こんにちは、離乳食インストラクターの中田 馨です。9~11カ月ごろ(離乳食後期)ごろからぜひ取り入れてもらいたいものに「手づかみ食べ」があります。私は、保育士で保育現場に長く携わっているのですが、この手づかみ食べで赤ちゃんはさまざまなことを学び、発達していくと感じています。今日は「手づかみ食べの魅力」に迫りたいと思います。 手づかみ食べに積極的な子とそうでない子保育現場で赤ちゃんたちを見ていると、手づかみ食べに積極的な赤ちゃんとそうでない赤ちゃんがいます。 手づかみ食べを積極的にする赤ちゃん手づかみ食べを積極的にする赤ちゃんは、いいことですがその反面、途中から食事が遊びに変化してしまうことがあります。グチャグチャと器の中をかき混ぜて、にぎった離乳食をポイッと投げる。そんな場面を目にしたことのあるママも多いかもしれません。もし遊びが長引く場合は食事を終了してかまいません。そのときのママは凛としてくださいね! 手づかみ食べをしようとしない赤ちゃん手づかみしようとしない赤ちゃんの様子を見てみると、いくつかの理由があるように思います。よくある理由が「食べ物を手づかみするものと思っていない」「感触が嫌」という2つです。 手づかみするものと思っていない場合は、まずはママが見本を見せることから始めましょう。手で触っても大丈夫! おいしく楽しく食べようね! と、赤ちゃんに伝えることが大切です。感触が嫌な場合は、無理強いしなくて大丈夫。こちらもママが見本を見せたり、ベタベタしないメニューを取り入れることからスタートしてみてください。 赤ちゃんが手づかみ食べで学ぶこと指でつまむ、手でつかむこと大人が何気なくしている、指でつまむ・手でつかむということは赤ちゃんにとって難しいこと。つまんだ食べ物を口に運ぶこともとっても難しいことです。 食材の硬さの違いたとえば、豆腐とにんじんだったら、同じ大きさに切っても感触が違いますよね。にんじんと同じ強さで豆腐をつまんだらつぶれてしまう。逆に豆腐と同じ強さでにんじんをつまんだら落としてしまうかもしれません。そんな一つひとつの食材の感触を、赤ちゃんは感じながら手づかみをしているのです。 自分でごはんを食べる楽しさ手づかみ食べで学ぶことで、私が最も大切だと思うことは「自分でごはんを食べる楽しさ」ですね。自分で食べると食への意欲が増しますし、食に興味を持つようになります。 手づかみ食べをしっかりしてきた子は、その後のスプーンやお箸もスムーズに進んでいきます。しかし手づかみ食べが始まると、テーブル周りが汚れたり、メニューを考えたりすることにママも頭を悩ませるかもしれません。無理はせず、取り組めるときにしてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年09月03日こんにちは、離乳食インストラクターの中田 馨です。1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)も後半になり、そろそろ幼児食に差しかかるママからこんな質問を受けたことがあります。「幼児食ってどんな食事のことを言うの?」「毎食、子どもが飽きない食事を作るにはどうすればいいの?」今日はそんなママの疑問に答えます! 幼児食とはいつの時期のこと?幼児食というのは、その名のとおり「幼児が食べる食事」です。 「幼児」とひとことで言っても幅が広く、目安は1歳6カ月~5歳児まで。つまり離乳食が終わってから、小学校に上がるまでの期間です。幼児食は離乳食の延長線上の食事。これまで離乳食を食べていた赤ちゃんです。離乳食が終わったからと言って、いきなり大人と同じ食事を食べるわけではありません。 なぜ、大人の食事と分けて考えるの?子どもの内臓機能や身体機能はまだ未発達です。大人の食事は味が濃かったり、噛みちぎりにくい食べ物ものもあります。なので、子どもの発達に合わせた食事を引き続き与えたほうがいいのです。 幼児食に移行するタイミング離乳食から幼児食に移行するタイミングは、月齢でいうと1歳6カ月ごろが目安。形のある食べ物を噛んで飲み込んでいることがポイント。幼児食になったからと言って急に味付けや調理方法を変えるのではなく、離乳食を少しずつ少しずつ段階を上げていくと思ってください。 飽きない幼児食づくりの方法・大人と同じ献立でOK子ども用に特別作るのではなく、大人のメニューを取り分けたものでOK。味付けは1/2くらいを目安にしましょう。 ・彩りを意識する「赤白黄緑黒」この5色を意識して食材を組み合わせてみてください。彩り豊かになりますよ 。盛り付けを意識するときには、かわいく盛り付けるのもいいですね。凝ったことをしなくてもOK。星形の型でにんじんをくりぬいて添えるだけでもかわいいですよ。 ・いろいろな食材にチャレンジしてみる私もそうですが、いつも買う食材って似通ってしまいます。でも、お店を見渡してみると、食材はさまざまあります。子どもも大人もいろいろな食材にチャレンジして楽しんでみるのもいいですね。 食事づくりは毎日続くものです。ストレスにならない程度に肩の力を抜きつつ取り組んでみてくださいね! 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年07月23日男女平等の意識が高まった影響もあり、料理好きな男性が増えてききました。でも、「やっぱり料理は苦手……」という父親もいます。そういう父親の場合、いくらその重要性は知っていたとしても、「食育」についてはどうしても母親に任せがちになってしまいます。それでも、料理が苦手な父親にもできることがあるようです。アドバイスをしてくれたのは、食育、家族社会学を専門とするお茶の水女子大学生活科学部非常勤講師の松島悦子先生。食育に父親がかかわることの重要性、かかわり方を教えてくれました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)父親は自分ならではの料理を!母親の料理とのすみわけが大切料理に限らず、父親が子育てに積極的にかかわることは、子どもの成長にたくさんの好影響を与えます。というのも、子どもというのは接する大人からあらゆるものを吸収するので、接する大人は多ければ多いほどいいからです。どんなに「似た者夫婦」といわれても、父親と母親では人格も子どもとの接し方もちがいます。父親が子育てに積極的にかかわれば、子どもにとっては学ぶべきサンプルがひとり(母親)からふたりに倍増するわけですから、コミュニケーション能力が高まったり、人間関係をうまく築けるようになったりと、いくつものメリットを得られるのです。もちろん、調理に父親がかかわることも子どもに好影響を与えます。とくに男の子は、父親を真似たがって父親をモデルにして成長しますから、その傾向が顕著。ですから、父親が楽しそうに料理をつくっていれば、真似をしたがって楽しく料理をするようになります。両親ともに料理することが好きな家庭などでは、調理方法によって父親と母親のつくる料理の分野が決まっているという場合もあるでしょう。揚げ物は父親の得意分野という家庭だと、中学生くらいの男の子でも父親と同じように揚げ物をするというケースも見られます。わたしは、この父親と母親でつくる料理のすみわけをすることは、円満な家庭を築くうえでとてもいいことだと考えています。父親が料理をするときに母親と似たようなものをつくってしまっては、子どももつい比べてしまいますよね?でも、父親が「○○の素を使ったチャーハン」や「秘密の隠し味を入れたカレー」など、たとえ簡単な料理でも母親とはちがうタイプの料理をつくれば、子どもからすれば「お母さんの料理も美味しいけど、お父さんの料理もまたちがって美味しい」と、どちらも尊敬することになるのです。父親が調理に参加すれば食卓が楽しくなるまた、これは父親に限ったことではありませんが、好き嫌いも親に似る傾向にあります。親に好き嫌いがなければ、好き嫌いがある場合に比べて食卓に並ぶ料理や食材のバリエーションが豊かになる。すると、子どもは幼い頃からたくさんの味に親しむことになりますから、嫌いなものが限りなく少なくなるのです。もちろん逆に嫌いなものを親自身がずっと避けていると、子どもだってその食べものを嫌いになる確率は高くなります。ここで大切にしてほしいのは、食事をしている際の親の態度です。親が「美味しい!」といいながら食べているものは、子どもには美味しく見えますし、美味しく感じられるからです。また、そもそも好き嫌いというものは、なにか嫌な思い出を伴ってできてしまうことも多いものです。親からひどく叱られたときに食卓に並んでいたものがいまでも苦手だという人もいるのではないでしょうか。でも、お父さんもお母さんも食卓で楽しそうにしていて、なんでも「美味しい!」と食べていれば、食卓での嫌な思い出ともに好き嫌いを子どもに植えつけてしまうこともないはずです。「食卓を楽しくする」ため、父親はなんでも「美味しい!」と食べるだけでなく、調理に参加することも大切です。母親だけに調理を押しつけてしまうと母親の負担ばかりが増します。そうすると、お母さんは子どもの前でもついため息をついたり不機嫌になってしまったりするかもしれない。そんな食卓が子どもにとって楽しいわけがありませんよね?母親の肉体的、精神的な負担を軽減し、食卓を楽しくするために世のお父さんにはもっともっと積極的に日々の調理にかかわってほしいのです。料理が苦手な父親にもできる「食育」ですが、まったく調理経験がない父親がいきなり調理にかかわることは難しいでしょう。もちろんそこで無理をする必要はありません。調理というかたちではなくても、子どもの食育にかかわることはできます。子どもの好き嫌いをつくらないということとは別の意味でも、まずはなによりも、食卓を楽しくするということを意識してください。料理をしてくれたお母さんに対して、「ありがとう」と感謝とねぎらいの言葉をかけて、「美味しい!」といいながら料理を食べるのです。その姿を子どもはしっかり見て真似するようになります。また、食卓で話題を提供するということもできますよね。お母さんに「これはどうやってつくったの?」と質問すれば、子どもは調理法にも興味を持つようになるでしょう。また、子どもの知識を引き出すということもできます。小学生になれば子どもたちは学校で毎日学んでいますから、大人なら忘れてしまったようなことも知っていたり、現在進行形で勉強している子どものほうが最新の知識や正確な情報を持っていたりすることも珍しくありません。栄養のこと、食べものの旬、食の安全、環境といったことについての話をすれば、学校で学んだ知識と実生活が結びつくので、学びがより楽しいものになるはずです。その会話のなかで、わからないことや疑問が出てくれば、食後にインターネットや教科書で一緒に調べてみましょう。そうすることで、子どもの食への意識はぐっと高まります。このように、料理が苦手なお父さんでもできることはたくさんあります。ここで紹介したことは一例ですから、自分の知識や経験を生かして、子どものためにお父さんができる食育をたくさん探してみてください。『白熱教室 食生活を考える』松島悦子 他 著/アイ・ケイコーポレーション(2016)■ お茶の水女子大学生活科学部・松島悦子先生 インタビュー一覧第1回:「食育=食生活の教育」ではない!?常識を超えた、食育の“真のねらい”第2回:「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり第3回:子どもに「調理」をさせるメリット。料理をする子・しない子の“内面”の大きな違い第4回:「父親のかかわり」で食は2倍豊かになる!料理が苦手でもできる食育の方法とは?【プロフィール】松島悦子(まつしま・えつこ)お茶の水女子大学生活科学部非常勤講師。専門は食育、家族社会学、消費者科学。お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。東京ガス都市生活研究所勤務、お茶の水女子大学食育プロジェクト講師、和洋女子大学家政学群准教授を経て現職。著書に『子育て期女性の「共食」と友人関係』(風間書房)、『白熱教室 食生活を考える』(アイ・ケイコーポレーション)、『食物学概論』(光生館)、『消費者科学入門』(光生館)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月20日「食育」への関心が高まるなか、「親元を離れたときに困らないように……」と考えて、子どもを料理教室に通わせている親が増えています。でも、調理経験によって子どもが得るのは、調理の知識や技術だけではない――。そう語るのは、食育、家族社会学を専門とするお茶の水女子大学生活科学部非常勤講師の松島悦子先生。では、松島先生が考える「調理経験によって子どもが得られるもの」とはどんなものでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)料理は子どもの自己肯定感と自己効力感を高める「食育」とひとことでいってもその中身は幅広いもので、「実際に調理をする」ということも含まれます。いま各地で子ども向けの料理教室やイベントが開かれていることを見ても、食育の重要性を親が強く意識していることがうかがえます。また、子ども向けの料理教室やイベントのニーズの高まりの背景にはジェンダーに関する価値観の変化もあるように思います。いまは男女問わずに料理ができる人が尊敬されるようになってきて、古くからある「料理は女性の役割」という偏見がなくなってきました。だからこそ、男の子であれ女の子であれ、子どもに料理を学ばせようとする親が増えているのではないでしょうか。もちろん、調理経験は子どもにさまざまなものをもたらしてくれます。多くの手順がある調理は「小さな成功体験」を積み重ねる作業ですから、自己肯定感を高めることになる。そして、「目標を達成できる!」という「自己効力感」も高めることになります。以前、わたしが中高生を対象に行った調査では、「普段、料理をする」という子どもは、料理をしない子どもに比べてチャレンジ精神や達成感、工夫する楽しさ、人に食べてもらうよろこび、褒められるよろこびなどを強く感じていて、自分の性格を肯定的にとらえるだけでなく、将来の夢を持つといった生きるうえでの積極性が強いことがわかりました。日本人の子どもたちは、外国の子どもたちと比べ自己肯定感が顕著に低いことが問題とされています。でも、料理をして小さな成功体験を積めば、自己肯定感と自己効力感を高められると推測できるのです。調理は成功体験を積み重ねるプロセスそれから、調理経験が子どもにもたらすもっとも重要なものとしては、問題解決能力が挙げられます。変動が激しいこれからの時代は、さまざまな問題が次々に立ち現れるでしょう。いままでのように知識と技能を習得するだけでは、それらの問題を乗り越えることはなかなか難しいはずです。そこで求められるものこそ、問題解決能力です。その力は、実際に問題を解決して成功体験を重ねることで得られます。調理というのは、わずかな時間でその一連のプロセスを完結できる素晴らしいものなのです。どんな料理をつくるかという課題を決めて、レシピや調理の手順という計画を立てる。その計画を実行してつくった料理を食べれば、美味しかったかどうかという評価、振り返りもできる。仮に失敗や反省すべきことがあれば、それは「次」への課題になります。しかも、その「次」は、それこそ翌日にだって試せるものです。成功体験を重ねるというプロセスを、どんなことよりも手っ取り早く家庭でもできるものが調理なのです。小学生くらいの子どもなら、それこそ目玉焼きをつくるという簡単なものでいいでしょう。子どもが一生懸命に目玉焼きをつくってくれたなら、つくってくれたことを褒めてあげてください。そして、「ありがとう」と感謝し、「美味しい」と褒めて、もし改善すべきところがあれば「今度はこうしようね!」とアドバイスしてあげましょう。目玉焼きのような簡単な料理をつくることであっても、先にお伝えしたプロセスを子どもはしっかり経験することになります。「興味を示したとき」が子どもに料理をさせるチャンス!子どもの発達はそれぞれ個人差がありますから、調理を経験させるべき適正年齢というものはありません。「子どもが調理に興味を示したとき」が、そのチャンスだと思ってほしいのです。料理をしている親の姿をじっと見つめたり、「やらせて」といってきたりする子どももいます。そのタイミングは、早い子どもなら2、3歳くらい。ピークは5歳頃です。もちろん、いくらそのタイミングがきたからといって、調理をするには多少の危険も伴いますから、親が忙しい平日に無理をして調理をさせる必要はありません。週末にでも時間をつくって、親自身がゆったりした気分でいられるときに子どもに調理をさせてみるのがいいでしょう。最初にやらせるのは、本当にちょっとしたもので構いません。調理器具を使ってなにかをかき混ぜるといったことでも、小さな子にはハードルが高いことなのです。最初は手を使ってレタスをちぎるとか、クッキーのうえにレーズンやアーモンドを乗せる、ハンバーグの種をこねるといったことがいいでしょうね。そのときのポイントは、あれやこれやと口出しをしないこと。危ないことをしようとした場合は別ですが、しっかり手順を教えたらあとは極力見守ってほしい。そうでないと、調理への興味を失いかねないからです。小学校に上がる頃になって危険性が理解できるようになったら、包丁やコンロを使った調理にも挑戦させてあげてください。大切なのは、子どもの成長を親がしっかり観察すること。ひとつできるようになったら、次は「ちょっとだけ難しそうなこと」をさせてあげることで、得られる達成感や次へのモチベーションも高まっていくはずです。ただ、そうした調理経験が子どもにもたらす「効果」に親が期待するのもわかりますが、わたしとしては別の視点も持ってほしいと思います。親子で料理をつくるときには、相対するのではなく基本的に横に並びますよね?狩りをして生きていた時代の名残なのでしょう。相対する相手に対しては、人間は本能的に「敵」だとみなします。一方、横に並ぶ相手は「味方」、大事な存在だとみなすのです。つまり、親子が同じ方向を見て並び、おしゃべりをしながら料理をつくることは、親子の絆を深めることになる。きっと、親子の関係をより良くしてくれるはずです。『白熱教室 食生活を考える』松島悦子 他 著/アイ・ケイコーポレーション(2016)■ お茶の水女子大学生活科学部・松島悦子先生 インタビュー一覧第1回:「食育=食生活の教育」ではない!?常識を超えた、食育の“真のねらい”第2回:「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり第3回:子どもに「調理」をさせるメリット。料理をする子・しない子の“内面”の大きな違い第4回:「父親のかかわり」で食は2倍豊かになる!料理が苦手でもできる食育の方法とは?(※近日公開)【プロフィール】松島悦子(まつしま・えつこ)お茶の水女子大学生活科学部非常勤講師。専門は食育、家族社会学、消費者科学。お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。東京ガス都市生活研究所勤務、お茶の水女子大学食育プロジェクト講師、和洋女子大学家政学群准教授を経て現職。著書に『子育て期女性の「共食」と友人関係』(風間書房)、『白熱教室 食生活を考える』(アイ・ケイコーポレーション)、『食物学概論』(光生館)、『消費者科学入門』(光生館)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月19日2005年に食育基本法が制定されたこと、また、教育意識そのものの高まりもあって、子どもを持つ親の「食育」への関心は高まっています。ただ、食育、家族社会学を専門とするお茶の水女子大学生活科学部非常勤講師の松島悦子先生は、その傾向を歓迎しながらも、「懸念している部分もある」と語ります。