べるようにしないと、高得点は得られないといわれています。実際に書いてみることが最良のトレーニング学びを基に自分の考えを深化させる上で最も確実な方法は、「書くこと」。自分の頭の中だけで整理してまとめることができる人も中にはいますが、ほとんどの人は、書いているうちに思考が深まり、考えがまとまるようです。書き始めると、論旨の展開や表現にも配慮するようになります。書くからには自己満足で終わらず、相手に理解して納得してもらいたいもの。特に、試験で高得点を得ようと思うと、学んだことを単に列記するだけではなく、重要な点をしっかりハイライトし、説得的に述べることがマストです。アメリカやフランスをはじめ、欧米の学校の試験は、ほとんどが論述式です。正しい回答を得ることよりも、それに到達するプロセス、つまり思考のプロセスを見ることが重要だと考えるからです。世の中には回答のない問題が山積みです。正しい答えが存在しない中、自分で回答を導き出すには、思考のプロセスが試されます。そして、最終的に正しい考えとして世の中の人々に受け入れられるためには、周囲が納得してくれるよう自分で説得していかねばらないからです。このように見ていくと、読書などを通じて、まずは「他人の考えについて学ぶこと」が重要であり、それを踏まえて、「自分の考えを説得的に述べることができるようになること」こそ、教育の集大成であり、「考える力を養う」ことであるということがわかります。(タベ真美)
2015年10月10日20世紀初頭、オーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが考案した、自由と芸術、そして創作を基調にした教育が「シュタイナー教育」です。近年、日本では、教育熱心な親御さんたちが注目している、オルタナティブ教育といわれるジャンルの1つです。現在、シュタイナー教育を行っている学校は、日本で8校。全世界では91ヵ国、1,000校以上に及ぶそうです(2015年4月時点)。今回はそんな世界に広がるシュタイナー教育の中から、注目のシュタイナー教育校を4校ご紹介します。■世界のシュタイナースクール(1)San francisco Waldorf school (北アメリカ、サンフランシスコ)カリフォルニア州は、全米でもっとも公的資金によるシュタイナー教育を行っている学校が存在している、オルタナティブ教育が盛んなエリアです。その中で35年間の歴史が在る、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、幼稚園から高校までウォドルフ教育を一貫して行っている、北アメリカで一番大きな私立のシュタイナースクールです。芸術や実践を重視するシュタイナー教育は、いわゆる一般的な教育を行っている学校との学力の差についてしばしば話題になりますが、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、Western Association of Schools and Colleges (WASC)(※)にも認定されていて、それぞれの学年でしっかり学力も学べる学校です。 (※)WASCは、アメリカに本部がある教育認定機関。WASCの認定資格は、世界的な資格として有用とされ、WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者は大学入学資格あり=高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。■世界のシュタイナースクール(2)Panyotai Waldorf School(タイ、バンコク)タイで一番初めに設立されたシュタイナースクールです。創設者である Porn Panosot医師が、自分の子どもを通わせたいと思う学校がなかったため、「いっそのこと自分で学校をつくってしまえ」と考えたことが、設立の理由の1つです。 Porn Panosot医師は、その後、医者を辞めて、アメリカまでシュタイナー教員の資格を取りに行き、1996年にPanyotai Waldorf School学校が開校されました。Panyotai Waldorf Schoolは学校法人認定校であり、タイ国内では、国内の有名大学のほか、海外の有名大学に進学する率がとても高い学校としても知名度があります。