それは、「孤食」をめぐる問題でした。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもの好き嫌いに表れる食育意識の高まりここ十数年で「食育」への意識はかなり高まったように思うのですが、それは「子どもの好き嫌い」のデータにも表れています。30代、40代といういまの親世代が子どもの頃に嫌われていた食べものというと、ピーマン、セロリ、ナス、アスパラガス、グリーンピース、トマト、シイタケ……などが横並びで挙げられていました。ところが、いま、子どもたちがいちばん苦手としているのは、ニガウリ。いわゆる、ゴーヤだというのです。その嫌われ方は断トツで、ある調査データによれば2番目に嫌われているナスは小学生の9.4%が苦手としているのに対し、ニガウリはなんと27.5%の小学生が苦手としています。なぜこんな変化が起きたのでしょう?沖縄料理ブームによってゴーヤが全国的に浸透したことも理由のひとつとして考えられますが、健康志向が高まるなか、子どもに対して親が積極的にゴーヤを食べさせようとしているのだろうと推測されます。また、給食でも頻繁にゴーヤが出されるようになったということもあるでしょう。なぜゴーヤを子どもに食べさせたいのか?それは、ゴーヤが持つ栄養価の高さや病気の予防効果などにあります。ニガウリは、沖縄の伝統的な野菜のひとつで、ゴーヤチャンプルやてんぷらなどの料理で食されています。果実や種子には、ビタミンCやポリフェノールといった抗酸化物質や各種生理活性物質が多く含まれることから、古くから薬用として糖尿病予防などに用いられてきました。近年の研究では、血糖低下作用や脂質代謝調節作用、抗がん作用、抗炎症作用などの生理作用を有することが次々報告されています。また、特有の苦み成分は、食欲増進効果など、様々な生理作用があるといわれています。食育への意識が高まっている親たちが、健康への期待を込めてゴーヤを子どもに食べさせようとした結果、独特の苦味があるゴーヤが嫌われてしまったようなのです。ゴーヤと同様のことはレバーにもいえます。いまの親世代が子どもの頃と比べて、レバーが苦手という子どもの割合が増えているのです。これもまた、栄養豊富なレバーを親が子どもに食べさせようとした弊害なのでしょう。研究者としては面白く感じられて興味深いことですが、食育に対する関心が高まるなかでの結果としては、皮肉なものです。「孤食」の拡大は時代の流れによる必然?食育への関心が高まることは歓迎すべきことですが、わたしは懸念も抱いています。それは、「孤食」をめぐる問題……。孤食とは、現在はNPO法人食生態学実践フォーラム理事長である足立己幸先生が1983年に出版された『なぜひとりで食べるの 食生活が子どもを変える』(日本放送出版協会)の内容がテレビ放映されたことによって広まった言葉で、文字通り、「ひとりで食べる」食事形態を指すもの。当時は、高度経済成長期を経て、大型冷蔵庫や電子レンジが普及した時代でした。さらに、美味しい冷凍食品がどんどん登場し、お惣菜やお弁当を買ってきて家などで食べる「中食」という選択肢も登場したことで、子どもひとりでも食事ができるようにもなった。加えて、2000年代以降でいえば、共働き世帯が急激に増えたことも孤食の傾向に拍車をかけている要因だと見ることができます。しかも、いまは親も子どももすごく忙しい時代です。働き方改革が推進されているとはいえ、やっぱり長時間労働を強いられている親は多いですし、子どもだって小学校5、6年生になればお弁当持参で塾に通っている。そうなると、家族全員で食事をする機会は必然的に減っていきます。そんな時代にあって、家族がそろって食事をする「共食」に対して、「孤食は良くないものだ」ととらえられがちです。でも、これは時代の流れによる必然のことであり、わたしは「いい、悪い」の問題ではないと思っています。「共食」はその頻度より中身が大切それなのに、食育への意識が高まった結果、子どもに孤食をさせることに対して親が必要以上に罪悪感を抱いたりプレッシャーを感じたりするようになれば、それこそ問題ではありませんか?職業にはさまざまなものがあります。看護師など就業時間が不規則な職業もあるし、夜間に働いている親だっているでしょう。では、そういう親のもとに育ち、孤食をしがちな子どもがみんな健全に育たないかというと、そんなわけはありませんよね。もちろん、家族がそろって食事をする場合には必然的に品数が多くなり栄養面で優れているとか、家族の会話によってコミュニケーション能力が育つといったように共食のメリットはたくさんあります。ただ、共食については、その頻度というより中身が大事なのです。いつも家族全員がそろって食事をしたとしても、誰かがスマホをいじっていれば共食とはいえません。会話がなければ家族関係が良くなることも子どものコミュニケーション能力が育つこともないでしょう。つまり、共食の頻度が減っているいまだからこそ、週末など家族が集まれるときの食事をいかに楽しい場にするかということを意識してほしいのです。先述の足立先生が小学生を相手に行ったグループインタビューで、子どもたちは興味深いことを答えています。子どもたちは、「家族全員で食事をしたいと思っている」「でも、親にはそれをいわない」のだそうです。なぜならば、幼いながらも親が忙しいことをきちんとわかっているからです。その健気な思いを考えれば、家族みんなで食事ができる限られた時間こそスペシャルなものにしてあげてほしいですね。『白熱教室 食生活を考える』松島悦子 他 著/アイ・ケイコーポレーション(2016)■ お茶の水女子大学生活科学部・松島悦子先生 インタビュー一覧第1回:「食育=食生活の教育」ではない!?常識を超えた、食育の“真のねらい”第2回:「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり第3回:子どもに「調理」をさせるメリット。料理をする子・しない子の“内面”の大きな違い(※近日公開)第4回:「父親のかかわり」で食は2倍豊かになる!料理が苦手でもできる食育の方法とは?(※近日公開)【プロフィール】松島悦子(まつしま・えつこ)お茶の水女子大学生活科学部非常勤講師。専門は食育、家族社会学、消費者科学。お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。東京ガス都市生活研究所勤務、お茶の水女子大学食育プロジェクト講師、和洋女子大学家政学群准教授を経て現職。著書に『子育て期女性の「共食」と友人関係』(風間書房)、『白熱教室 食生活を考える』(アイ・ケイコーポレーション)、『食物学概論』(光生館)、『消費者科学入門』(光生館)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月18日我が子には健康に育ってほしい――。子を持つ親であれば誰もがそう願います。その観点からも、普段の食事の栄養面に気を配り、子どもの「食育」に対しての関心が高い人も増えています。しかし、食育の意味をぼんやりとはイメージできても、本来はどういったものを指すのかを知っている人は少ないかもしれません。食育、家族社会学を専門とするお茶の水女子大学生活科学部非常勤講師の松島悦子先生に、食育の定義や意義を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)人間は食を通じて多くのことを学んでいく「食育」という言葉もいまではかなり一般的になりましたから、多くの人が聞いたことがあるでしょうね。その定義は、2005年に制定された食育基本法の前文に書かれた次の内容になるでしょうか。表現は固いのですが、食育とは「生きるうえでの基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけるとともに、さまざまな経験を通じて『食』に関する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること」となります。したがって、食育は、心身の健康を維持増進するための食習慣を身につけ、食の管理能力を育てることを目標としているといえます。この定義でもそうですが、「食育」という言葉からも、食育とはどうしても食生活に限定された教育と思われがちです。食育で学ぶものというと、栄養や食品の知識、調理の技術といったものをイメージしますよね?もちろんそれらも食育の基本ですから、身につけることはとても大切です。ただ、食育はそこにとどまらないものだとわたしは考えています。というのも、人間は食を通じて本当にたくさんのものを学ぶことができるからです。ひとつ例を挙げるなら、親や友だちなどと食卓を囲めば、子どものコミュニケーション能力が伸びることは容易に想像できるでしょう。日本では現在進行形で外国人労働者がどんどん増えています。いまの子どもたちは、たとえ海外に行かなくても、価値観や文化がちがうたくさんの外国人と接していくことになる。そして、彼ら外国人とうまく共生して人間関係をきちんと築いていくために欠かせないものといえば、やっぱりコミュニケーション能力ですよね。コミュニケーション能力を磨けば、多様な人々と円滑な人間関係をつくったり、互いに譲り合って調和を図る協調性といった大切な能力を身につけたりすることにもつながります。そのように、これからの時代に必要とされるさまざまな力を食がもたらしてくれるのです。わたし自身は、食育とは「食を通じた人間教育」だと考えています。食を大切にすることは人生を豊かにすることもちろん、さまざまな力を身につけるという点以外でも、子どもにとって食育は大切なものです。たとえば、生活リズムを身につけることも食育の大きな目標のひとつです。食習慣はそれこそ離乳期から徐々に形成されていきますから、きちんと食事の時間を決めることできちんとした生活リズムを身につけることができます。また、食を大切にすることは、人生を豊かにすることにもつながります。たとえば、幼児期になると、自我が芽生えてなんでも自分でやりたがるときがきます。食べ物をスティック状にするなど子どもが自分の手で持って食べる楽しい経験を存分にさせてみる。一緒に食卓を囲んだ大人が子どもに話しかけながら、美味しそうに食事を食べる。そういった食卓での経験は、その子どもの人生における食への意識や態度に表れるようになります。食事が「楽しいもの」だと思えれば、それだけ人生は豊かになりますよね。では、逆にそういう経験がなかったとしたら、子どもはどんな大人に育つか想像してみてください。食事に対しての関心が薄く、食事が楽しいものだと思えなかったら、やっぱり人生のなかのひとつの大きな楽しみを自ら手放すことになるのではないでしょうか。1日に3回の食事が楽しいと思える人なら、長い人生のうちに何万回もの楽しみを味わえます。でも、それがまったくないとしたら……その人生はちょっぴり寂しいですよね。毎日の食事中の会話で行う食育また、食育と聞いて多くの人がイメージするのが、食品や栄養などの知識を得ることでしょう。もちろん、そのポイントも食育の重要な側面です。将来、親元を離れたときに、自炊は苦手だったとしてもより体にいい食事を選べることは大切です。それこそ、現在はさまざまな冷凍食品の他、「中食」と呼ばれるお弁当やお惣菜など、なにを食べるかという選択肢がどんどん広がっている時代ですから、きちんと知識さえ身につけておけば自ら調理することなく自分の健康を考えた食事を組み立てることができるのです。そういった教育は、なにも学校の家庭科の授業でしかできないものではありません。むしろ、家庭での普段の食事でこそ、子どもに学ばせることができるはずです。食事中には、積極的に食べ物に関する話をしてあげましょう。幼い子どもに対してなら、炭水化物だとかビタミンといった専門用語を使う必要はありません。「色の濃い野菜を食べると元気が出るよ」とか、「お肉を食べてパワーアップしよう!」といった栄養のことや、食文化、調理法、季節の食材などの話をしてみてください。もちろん、そのようにして親子でコミュニケーションが取れれば、家族の関係をより良くすることにもなります。せっかく目の前に料理という素晴らしい会話の題材があるわけですから、それを話の種にして家族の絆を深めていきましょう。それが子どもの食育にもつながれば一石二鳥だと思うのです。『白熱教室 食生活を考える』松島悦子 他 著/アイ・ケイコーポレーション(2016)■ お茶の水女子大学生活科学部・松島悦子先生 インタビュー一覧第1回:「食育=食生活の教育」ではない!?常識を超えた、食育の“真のねらい”第2回:「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり(※近日公開)第3回:子どもに「調理」をさせるメリット。料理をする子・しない子の“内面”の大きな違い(※近日公開)第4回:「父親のかかわり」で食は2倍豊かになる!料理が苦手でもできる食育の方法とは?(※近日公開)【プロフィール】松島悦子(まつしま・えつこ)お茶の水女子大学生活科学部非常勤講師。専門は食育、家族社会学、消費者科学。お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。東京ガス都市生活研究所勤務、お茶の水女子大学食育プロジェクト講師、和洋女子大学家政学群准教授を経て現職。著書に『子育て期女性の「共食」と友人関係』(風間書房)、『白熱教室 食生活を考える』(アイ・ケイコーポレーション)、『食物学概論』(光生館)、『消費者科学入門』(光生館)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年06月17日こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。5~6カ月ごろ(離乳食初期)・7~8カ月ごろ(離乳食中期)は赤ちゃんの生活リズムに合わせて離乳食を食べることが多かったと思いますが、3回食になる9~11カ月ごろ(離乳食後期)からは、少しずつ家族の食事と同じ時間に離乳食を食べることをおすすめします。 赤ちゃんの離乳食と家族の食事時間を一緒にすることでメリットがたくさんあるからです! 今日はその4つのポイントをお話ししますね。 大人と一緒の時間に食事をする4つのメリット家族と一緒に食事をすることで、赤ちゃんの食欲や意欲を増進させてくれます。 1.食に興味を持つ家族の食べているメニューはどんなんだろう? どんな香りがするんだろう? どんな雰囲気で食べているんだろう? 赤ちゃんは五感を働かせながら、赤ちゃんは食に興味を持ちます。 2.食べることの楽しさを味わう誰と一緒に会話をしながら食べると大人も楽しいですよね。赤ちゃんも一緒です。家族と一緒に食べることでいつもの離乳食がさらにおいしく感じることができます。 3.苦手な食材に興味を持つ赤ちゃんに苦手な食材があったとしても、家族がおいしそうに食べている姿を食卓で見せ続けていることで、その食材に興味を持つことがあります。わが家の子どもたちは、それでいろいろな食材が食べられるようになりましたよ。 4.スプーンやお箸に興味を持つ9~11カ月ごろ(離乳食後期)、徐々に手づかみ食べが始まります。赤ちゃんは手づかみ食べをしながら、1歳に近づくにつれてスプーンに興味を持ち始めます。そして、自分も持てるようになるとうれしくて仕方ありません。 パパやママがスプーンやお箸をどう使っているのか? 赤ちゃんは観察して、興味を持っていますよ。 大人のごはんをほしがったら?家族と一緒に食べ始めることで、赤ちゃんが離乳食ではなく家族のごはんを食べたがることがあります。でも、まだ赤ちゃんには食べさせたくないメニューがありますよね。そんなときは、赤ちゃんに食べられないことを伝え、代わりのものを用意します。 とは言っても、赤ちゃんがそれで納得してくれればいいですが、毎回そうはいきません。そんなときは次のことをしてみてください。 ・だしや湯ざましで薄めて食べさせる・赤ちゃんが食べられる部分だけ与える・赤ちゃんが食べられないものは食卓からなくす たとえば、大人のメニューからの取り分け離乳食なら、見た目が同じで味が薄めのものを与えることができます。取り分け離乳食も活用してみてくださいね。 生活リズムは各家庭によってさまざまです。赤ちゃんといっしょに食べる時間がなかなか取れない場合は、まずは休日から取り入れてみるなど、無理のないようにしてくださいね。赤ちゃんと一緒に食べることで、家族の食卓が楽しくなるといいなと思います。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年05月04日料理をしていて、子どもが「お手伝いをしたい!」と言ってきたら、どう対応していますか?子どもが関わると余計に時間がかかったり、散らかったり…面倒に感じることも。でも保育の現場で働いていた筆者の経験から言うと、料理のお手伝いは子どもを成長させます!そこで、今回は子どもの成長する点と、年齢ごとのお手伝いの内容を紹介します。料理のお手伝いで育つことは、こんなにたくさん!まず、自分が食べるものを作るのを手伝うことで、食への感心が高まります。特に子どもが苦手意識の強い緑の野菜や初めて口にするものもお手伝いで触ったことがあると、親しみをもつことができるのでオススメです。「自分で作ったものだから、一口味見してみようかな?」と食べることもあり、少しずつ、好き嫌いが減ることが期待できます。また、料理をして「難しい」と感じた場合には、作る人がどれだけの想いで作っているのか知るきっかけになります。「残さないようにしよう」という意識も芽生えます。もちろん、料理ならではの手先の使い方が必要なため、器用になる効果も期待できます。火や刃物の怖さも知ることができます。またお手伝いしたことや、完成した料理をほめられることで、人の役に立つ喜びを知り、自己肯定感も育ちます。何歳から、何させる?わが家でやらせてきたことわが家では成長に合わせて、このようなお手伝いをお願いしてきました。2歳頃野菜を洗う、トマトのヘタ取り、玉ねぎの皮むき(上部は大人が切る)、食材を混ぜる3歳頃大人が計った調味料を入れる、クッキーやハンバーグやつくねなどを丸める、レタスなどをちぎる、カラトリーを並べる、こぼれない物を運ぶ、米を研ぐ(水を捨てるのは大人)、大根をすりおろす(大人が持ちやすい形に切る)4、5歳頃大さじや小さじですくって調味料を入れる、ウィンナーやバナナなど柔らかいものをナイフで切る、ピーラーでの皮むき、ご飯をよそう、サラダなどの盛り付けをする、卵を割る、ゆで卵の殻を剥く、餃子作り、お皿洗いをする6歳頃安定した食材を包丁で切る、汁物を運ぶ、フライパンで炒める、米を研いで水を計量する書き出してみると、小さな子でもできることはたくさんありますね。個人差はあるので、子どもの様子を見てできそうなことから、ぜひ教えてみてください。料理に興味がないときにはママとしては一緒に料理をしたいけれど、子どもは興味がない。そんな時は子ども専用の包丁やエプロンを用意してみてください。「自分だけのもの」を使える嬉しさで挑戦したくなるはずです。100円ショップで気軽にそろえてもいいですし、いろいろなキャラクターのものも売っています。またピーラーやおろし金などの「ママの道具」を使えることも、ワクワク感をもてると思います。余裕があるときに、特別な遊びとして誘ってみる忙しい料理の支度の中で、毎回子どもにお手伝いをさせるのは大変なこと。筆者は基本的には自分ひとりで料理をし、余裕のある時にだけ「今日は○○のお手伝い、やってもいいよ~」と子どもたちを誘っています。特別な遊びのような位置づけになっていることがよい効果を生んでいると感じています。子どもが失敗してもよし!多少散らかっても、時間がかかってもよし!そんな心構えで、頑張りすぎずに親も子も楽しみながら料理ができるといいですね。<文・写真:フリーランス記者nicoai>
2019年04月29日足育アドバイザーの高階貴子さんにお話をうかがい、3回にわたってお送りしてきた「子どもの足育」。最終回となる今回は、座った姿勢で気を付けるべきことや、今からでも遅くないママの足育についてご紹介しましょう。お話をうかがったのは…高階貴子(たかしな・たかこ)さん日本足育プロジェクト協会認定足育アドバイザー。自身の足のトラブルをきっかけに若石リフレクソロジストに。正しい知識で足を守ってほしいと足育講座を開催している。 ・若石リフレ・足育 KICO ・日本足育プロジェクト協会 ■足を育てる「座り方、イスの高さ」――子どもの足育に、座り方は関係しますか?高階貴子さん(以下、高階さん):体幹ができていなくても安定することから、子どもは割座(正座でひざから下を外側に出して座る姿勢)をしがちなのです。しかし、これは足をひねる座り方になってしまうので、上から見たら足がひし形になるように、足裏を合わせた座り方に直してあげましょう。子どもをイスに座らせる場合は、できれば足裏が着く低いものがいいですね。ごはんを食べるときも足がしっかり着いていたほうが姿勢もとれるし、食べやすいのです。テーブルで高いイスを使う場合は、下に台などを置いて足の裏が着く状態にしてあげるといいと思います。足裏を着けたほうが、足の刺激にもなりますし体が安定します。そのほうが、ごはんを食べることに集中できますし、しっかりかめます。学習机も同様で、足裏が床に着いていなかったら台を置くようにしましょう。――ほかに取り入れられることはありますか?高階さん:子どもの足の指をマッサージしてあげるといいですね。指をクルクルしたり、指の付け根を反らせたり曲げたり、指1本1本をさすったりなでたり。子どもの足は柔らかいので強さは必要ありません。足のツメの切り方も気を付けてください。赤ちゃんのときは深爪をしている親御さんが多いですが、指先と同じが少し長いくらいのほうが、指の力を出す、守るにはいいんです。けり出す力をしっかり足に伝えることができますから。また、深爪にすると巻き爪になりやすいという理由もありますね。■妊娠・出産で足も激変! ママにこそ足育が必要な理由――妊娠中や出産後に足のトラブルを抱えるママが多いですが、改善方法はありますか?高階さん:女性の体は妊娠すると、分娩に備え、恥骨を開かせるためにリラキシンという女性ホルモンが出ます。このホルモンは体全体に影響があり、足のじん帯や関節もゆるくなるんです。そのときに、ふだんの体重よりも重い負荷が足にかかってくるため、アーチが崩れてしまうのです。例えば、靴がきつくなって足が大きくなった感じがすると思うのですが、靴をサイズアップするのではなく、逆に広がった足を守るために、靴のひもをしめて形をキープすることが大事です。年を重ねたときのトラブルにもつながりかねないので、足が広がってしまうホルモンが出たときには、足の形が崩れないようにしっかりと足を保護しましょう。妊娠中はおなかが大きいので、ついつい簡単な靴をはきたくなりますが、ひもを結ぶのが難しければ、マジックテープのものや引っ張ると締まるゴムのひもに代えるのもいいでしょう。妊娠中は、体重増加を防ぐためにお医者さんから歩くように言われることも多いと思います。足に合っていない大きめの靴をはいて歩くと足にダメージを受けるかもしれないので、いっそう靴選びには注意が必要です。出産後は、骨盤を元に戻すためにベルトを巻いてくださいと病院や産院から指導されますよね。足も同じように思ってもらえたらいいかと思います。関節やじん帯がゆるんでいる状態から元の体に戻るには、出産後、2年くらいかかるといわれています。その間は足を守り引き締めるという意識をもっていただけるといいでしょう。ママが歩くのがつらかったり足が痛いと、子育てにも影響が出ますよね。子どもと一緒に走ったり遊んだりするのも、自分の足が元気じゃないとできません。自分の足を守ることが、ストレスなく育児に取り組むことにもつながるでしょう。子どもがのびのびと遊んだり、赤ちゃんが思う存分ハイハイできる広い環境を用意するのは、なかなか難しいことです。でも「子どもが遊ぶ空間、時間を確保することが大切。これを意識して習慣にしてください」と高階さん。最初からあれもこれもと欲張ると、長くは続かないものですが、「足育」はできることから少しずつでも大丈夫。家族みんなで楽しく生活に取り入れてみましょう。取材・文/河部紀子
2019年04月23日前回 は、足育アドバイザーの高階貴子さんに、なぜ足育が必要なのかをお聞きしました。足育の柱は、「足を守って(=靴)育てる(=運動)こと」。今回は、どのように足を育てるのかをご紹介したいと思います。お話をうかがったのは…高階貴子(たかしな・たかこ)さん日本足育プロジェクト協会認定足育アドバイザー。自身の足のトラブルをきっかけに若石リフレクソロジストに。正しい知識で足を守ってほしいと足育講座を開催している。 ・若石リフレ・足育 KICO ・日本足育プロジェクト協会 ■ママの抱きクセが赤ちゃんの発育に影響?――足を育てるには、具体的に何をすればいいのでしょうか? まず、赤ちゃん時代にできることを教えてください。高階貴子さん(以下、高階さん):大切なのは、赤ちゃんがずっと同じような姿勢でいないようにすることです。例えば、抱っこひもでずっと抱っこしていたり、ベビーカーやベルトで留めるイスなどに長時間座らせること。ずっと同じ姿勢、窮屈な姿勢になってしまわないように、床に寝かせて自由にバタバタする時間を確保しましょう。また、利き腕側など、クセで片側でばかり抱っこしてしまうママがいますよね。そうすると、赤ちゃんも同じ姿勢が続きますし、ママも片方の骨盤が上がった状態となります。ママの姿勢とリンクして、赤ちゃんにもクセがついてしまうのです。そうした抱っこが続くと、赤ちゃんはハイハイのときに片足ばかりでけるなど、発育にも影響が出ることがあります。バランスよく左右両側で抱っこする、また正面に抱くのがおすすめです。片側での抱っこが長くなってしまったら、おろしたときに赤ちゃんの足の付け根のリンパ部分を軽くさする、足がギュッと曲がって窮屈な姿勢が続いたと思ったら、足を伸ばしてさすってあげるなど、リセット、リラックスの時間をもってあげましょう。■ハイハイをする子、しない子「ケガのリスクも変わる?」――ハイハイ期に入った赤ちゃんはいかがですか?高階さん:ハイハイは歩くための準備なので、たくさんさせてください。スポーツに準備運動が大事なように、ハイハイもすごく大事なのです。最初のズリばい、手と足をついてする四つばい、ひざをつかずに四つ足で歩く高ばいと、ハイハイにも段階があります。しかし、今の赤ちゃんはほとんど高ばいをしないそうです。生活の環境にもよると思いますが、狭いスペースにテーブル、棚など、赤ちゃんがつかまれるものがすぐそばにあると、少しハイハイをしたらつかまって手や腕の力で立てるようになってしまいます。立ち上がって景色が変わるというのは赤ちゃんにとって興味深いので、高ばいをとばして立つ。そして、立てたらつかまり歩きに移行と、十分にハイハイの期間をへない子が多いのです。転んだ時、顔のケガをしたり、歯を折ってしまったりする子どもが多くなっているのは、赤ちゃんの頃のハイハイが少なかったからではないかといわれています。ハイハイは、背筋、腹筋をきたえてまっすぐ立つ力をつける練習になります。転んだときに顔や頭を守る準備でもあるのです。――赤ちゃんの頃に十分にハイハイをしなかった子どもでも、今からできる対策はありますか?高階さん:トンネルくぐりのようにハイハイの姿勢を取る遊びをたくさんするようにしてください。足の指でけりながら雑巾がけをしたり、窓ガラスを拭きながらかかとの上下運動をしたりするのもいいですね。おそうじを足育タイムにしてはいかがでしょうか。■子どもが歩き始めたら「デコボコ、グラグラ」で遊ぼう――歩き始めた子どもはどのような足育をすればいいでしょうか?高階さん:しっかり歩けるようになった2歳くらいからは、足を使って歩く、自由に遊ぶようにしましょう。地域差もあると思いますが、乗り物で移動することが多かったら駅では階段を使おう、いつもバギーに乗っているけど近くのお買物は手をつないで歩いて行こうなど、日常のなかでここは足を使ってみようと意識してみてください。週末にまとめて体を動かすのでも構いません。今週は歩く時間も少なかったし、週末は外遊びの何かを計画しようか、というようなことでいいのではないかと思います。家の中でできる簡単な運動もおすすめです。足でグーチョキパーをしてみたり、タオルの綱引きのように、足指で何かをつかんでみるのもいいと思います。つま先立ちをして両腕を上げる「キリンのポーズ」や、つま先を上げてかかと歩きをする「ペンギンのポーズ」、片足でバランスを取って立つ「フラミンゴのポーズ」などは、遊びながら取り入れられますね。難しくないことから始めてみてください。――立ち方や歩き方で気を付けることはありますか?高階さん:子どもは、こう立ちなさいと言っても立てるものではありません。いい立ち方ができるようになるために足をしっかり作っていくわけです。歩き方も同じですね。平坦ではなくデコボコな道、段差を歩くことをおすすめしています。いつも平らな整備されているところを歩いているようなら、公園の中にあるデコボコした場所や、舗装されていない土のままの場所で歩いたり遊んだりしてください。逆に、足元がフワフワな場所や、足が空中でブラブラしているだけの乗り物などは、足の裏が刺激されないので骨が丈夫にはなりません。そうなると、足のアーチもできないんですね。斜面もいいですね。そういう場所は、足の指を使わないと登れないんです。踏ん張ったりすることで、足指とアーチがしっかり育てられますよ。芝生や土、砂の上を裸足で歩くのも刺激になります。ただし、アスファルトやコンクリートは柔らかい足には刺激が強過ぎるので避けましょう。いつも平らに整備された場所ばかりで遊ぶのではなく、足元が不安定で少しグラグラするくらいの場所で、しっかり踏ん張らないといけない感覚を、安全に留意しながら遊びのなかに取り入れるよう意識してみてください。第2回は、子どもの足育のために、どうすればいいのかをうかがいました。 次回 は、座った姿勢で気を付けるべきことや、今からでも遅くないママの足育についてうかがいます。取材・文/河部紀子
2019年04月22日家庭菜園は採れたての野菜や果物を食べられるだけでなく、子どもと一緒に植物を育てる楽しさも魅力。ですが、初心者だと失敗してしまうことも多いものです。わが家では今まで20種類もの植物の家庭菜園に挑戦してきました。ズボラな育て方で失敗が多かったものの、中には水やりだけでスクスク育った植物も。筆者の経験から超ズボラでも育てられる初心者にオススメの植物を紹介します。栽培に失敗した野菜&果物今までに筆者が栽培したことのある植物はトマト・キュウリ・サツマイモ・ナス・オクラ・ゴーヤ・エンドウ豆・スイカ・イチゴ・シソ、ハーブ類など。芽かきや追肥、受粉、害虫対策といった世話はほとんどせず、1日1~2回の水やりのみ。キュウリは初心者にオススメと聞いたので期待していましたが、水やりのタイミングや量に問題があったようで、2年連続で失敗。同じく簡単に栽培できると聞いたサツマイモもヒョロヒョロでうまく育ちませんでした。シソは栽培して以来、毎年自生しますが、虫食いがひどくて、ほとんど収穫できた試しがありません。初心者にオススメなのは…トマト!ズボラな育て方で失敗ばかりの筆者ですが、トマトの栽培だけは失敗したことがありません。育て方は毎年3~4月ごろに肥料を混ぜた土に苗を植えつけ、あとは水やりを毎朝1回するのみ。茎を支えるために支柱立てをしたり、伸びすぎて邪魔な茎葉を切ったりはしましたが、それ以外の世話はしていません。夏にはおいしいトマトをたくさん収穫でき、暖冬の年には12月ごろまで実をつけました。トマトにはさまざまな品種がありますが、特に品種によって失敗したことはありません。ただ、大玉トマトは小ぶりになりやすいといった経験から、初心者が育てるならミニトマトをオススメします。果物は意外にもイチゴ&ブドウが育てやすい果物を栽培するなら、イチゴとブドウがオススメです。イチゴは寒さに強い特徴があるようで、庭に植えて2年以上経った今でも枯れていません。お店で売られているような立派な実を育てるのはなかなか難しいものの、見た目がかわいくて庭がオシャレに見えるので、栽培して損はないと思います。ブドウは収穫するのが楽しい果物。わが家では庭に柵を立てて育てていますが、コンパクトなプランターでも育てられるようです。ブドウは品種によって収穫までの期間が異なり、早いものだと1年で収穫可能。収穫まで待てない人はなるべく早く収穫できる品種を選ぶといいでしょう。ちなみに、ほかの果物ではスイカにも挑戦したことがありますが、実が大きく育たなかったうえに味も淡白で失敗でした。受粉したり、実が腐らないように対策したりと手間がかかったので、初心者には難しい果物だと思います。ハーブはどれもよく育つ!パセリ・オレガノ・ミント・バジル・ローズマリー・マジョラム・コリアンダーなど、ハーブ類はどれもよく育ちました。小さなプランターで育てられて場所を取らないので、毎年4種類くらいのハーブを同時に育てています。左はバジル、右はマジョラムシリアカというオレガノの仲間のハーブハーブには1年しか花を咲かせない一年草と、同じ株から繰り返し花が咲く多年草がありますが、適当に水やりだけする育て方だとどちらも1年経たずに枯れてしまいます。実際、筆者も何種類かの多年草ハーブを育てましたが、2年以上収穫できた経験がありません。たとえワンシーズンでも、スーパーで買うと高価なハーブを自宅で収穫できるのは嬉しいものです。普段作らないようなハーブ料理を試すきっかけにもなり、料理のレパートリーが広がります。苗は安いものであれば100円以下で購入可能です。家庭菜園は子どもにとっても貴重で楽しい体験になるはず。これから5月ごろまでは、苗の種類が豊富な上に、成長もしやすい時期。簡単なものから挑戦してみてください。<文・写真:フリーランス記者奥汐紀>
2019年04月19日初夏を迎えると、全国各地で田植えが始まります。田植えは農家の一大仕事ですが、最近は、子どもや女性を対象にした体験型の田植えイベントが行なわれることも多くなりました。都心部でビルの屋上庭園に田んぼを作って田植えをできるところもあるようです。家族が力を合わせて1束ずつ手で植えていた田植えは、時代とともに稲作の機械化によって効率的に行われるようになりましたが、この流れに逆らうように手で植える田植え体験に多くの人が関心をもつのはどうしてなのでしょう。そこには、普段の生活ではなかなかできない経験をしてみたいという好奇心をくすぐられる魅力があるのではないでしょうか。自然に触れ合うことが減ってきている子どもたちにとって、田植え体験は好奇心の刺激以外にもさまざまな「学び」をもたらせてくれます。今回は、田植え体験を通して得られる学びについて考えてみましょう。お米ができるプロセスを学び、食べ物を大切にする心を育む「米」という字が八十八という数字を組み合わせて作られているのは、お米ができるまでに88回の手間がかかるという説もあるように、たくさんの手間をかけてお米は作られます。田植えの前には、籾(もみ)を発芽させ田んぼへ植えられるように苗を育てておきますし、水を張った田んぼの土を混ぜて苗が育ちやすいように泥を平に整える「代かき(しろかき)」のような準備が必要です。また、田植えが無事に終わってからも、肥料を与えたり、虫や病気から稲を守ったり、台風の被害を防いだりといった作業が稲刈り前まで続きます。ようやく実りの時期を迎えると、稲刈りを行なって天日稲の束を干し、脱穀してようやく玄米の状態になります。各地で体験型イベントとして企画される田植えは、分けてもらった少量の稲の苗を1束ずつ手でほぐして植えていくという、稲作のごく限られた一場面の体験でしかありません。しかし、このわずかな作業を通して子どもたちが自分の手で植えた苗がすくすく育っていく姿をイメージできれば、私たちが毎日食べているお米を作るのに時間と手間がかかっていることを知るきっかけになるでしょう。江戸時代から続く米農家で、農薬や化学肥料をほとんど使わず米作りを行っている「お米農家やまざき」のホームページでは、5月の「田植えと刺し苗」について以下のように書かれています。我が子には、この命のつながりを感じられるような子どもに育ってほしいものです。(引用元:お米農家やまざき|・できるまで)また、お米ができるプロセスを詳しく知らなくても、春から初夏にかけて田植えをして秋に稲刈りをすることが分かれば、「今朝、食べたごはんはいつどこで作られたお米なのかな」という疑問がわいてくるかもしれません。そうすることで、新米や古米について学ぶ機会にもなりますし、稲作がさかんな地域に関心を寄せるきっかけも生まれます。田植えは、食べ物を大切にする心や作り手へ感謝する「食育」だけでなく、地理や流通について学ぶ「社会」の学習へもつながります。田んぼは巨大な泥んこ広場!水辺の生き物に出会うチャンス代かきをして田植えをするばかりの状態になった田んぼは、子どもたちにとって巨大な泥んこ広場でもあります。つまさきに感じる冷たい水、直後に足の裏で感じる泥、田んぼに踏み入れた足が沈み込むと思わずぐらつく体のバランス――そんな田んぼのなかで子どもたちは苗を植える作業だけでなく、体全体を使って普段の生活では経験することの少ない感触や動きを楽しむことができます。そして田植えの時期にはさまざまな生き物も田んぼで見かけることができます。水面をスイスイ泳ぐアメンボ、泥に潜むタニシやヤゴ、あぜ道の草むらから飛び出すカエルやバッタ、あるいは田んぼの中ではヒルにも遭遇するかもしれません。本や映像で学ぶ自然や生き物とは違い、リアルな生き物の姿を見る機会になりますし、子どもによっては田んぼの周りに棲む生き物たちの生態系に興味をもち、より発展的な学びへつながることもあるかもしれません。泥んこ遊びや生き物探しは、大人は思わず眉をひそめたくなる人もいるかもしれませんが、子どもたちにはこうした遊びが貴重な「学び」になります。「田植え」や「田植え体験」で検索してみよう!田植えの時期は日本各地でズレがあり、早いところでは2月下旬から始まりゴールデンウィーク前後にピークを迎えます。地域によって6月中旬ごろまで田植えを行なっているところもありますよ。【田植え時期(最盛期)の目安】沖縄:3月中旬九州:6月中旬(早生品種は3月下旬)四国:5月下旬~6月中旬(早生品種は4月上旬)中国:5月中旬~6月初旬関西:5月下旬~6月初旬(滋賀は5月初旬)中部:5月中旬~5月下旬(三重は5月初旬)関東:5月初旬~6月中旬(千葉は4月下旬)北陸:5月初旬~5月中旬東北:5月中旬北海道:5月下旬田植え体験イベントは、JAや地方自治体、地域の町おこし団体などが企画していることが多く、シーズン前になるとホームページでイベント告知をしているところもあります。お住まいの近くや旅行先など、希望する地域とともに「田植え」や「田植え体験」などのキーワードで検索すると、6月中旬ごろまでは参加可能なイベントに巡り合えるかもしれません。***田植えは、私たちの主食を支えるお米が育つための初めの大きな一歩です。食べ物を大切にする心を育みながら、自然を体いっぱいに感じることもできる学びの場ですから、多少の泥汚れには目をつぶり、親子で経験してみてはいかがでしょうか。(参考)六本木ヒルズ|春の屋上庭園農林水産省|学ぼう!日本と世界の食べ物主食編お米と「ごはん」宮城県│農業体験学習のすすめ実践事例集JA全農京都│お米ができるまでの稲作カレンダー独立行政法人 国立青少年教育振興機構|稲作体験活動から子どもが学んだことお米農家やまざき|・できるまで山﨑宏・山﨑瑞弥 著(2015),『お米やま家のまんぷくごはん』,主婦と生活社.