現在は、定員がいっぱいの状態。長いウェイティングリストに名を連ねなければ入学できない人気校です。 ■世界のシュタイナースクール(3)Rudolf-Steiner-Schule Schwabing (ドイツ、ミュンヘン)シュタイナー教育の生みの親ルドルフ・シュタイナーの出身国であるドイツ。1970年代に、日本に初めて「シュタイナー教育」を紹介した、子安美知子氏の著書「ミュンヘンの小学生」で、著者の娘さんが通っていた学校がRudolf-Steiner-Schule Schwabingです。系列校に、高等教育まで学べるRudolf-Steiner-Schule München-Schwabingという学校もあります。 ■世界のシュタイナースクール(4)Moscow Waldorf School Nr. 1060 (ロシア、モスクワ)ゴルバチョフ大統領が起こした政治改革運動、ペレストロイカ時代に行われたロシアの教育システム改善によって、ロシアにやってきたシュタイナー教育。全校生徒400名ほどのMoscow Waldorf School Nr. 1060は、1996年に公立の学校に認定されたシュタイナー教育校です。世界各国のシュタイナースクールには、ユネスコのプロジェクト校に指定されている学校も多くあります。興味のある方は、世界中の学校をネット検索してみるのもおもしろいかもしれませんね。
2015年05月20日Amazon.comの創立者ジェフ・ベゾス、英国王室のウイリアム王子とヘンリー王子。国外の多くのロイヤルファミリーや著名人が特に実は幼少時代にモンテッソーリ教育を受けていることをご存知でしょうか? 特に、Google.com の創業者、ラリー・ペイジ&サージェイ・ブリンは、かつて受けたインタビューで「幼児期に受けたモンテッソーリ教育なしでは、現在の成功はありえない」と語っているほどです。このように近年、海外で注目されているオルタナティブ教育法「モンテッソーリ教育」。国内でもこの教育方法を導入している幼稚園もありますが、日本ではまだ、馴染みが浅いのが現状です。そんなに素敵な教育方法であれば、試してみたくなるもの。実際、家庭でも、日常生活で取り組めるモンテッソーリ教育方法があれば取り入れてみたいのではないでしょうか? 「敏感期(0歳~6歳)」は、モンテッソーリ教育で発達の第一段階とされる一番大切な時期。今回は、2歳~6歳の子どもさんを対象に、日々の生活の中で無理なく取り入れられる環境作りのポイントを3つご紹介します。■家庭でできるモンテッソーリ教育(1)毎日の「ルーティーン」をしっかり決めよう幼児期の子供は、「今日」「明日」「明後日」という時間の区切りが理解できない時期です。正確な時間でなくとも、朝この時間には起きて、ごはんをたべて、お昼寝をするといった1日の流れ、大まかなルーティーンを家庭でも習慣づけてみましょう。■家庭でできるモンテッソーリ教育(2)サポートしながら自分のことは自分でやらせるモンテッソーリ教育の1つに「日常生活の練習」という分野があります。日常生活の取り組みを自分で行うことにより、自立心を養うというのが目的です、モンテッソーリの幼稚園などでは、子供用サイズのティーセットを使用してお茶を実際に入れてみたり、洗濯板を使い洗濯をしてみたりという日常生活を学習しています。家庭でも日々の生活、たとえば、・子供が自分で着替えやすい洋服を購入して、時間をかけてでも1人で着替えさせる・手を洗う時は、小さなボウルを用意して自分で手を洗わせるといった小さなことでも、できるだけ子供が1人でできるように、親がサポートしてみましょう。■家庭でできるモンテッソーリ教育(3)親は子供のお手本になるように行動するイライラして思わず子どもを怒鳴りつけてしまったり、TVを見ながらご飯を食べたり、「子どもには真似してもらいたくないな」と親が思う行動は、まず親自身が日常生活でしないように心がけましょう。親が本を熱心に読めば、子どもも自然に本を手に取るようになります。親は、援助者であるのと同時に子どものお手本です。そのことを忘れずに行動しましょう。どれも、簡単に行動を起こせる取り組みです。皆さんもぜひ、今日からご家庭で実践してみてはいかがでしょうか?