2019年04月15日いちごが美味しい季節がやってきました。小さな子ども連れでも楽しめるアウトドアのアクティビティーといったら、いちご狩りがおすすめ!我が家の息子は0歳からいちご狩りに行っています。10月生まれなので、0歳のときはまだ見ているだけ、1歳は1~2個食べさせてあげて、2歳の今年は選んであげたいちごを自分で狩って食べていました。今回は、子連れで楽しいいちご狩りについてご紹介します♪いちご狩り、どこに行く?選ぶポイントは?我が家が行ったのは栃木県にあるアグリタウンという場所。ここを選んだ理由は3つ。1つ目は、3歳まで無料なこと。2歳だと食べる量も少ないので幼児が無料のファームがおすすめです。2つ目は、子どもの手が届く位置で栽培されていること。高設栽培というのがあり、地面よりも高いところでいちごを栽培しています。大人は取りやすいのですが、子どもの手が届くか確認した方がいいです。今回行ったファームは低い位置での栽培でしたが、足元にビニールシートが敷いてあったので靴も汚れにくくなっていました。3つ目は家から100㎞圏内(車で1時間半以内)で行ける場所だということ。移動距離が多いと子どもも疲れてしまうので、日帰りの場合は100㎞圏内がベストです。持ち物は? やっぱり服は汚れるの?まず服装ですが、ビニールハウスの中は暑いので薄着がおすすめ。結論から言うとやっぱり服は汚れます!なので、子どもの服の色はいちごの赤が目立たない色が◎。エプロンをするのもいいと思います。それでも、手も口のまわりも真っ赤に!今回は、子どもをおんぶしたりするため肩にもかけられるバッグを持って行きました。中身はこんな感じ。ハンドタオルはあると便利!子どもの手はもちろんのこと、いちごをあげるのに大人の手も汚れます。濡らして「おしぼり」にすると、ウェットティッシュのようにゴミが出ません。また、エプロンをしてあげてもなぜか汚れてしまうので、着替えは必須です。ほかに、時間がつぶせる絵本・おもちゃ。予約しても待ち時間があることもあるので、子どもが飽きてしまわないように絵本やおもちゃがあるといいです。ファームにもよりますが、いちごが安く購入できるので、購入して持ち帰る場合は保冷バッグ+保冷剤があると鮮度が保てます。プラスチックバッグは、ゴミ入れに。おむつや汚れた靴を拭いたティッシュを持ち帰るのに役に立ちます。最後に、2歳の息子は歩いたり走ったりできますが、受付からいちごのビニールハウスまでは足場が悪く距離もあったりするので、抱っこひもがあると便利。子どもが0歳〜1歳のうちは必須。ベビーカーの場合は、入れるビニールハウスが少ないので事前に確認を。いちご狩りのあとも楽しい、直売所♪大体のファームは、30分で食べ放題がほとんど。30分は短いと感じるかもしれませんが、実際に食べ始めると15分ほどでお腹いっぱいになります。美味しいいちごの見分け方は、へたの近くまで赤く色づいた色つやの良いもの♡じっくり選んでから、もいで食べてくださいね。ジェラートやジャムなどの加工品も楽しめる場所もあります。息子はここのジェラートが大好き!そしてファームの近くには直売所があったりもします。じゃがいもと玉ねぎの詰め放題に挑戦!袋にたくさん入れるのを楽しんでいました。食育にもつながる、いちご狩り毎年いちごの季節には訪れていますが、今回は初めて息子も一緒にいちご狩り。いつも食べているいちごがどんな風になっているのか、どんな花が咲くかを身近で見せてあげられたのがとてもよかったです。フルーツ狩りは食育にもなると実感しました。いちご狩りは、4月もまだまだ楽しめます!家族での思い出づくりに、お腹いっぱいになりに、ぜひ行ってみてください。
2019年03月20日子どもには偏食なくいろいろなものを食べてもらいたいのに、好き嫌いが多くて困っているというママも多いのではないでしょうか。うちの息子も超がつく偏食。野菜はほとんど食べず、見た目で嫌いと判断すると、絶対に口をつけない食わず嫌い。みじん切りにして混ぜれば食べるという話を聞くけれど、ハンバーグや餃子など何が入っているか確認できないものは絶対口にしないという徹底ぶり。通っている幼稚園は給食がなくお弁当なので、食べると分かっているものしか入れていないのですが、来年から小学校で給食生活が始まることを考えると、少しでも食べられるものを増やしたいところ。それなら食育に挑戦してみようと、息子の大嫌いなシイタケを一緒に育ててみることにしました。子どもでも簡単なシイタケ栽培原木から育てるのは難しいシイタケ。でも、最近は自宅で簡単に育てられる菌床の栽培ブロックが販売されており、水やりするだけで収穫することができます。シイタケの菌床。ケースに入れて毎日霧吹きで水をかけるだけなので簡単!今までトマトやイチゴはベランダで育てたことはあったのですが、今回は息子の大嫌いなシイタケ。どうするかな?と思いましたが、トマトやイチゴの苗とは見た目も違う菌床に、興味しんしん。以前からキノコ興味を持っており、図書館でキノコの本を借りてきては熱心に読んでいたので、ここまではもくろみ通りでした。霧吹きで水を吹きかけると、日に日に大きくなり、だいたい5日くらいでシイタケが収穫できました。寒すぎたり暑すぎたりすると育ちが悪いようですが、通常は5日程度でこんな感じに育てたシイタケを食べてみると…息子はうどんが好きなので、さっそくうどんに入れてみることに。自分で育てた責任を感じたのか、しぶしぶ食べてくれたものの、やはり味が苦手なのには変わりがないようで、いまひとつ箸が進みませんでした。パクパク食べてくれるのを想像していただけに期待はずれでしたが、翌日に五目炊き込みご飯に入れてみたところ、少し渋りながら食べはじめ、途中からはあまりシイタケのことなど気にしない様子ですべて平らげました。しかし、しばらくすると、料理法や気分によって食べたり食べなかったり。以前よりは食べるようになったものの、自分で育ててみても苦手なのには変わりはないようでした。その後も相変わらず好き嫌いの多い息子ですが、最近意識が変わったようです。少し前から「死」について関心を持ち、「みんないずれ死ぬ」という事実に戸惑いを覚えている息子。「どうやったら長く生きられる?」と質問してきたので、「好き嫌いせずいろんなものを食べると長く生きられると思うよ」と答えたところ、「長く生きられるかな」とつぶやきながら、自らいろんなものに少しづづチャレンジするようになりました。唐揚げとミニトマトが主食だった1年前が嘘のようです。食育で好き嫌いがスッキリ解決とはいきませんでしたが、魔法のような解決法がないのが育児なのかもしれません。今後も小学校入学までに食べられるものがひとつでも増えるよう、色々なアプローチを続けてみたいと思っています。
2019年01月25日DIYにあこがれるへっぽこ漫画家サワコと図工が大好きな小学校1年生の息子、つくるくんのほぼほぼ実録漫画。ガーデニング、裁縫、料理……と「母と子のなんでもやってみよう なにごとも漫画」です。コンテンツ提供: ベビモフ 電子書籍はこちら
2019年01月01日編集部:学研キッズネット編集部学研キッズネットfor Parentsの記事からわかった、すくすく伸びる子どもたちのために本当に大切なことをふり返る特集第2回は、睡眠と食事、遊びが子どもたちに与える影響についてとりあげていきます。人生は毎日の小さな積み重ね。伸び盛りの子どもたちにとって、1日のもつ意味合いは大人よりも大きく、また周囲にいる大人に左右されがちです。だからこそ日々の小さな習慣や体験を大切にしてあげる必要があります。このページの目次眠りと「自尊感情・自己肯定感」には深いつながりがある!自分の体は自分の食べたものでできている100%やりたいように遊ぶ時間、夢中になる時間がその子の強みを育てる夢中になっている時間と同じくらい大切なのがぼーっとして過ごす時間1.眠りと「自尊感情・自己肯定感」には深いつながりがある!何時に就寝するのか、何時間眠るのかという睡眠サイクルと、ありのままの自分を受け入れるという自己肯定感とは密接なつながりがあり、ひいては子どもの日常生活(落ち着きや情緒の安定性)や学力にも関係してきます。このことは脳の成長の仕方から考えていくとよくわかります。脳は「古い脳(姿勢を保つ、呼吸、睡眠など【からだ】に関する脳)」→「新しい脳(記憶や思考、指先の微細な動きや言語、感情など、いわゆる【脳】)→「前頭葉(人間らしさなど【こころ】の脳)」の順番で発達していくそう。日中活動をする昼行生物である人間は、朝起きて夜暗くなったら寝るのが当たり前で、早寝早起き朝ごはんという生活習慣を身につけることが、この正しい発達のために大切になってきます。睡眠や食事などによって、まずは土台となる「古い脳」をしっかり育てるべきときに、「新しい脳」を育てようと習い事などを詰め込んで睡眠時間を削ってしまっては本末転倒。このあたりのくわしい話を、発達脳科学を研究している成田奈緒子先生の話を交え中曽根陽子さんがわかりやすく教えてくれています。■寝る子は育つ!正しい睡眠の習慣を身につけよう1■寝る子は育つ!正しい睡眠の習慣を身につけよう2「子どもが伸びる家庭の10の習慣」(中曽根陽子さん)「子どもにとっては生活習慣を身につけることがもっとも重要なことであり、とりわけ睡眠の習慣は、小学校時代においてなにより重要だと考えているからです。」生活習慣を崩さなければできないような勉強が必要になることは本末転倒であると陰山英男先生は読者の質問に答えます。■中学受験で深夜まで勉強する娘に夫が怒り「教えて!陰山先生」(陰山英男先生)「物を考えるのに最適な時間は睡眠時である」自身の経験からそう断言するのは宮本哲也先生。脳の意識の領域と無意識の領域を比べると、無意識の領域の方がはるかに大きいのですが、この無意識の領域にアクセスできる時間が眠っている時間です。ここを入り口として「学力差は睡眠時につく」と考える宮本先生の話はこちらです。■子どもの学力差はここでつく!「『賢い子ども』の育て方」(宮本哲也先生)みなさんは眠りに就くとき、どんなことをイメージしながら横になっていますか?入眠するときのイメージトレーニングの大切さを説くのは親野智可等先生で、人生を左右することさえあると言います。このイメージトレーニングは大人のわたしたちがやってみて、自ら経験しつつ、子どもたちにも教えてあげることをすすめます。毎晩布団に入るときに、うれしいこと、楽しいこと、達成したいことを思い描きながら眠りにつくだけ。「一度コツを覚えれば一生の財産」。そこまで言われたら、やってみないわけにはいきませんね!■眠りにつくときのイメージトレーニングで人生が決まる「子どもが伸びる親力」(親野 智可等 先生)↑目次に戻る2.自分の体は自分の食べたものでできている「早寝早起き朝ごはん」という生活習慣が大事であることから、次に取り上げるのは食事。スポーツ栄養アドバイザー・石川三知さんは、「わたしたちの体は自分が食べたものでできているということを意識してほしい」、「自分の体は自分でしか作れない」と言います。石川さんは食べ物が成長期の子どもの体を支える大切な材料になっていること、「かむこと」の大切さ、味覚や食感が子どもの感性を高めることなどをやさしく教えてくれます。石川さんおすすめレシピも手軽なものばかりなので、ぜひ作ってみてください。■スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんに聞くチャレンジできる体のつくりかた第2回「シリーズ専門家にきく!」石川三知さんインタビューより子どもの好き嫌いのなくし方や、子どもにうまく手伝ってもらって食に関心を持ってもらう方法を教えてくれるのが、フードスタイリストのダンノマリコさん。「子どもの好き嫌いに寄り添わず食卓に料理を出し続ける」という考え方も参考になります。■忙しくても、子どもといっしょにごはんを作って食べるコツダンノマリコさんこれからの寒い季節、風邪やインフルエンザの流行に少しでも対抗したいですね!牧野直子先生の風邪対策メニューは、日頃の食事作りを考えるうえでもヒントになります。■寒い冬に負けない!風邪対策メニュー「元気な子どもが育つ毎日のごはん」(牧野直子先生)最近、多いと言われる子どもの「低体温」は、意欲の低下にもつながります。改善には規則正しい生活が大切で、食生活の見直しも大いに役立つはず。牧野先生のレシピをもう1本紹介します。■子どもに急増中!低体温を防ぐ「辛くないチリコンカン」「元気な子どもが育つ毎日のごはん」(牧野直子先生)食事は「何を食べるか」も大切ですが、「誰と食べるか」「どんな雰囲気の中で食べるのか」も同じくらい大切ですよね。家族の生活時間帯が合わずひとりで食事をする子どもや、家事育児を抱えてつかれてしまった保護者のために、居場所を提供する活動をしている人たちもいます。「こども食堂ネットワーク」の事務局長を務める釜池雄高さんは、「子ども食堂」は“「子ども」と「食」を中心にした地域みんなの居場所”だと考えているひとりです。「子ども食堂」とは、子どもがひとりでも食事ができ、地域の人たちが、無料または低額で食事を提供する場を指しています。核家族化が進む現代では、自分のためにも子どものためにも、ときに地域の力を借り、人間関係のネットワークを広げるきっかけにするのも良い方法ではないでしょうか。■いま話題のキーワード「子ども食堂」ってなんだろう?こども食堂ネットワーク事務局長・釜池雄高さんインタビューより大人の健康にとっても食生活は重要な問題ですが、子どもは体が大きく変化する時期であるうえに、自分で食事を選べないという点で保護者の責任は重大だと改めて感じます。眉間にしわを寄せるほど深刻になりすぎず、それでもできるだけ子どもの体に役立つ食べ物を選んで、子どもといっしょに食事の時間をおいしく楽しく過ごしたいものです。↑目次に戻る3.100%やりたいように遊ぶ時間、夢中になる時間がその子の強みを育てる子どもが大好きな「遊び」の時間。でも、子どもが好きな遊びは、大人がハラハラするものばかり。高いところから飛び降りてみたり、火や水を使いたがってみたり、木登りや泥遊び、ひみつ基地なんていうのも好きですね。一方、最近は公園に禁止事項が増えてきました。そんななか、「自分の責任で自由に遊ぶ」ことのできる冒険遊び場プレーパークは「本当にやりたいように遊んでいい」場所です。火を使ってもいい、泥だらけになってもいい、ぼーっとしていたっていい。「自分が100%やりたいようにやるのが『遊び』。大人から見て遊んでいるように見えなくてもいい」と話すのはNPO法人こがねい子ども遊パーク・代表理事の邦永洋子さん。「失敗も含めてすべて自分の手でやってみるという経験の積み重ねが、自分のことを大好きだと思える気持ちや相手を尊重する気持ちにつながると思う」と話してくれました。■自分の責任で自由に遊ぶ、冒険遊び場「プレーパーク」~‟こがねい子ども遊パーク“インタビュー~子どもが「自発的に」「思いっきり遊ぶ」という経験は、創造力や学びの力を育むことにつながると教えてくれるのは中曽根陽子さん。時間を忘れて遊びに熱中しているような状態を体験した子どもの方が、そうでない子どもより学習の効率もあがるし、思いも寄らないような力を発揮することがあるそうです。■よく遊んだ子は賢くなる!?~子どもを伸ばす遊びの力~「子どもを伸ばす10の習慣」(中曽根陽子さん)「何かに没頭できる子は強い」と宮本哲也先生も言います。「子どもが何かに没頭している時間は自分の意志で生命力を磨いている宝の時間なので、どれほど親の趣味とかけ離れていても決して邪魔をしてはいけません」。■没頭力を鍛える「『賢い子ども』の育て方」(宮本哲也先生)「もしかしたらいまの学校でほめられるポイントと、20年後の社会で役立つことは違うんじゃないかって思うんです。いまは、ほめられないなと思うようなことも、ひょっとしたら将来、その子の役に立つことかもしれない。だから、夢中になれる強みを見つけてあげて、伸ばしていくことが大事なのかな」と語るのは株式会社LITALICO(リタリコ)の執行役員CTOの岸田崇志さんです。■多様性を力に変えて 障害のない社会をつくる 株式会社LITALICOインタビュー第4回子どもが意に染まない遊び方をしていると、大人はついつい手出し口出しをしがちです。けれど、こんな時間こそ子どもにとって大切な育ちとなっているのですね。↑目次に戻る4.夢中になっている時間と同じくらい大切なのがぼーっとして過ごす時間子どもがぼーっとしていると、「何してるの?」「〇〇はやったの?」「宿題は終わった?」そんなふうに声をかけてしまったことはありませんか。意外にも、「脳科学の研究で、ぼーっとしている時間のほうが、脳の活動が盛んになるということがわかっています」。「そのときに使っているエネルギーは、意識的に頭を使っているときの20倍にも達する」というのは驚きです。■ぼーっとしている時間に頭は育つ「AI時代を生き抜くために『失敗力』を育てる6つの栄養素」(中曽根陽子さん)もちろん、だからといって、お子さんに「たまにはぼーっとしなさい!」なんて言ってはいけません。わたしたちが親としてできることは、子どもの予定を詰め込み過ぎず「遊び時間やぼうっとする時間を含めて、もっと子どもたちに自由時間を保障してあげ」ること。自由時間に主体的に生きることが、子どもの自己実現力を育てていくのです。■仕事でもプライベートでも、主体的に生きられる人にするには?「子どもが伸びる親力」(親野 智可等先生)↑目次に戻る次回は、土壌ができた上に育まれる、「学び」と「やる気」について深く考えていきます。子どものやる気を引き出すために、保護者にできることとは?次のページ子どもの「学び」には、没頭力と失敗を恐れない気持ちがあればいい学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年12月20日「うちの子、野菜を全然食べなくて困っているのよね…」子どもの好き嫌いを心配するママの悩みはつきません。私自身も幼少の頃を振り返ってみれば、「好き嫌いしないで食べなさい!」と言われて育った昭和世代。そんな中、交換留学生として渡米した高2の夏、ホストファミリーから「嫌いな食べ物はない?」と聞かれて、「グリーンピースが嫌いなの」と答えると、「じゃぁ、グリンピースを出さないようにするね!」と言われて、「えっ!嫌いなものは食べなくてよいの?」と驚いた経験があります。アメリカと日本の好き嫌いの考え方の違いアメリカは人種・文化の多様性に比例して、食も多様です。しかし、その一方でハンバーガーなど単一な味を好む層が多く、野菜はもちろん、見慣れない食べ物には手をつけないというタイプの子どもたちが多いのも事実。でも、好き嫌いをするわが子を見ても、個々の相違を尊重する意識が強いお国柄か、親が怒ることはありません。対する日本では「好き嫌いはダメ」と言う考え方が主流です。その背景には子どもに様々な味を教え、バランスがとれた食生活の大切さを伝えたいという親の思いが垣間見えます。偏食の息子に効果があったのは実はわが家の小3男子も最強の"picky eater"(偏食っ子)。それでも幼児期から比べると食べられるものも段々と増えていきました。私がやってみて「これは効果があった」と思えるプチ好き嫌い克服法を一部ご紹介します。1.観察して子どもの苦手を知る子どもの好き嫌いには何か理由があります。生まれつき味覚や嗅覚が人一倍敏感な子どももいます。息子をじっくりと観察していると、どうも野菜のシャキッとした食感が苦手の様子。そこで、サラダに添えるミニトマトの皮は湯むきする、ハンバーグに入れる玉ねぎはあらかじめ炒めてやわらかくしておくなど、食感が気にならない調理法を取り入れました。2.ソフリット(野菜のみじん切りを炒めたもの)を常備するにんじんや玉ねぎをみじん切りにして炒めた「ソフリット」を常備し、とにかく色々な料理に混ぜ込みました。ぎょうざはもちろん、おやき、たこ焼き、肉だね、粉モノ、混ぜ込むことができる料理であればとにかく混ぜ込む!野菜をそのまま食べさせることが難しい時は、他の食材にも助けてもらいましょう。3.時間が許せば一緒に作ってみるわが家では息子とねんど遊び…ではなく、よくパンをこねていました。カラフルな野菜パウダーやかぼちゃを練りこんだパン生地を用意して、好きなものを作ってもらいます。「忙しくてパン作りなんてしている時間はないわ!」というママはお子さんをキッチンに座らせて、料理をしている過程を見学してもらってもOK。「食」に触れることによって、子どもの好奇心や食べたい意欲もふくらみます。わが家のルールは「どんな食べ物も一口はトライ!」息子を観察していると、好奇心旺盛だということがよく分かったので、好き嫌いが始まった時点で「どんな食べ物も一口はトライ」ルールを作りました。好きだろうが、嫌いだろうが、とりあえず一口トライ。見たことない料理も、食べたことのない食材も、とりあえず一口トライ。結局はこのルールに一番助けられた気がします。しかし、幼少期は本能的に酸味や苦味を危険な味と認識し、食べられないケースもあるので、好き嫌いとのお付き合いはのんびり構えた方がよさそうです。子を思う親の気持ちは万国共通。みなさんもお子さんをじっくりと観察し、親子で楽しみながら食べられるものを少しずつ増やしてあげてくださいね。<文:フリーランスライターhanaco>
2018年12月20日「イギリス食事」で検索すると「まずい」という言葉が続くほど、一般的にイギリスの食文化に対してあまり良いイメージがない人も多いのではないでしょうか。最近では人々の食への関心が高まり、美味しいレストランも増えてきたようですが、子どもたちが普段食べている食事は以前に比べてどのように変化していったのでしょう。今回は、現代のイギリスが抱える食の問題、そして急速に高まる食育への意識について詳しくご紹介します。問題山積だったイギリスの食事情2001年、イギリスで4~18歳の青少年を対象とした「国民栄養調査」が実施され、この年代の深刻な肥満傾向と、野菜や果物の摂取不足が指摘されました。その結果、教育・保健両省の共同事業として「FiS(Food in Schools)計画」が始まったのです。その内容は、「5 A DAY」といって、一日に5品目以上の野菜や果物の摂取を推奨したり、「Growing Schools」と呼ばれる農業体験活動を積極的に行ったりと、食への理解を深める取り組みをすすめるものでした。他にも「クッキング・バス・プログラム(Cooking Bus Program)」では、キッチンを内蔵した「食育バス」がイギリス中の小中学校を訪問し、健康な食生活について学ぶ食育ワークショップを開催しました。また、2010年にスタートした「フルーツフル・スクール」では、学校とオーガニックの果樹園をつなげる活動を行なっています。この取り組みは、「イギリスという風土がいかに果物に満ちているか」をテーマにした食育授業を行うなど、子どもたちにとって果物をより身近に感じてもらうことを目的としています。このように、イギリスでは長きにわたって「子どもたちに食事の大切さ」を教える食育活動を行なってきました。しかしある調査によれば、イギリスの15歳以下の子どものうち約5人に1人が肥満に分類されるという結果も出ています。原因は糖分の過剰摂取、加工食品やジャンクフードの食べ過ぎ、運動不足であり、さらにNHS(イギリスの国民健康保険制度)によると、過去10年間で4歳以下の子どもの虫歯が25%近くも増加しているといいます。地道な食育活動を続けてきたはずなのに、どうして状況が改善されるどころか悪化してしまったのでしょうか?このままイギリスの子どもたちは不健康な食生活を送らなければならないのでしょうか?そこでこの問題の解決に向けて、ある有名シェフが立ち上がったのです。理由は「食べ慣れているから」。ファストフードを選ぶ子どもたち数々のテレビ番組に出演し、ベストセラーのレシピ本を多数出版しているイギリスの若きカリスマシェフ、ジェイミー・オリバー氏は、2005年よりイギリス国内の学校給食改善キャンペーンに取り組み大きな成果をあげています。その発端となったのが、イギリスの給食改善をテーマにしたドキュメンタリー番組『ジェイミーのスクール・ディナー』です。約20年前に学校給食が民間に委託されて以来、質の低下が問題になっていたイギリスの給食。その現状は想像を超えるものでした。食堂で出されるメニューはほとんどがフライドチキンやチキンナゲット、ハンバーガーといったファストフードで、調理師は冷凍食品を袋から出して温めるだけ。家から持参してくる子どももいますが、その中身はジャムサンドイッチ、ポテトチップス、チョコバー……驚きを隠せません。あまりの栄養の偏りに「子ども専用の便秘クリニック」があるほどです。共働きが多いイギリスでは、家での食事も手の込んだ料理より、手軽なファストフードを食べることが多いといいます。そのため、野菜の形や名前すら知らない子どもたちがたくさんいました。そこでジェイミーがヘルシーで美味しい食事を作り、給食として提供したところ、思わぬ展開になったのです。なんと子どもたちは有名シェフが作った手の込んだ料理より、いつも食べているジャンクフードを選びました。ジェイミーの料理を食べさせようとすると拒絶し、中には泣き出してしまう子も。これは「知らないもの」「いつもと違うもの」に対する抵抗感や恐怖心から、「知らないものはまずいもの」と思い込んでしまったためです。そこでジェイミーは、子どもたちにはまず「食の教育」をするべきだと決心します。たとえば、いろいろな食べ物をなるべく身近に感じてもらうため、野菜の着ぐるみを着て子どもたちと交流したり、野菜の名前を当てるゲームを取り入れたりと、さまざまな工夫を凝らして「食べ物」に対する抵抗感を払拭します。また、どのようにして食事が作られるか、その工程を知ってもらうために「調理実習」を取り入れました。さらに調理師たちの意識を変えるため、低価格で栄養価の高いメニューを考案し、子どもたちに美味しく食べてもらうための工夫を伝授しました。子どもたちも調理師たちも、最初は乗り気ではなかったものの、ジェイミーの熱意によって少しずつ食への意識改革が芽生えてきたのです。小さな食育運動がやがて国を動かすことにこの番組は放送後に大きな反響をもたらし、やがて政府を巻き込んで大規模な「食育キャンペーン」へと発展していきます。ジェイミーは学校給食の改善に賛同する署名27万人分を集め、ブレア首相(当時)に改善の措置を約束させ、次のようなことを着実に実行に移していきました。・給食施設の建設費用を予算化する・調理師たちの賃金アップ・給食内容の充実・調理実習の導入また、それまで学校の自動販売機で購入できていたポテトチップスやチョコレートなどの不健康なスナック菓子が禁止されるようになりました。そしてついに2014年には、小学校での食育を義務とすることを政府が発表し、翌2015年にはさらなる給食改革の基準を設けて以下のことを取り決めたのです。・揚げ物の提供回数の制限(週2日まで)・ソフトドリンクの禁止・毎日の献立に最低一種類の野菜かサラダを出す・最低でも3種類の異なる野菜と果物を毎週給食で出す日本の給食では当たり前のようにバランスの良い献立が考えられていますが、当時のイギリスにおいてこのような「給食改革」は非常にセンセーショナルなものでした。この運動が社会全体を動かし、ついにはジャンクフードの広告に関する自主規制を制定するまでに至ったのです。食生活が整うと学力も上がる!このように、ここ数年で急速に「子どもの食育」への意識が高まっているイギリス。ジェイミーが行なった食育改革によって、子どもたちにも目に見える変化が現れました。教師たちからは「生徒たちが落ち着いて勉強するようになった」「喘息の子が吸入器を使わなくなった」といった嬉しい声が続出し、ある大学の研究では、給食を改善した地域の子どもたちの学力が向上したという報告も。生きていくため、そして身体の成長のためには食べなければなりません。しかし、食の知識に乏しく、栄養バランスの整った食事の重要性を誰からも教えてもらえないと、子どもたちは「食べる楽しみ」や「味わう喜び」を知らないまま大人になってしまうでしょう。以前のイギリスの給食は、「食の選択肢がないこと」や「周囲の大人の食への意識が低いこと」が原因で粗末なものにならざるを得ませんでした。子どもにとって「知らないもの」は「怖いもの」であり、本能的に避けてしまいます。まずは、世の中にはこんなにたくさんの食材があり、それぞれに身体に必要な栄養が詰まっていると知ることが大切です。お子さんの好き嫌いで悩んでいる親御さんも多いと思います。そんなときは無理に食べさせるのではなく、スーパーで一緒にその食材を選び、一緒に調理することで、食材自体を身近に感じてもらうといいかもしれませんね。***ジェイミー・オリバー氏はその活動をアメリカ全土にまで広げ、世界中の子どもたちの健康を守り、育むための活動を続けています。そして2010年には『子どもたちに食の教育を』という講演でTED Prize賞を受賞しています。今まであまり注目されることがなかった「イギリスの食」ですが、学校給食に対する問題提起がきっかっけとなり、世界中で食育意識を高めることに貢献したというのは興味深いですね。(参考)国立国会図書館|ISSUE BRIEF NUMBER 450|欧米の食育事情GRWRS~食と農のアカデミー~|フーディーズ・アカデミー|クッキング・バス~イギリス~GRWRS~食と農のアカデミー~|フーディーズ・アカデミー|フルーツフル・スクール~イギリス~veggy ONLINE|Jamie’s Food Revolution イギリス発!ジェイミーオリヴァーの食革命Grassroots 社会を変える草の根活動|カリスマシェフ、ジェイミーオリバーの給食革命
2018年12月16日子どもの成長はめまぐるしいほど早いもので、度々服や靴を買い替える必要があります。「すぐに大きくなるから」「何度も買うともったいないから」と大き目のサイズを買うことも多いのではないでしょうか。しかしサイズの合わない靴を履いたり、正しくない履き方をしたりすることは足のトラブルにつながっていき、さらに背中の歪みや自律神経にも影響を与える可能性があると言われています。最近では、子どもの足の健康をつくる「足育(あしいく)」という活動が広がっています。靴教育は幼少期から行うことが大切です。正しい靴選びから履き方までを知っておきましょう。1. 子どもの足のトラブルは増加している間違った靴選びによる子どもの足のトラブルは年々増加しています。主なトラブルは下記の通りです。(1) 内反小趾(ないはんしょうし)小指が内側に曲がる状態です。内側に曲がることにより外側が踏ん張れなくなりバランスを崩しやすく、転びやすかったり走るのが遅くなったりします。(2) 浮き指立った時に足の指が地面に着かず浮いてしまう状態です。バランスが悪いことから膝の痛みや腰痛につながります。(3) 外反母趾(がいはんぼし)親指が小指側へ曲がる状態です。遺伝も影響しますが、足が安定しない靴により指の付け根のアーチが崩れることが原因です。親指の付け根に痛みを感じたり炎症を起こしたりすることもあります。(4) 偏平足(へんぺいそく)筋肉やじん帯が育たないことで、足の裏全体が床につく状態です。土踏まずが崩れると足の衝撃を受け止めるクッション機能が失われるため足が疲れやすくなり、外反母趾などにもつながります。主なものを挙げましたが、他にもさまざまな足のトラブルがあります。足は体の土台となるので、安定感がなくなることが体の動きに大きな影響を及ぼすと言われています。赤ちゃんの骨はほとんどが軟骨で、幼少期はまだ発達段階です。軟骨が硬い骨にかわり骨格形成が完成するのは11歳くらい、さらに大人の足になるのは18歳くらいです。その成長段階で合わない靴を履くことは、足が靴に合わせて変形してしまうことになります。足と靴がぴったり合った感覚を知り、幼い頃から丁寧に靴を履く習慣を身につけておけば、将来履き方や選び方も変わってくるのです。2. 正しい靴の選び方自分の足に合った靴を選ぶ大切さは分かりましたが、市販の靴はあくまで一般的なサイズの型で作っているためぴったり合うということはほとんどありません。正確なサイズを専門家に測ってもらった上で選び方のポイントをチェックすると限りなくぴったりに近い靴を選ぶことができます。靴選びのポイントを知っておきましょう。(1) ひもかマジックテープの靴を選ぶ締め具合を調節できるので、足にぴったり固定することができます。(2) つま先の広さと高さ靴の中で指が自由に動くよう、つま先には5mm~1cmのゆとりがあるものを選びます。(3) かかとの硬さ足をしっかりと固定できるかかとの靴を選びます。かかとがやわらかいと靴の中でぐらつきを支えられないため、トラブルにつながります。お下がりの靴の場合も要注意で、かかとの芯が潰れていないか、靴底がすり減っていないかを確認しましょう。(4) 靴底の硬さと弾力性靴底は適度な硬さがあり、地面からの衝撃を吸収する適度な弾力があるものを選びます。靴底が硬すぎるものは曲がらないので避けましょう。(5) 指の付け根にそって靴底が曲がる親指と小指を結ぶ線にそって曲がる靴を選びましょう。(6) 通気性のいい素材通気性や吸湿性に優れた素材を選びましょう。さらに中敷きが外せると早く乾燥させることできおすすめです。3. 丁寧に履く習慣を身につけよう靴選びと同じくらい、靴の履き方は大事です。幼少期から正しい靴の履き方・脱ぎ方を習得しておきましょう。(1) 履き方1. 靴に足を入れ、かかとを合わせる。つま先を上げ、かかとをトントンと床について靴と足を合わせます2. 左右を外側から押さえ、足と密着させます3. おさえた状態でテープをしっかりと留めます(2) 脱ぎ方1. 手でテープを外す2. かかとを持ち、靴を脱ぐ3. 次に履きやすいように、テープは外したままにしておく早く出かけたくて靴を履こうとすると、テープをはがさずに足を入れたり、つま先をトントンしたりと雑になりがちです。また、靴のかかとを踏んでいたりテープや靴紐を毎回締め直さなかったりしていると、靴の形状が崩れ姿勢が不安定となり足自体の形にも影響が出てきます。正しい靴選びは、運動能力にも影響すると言われています。かけっこが遅い、よく転ぶなどの悩みのある子どもがぴったり合った靴を履いてからパフォーマンスが上がったケースもたくさんあるそうです。靴のサイズについて、今一度確認してみましょう。小さい子、特に男の子は靴の履き方などを重視せず早く履くことにこだわります。かかとを踏むこともあり、一緒にいる場合は注意できますが、園や学校では目が行き届かずどのように履いているか分かりません。靴を履き始める頃からしっかりとした履き方を定着させておけばよかったと今になって感じます。しかし今からでも改めて、正しく履くことの大切さと正しい履き方を一緒に確認しようと思いました。大人の足になるのは18歳、それまでに早い内から正しく靴を履く習慣を身につけておきましょう。
2018年12月14日既刊『かんたん! おいしい!ジュニアのためのスポーツごはん栄養満点パワーチャージレシピ』(金の星社刊、以降『ジュニアのためのスポーツごはん』)の制作秘話やスポーツ栄養についてお聞きした前編はこちら。インタビュー後編では、多くの親御さんが頭を悩ませる「朝食」についてお聞きします。朝食の重要性は充分理解していても、なかなか状況が改善されない……そんなお悩みを抱えている方は必見です!朝食のお悩みは前日の夜に原因あり!?ここ数年、ずっと問題になっているのが「朝ごはん」についてです。朝が弱い、起きられない、食欲がわかない……といったお悩みが多く寄せられていますが、具体的な解決策はあるのでしょうか?「まず、「なぜ朝ごはんを食べられないのか?」という課題の原因を生活の中から探すことをおすすめします。たとえば、寝る前の行動を思い返してみてください。寝る直前まで、スマートフォンやゲームの画面を見ていないでしょうか。ブルーライトの影響で睡眠が妨げられていて、朝目覚めが良くない、起きられない。また、夜遅い時間に消化に時間がかかる揚げ物や油っぽいメニューのものを食べていないか……などです。このように、前日の夜の行動によって翌朝食欲がない場合もあります。生活スタイルの中で改善点を見つけ出し、変えていけるところを少しずつ変えてみると、いつもより朝食を食べられるかもしれません。そうは言っても、朝起き抜けはなかなか食欲が出ないものです。時間に余裕をもって起きなきゃいけないとはわかっていても、忙しい朝に時間を捻出するのは難しい。ならば、身体を起こすために起き抜けにコップ一杯の冷たい水を飲んでみたり、少し身体を動かしてみたりと、ほんの数分でできることを探してみてはどうでしょう。今よりも朝ごはんを食べられるように、親子でいろいろなことにトライしてみると、新しい発見があるかもしれません。そのうえで、朝食のメニューの食べやすさについて考えてみましょう。「いろいろ食べさせなければ」と①主食、②主菜、③野菜、④果物、⑤牛乳・乳製品の5皿を食欲がないお子さんの前に並べてしまうと、その見た目でさらに食欲が減退してしまう可能性もあります。たとえば、トーストにハムとスライスチーズをのせると、これだけで①主食と②主菜と⑤乳製品がとれますね。そこに冷蔵庫から出すだけのプチトマトと100%果汁ジュースををプラスする。これをワンプレートのお皿にのせると、見た目もすっきりして食べる側も食が進みやすくなります。また、つくる側も後片付けの手間が減りますよね。和食ですと、前日の夜にお味噌汁を多めにつくっておいて、朝沸かして卵を落とす。それに牛乳やフルーツヨーグルトをプラスしてあげれば、立派な朝ごはんになります」つくる方も食べる方も朝ごはんにストレスやプレッシャーを感じずに、もっとシンプルに考えるといいですね。その前に、まずは生活の見直しから始めることが大事ですね。「文部科学省が推進する、子どもたちの正しい生活習慣の定着と健全な成長を目的とした『早寝早起き朝ごはん』運動は弊社も力を入れています。明治の食育セミナー活動が『早寝早起き朝ごはん』運動に貢献した活動として評価され、平成26年度には文部科学大臣表彰を受けました。誰もが大事だとわかっていながらも、生活習慣を変えることはとても難しいと思います。早寝早起き朝ごはんの必要性を理解し、改善しようと思ったときに、最初は高い目標を設定せずに「ここは変えられるかも」という部分を親子で見つけて、継続できることを探す作業をしていくことをおすすめします」「自分で考えて動く」力が子どもの自立につながるどんなに料理が好きな方でも、ときには日々の食事づくりに疲れてしまうこともあるかと思います。そんなとき「これだけを押さえていれば大丈夫」という言葉に救われることもあります。「食事は生活に密着していて、毎日のこと。献立を考えて、つくることを負担に感じるときもあるかと思います。だからこそ気負わずに、手を抜くところを自分で選択することが必要ですし、大切なことだと思います。今は本当にたくさんの情報があふれている時代です。それに振り回されないようにするには、基本的な5大栄養素の働きをしっかりとおさえておく。そして①主食、②主菜、③野菜、④果物、⑤牛乳・乳製品の「なにをプラスするか」ということを考える習慣をつけていくとよいです。5つの食品のうち、なにを加えたらバランスが良くなるかと考えたとき、外食から帰ってきて牛乳を飲む、ヨーグルトを食べる、そのような行動に自然に結びついていきます。献立を考えるとき、ごはんとおかずは優先的に考えることが多いです。また、野菜は「食べなきゃ」という意識が強いのでメニューに取り入れがちです。では、なにが足りないかと考えたとき、果物と乳製品が不足しがちなことに気がつくと思います。お子さんの食生活を見直したとき、果物や乳製品が足りないと思ったら野菜ジュースやヨーグルトなどを買って、冷蔵庫にストックしておきます。不足していたらプラスする。家に置いてあればすぐにプラスできます」足りないものをプラスする。それだけでいいんだ、と考えると肩の力が抜けて毎日の食事づくりもかんばれそうです(笑)。「あとは「全部自分で用意しなきゃ!」と思いつめないようにすることもポイントではないでしょうか。牛乳とかみかんとか、お子さんが自分で用意できる食品がたくさんあります。お子さんが自分で「なにが足りないかな?」と考えて、足りないものがわかったら自分で冷蔵庫に取りに行く。今はスポーツの現場でも「自分で考えて動く」というコーチングが主流になっています。そういう習慣をつけるようにすると、お子さんの自立を促すことにもつながっていきますし、それが習慣になれば、保護者の方にほんの少しの時間的な余裕が生まれるのではないでしょうか」「自分で考えて動く力」を養い自立を促す、これも長い目で見て親ができる子どもへのサポートであると言えますね。「「自分でやったほうが早い」と思って手を出してしまうこともあるかと思います。でもちょっとずつでも子ども自身にやらせることで、大人になったときにしっかりとした生活習慣が身についていくでしょう」明治が考える「食育」とは?書籍『ジュニアのためのスポーツごはん』のエピソードや、スポーツ栄養のお話をたっぷり聞かせていただいたところで、食品企業として明治が考える『食育』についてのお話もお聞きしました!まず、明治の食育に対する考え方・理念とは?「食事は健康づくりの源で、身体だけではなく喜びとか安らぎといった心の豊かさにつながっている、と考えています。明治では、食の大切さ・楽しさと、食のバランス、食の安全安心の3つを柱として食育活動を行っています」子どもが健やかに成長するために、会社としてサポートしたいと思うことをお教えください。「子どもが健やかに成長するために、食を知って楽しむ場所を提供して食生活をサポートしたいと思っています。食の価値や健康の大切さを伝えることで、未来を担う子どもたちが“なりたい自分”のために食品を選ぶ力『食品選択力』を身につけることを目指しています」明治が今とくに重視している栄養は何でしょう?「『ミルクプロテイン』という乳たんぱく質です。現代の日本人はたんぱく質が不足傾向にあります。子どもの成長、またシニアの健康維持のためにもたんぱく質は非常に重要な栄養素です。そのたんぱく質の中でも『ミルクプロテイン』、牛乳に含まれる乳プロテインを明治は推奨しています。詳しくは明治のHPでもご紹介していますので、ご参考になさってください(株式会社 明治|ミルクプロテイン特設ページ)」今回は貴重なお話をどうもありがとうございました!牛乳に含まれるミルクプロテインは生活の中にも取り入れやすそうですね。スポーツを頑張る子どもはもちろん、家族全員の健康を考えたとき、たんぱく質とカルシウムを積極的に摂取することが大事だと思いました。「健康は心の豊かさにつながる」毎日の食事をおいしく楽しくいただくためにも、できることから少しずつ始めていきたいですね。