2015年01月16日■最近よく聞く「オルタナティブ教育」っていったいどういう教育?みなさんは、「オルタナティブ教育」という名前の教育スタイルを耳にしたことはありますか?オルタナティブ教育は、学力だけでなく人間性を高める独自の教育スタイルを取り入れている海外では、ずいぶん前から人気がある教育です。世界中には、各種フリースクールを含めて大小さまざまな「オルタナティブ教育」が存在していますが、現在、世界の2大「オルタナティブ教育」といえば、オーストリア生まれの哲学者ルドルフ・シュタイナーが1919年にドイツで始めた芸術性を教育実践に多く取り入れた「シュタイナー教育」と、20世紀初頭イタリアの医学者、マリア・モンテッソーリが知的障害の幼児教育の成功から提案した感覚教育を行う「モンテッソーリ教育」です。■オルタナティブ教育(1)シュタイナー教育哲学者ルドルフ・シュタイナーが自身の哲学に沿った芸術性を重んじている教育法です。人間は、7年ごとに節目がくるという理念に従い、7歳までは体や心作りを重視して文字の書き方や読み方などは、まったく教えません。第二期である7歳から14歳までの時期は、芸術性を重視した授業を展開。家を建てたり、楽器を作ったりといった実践を通して知識を学び、教科書は一切使用しないという伝統的教育とはまったく異なるスタイルをとっています。それぞれ子どもの成長時期に合った感性を重視した授業で、自発性や個々の発想力を身につけていくようです。■オルタナティブ教育(2)モンテッソーリ教育感覚教育ともいわれているモンテッソーリ教育。特に、3歳から6歳の間を敏感期と呼び、子どもの五感が一番発達する時期だと、モンテッソーリ教育では考えられています。感覚の発達は、知識の発達の基礎になるという考えから、シュタイナー教育とは正反対に、幼少期から独自に開発した日常生活に密着した豊富な教材を使い教材を実際に手で触った教育を行います。知識を高める感覚を養うと同時に、自発的に自分から選択する能力を学ぶため、自分から教材を選ばせます。そして、その子どもがその教材をもっと続けたいという意思を表現すると、同じ教材を一定の時間以上、続けさせることもあります。この方法は、モンテッソーリ教育が、集中力と自発性を授業内で無理なく自然に身につけることができる理由のひとつのようです。■世界の著名人も受けていた! モンテッソーリ教育「モンテッソーリ教育」は、・英国王室のウィリアム王子、ヘンリー王子をはじめとした、各国王室教育・Google創立者であるラリー・ページとセルゲイ・ブリン、Amazon創業者 ジェフ・ベゾス、Facebook創業者 マーク・ザッカーバーグ、Wikipedia創業者 ジミー・ウェールズなど、現代を代表するトップ起業家・オバマ現米国大統領、クリントン元大統領にヒラリー・クリントン元米国務長官とする政治家このほかにも多くの著名人が幼少時に受けていた教育として近年、国内外での注目度が高くなっています。日本では昨年、2013年には教育再生実行会議が、国公立大学の入試2次試験を学力試験から、人物像を重視する面接に変更するという法案に変更する案を検討しているという動きがあります。グローバルに世界を渡り歩かなければいけない時代に生きる未来を背負う子ども達。学力以上に、人間性を重視する幼児期のオルタナティブ教育に日本でも今後もっと注目が集まりそうですね。
2014年12月11日夏休みになると、自由研究の課題などで何を作るか悩むママとお子さんもいると思います。手先を動かしクリエイティビティを伸ばしてくれる工作。工作は雨の日の暇つぶしにも、お子さんとの絆作りにも役立ちます! そこで、子どもとできる工作アイディアをま…
今も昔も子供の習い事として人気の水泳。体を鍛えらたり、水遊びの時に泳げると安心だったりなどの理由のほか、学校の授業の対策として通っている人も多いようです。そこで、水泳教室に通うメリットや水泳に関する注意点など、子どもの水泳教室についてまと…
大学入学時など、奨学金の存在はとてもありがたいですが、卒業後の返済はなかなか負担がかかるもの。賃金が増えにくい今のご時世、滞納やトラブルになってしまったというケースが多々見られています。わが子が将来利用するかもしれない奨学金制度。返済方法…