2018年11月26日近日こどもまなび☆ラボでスタートする連載『ジュニアのためのスポーツごはん』。この連載では、スポーツを頑張る子どもたちを支える親御さんに向けて、シチュエーション別のおすすめメニューをご紹介します。さらに、栄養面でのワンポイントアドバイスをもとに、成長期における食事面でのサポートの重要性をわかりやすく説明していきます。お楽しみに!連載に先立ち、すでに刊行されている書籍『かんたん! おいしい!ジュニアのためのスポーツごはん栄養満点パワーチャージレシピ』(金の星社刊、以降『ジュニアのためのスポーツごはん』)で監修を担当されたお一人である株式会社明治広報部の管理栄養士/公認スポーツ栄養士・高梨麗さんにお話をうかがってきました。この本を作ることになった経緯や制作の裏話、また明治が考える食育とは?盛りだくさんの内容でお届けします!スポーツを頑張る子どもと食事づくりを頑張る親御さんのために子どもが成長するにつれて、スポーツの習い事も本格的になっていきます。幼いころは遊びの延長のような気持ちでスポーツを楽しんでいた子どもたちも、次第に「もっとうまくなりたい!」「パフォーマンスのレベルを上げたい!」と、ライバルや自分自身に打ち勝ちたいという思いが高まっていきます。その姿を見て、親として全力でサポートしてあげたくなるのは当然のことですよね。スポーツを頑張る成長期の子どもたちにとって、親ができるサポートのひとつは栄養バランスが整った食事づくりです。この『ジュニアのためのスポーツごはん』で紹介されているメニューは、どれも栄養満点でおいしそう!それになんといっても簡単!毎日の食事づくりにお悩みの保護者の方が参考にしたくなるメニューばかりです。はじめに、この本ができたきっかけを高梨さんに聞いてみましょう。「出版元の金の星社さんから、「スポーツをしている子どもをサポートする親御さんのために、栄養満点で簡単にできるレシピを本にしたい」というお声がけをいただきました。さまざまな競技のアスリートの栄養サポート活動や、小・中学生への出前授業など、食育活動を広く実施している明治だからこそ、お伝えできることがあると思いご協力させていただきました」この“簡単にできる”というのは非常に重要ですよね(笑)。毎日の食事づくりが負担になってしまわないためにも、手に入りにくい材料や複雑な行程はできるだけ避けたいものです。「できるだけ馴染みのある食材を使い、工程を簡単に、しかも美味しく仕上がるようなレシピであることを心がけています。基本的な考え方は、毎食、①主食、②主菜、③副菜、④果物、⑤牛乳・乳製品、この5つを揃えること。そうすることで、成長やスポーツに必要な栄養素を満遍なくとることができます。加えて、色鮮やかになることも心がけました。色がきれいということは、たくさんの食材を使っているということです。使用している食材が多いとさまざまな栄養が集まって、「色がきれい」=「たくさんの栄養が含まれている」ということにつながります」情報があふれるこの時代、健康や栄養についての知識を簡単に得られるようになった反面、難しく考えすぎて不安になる親御さんも多いように見受けられますね。「実際に保護者の方からお話をうかがうと、みなさん、栄養のことをよく考え、お子さんの食事を作られていると感じます。ときには、頑張りすぎて疲れてしまっているというお話も聞きます。そういうときはもう少し肩の力を抜いて考えても良いのではないかとお伝えします。食事づくりというのは毎日のことですので、難しく、複雑に考えるとつくる側はもちろん、食べる側もそのプレッシャーを感じ取って負担になってしまうことも……。ですので、献立を考えるときに「①〜⑤をとりあえず揃えよう」、「色がいっぱいあったらいいな」と考えると、自然に使う食材も増えて、結果栄養満点に近づいていきます。この本はそんな考え方がベースになっていますので、本を手に取っていただいた方々から、「参考になる」との声をいただきました」子どもの健康や成長を誰よりも心配しているからこそ、親御さんたちは手を抜けずに悩んでしまうものです。だからこそ、まずは気持ちをラクにして、食事づくりを負担に感じないようにするべきですね。「たとえば外食をしたとしても「①〜⑤のうち足りないものがあったかな」と考えて、おやつでその番号を補ったり次の食事で多めに取り入れたりと、家に帰ってから不足した番号をプラスして栄養バランスをとることができます。1食単位で考えることはありません。1日単位、もしくは3日単位でもいいくらい。そのなかでうまくバランスを保つ意識をして、自分で何ができるかを考えることが大事です」スポーツ栄養学のエビデンスをバックボーンにした解説・コラムたくさんの食材を使った色鮮やかなメニューが印象的な『ジュニアのためのスポーツごはん』ですが、他にも気をつけた点などはありますか?「子どもたちの好き嫌いについてリサーチをしました。どういう食材が苦手か、その食材を好きなメニューの中に入れられないか?といったことなどを考え相談しました。また、成長期に必要なカルシウムを多く含む食材を取り入れることも心がけました。牛乳やチーズ、ヨーグルトを使ったメニューも充実しています。以前からみなさまに情報提供させていただいていたメニューを本の中に組み込んだり、現場で選手に提供して好評だったメニューを入れたりもしています。また、“冷凍食品でもOK”“めんつゆを代用してもOK”と、気軽に挑戦できるようなご提案をさせていただいています。市販のお惣菜をプラスするレシピもあります。「できるだけ簡単にしたい」という方もいれば、「やっぱりそこはこだわりたい」という方もいるので、大さじ3杯といった細かい表記をしているものもあります。どちらでも、ご自分に合った方法でレシピを活用していただければと思います」時間があれば手間をかけたい、でもちゃちゃっとつくりたいときもある……そんな親御さんにとってもありがたいですね。またこの本では、メニューに添えてある専門家ならではの解説がとても勉強になります。知っているのと知らないのでは大違い、スーパーで食材を選ぶときにも覚えておいて損はありません。「成長期の発育・発達の面とスポーツ栄養学のエビデンスをバックボーンにして、解説やコラムを書かせていただきています。難しい専門用語ではなく、一般の方にもわかりやすい表現で解説することを心がけました」たとえば試合前のメニューについて、2種類の炭水化物を取り入れたり野菜は少なめでよかったりと、一般的にはあまり知られていない「スポーツ栄養学の常識」が盛り込まれていて新鮮でした。成長期を過ぎたアスリートの方も、このような食事を取り入れているのでしょうか?「そうですね、たとえばJリーグの選手も同様に『試合前食』では炭水化物多めの食事を摂ります。試合の前日の夜から始まり、試合スタートに一番近い食事(お昼にキックオフだったら朝ごはん)にはうどん、もち、パスタ、カステラ、果物などを食べます。これはどの競技でも基本的には同じです。一般的なご家庭でも同じように考えることができます。たとえば明日、小学生が運動会で、中学生のお兄ちゃんは部活の試合があるとします。翌日のパフォーマンスのためにも、前の晩から兄弟ともに炭水化物を多めのメニューを心がけるといいでしょう」プロのアスリートをサポートする明治だからこそ伝えられること野球やサッカー、水泳など、競技によって鍛えたい能力は異なりますよね。持久力、瞬発力、足の筋力、腕の筋力……。意識して取り入れるべき栄養素にもそれぞれ違いがあるのでしょうか?「これは「競技によって」というよりも、「目的に合わせて異なる場合がある」という回答が適していると思います。まず大前提として、どんなスポーツ、どの状況でも、栄養バランスのとれた食事を3食、場合によっては補食をつける、という基本は忘れずに。成長期のお子さんはそれを継続することが大切です。人間は生まれてから2回、急速に発育・発達する時期『発育急進期』があります。第一発育急進期は乳児期・幼児期に、第二発育急進期小学校高学年から中学生くらいまでの期間なのですが、それが終わっていよいよ本格的に体づくりをする段階になり、「筋力を増やしたい」「減量したい」といった目的に応じて栄養素を強化したり減らしたりしていく、という方法をとっていきます。そのため、小学生のうちに「サッカーをやっているから」「野球をやっているから」という理由で強化するべき栄養素はとくにありません。ただし、成長期は骨が一番発育する時期ですので、骨の材料であるたんぱく質とカルシウムは不足しないように気をつけましょう」近年、若いスポーツ選手たちがめざましい躍進を遂げています。科学的な根拠に基づいたトレーニング方法が話題になることも多く、昔に比べて情報や知識が豊富であることがパフォーマンス向上に結びついていますよね。食事面においても、スポーツ栄養学に基づいた食事が何らかの影響を与えているという実感はありますか?「難しいご質問ですね、○○を食べたからといって、シュートがバンバン決まるわけではありませんので。ただ、栄養や食事をトレーニングに見合ったものにすることによって、日々、体調が良い状態で質の高い練習を継続することができ、パフォーマンス向上につながります。日本代表として活躍するような選手のみなさんは、その重要性を理解して、各々、高い意識を持ち実践されています。スポーツ選手が目標を掲げて、そこに向かうための体づくりとして、食事の重要性に気づき、実践し、その取り組みを続けている様子を見ていると、スポーツ栄養学に基づいた食事を摂ることは大切だと感じます。逆に言うと、その意識がなければトップ選手としては残れない。当然ながらトレーニングはみなさん一生懸命されます。トレーニング以外の部分、食事や睡眠といった生活全般に対して、いかに気を遣うことができるか、その差は大きいと感じます」一生懸命スポーツに打ち込む子どもが「もっと強くなりたい!」「もっとうまくなりたい!」と思ったとき、親である私たちは、技術的なことを教えられなくても食事面で大きなサポートができますね。「目標ができ、栄養バランスを考えた食事にしていこうと考えたときに、大切なことは正確な知識をもっているかどうかということです。今はSNSなどの普及で、「この栄養素は○○に効く」などたくさんの栄養・食事にまつわる情報を耳にすることが多いと思います。それが果たして正しい情報なのか判断できないまま取り入れたり、悩んだりすることも出てくるかと思います。そんなときに改めて思い出していただきたいことは、あるひとつの栄養成分だけで、何か効果が出るのではないということです。食事から摂る5大栄養素を日常的に取り入れて、バランスの良い食事①主食、②主菜、③副菜、④果物、⑤牛乳・乳製品を毎食揃えることを心がける。この知識を実践する習慣こそが、元気にスポーツを続けていく、ひいては目標達成のために重要なことなのです」***インタビュー前編では本の制作秘話やスポーツ栄養について詳しくお聞きしました。後編は多くの親御さんがお悩みの「朝食」についてです。子どもが朝食を食べない、朝起きられない……そんなお悩みにズバッとお答えいただきます!
2018年11月25日編集部:学研キッズネット編集部日に日に寒くなり、いよいよみそづくりのシーズン到来!子どもといっしょに、みそを手づくりしてみませんか?11月末くらいからみそづくりシーズンが始まり、1~2月には寒仕込みと呼ばれ、この時期にもっとも多く仕込みが行なわれます。冬に仕込んだみそは、次の秋にはおいしく食べられますよ。「多少手間はかかっても、親子でおいしい香りに包まれながら大豆をつぶし、こうじに塩をまぶすという作業は、なつかしい思い出になりますよ」と話すのは、フードスタイリストのダンノマリコさん。今回は、手づくりみそのつくり方をダンノさんが紹介してくれます。「わたしが、はじめてつくったのは9年前。それ以来、息子に何かしらの作業を手伝ってもらいながら毎年つくり続けています。おみそのつくり方や材料の配合は、その家庭によりそれぞれ違います。ここで紹介するレシピを参考にして、自分のつくりやすい方法や味で、お子さんとオリジナルのおみそをつくってみてください」(ダンノさん)つくるのは難しそう……と思われがちなみそですが、つくり方はいたってシンプル。今年の2月にダンノさんと息子さん(当時小4)のお友だちといっしょにしたみそづくりのようすと、そのみそを使った簡単レシピを紹介します。手づくりの楽しさと発酵の不思議をあわせて体感できるチャンスです!ダンノマリコ(だんのまりこ) フードスタイリスト。本や雑誌などでのスタイリングに限らず、料理も担当する。著書に『保存びんに、季節とおいしさ詰め込んで。―旬の味覚202レシピ』(主婦の友社)、『子どもといっしょにおもてなしと持ちよりレシピ&アイデア150』(共著・朝日新聞出版)など。準備するもの《材料》(できあがり1kg強)大豆(乾燥)200g生こうじ400g(甘さをひかえたい場合は300g)塩70g水大豆の3倍程度アルコール※保存びんを消毒するため(食品用のアルコール、またはアルコール度数が35度以上の焼酎やホワイトリカー)左から、塩、大豆(乾燥)、生こうじ《道具》鍋ボウル保存びん大豆の上に重石となる塩も入れるため、少し大きめで1300mL~1500mLのたて長のものがオススメ。すり鉢すりこぎ厚手のビニル袋ラップまたはオーブンペーパー左から、すり鉢、すりこぎ、みそを入れる保存びん、厚手のビニル袋前日の準備1)ボウルに大豆を入れ、水でさっと洗い、水を切ります。表面の汚れが落ちればいいので、さっと洗って2)豆と合わせて1Lほどの水を入れ、ひと晩おきます。豆が水から出なければOK。左:水につけたばかりの状態。右:ひと晩置いた状態当日の下準備1)大豆が水分を含み、皮のしわがなくなっていることを確認します。左:水につける前の大豆。右:ひと晩水につけた大豆2)1)の豆を鍋に入れ、豆の表面から2cmほど水がかぶるように水の量を調節します。※豆をつけていた水は捨てずに、そのまま使います。豆の表面から2cmほどの水を3)鍋を強火にかけ、沸騰したら吹きこぼれないように気をつけながらアクを取ります。アクは最初に出て来たものだけ取り、すべて取る必要はありません。最初のアクだけ取りましょう4)アクを取ったら弱火にして、ふたをして蒸し煮にします。2時間半から3時間を目安に。指でつぶした豆が、なめらかにのびる程度のやわらかさになればOKです。ひと粒取って、指でつぶして硬さを確認《ポイント》吹きこぼれないように注意する。吹きこぼれそうになったらふたを少しずらす。水が減ってしまった場合は足す。※沸騰したらふたをして110度のオーブンに2~3時間入れておくと吹きこぼれがなく便利です。また、圧力鍋を使えば短い時間でゆで上がります。5)保存びんを洗い、よく水気をふいてから中側とふたの内側をアルコールで消毒します。アルコールをスプレーで吹きかけるか、キッチンペーパーなどに含ませてふきます。使う前に、アルコールで消毒しましょうつくり方1)大きめのボウルにこうじと塩を合わせ、両手のひらでこするように混ぜ合わせて置いておきます。「いい香りがする♪」と、楽しそうにこうじと塩をこすり合わせる子どもたち2)ゆで上がった大豆はザルで水分を切り、温かいうちにつぶします。ゆで汁はあとで使うのでとっておきます。※大豆のつぶし方にはいろいろな方法があります。豆のつぶれ方も粗かったり、なめらかだったりと違いがあるので、自分に合った方法を選びましょう。厚手のビニル袋に入れて、めん棒などを使ってつぶす(ちょっと粗め)ミンサー(肉ひき機)などでミンチ状にする(とてもなめらか)※写真はひき肉用のミンサーすりこぎでつぶす(ちょっと粗め)素手で手のひらを使って、押しつけるようにしてつぶす(ちょっと粗め)3)豆がつぶれたら、大きなボウルやバットの中でこうじと合わせ、まんべんなく混ぜます。全体が合わさるとパサパサと水分がなくなってくるので、2)のゆで汁を少しずつ加え、ひとつにまとめられるくらいの硬さにします。硬すぎると、びんに詰めたときに空気が入りやすくなり、カビの原因になります。パサパサしてきたら、ゆで汁を少しずつ加えて硬さを調整4)直径8cmくらいの丸い玉を5~6個つくり、保存びんに1個ずつ、空気が入らないように注意しながら詰めていく。《ポイント》みそを詰める工程で、「みそ玉を投げる」という方法もありますが、たくさんつくるときでないとあまり効果がないので、今回はこぶしで押すように詰めていきます。団子に丸めて、びんに詰めていきます空気を入れないように、確認しながら慎重に詰めていく子どもたち。真剣です!5)表面を平らにならし、アルコールを含ませたキッチンペーパーなどでびんの内側、ふちをきれいにふき取ります(カビ予防のため)。アルコールで、ていねいにふいていきます。6)ラップやオーブンペーパーなどで、みその表面を覆います。「おみそがおいしくできますように♡」ラップを敷くときもていねいに7)6)の上にビニル袋を広げて入れ、そのビニル袋に塩を入れていきます。びんの口いっぱいまで詰めます。これで、みそに重石をすることと、びんの中の空気を減らしてカビを増やさないという効果があります。塩をビニル袋にどんどん入れて、重石の代わりに。みそができたら、塩は料理で使いましょう8)ビニル袋の口をしっかりと閉じて、ふたをして冷暗所に置きます。みそが熟成されるまで、以下の作業を忘れないようにしましょう。梅雨~夏までは、カビが生えていないか1~2週間おきにチェックする。もしも、カビを見つけたらアルコール消毒したスプーンなどですくい、表面を平らにならし、びんについたみそがあればアルコールを含ませたキッチンペーパーなどでふき、つくり方7)の作業をする。赤い丸で囲っているところがカビ。見つけたらすぐに取り除けば大丈夫梅雨に入る頃から梅雨明けがもっともカビが生えやすい時期なので、気をつけましょう。7月後半になると、気温も上がってくるため発酵が進んできます。なめてみて、自分好みの味になっていたら、冷蔵庫で保管しましょう。もし「味がまだできあがっていないのに、カビがたくさん出てしまう」という場合は、一旦冷蔵庫に入れて、涼しくなってきたら、また冷暗所に戻せば発酵が進みます。みそができあがりました!さて、秋になり楽しみにしていたみそがようやく食べられるようになりました。あの日、子どもたちがそれぞれ持ち帰ったみそも、みそ汁などにしておいしく食べているそうです。みその上の茶色い液体は「たまり」。みその味が凝縮されていて、しょうゆのような味がしますみそを使ったおすすめレシピみそそぼろそぼろは好きな子どもが多いので、つくっておくと何かと便利です。低学年の子にも簡単につくれます。《材料》鶏ひき肉300gみそ大さじ3はちみつ大さじ1《つくり方》鍋にひき肉、みそ、はちみつを合わせてよく混ぜ、ヘラでほぐしながら中火にかける。チリチリと音がしてきたら火を弱め、火が通るまでヘラでほぐしながら炒める。味をみて、塩分が薄い場合は塩で味を整える。水分は最後まで飛ばさず、しっとりと仕上げる。※生の鶏ひき肉に調味料を混ぜておけば、火をとおさなくても2~3日冷蔵庫で保存できます。食べるときに火を通すだけでそぼろになるので、時短ができて便利。※そぼろにして保存しておけば野菜炒めに加えてボリュームアップさせたり、麻婆豆腐にアレンジしたりと使い勝手が良い。鶏そぼろを使ったメニューキャベツともやしのそぼろがけ 《材料4人分》キャベツ2~3枚もやし1/2袋みそそぼろ1/2カップごま油適量《つくり方》キャベツともやしはさっとゆでてザルにあげる。粗熱がとれたら軽く絞って器に盛り、温めたそぼろとごま油少々をかける。みそ汁の素時間がないときでも、これをつくって保存しておけばインスタントではなく、いつものみそ汁が楽しめます。《材料》みそ1/2カップかつおぶし5g乾燥ワカメ大さじ1と1/2ねぎのみじん切り1/3本《つくり方》材料をすべて合わせ混ぜ、保存容器に入れる。※桜エビ、すりごまなど、水分が少ない具材であればお好みの具を足してOK。1週間を目安に使い切る。みそ汁の素をつかったメニュー豆腐のみそ汁 《材料》みそ汁の素大さじ1熱湯150mL豆腐適量《つくり方》みそ汁の素を熱湯少々で溶き、小さめに切った豆腐をお椀に入れ、残りの熱湯150mLほどを注ぎ、みそが溶けるまで豆腐が崩れないように混ぜる。白身魚の唐揚げみそがらめ《材料 4人分》白身魚3切れ塩適量小麦粉適量みそ大さじ3万能ねぎ2本すりごま大さじ1おろしにんにく少々みりん(未就学児なら煮切りみりん)大さじ1~2レタス、せん切り人参など適量揚げ油適量《つくり方》万能ねぎは小口切りにする。ボウルにみそ、すりごま、にんにくを合わせ混ぜ、みりんでなめらかになるまでのばす。これがみそ衣になります。魚は軽く全体に塩をふり、水分が出てきたらペーパータオルでふき取り、3~4等分に切り、小麦粉をまぶす。フライパンに油を底から1cm程度注ぎ、中火にかける。油が熱くなったら魚についた余分な粉をはらい落とし、両面が薄く色づくまで揚げ焼きにする。魚が熱いうちにみそ衣をからめ、野菜とともに皿に盛る。※お好みでレタスに巻いて食べるのもオススメ。大人は豆板醤やコチュジャンつけて巻いて食べても。学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年11月22日専門家・プロ:牧野直子味覚の秋に、ぜひ食べてほしいのが、きのこの炊き込みごはん。きのこ類はたくさんの種類がありますが、「香りまつたけ、味しめじ」というように、それぞれのきのこの香りや風味、食感が違います。そのため、何種類かミックスして使うとよいと言われます。今回は味のよい「しめじ」を選びました。「しめじ」をはじめ、きのこ類は低エネルギーで食物繊維が多いのが特長。食物繊維は野菜だけでは補いきれないので、毎日食べてほしい食材です。手軽にきのこ類をとるには、冷凍しておくのがおすすめ。「しめじ」や「まいたけ」はほぐし、「しいたけ」は薄切りにして、冷凍用保存袋に平たくのばして空気を抜いて、冷凍します。使うときは、必要な分だけ折ってとりだし、みそ汁やスープに加えれば簡単に食べられます。今回のように炊き込みごはんにする場合は、凍ったまま炒めてOKです。もうひとつおすすめしたい秋の味覚は栗。栗は皮をむく作業が大変だという人は、市販されている「むき栗」を使うと便利です。皮つきを使う場合は、栗を45度くらいのぬるま湯に15分ほどつけます。皮が柔らかくなったら、栗のおしり(つやがない方)を実が少し切れる程度切り落とし、包丁か素手で、切り落とした部分から外の鬼皮(硬い皮)をつまむようにはがしていくとらくにむけます。むいた栗は黒く変色しないように水につけましょう。栗もきのこと同様で食物繊維が豊富。そのほか、若返りのビタミンと言われるビタミンEや糖質の代謝を円滑にするビタミンB1、またビタミンCも含まれます。この炊き込みごはんは、炒めた鶏肉のほどよい油脂のおかげで、冷めてもごはんが固くならないので、お弁当にもぴったり!栄養まとめ(きのこ・栗)きのこ類と栗は食物繊維が豊富。低カロリーなきのこで食物繊維を補うよう、毎日食べるのがおすすめ。栗には、若返りのビタミンと言われるビタミンEや糖質の代謝を円滑にするビタミンB1が含まれている。きのこと栗と鶏の炊き込みごはん1人分292kcal 塩分0.8g材料(6人分)米2合だし汁2カップしめじ小1パックむき栗100g鶏もも肉小1枚植物油小さじ1しょうゆ・みりん各大さじ1塩小さじ1/4小ねぎ1本作り方1)米は洗ってざるにあげておく。しめじは、石づきを切り落としてほぐす。鶏もも肉は1cm角に切る。小ねぎは、小口切りにする。2)フライパンに油を熱し、鶏もも肉を炒めて、白っぽくなったら、しめじ、むき栗を加え、さっと炒め、油がまわったら、しょうゆ、みりん、塩を加えて炒める。3)炊飯器に米、だし汁を入れ、1)をまんべんなく広げてのせて炊く。4)全体を混ぜて器に盛り、小ねぎをのせる。牧野直子(まきのなおこ)管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。
2018年11月16日専門家・プロ:牧野直子秋の魚といえば「秋刀魚(さんま)」。出回る時期が限られているので、旬の時季には食べたいもの。新鮮なものなら刺身もよいですね。定番は塩焼きですが、小さい子どもは骨に苦戦してしまいます。骨をとりながら食べる練習も必要ですが、食べやすくして魚料理を食べるハードルを下げることも大切です。今回はさんまを3枚におろしたものを使います。もちろん、身の中央の小骨はしっかりとりましょう。また、魚の生臭さが魚嫌いの理由のひとつなので、下味をつけることで食べやすくします。しょうが汁と少量のにんにくを使うのがポイントです。わが家では、肉でも魚でも竜田揚げにするときは、このレシピの下味に漬けます。下味に漬けた食材の汁気をふけば、冷凍しておくこともできます。揚げるときには、冷蔵庫に移すか、保存袋のまま流水解凍してから使います。さんまは良質なたんぱく質源。そして脂質にはDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)といった不飽和脂肪酸が含まれます。いずれも血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす働きがあります。また、DHAは脳の神経伝達に不可欠な栄養素で、脳の活性化に役立つため、脳の老化抑制はもちろん、子どもの脳の発育、さらには「脳力アップ」を支えます。DHAやEPAは「あじ」や「いわし」「さば」「ぶり」などにも多いので、さんまがない時季は、ほかの青魚で補うようにしましょう。そのほか、さんまにはビタミンB2やB6が豊富です。いずれも口内炎や吹き出物の予防に欠かせません。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDもたくさん含まれています。成長期の子どもはしっかりとってほしい栄養が豊富なさんまを、上手に食卓に取り入れましょう。栄養まとめ(さんま)DHAやEPAが豊富。DHAは脳の神経伝達に不可欠な栄養素で、脳の活性化に役立つ。子どもの脳の発育、さらには「脳力アップ」を支える。質の良いたんぱく質源。口内炎や吹き出物の予防になるビタミンB2やB6、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富。さんまがない時季は「いわし」や「さば」などの青魚で、DHAやEPAを補いましょう。サンマの竜田揚げ1人あたり328kcal 塩分1.0g材料(4人分)さんま大2尾A(しょうゆ大さじ1、酒大さじ1/2、しょうが汁少々、おろしにんにく少々)片栗粉適量さつまいも50g揚げ油適量作り方1)さんまは3枚におろして、中骨をとり、1切れを3等分に切る。Aに20分くらい漬ける。2)スティック状に切ったさつまいも、揚げ油をフライパンに入れてから、火にかけ、カラリと揚げる。(低温から揚げることで、さつまいもによく火が通る)3)2)の揚げ油を170度にし、1)のさんまの汁けをふいて、片栗粉をまぶしてカラリと揚げる。4)3)とさつまいもを盛り合わせる。牧野直子(まきのなおこ)管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。
2018年11月13日トップライター:川筋真貴最終回となる今回は、子どものために家庭でできる、もうひと工夫について聞きます。第4回家庭でできる、+1のアイデア――あまり料理が得意ではない保護者でも、栄養のバランスがとれるようなワザがあれば教えてください。栄養の摂りかたのルールをおぼえると、簡単にメニューを考えられると思います。まず、タンパク質の摂りかたですが、鶏肉だけを食べ続けるような「どれか食べ」は同じアミノ酸組成しかつくれないのでNG。昨日は魚料理だったから今日は肉料理とか、お昼はサバだったから夜はサケというように、種類を変えるだけで摂れるアミノ酸が異なるんですよ。そこに豆腐のみそ汁や納豆などの大豆食品を組み合わせると、動物性と植物性のアミノ酸組成が異なるタンパク質を同時に摂ることができるので、バランスの良い食事になります。――肉や魚の種類を変えるだけでもOKと聞いて、気持ちがラクになりました。ビタミンやミネラルが豊富な野菜の摂りかたは、「植物の形にして食べる」とおぼえてください。根や茎の部分は土から栄養を吸収して、それを運んで支える働きをし、葉の部分は光合成をしているからエネルギー代謝がいい。実の部分は気温の変化や陽射しの強弱など、外側からの変化から種を守る皮と実がある。すべて違う役割があるわけです。この「根と葉と実」の3つが入った食事を心がけましょう。『最新版 身長を伸ばす 栄養とレシピ: 栄養のプロが教える』より――それぞれの部位に、そんな役割があることをはじめて知りました。テストや試合、発表会など、ここ一番というときには、いつもより実の部分を多く食べるとプレッシャーから自分を守ってくれますし、筋肉をつけたり体脂肪を減らしたいときには、葉の部分を多く食べると代謝が上がります。疲れたとき、ゆっくり休みたいときには、根菜の多いスープや煮物で、全身に栄養を届けて体を支えてください。そして、アミノ酸もビタミン、ミネラルも、栄養素はチームで働くということもおぼえてほしい知識です。どれか1種類だけ多く摂っても、どれかが少なくてもベストな働きをしてくれません。いろいろなものをまんべんなく食べるようにしましょう。――コンビニで買ったものやファストフードを食べることもあると思うのですが、成長期の子どもに影響はありますか?コンビニで購入するものやファストフードは、非常食だと割り切りましょう。そして、前後の食事でコンビニエンスではない、新鮮で、温かくて、香りのよい食べ物をしっかり摂ればいいんです。――市販のお菓子を食べることもあるのですが、手づくりにした方がいいですか?市販のお菓子がダメと決めるのではなくて、手づくりのお菓子を食べさせる頻度をふやせばいいと思います。ヨーグルトに生クリームや蜂蜜、果物を入れて、何回かかき混ぜながら凍らせるだけでおいしいヨーグルトアイスができるんですから(笑)。簡単でしょう?炊き込みご飯をちいさなオニギリにして冷凍しても補食になりますよ。――小学校高学年になるとダイエットしてしまう女の子も出てきます。成長期にダイエットしてもよいのでしょうか?本当に危険です。無駄に太らないように、お子さんが思う美人さんになるように、「こんな食べかたをしてみたら?」ってアドバイスをしてあげてください。わたしがサポートしている大学生の選手たちも、「しっかり食べて、燃焼することをくり返していれば大丈夫」「炭水化物抜きのダイエットは絶対ダメ」の教えを守っていたら、その選手たちの体のタイミングに合わせて体脂肪率がグングン落ちて、食べても太らない体になりました。――食べることに興味がない子どもには、どんな工夫をしたらいいのでしょうか?食べることに興味がないお子さんは、食べることをがんばらないので、すぐに食べることをやめてしまうんですよね。そんなときには、ひとさじの中にいろんな栄養が入る食事からはじめてください。ドリアとかワンプレート料理とか、サンドイッチとかおにぎらずもいいと思います。そのひとさじ、ひと口の中にいろんな味と食感の食材を入れる工夫をして、いずれ興味がわくようなきっかけを用意してあげましょう。それがなにかのきっかけになるかもしれないと信じてあきらめないことが大切です。――難しく考えがちな栄養素の話ですが、いまつくれる食事になにを足すか、どんな工夫をするかで、将来につながる体づくりができるんですね。しかも、石川さんに教えていただくレシピは想像しただけでもおいしそうです。石川さん、ありがとうございました。最後にママとパパがちょっぴりラクできるレシピと、スタイルがよくなりたい子ども向けのレシピを1つずつ教えてもらいました。【石川さんおすすめ】ママとパパがちょっぴりラクできるレシピジャンバラヤ撮影:武井メグミ1人分469kcal調理時間60分材料(1合分)鶏もも肉…1/2枚A [・チリペッパー、クミンパウダー、パプリカパウダー…各小さじ1/4・塩、にんにくのすりおろし…各少々]白米…1合ソーセージ、いんげん…2本玉ねぎ…1/6個コーン…大さじ1にんにくのすりおろし…1/4片レモン…1/8個パセリ…少々B[・トマトジュース…100mL・水…80mL・塩、チリペッパー、クミンパウダー、パプリカパウダー、コンソメ…各小さじ1/2・胡椒…少々]作り方鶏肉はAをすり込んで、フライパンでこんがりと焼く。ソーセージ、いんげんは小口切り、玉ねぎは角切りにする。炊飯器に1、コーン、にんにく、Bを入れて炊く。炊き上がったら、鶏肉は食べやすく切り分け、レモン、パセリを添える。【石川さんおすすめ】スタイルがよくなりたい子ども向けのレシピニース風ポテトサラダ撮影:武井メグミ1人分178kcal炭水化物11.0g調理時間20分材料(1人分)じゃがいも…1/2個いんげん…3本ゆで卵…3/4個ベビーリーフ…適量ツナ缶…40gA[・オリーブ油…小さじ2・白ワインビネガー(又は酢)…大さじ1/2・塩、胡椒…各少々・レモン汁…小さじ1/2・粒マスタード…小さじ1/2]作り方じゃがいもは角切りにしてゆでる。いんげんはゆでて斜め切りにする。Aを混ぜ合わせ、1とツナをあえる。卵を添える。この本にたくさんのレシピが載っています。『最新版スポーツ選手のための食事400レシピ』石川三知著/学研プラス刊/1,814円スポーツ選手が強い体をつくり試合に勝つための、食事の知識とレシピを紹介。400レシピという豊富さであきずに毎日使えます。小中学生のスポーツ選手にも対応。またトレーニングやスケジュールに合わせたレシピが選べるつくり。食事の知識もしっかり掲載。『最新版 身長を伸ばす 栄養とレシピ: 栄養のプロが教える』石川三知著/学研プラス刊/1,080円部活で活躍したい。服を着こなしたい。自分が背が高くなかったので子どもには大きくなってほしいなど、身長を伸ばしたい理由は人それぞれ。身長を伸ばしたいと願う本人やその親のための栄養とレシピの本。ふだんの食事に取り入れやすいコツも満載。(企画・構成渡邉純子)第1回スポーツ栄養学って、なに?第2回成長期の体を支える、食の環境づくり第3回わが子に合わせた栄養の摂りかた第4回家庭でできる、+1のアイデア川筋真貴(かわすじまき)中学校の国語教員を経てライターに転職。女性向けの媒体での執筆が多く、IT関係からファッション・ペット・インテリアまで、女性のライフスタイルに役立つ記事の作成を得意としている。趣味は長年続けている茶道と御朱印集め。東京都在住。
2018年11月09日今やすっかり定着した「食育」という言葉。ここ日本では2005年に「食育基本法」が制定され、急速に「子どもと食」についての意識が高まってきました。この「食育基本法」は日本独自の法律であり、国民一人ひとりが食育の推進に取り組むことを目的としての制定されたものです。一方で、海外ではどうでしょうか。生活環境の違い、食文化の違い、食料自給率の違い……あらゆる点で日本との違いがあるにせよ、世界中どの国であっても“健康な人生を送りたい”“子どもに食の大切さを伝えたい”という願いは同じはずです。ここでは、世界各国の食育事情から見えてくるものや、日本でも取り入れられそうなアイデアをご紹介します。今回は、言わずと知れた美食の国・フランスです。グルメ大国フランス。その食育の歴史をひもとくヨーロッパで初めて食と健康についての政策を打ち出したフランスは、まさに食育先進国といえるでしょう。活動の中軸となる国の機関「フランス国立食文化評議会(CNAC)」(1989年設立)は、食の問題に取り組むだけではなく、文化としての食を広める役割も果たしています。その食育活動の中でも重要な位置を占めるのが『味覚週間』と呼ばれる国民的な食育イベントです。1990年にスタートしたこのイベントは、毎年10月の第3週目にフランス全土で開催されます。その目的は、「バランスの取れた食生活を促進する」「食体験を通じ、味覚や風味について様々な提案を行う」といった消費者目線のものから「安全で良質な食品の生産者を勇気づける」「食品の産地、生産方法、質について信頼できる情報を提供する」などと生産者のメリットを考えられたものまで多岐に渡っています。近年では数百もの自治体が参加し、国立食文化評議会や農業・食品・水産省なども加わるまでに発展した結果、国民の8割以上に認知される国民的食育活動へと成長を遂げたのです。この『味覚週間』で実施される取り組みの中で最もフランスらしさを感じさせるのが「味覚のアトリエ」と呼ばれるイベントです。<味覚のアトリエとは?>フランス全土で行われる食のイベント活動。有名な星付きレストランなどの飲食店は、この期間のためのメニューを用意し、学生には学割を利用した特別価格で料理を提供する。この取り組みにより、日頃そのようなレストランを利用できない層が新しい味覚を発見する機会になる。「子どもが有名店で食事なんて」「大人になってからでいいじゃない」と“本物の味”から遠ざけるのではなく、有名店の本格的な味覚に触れることを推奨する、というのがなんともフランスらしいですよね。フランスの学校は食堂も学びの場日本のように給食がないフランスでは、子どもたちは昼休みに自宅に戻って昼食をとっていました。しかし近年では共働きの家庭が増え、ほとんどの子どもたちは食堂(cantine:カンチーヌ)でランチをいただきます。フランスは学校食堂を「食育の場」として考えています。そのため、生徒にきちんと座りきちんと食べることを体験させ、食のバリエーションを伝えることを大切にしているのです。さらに、教育省や経済・財政・産業省、農業・水産省といった関係各省の大臣が連名で「学校食堂での食事と食の安全」と題する指令を出し、あらゆる方面から学校食堂をサポートしています。たとえば、推奨される摂取エネルギーの配分を【朝食2割、昼食4割、4時の間食1割、夕食3割】とし、「昼食はこの割合に従って用意すること」と定めるなど、かなり細かく制定されています。どうしてここまで細かいかというと、しっかりとした理念に基づいたうえで学校食堂を「食育の場」としているからです。この学校食堂に関する指令では、次のような点を教育活動の軸として掲げています。1.生徒の味覚を育て、伝統の料理を評価し、質の良い農産物を推奨すること2.味覚をはっきりと表現できない生徒に対し、味覚に関する正確な言葉遣いや表現力を養わせること3.食品製造の方法や食物の成分について説明すること4.その土地の特産物を賞味すること5.香り、香辛料、エキスを発見すること(引用元:国立国会図書館|ISSUE BRIEF NUMBER 450|欧米の食育事情)香辛料やエキスを自分の舌や鼻で感じ取ることは、繊細な味覚を養ううえで非常に重要です。フランス人のグルメな舌は、こうやって小さいうちから鍛えられているのかもしれませんね。ここで注目すべきは「2」の項目について。味覚と言語能力や表現能力の関係性について、次で詳しく説明しましょう。味覚を言語化する→味覚が研ぎ澄まされる→さらに言語表現が豊かになる!フランスでは食育の要である『味覚教育』と『栄養教育』の授業に多くの時間を割いています。独自のメソッドに基づいたその内容は、基本的なことを子どもにもわかりやすく教えるだけはなく、食を通じて五感を研ぎ澄まし、言語表現にまでつなげることを目的としています。ここでは、ベネッセが2008年に現地で調査した授業内容の一例をご紹介します。8歳~10歳、180人の小学生を対象とした味覚授業は非常に興味深い内容です。まず、子どもたちに五感について説明したあと、さまざまな感覚機能を言語で表現できるように促します。具体的には、以下のような方法で学びます。・匂いを嗅ぎ分け、なんの匂いに似ているか言葉で伝える・何枚かの違う布を触らせた感触を言語で表現させる・料理や飲み物の感触(ねっとりしている、サラサラしている、バリバリしている、など)を表現させるフランスでは自分の思っていることを論理的に、相手にわかるように表現することを小学校から徹底して教育されます。それは食育の一環である味覚教育でも同じです。子どもたちが“味覚の言語化”を学ぶことは、味覚をより研ぎ澄ます効果があり、その鋭敏になった味覚が言語表現をより豊かにする、という感覚と言語との相互作用効果が期待できるといいます。さらにもうひとつ。味覚を言語化できるようになることで思わぬ利点も生まれます。それは「食わず嫌い」が減るということ。見ただけではその味が想像しにくい食べ物への抵抗感は、未知のものに対する恐怖と似ています。その恐怖を払拭するには、言語表現を介した想像力が有効です。自らの想像力により先入観を取り払い、新しいものや知らないものにも挑戦してみようというチャレンジ精神が芽生えるのです。より実戦的な栄養教育を取り入れる効果とは同じくベネッセが現地調査した『栄養教育』では、どのような授業が行われているのでしょう。ここでご紹介する実例は、9歳の小学生24名を対象としたもの。まず、子どもたちには昼食前にメニューを渡し、「栄養アドバイスマシーン」という機械で食べたいものを選ぶように促します。フランス料理らしく前菜→メイン料理→デザートの順番で選ぶよう指示されますが、面白いのは選んだメニューによって与えられるポイントが異なるということ。栄養バランスの良し悪しによってポイントが進呈され、子どもたちは自分が選んだメニューを食べながら「自分のポイントがどのような理由で少なかったのか」などを栄養士を交えて話し合います。このようにゲーム感覚で楽しみながら実践的に学ぶことは、子どもたちにとって深い理解につながることが期待できます。日本に比べて早い段階から「自分で考え、自分で選ぶ」ことに重点を置いた教育をしているのは、食文化の違いも大きいのかもしれませんね。ご存知の通り、フランスの食事はスープ、前菜、メイン料理、チーズやデザート、果物、というように一皿ずつ順番に運ばれます。そのため、味のバランスや栄養の偏りを頭の中で考えてからメニューを決定しなければなりません。つまり、子どもたちの将来の食生活に直結するからこそ、授業の一環として時間をかけて取り組んでいる様子がうかがえます。***美食の国フランスでは美味しい食べ物があふれ、人々は食べることを楽しんでいます。ただしそれは、フランスが国として自国の食文化を守り、受け継いでいくことを前提として制定された教育プランの賜物でもあるのです。「味覚を確立する」という教育、ここ日本でも積極的に取り入れてほしいですね。(参考)農林水産省|食育の推進StudyHacker こどもまなびラボ|「食育基本法」とは?以外に知らない基本理念と内容をまとめてみた国立国会図書館|ISSUE BRIEF NUMBER 450|欧米の食育事情benesse|若手研究者現地調査レポート|フランスの小学校教育における食育TOKYO GAS|ウチコト|【食育】フランス生まれの味覚教育「味覚の一週間」とは?著名シェフによる特別料理教室もご案内!