子どもができると、家計の中で大きなウェイトを占めるようになる学費。子どもが生まれてから大人になるまで、進路によっては数千万円かかると言われています。これだけの大金ですから、早いうちに計画的に準備しておきたいですよね。そこで、子どもの学費の…
ムスメちゃんとオコメちゃん
猫の手貸して~育児絵日記~
うちはモフモフ暮らし
昔から亭主関白な祖父に、周囲は嫌な思いをさせられてきました。それでも1歳のひ孫に会いたいだろうと祖父母の家へ行くと、祖父がまさかの言葉をかけてきて……? 祖父の信じられない発言ゴールデンウィークに実家へ帰省したとき、1歳の娘を連れて実家の近所にある祖父母の家へ行きました。祖父母の家へは年数回行けるかどうか。出迎えてくれた祖父に玄関先で「明日は義実家に顔を出す予定なんだ」と何気なく話すと、「長男の嫁だから、先に義実家へ行け! うちに来るのはそのあと。今日は帰れ!」といきなり怒ってきたのです。私は「義父母は順番なんて気にされてないよ」と言っても祖父は怒り続け、そのまま家の中へ戻っていきました。娘を抱っこしたまま玄関先で私と夫が困っていると、祖母が祖父と入れ違いにやってきて、「嫌な思いをしたね。じいちゃんには私から言っておくから、しばらくは来なくて大丈夫だよ」と言ってくれました。義実家は祖父母の家から車で2時間ほどかかる距離にあるため、その日はそのまま祖父母の家に近い私の実家に帰ることに。そして次の日は予定通り義実家へ向かいました。 すると、ゴールデンウィークが明けたあとの週末に祖父から急に電話があり、「すまなかった」と謝罪をしてくれたのです。頑固な祖父でしたが、祖母に怒られて相当反省したよう。「次の帰省では顔を出させてね」と祖父に伝え、電話を切りました。 祖父は義実家での私の立場を考えてくれたのかもしれませんが、嫌な思いをしたことには変わりありません。それからは、祖父の性格を考慮して、義実家の話は控えるようにしています。 作画/Pappayappa著者:富安千秋
2024年05月18日「ボタニカルネーム」は、植物にまつわる漢字を用いた名前です。春は植物が芽を出したり、色とりどりの花を咲かせたりする季節。特に春生まれの女の子に「ボタニカルネーム」は大人気です。2024年の春に生まれた7,016名の女の子の名前から、人気の名前ランキングTOP10をご紹介します。2024年春 ボタニカルネームランキングTOP10 春に生まれた女の子の名づけには、気持ちを明るくしたり癒したりする植物をイメージさせる「ボタニカルネーム」が圧倒的人気! 植物の持つ生き生きとしたイメージを印象付ける名前が多くランクインしています。「菜」のつく名前春生まれの女の子の名前ランキングTOP10には、菜の花の「菜」がつく名前が2つランクイン。菜の花は2月から5月に咲く花で、ピークは3月から4月と言われています。 5位の「陽菜」9位の「結菜」は「菜止めネーム」の中でも人気があり、2023年名前ランキングでも「結菜」7位・「陽菜」10位と、上位に位置します 「菜」は止め字として使いやすく、季節問わず名付けられていますが、春は特に増える傾向にあります。「菜止めネーム」は菜の花の明るいイメージにやわらかな響きを掛け合わせた名前と言えますね。さくらネーム「咲良(さくら)」や「美桜」のような、桜にまつわる名前が増えるのも春の特徴。桜と言えば、代表的な日本の春の花です。「さくらネーム」は春に多く名づけられる名前の代表格と言ってもいいでしょう。 女優の今田美桜さんや安藤サクラさん、韓国の女性アイドルグループ・LE SSERAFIMの宮脇咲良さんなど、今大活躍の著名人にも「さくらネーム」が多数います。「咲茉」のよみは?10位の「咲茉」のよみ方に迷った人もいるのではないでしょうか。春生まれの女の子の名前を見ると、「えま」というよみで用いられていました。 「茉」という漢字は、ジャスミンの花・茉莉花の1文字。ジャスミンは4月から5月に花を咲かせ、その香りの良さは香水などにも使われています。 「えま」というよみは、2021年以来3年連続女の子のよみランキング1位! 映画『ハリー・ポッター』のハーマイオニー・グレンジャー役で知られるエマ・ワトソンのように、「えま」は海外でも人気のある名前です。将来グローバルな活躍を願うパパ・ママが多く名づけているようです。 これから女の子を出産予定の方は、名づけの参考にしてくださいね。 <調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方調査期間:2024年3月1日(金)〜2024年4月25日(木)調査件数:7,016件(女の子)
2024年05月18日パパが転勤になり、生後2カ月の娘を連れて知らない土地へ引っ越したずんさん一家。引っ越し先で出会った上司夫妻は非常識で、ずんさんは距離を置きたいと訴えましたが、パパはずんさんの要望を受け入れてくれません。毎日アポなしでやってくる上司の妻・かやこさん。ついに体調の悪い息子・けーくんを預かってほしいと頼まれてしまいました。ずんさんが断ってもかやこさんに逆ギレされてしまい、結局けーくんを看病することに……。 その上かやこさんは、約束の時間から大幅に遅れて迎えにきました。安心したのも束の間、すぐには帰らず、けーくんそっちのけでおしゃべりを始めたのです。 誰にも相談できず、ストレスをためこんだ結果… 帰宅したパパにその日のことを話そうとしたずんさんですが、言っても無駄だと思い、その言葉を飲み込んでしまいました。 しかしストレスが態度に表れ、ずんさんはパパに注意されてしまいます。時間を置いて冷静になったずんさんは、パパに謝って仲直りするのでした。 愚痴を言ったり、相談したりしても、状況が改善されるどころか嫌な気持ちになるくらいなら、もうパパには何も言わないほうが良いと判断したずんさんの気持ち、よくわかります。 でも、溜め込んでしまうのはやはりストレスが溜まるもの。パパが理解を示すようになるまで、訴え続けるしかないのかもしれません……。 著者:マンガ家・イラストレーター ずん
2024年05月18日次女が通う保育園から、私の職場に1本の電話がかかってきたのが始まりです。「熱が38.8度あるため、お迎えに来てください」との内容でした。そ…そんな…仕事を早退しお迎えに行くと、思っていたより元気な様子で娘が駆け寄ってきました。抱き上げると確かに体が熱い。新型コロナやインフルエンザも保育園で流行っていた時期だったので、受診して検査をしてもらいましたが、どちらも陰性。高熱と咳は気になりましたが、幸い水分はしっかりとれており食事も少しずつとれていたので、自宅療養で様子を見ていました。3日程で解熱し活気も戻ってきていたのですが、咳だけがしつこく続き気になっていました。1週間ほど経っても咳が治まる気配がなく、微熱が出ました。その後も咳は続き、微熱が出てはすぐさがるを繰り返したので小児科を受診。 すると気管支炎で、もう少し悪化すれば肺炎になっていたかもしれないと言われました。咳と微熱以外は元気そうに見えごはんも食べられていたので、ただの風邪が長引いているだけだと安易に考えてしまったことを後悔しました。 ◇ ◇ ◇ 気管支炎であることがわかり、適切な治療を受けることができたので、娘の咳も次第によくなりました。症状が軽症に見えても、異変が続くときは油断せず十分注意し、早めに受診することが大切であるということ、子どもは治りも早いが悪化するのも早いということを、改めて感じた経験となりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/さくら著者:本山有紀30代、4歳・10歳の姉妹を育てる母。平日はワンオペ育児中。子どもたちが保育園・小学校に行っている時間だけパートで仕事しています。監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年05月18日ウーマンエキサイト読者の皆さま、こんにちは。今年小学4年生になった長女ムスメは、親の私がいうのもなんですがとっても真面目。うっかり者の私を反面教師にしてくれたのか、誰に似たのやらというくらい融通が効かないところも。そんなムスメに葛藤したお話です。妹はちょっと寂しそうですが、親としては何も言わなくても宿題が終わっているのでとってもとっても楽です。ある意味最強のマイペース!がんばっているムスメのペースは崩したくなかったのですが、「自分以外の人も関わって来るときはちょっと予定を考えて行動しようね」と伝えました。ただ、自分で計画的にできることは本当に偉いなあと。最近次女オコメも宿題が始まったので、良い具合に影響してくれると良いなあと思っています。
2024年05月18日夫のこうきと娘のまなと暮らす、主婦のあやかさん。結婚する前から楽しいことが大好きな夫は、出産して子育てが始まってからも、いつでも自分優先……。オムツ替えやお風呂などの子どものお世話はせず、休日も友人との集まりを優先してばかりで、あやかさんはひとりで、育児に奮闘していました。ある休日も家族で出かける約束を反故にして、友人と遊びに出かけた夫。その夜、娘は熱を出してしまい……。 俺のせいじゃないのにあやかさんが熱にうなされる娘をひとりで看病しているところに、夫が上機嫌で帰ってきました。 夫は娘を心配するどころか、自分のごはんが用意されていなかったことに不満を述べ、一人でさっさと寝てしまいました……。 翌日も娘の熱が下がらなかったため、今日こそは夫にも手伝ってもらおうと思っていたあやかさんですが、その期待はあっさりと裏切られます。夫は今日も、友達と遊びに行くというのです。 さすがにこれはひどいと思いあやかさんがとがめると、夫はなんと「俺がいてもいなくても変わんない」「俺は土日しか休みないから時間もったいないだろ」と意にも介さない態度で家を出ていきました。 結局、娘はなかなか熱が下がらず、あやかさん自身も体調が悪くなっていくように……。 あやかさんが夫にそれを伝えると、「お前のはただの疲れだろ」と言い、“自分の方が疲れている”アピールをしてくる夫。挙句の果てには、「マッサージしてくれ」と……。さらには娘の体調不良についても「俺のせいじゃないから、なんで俺がそばにいなきゃいけないんだよ」と言い放ちました。 ◇◇◇ 子どもの熱がなかなか下がらないときは、心配でたまらなくなりますよね。小さな体で熱とたたかっている姿を見ると、普通なら放っておけないはずです。そんななか、夫のこうきさんは、またも友達と出かけてしまいました。そしてあやかさんに対してはまた文句を……。子どもの体調不良は「誰のせい」でもありません。ただ、あやかさんもわが子の体調が心配でずっと気を張っているのではないでしょうか。「自分がいてもいなくてもかわらない」と言う夫ですが、娘や看病するあやかさんを気遣うだけでも、相手の気持ちがラクになることを知ってほしいですね。著者:マンガ家・イラストレーター たに
2024年05月18日第1子の妊娠を職場で報告した私。出産予定日を伝えると、予期せぬショックな反応が返ってきたのです……。 ショックな言葉職場に妊娠を報告し、聞かれた出産予定日を4月1日だと答えた私。すると、「3月生まれだと、クラスの中で小さくてかわいそう」「4月1日までは上の学年に入ってしまうから、4月2日以降に出産できるといいね」と言われてしまったのです……。職場に限らず、出産予定日を伝えるとたいていこのような反応が返ってきます。 私は特に男性から言われるのが苦痛でたまりませんでした。妊娠週数が進むにつれて、このおなかの大きさで過ごすつらさや、出産に対する不安も知らないくせに……と思いながらも、その場は笑顔で「そうですね~」と取り繕うしかありませんでした。 そんな私も3月生まれ。実母に「私も3月生まれで小さかったりして大変だった?」と尋ねました。すると、母は「特に苦労はしなかったわよ!」と笑い飛ばしてくれたのです。私をここまで育てた母が言うのだから間違いはないだろうと、私もやっとほっとすることができました。 仲の良い義姉にも相談したところ、「生まれてくるタイミングを決めるのは赤ちゃん自身だからね」と励ましてくれました。母や義姉の言葉で、赤ちゃんを迎える心構えができた私。今は、周囲の言葉はなるべく気にしないようにして、生まれてくる赤ちゃんを楽しみに迎えようと思っています。 イラスト/きりぷち著者:かとうぬくこ監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年05月18日