2018年11月08日トップライター:川筋真貴スポーツをしている、ピアノや書道を習っているなど、部活動や習い事の内容が異なると必要な栄養素に違いがあるのでしょうか。それぞれの子どもたち向けの食事や栄養について聞きました。第3回わが子に合わせた栄養の摂りかた――スポーツをやっている子どもにおすすめの食事はありますか?成長期のお子さんの体は代謝も活発ですし、学校生活や習い事、遊びなどで疲れていますよね。そうなるとハードトレーニングをしているアスリートや高齢者の方と同じ状態なんです。その疲れた体を食事でいたわる工夫が必要だと思います。――どんな工夫をすればいいのでしょうか?消化吸収しやすい食事を作ることです。成長期に必要なタンパク質は、消化吸収に時間がかかるので、お肉を塩こうじやヨーグルトに漬けたり、すりおろしたタマネギや果物に漬けたりして、アミノ酸がタンパク質を分解する作用を進めておくといいでしょう。ハンバーグを作るなら脂の少ない部位にして、水切りした豆腐を加えて豆腐ハンバーグにするのもいいですよね。その中に野菜やうずらの卵を入れたら、いろんな食感が加わるのでかむことの楽しさも増えて、消化がよくなります。野菜をたくさん入れて煮込んだスープも消化にいいのでおすすめです。逆に、油脂量の多い食事は消化吸収に時間がかかります。お総菜の揚げ物をレンジで温めるのはNG。高温調理して空気にふれた油は酸化しているので、疲れている酸化状態の体にはすごく負荷をかけることになります。――消化吸収を助ける調理法がポイントですね。それでは、スポーツをしていない子どもにおすすめの食事はありますか?バイオリンもピアノも、机に向かって勉強をするのも「活動」なので、わたしはスポーツをしているお子さんと同じ食事でよいと思います。すべてのお子さんに共通して必要な集中力を維持するポイントは、炭水化物の摂りかたにあります。炭水化物を摂るときには、いくつかの食材を組み合わせること。炭水化物を1種類の糖類、とくに単糖類から摂取すると、血糖値が急上昇し、その後は同じようなカーブで下降します。血糖値が上がると集中力が高まりますが、急に下がると集中したいという動きを妨げ、気持ちも不安定になります。ですが、同じ炭水化物でも、穀物、芋類、豆類などの種類で血糖値が上がるスピードが異なるので、それぞれの時間差を利用することができるんです。芋類や豆類、果物など何種類かの炭水化物を組み合わせて食事をすれば、それぞれのタイミングで血糖値が上がるので、血糖値を高いところで長い時間維持できます。これで、気持ちが安定したまま集中力を持続することができるんです。――炭水化物というと穀物のイメージが強いのですが、玄米など精白されていないものの方がよいのでしょうか?たしかに白米よりも玄米の方が栄養豊富です。ですが、玄米や全粒粉などを毎回の食事に取り入れるのが難しいときは、そのままで食べられるシリアルでもOKです。おやつに玄米フレークやオールブランでチョコレートバーを作るのもいいですし、穀物と同じ炭水化物グループのサツマイモの焼き芋を買ってきて、裏ごしして、ナッツやドライフルーツ、煮豆などを加えて、ラップでギュッとしぼるとスイートポテトのでき上がりです。中身がギュッとつまった食事で、中身がギュッとつまった体をつくってあげてほしいですね。――塾や習い事の都合で、食事の回数が曜日によって変わることは良くないのでしょうか。なにより大切なのは、朝・昼・夜の三食を欠かさないこと。それに加えて、おやつも大切です。細胞分裂を続けている体はアミノ酸をほしがりますが、アミノ酸は体に少量しか貯蔵できませんし、アミノ酸のもととなるタンパク質も小腸の容量に上限があるので「食べだめ」ができません。ですから、1回にドーンと食べたからOK、という栄養素じゃないわけです。そうなると、1日3食以外のおやつでもタンパク質が摂れるようなメニューがおすすめです。――タンパク質が摂れるおやつには、どんなものがありますか?卵と牛乳でできているプリンもいいですね。おにぎりの中にチーズと枝豆を入れるのもいいと思います。そこにちりめんじゃこを入れれば、よくかむでしょうし、タンパク質といっしょにカルシウムも摂れますよね。――成長期の子どもたちにとって、食事で気をつけることは共通なんですね。消化吸収を助ける調理、複数の種類の炭水化物が摂れるメニュー、朝・昼・夜の食事とおやつでタンパク質を欠かさない工夫。子どものためのアイデアが、チャレンジできる体づくりにつながることがわかりました。最後は、家庭でできる、もうひと工夫について聞きます。その前に……「最新版スポーツ選手のための食事400レシピ」より、小中学生におすすめのレシピを2つ教えてもらいました。【石川さんおすすめ】集中力アップのレシピ2種類ポテトコーンスープ撮影:武井メグミ1人分192kcal調理時間15分材料(1人分)玉ねぎ…1/6個じゃがいも…1/2個コーン缶(ホール)…20gコーン缶(クリーム)…50g牛乳…50mL塩、胡椒…各少々卵…1/2個鶏がらスープの素…小さじ2作り方鍋に水(200mL・分量外)、鶏がらスープの素、薄切りにした玉ねぎ、じゃがいもを入れて火にかける。じゃがいもがやわらかくなったら、コーン缶、牛乳を加え、塩、胡椒で調味する。溶き卵を流し入れる。焼きいものスイートポテト撮影:武井メグミ1人分286kcal調理時間20分材料(1人分)ドライフルーツ(レーズン、いちじく、あんずなど)…10gクリームチーズ…15gくるみ…1粒焼きいも…80gバター…7g牛乳…大さじ1はちみつ…小さじ1作り方ドライフルーツは湯でふやかし、刻む。クリームチーズは室温に戻し、ドライフルーツ、刻んだくるみを混ぜる。焼きいもは温め、つぶして、バター、牛乳、はちみつを混ぜる。2をラップにのせ、中央に1を入れて包む。この本にたくさんのレシピが載っています。『最新版スポーツ選手のための食事400レシピ』石川三知著/学研プラス刊/1,814円スポーツ選手が強い体をつくり試合に勝つための、食事の知識とレシピを紹介。400レシピという豊富さであきずに毎日使えます。小中学生のスポーツ選手にも対応。またトレーニングやスケジュールに合わせたレシピが選べるつくり。食事の知識もしっかり掲載。(企画・構成渡邉純子)第1回スポーツ栄養学って、なに?第2回成長期の体を支える、食の環境づくり第3回わが子に合わせた栄養の摂りかた第4回家庭でできる、+1のアイデア川筋真貴(かわすじまき)中学校の国語教員を経てライターに転職。女性向けの媒体での執筆が多く、IT関係からファッション・ペット・インテリアまで、女性のライフスタイルに役立つ記事の作成を得意としている。趣味は長年続けている茶道と御朱印集め。東京都在住。
2018年11月02日専門家・プロ:牧野直子日本人の食生活で、大人も子どもも足りていないのが野菜。小学生以上になると、大人同様1日350g以上の野菜をとることが目標になります。350gの野菜といってもピンとこないと思いますが、料理にして5皿分が目安です。現在、成人の1日あたりの野菜の摂取量の平均は約290gなので、あと1皿足りないということになります。大人でも足りていないのですから、同じ食卓でごはんを食べている子どもも、当然足りていません。子どもの場合は、食べられる量に個人差があったり、野菜の好き嫌いもあるので、大人以上に工夫して料理をする必要があります。そこで今回は野菜を使ったおやつの提案です。野菜の中でもかぼちゃは甘みがあるので、おやつに使いやすい食材。それに、緑黄色野菜なのでβカロテンが豊富なのもうれしいポイント。βカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに代わり、のどや鼻の粘膜を丈夫にしたり、乾燥を防ぐ役割があるので、風邪やインフルエンザの予防に欠かせないビタミンです。さらに、免疫力を高めるビタミンCも含まれ、便通を整える食物繊維も多く含まれます。子どものおやつ摂取量の目安は総エネルギー量の約10%で小学生なら150~200kcalくらい。ハロウィンには、たくさんお菓子をもらいますが、市販のお菓子の食べ過ぎは気になる人も多いのではないでしょうか。そんなときのおやつにも、今回のかぼちゃ団子はおすすめです。小学生の場合6~7個くらいを目安にしてください。黒みつをメープルシロップに替えると、洋風になって、また違う風味で楽しめますよ。栄養まとめ食事だけでは不足しがちな野菜。おやつにすれば不足分を補いやすい。甘いかぼちゃがおやつにはぴったり。かぼちゃに含まれるβカロテンは、風邪やインフルエンザの予防に欠かせない。免疫力を高めるビタミンC、便通を整える食物繊維も含まれる。かぼちゃ団子1人分195kcal 塩分0g材料(4人分・24~28個)白玉粉150gかぼちゃ150g水適宜黒蜜、きな粉適宜作り方1)かぼちゃは、ワタをとりひと口大に切ってラップでつつみレンジで2~3分加熱して、フォークなどでつぶす。2)白玉粉とかぼちゃを混ぜ、水を少しずつ加えて、手でこねる。3)耳たぶくらいの固さになったらまとめる。4)一口大に丸め、沸騰した湯に入れる。団子が水面に上がってきたら、水を入れたボールにとって、ざるにあげる。5)盛り合わせ、黒蜜、きな粉をかける。牧野直子(まきのなおこ)管理栄養士、料理研究家、㈲スタジオ食(くう)代表。大学在学中から栄養指導や教育活動に関わる。メディア(雑誌、書籍、テレビほか)をはじめ、料理教室、講演会、病院や保健センター等で幅広く活動。わかりやすく、実践しやすい指導をモットーに、生活習慣病や肥満の予防・改善のための食生活指導や栄養指導に携わるほか、健康によく、簡単で、おいしい料理の提案を行っている。著書に「元気塾弁」(女子栄養大学出版部)、「病気にならない新・野菜を食べる健康法」(マガジンハウス)、「2歳からのごはんBOOK」(NHK出版)、「ひと目でわかる料理の手習い帖」(池田書店)など。
2018年10月26日トップライター:川筋真貴前回、「本人の能力を発揮して、その人なりの満開で咲くためのサポートを心がけている」と言っていた石川さんに、成長期の子どもの体をつくるために大切なことを聞きました。第2回成長期の体を支える、食の環境づくり――成長期の子どもと食べ物の関係について教えてください。スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんまず、保護者のみなさんに、わたしたちの体は自分が食べたものでできているということを意識してほしいと思います。体の中では、いまこの瞬間も細胞が生まれかわりをくり返しています。その細胞の分裂代謝を続けていく材料となるのが、食べ物です。――食べ物が、体を維持する材料になっているんですね。食べかたで注意することがありますか?大切なのは、かむことです。たとえば、食べた肉が胃に運ばれると、胃酸がタンパク質をバラバラに分解してアミノ酸にし、そのアミノ酸が小腸から吸収されて血や肉や骨になります。そのタンパク質の分解に必要な胃酸の分泌量を調節する役割を担っているのが、かむことなんです。そして、よくかむことは、消化器管の働きにスイッチを入れることにもなります。しっかりかんで食べ物を細かくし唾液を出すことで、攪拌(かくはん)運動※を活発化するんです。どんなに栄養価の高いものを食べても小腸で吸収されなければ細胞に届きません。お皿が空になるのが「ごちそうさま」ではなく、小腸で吸収されて「ごちそうさま」なんです。だから、かむことはとても大事です。※攪拌運動……胃の中で食べ物が混ぜ合わされる運動のこと。――かむことはそんなに重要なんですね。毎日の食事で気をつけることはありますか?まず、食事の役割を理解しましょう。人間の体は「動く・食べる・寝る」の3つを基本にしています。朝食を例にあげると、朝食は寝ていた体を起こして、次の昼食までもたせる食事なんです。炭水化物だけではなくタンパク質を摂ることで体温を上げて、次の目的に備えてウォーミングアップをするわけです。そのスイッチを入れるのが「食べる」こと。ですから、朝、食事をすることで「寝る」から「動く」へと切り替えることができるんです。また、細胞は常に生まれかわっていますから、朝食に限らず、食事を抜くことはお薦めできません。――3食きちんと食べることが大事なんですね。それでは、成長期の子どもに欠かせない栄養素について教えてください。成長期の体は、常に細胞分裂が活発に行なわれている状態であり、体の形が一番変わる時期でもあります。身長が伸びる=骨が伸びる=骨代謝※をしているわけですから、骨をつくる栄養素が必要です。骨は、タンパク質とビタミンCでできているので、骨の成長にその2つが欠かせないんです。※骨代謝……骨の細胞が新陳代謝をすること。――成長期の子どもに避けたほうがよい食材はありますか?疾病の対策以外で、合成甘味料(ゼロカロリーなどを特徴とする)をふくむ食品は積極的に食べるものではないと思います。人間の体は、甘さを感じるとインシュリンを出して糖分を取り込みます。種類によりますが、ゼロカロリーの食品は甘みを感じるのに、糖分を取り込めないわけで、人間の根本的なシステムを無視しているわけです。糖分を摂ったのに無かったことになるっておかしいですよね(笑)。糖分も体にとって大切な栄養素なんですから。実際に、ゼロカロリーや合成甘味料を使ったドリンクの飲み過ぎは、糖尿病を発症するリスクもあります。――体のためのつもりが、逆の結果につながってしまうんですね。ほかに気をつけることはありますか?成長期は感受性を伸ばす時期ですので、口の中で感じる甘い、すっぱい、冷たい、温かい、シャキシャキしている、やわらかいなど、多彩な感覚を体験させましょう。いろいろな食材や調味料を使ったり、切りかたを変えたりするのがポイントです。同じ食べ物、同じ調味料ばかり食べていると同じ感覚しか伸びないですから。――感性を高めるためには、食事での体感も必要だということですね。成長期の食事の適量についても教えてください。適量のバロメーターは、朝の食欲です。朝起きたときにお腹がすいていない場合は、寝ている間もずっと夜ごはんの消化吸収が続いていて、睡眠のジャマをしている可能性があります。もし、お子さんが体調は悪くないのに、「朝ごはんが食べられない」と言うのなら、勇気を持って量を減らし、質の良い睡眠のための消化のよい調理法の夜ごはんを用意してください。――もし、本人の意思で夜ごはんをたくさん食べていても、朝の様子で判断して量を減らしたほうがいいですか?食事は人が元気に生きていくための「動く」と「寝る」を支えるためのものですから、食べることが寝ることを邪魔しては本末転倒ですよね。夜ごはんの量を減らせば、朝、お腹が空いて目が覚めるようになります。そうしたら朝ごはんの量を増やしてあげてください。――成長期の子どもがすこやかに育つためには、保護者の目配りも大切だとわかりました。次は、子どもの環境別に必要な栄養について聞きます。その前に……「最新版スポーツ選手のための食事400レシピ」より、小中学生におすすめのレシピを2つ教えてもらいました。【石川さんおすすめ】運動会や体育祭、スポーツ大会に向けた体力づくりレシピ1種オムレツトースト撮影:武井メグミ1人分398kcalたんぱく質23.1g調理時間10分材料(1人分)ライ麦パン…6枚切り1枚卵…1個ブロッコリー…小房2個バター…10gA[・ミ二トマト(11/4力ット)…2個・ツナ缶…40g・ミックスビーンズ…大さじ1・粉チーズ…大さじ1・塩、胡椒…各少々]作り方パンは耳1cmを残して、内側を四角くくり抜く。ボウルに卵とゆでたブロッコリーとAを入れて混ぜる。フライパンにバターを溶かし、1の食パンの枠を置き、中に卵液を流し込む。くり抜いたパンの内側部分をのせて、卵が固まったらひっくり返す。パンがカリッとするまで焼く。【石川さんおすすめ】消化にいい夜ご飯のレシピ1種タンドリーチキン撮影:武井メグミ1人分328kcal調理時間10分材料(1人分)鶏もも肉…150gA[・プレーンヨーグルト…50g・にんにくのすりおろし、生姜のすりおろし、ガラムマサラ、パプリカパウダー…各小さじ1/4・ウスターソース、ケチャップ、カレー粉…各小さじ1/2]ミックスビーンズ…20gほうれん草…適量作り方鶏肉の厚い部分は開いて、塩、胡椒(各適量・分量外)をすり込む。Aをビニール袋の中に入れ、鶏肉を漬け込む(30分~ひと晩)。フライパンを熱し、1、ミックスビーンズを入れて焼く。鶏肉を切って、ほうれん草を添えて盛りつける。この本にたくさんのレシピが載っています。『最新版スポーツ選手のための食事400レシピ』石川三知著/学研プラス刊/1,814円スポーツ選手が強い体をつくり試合に勝つための、食事の知識とレシピを紹介。400レシピという豊富さであきずに毎日使えます。小中学生のスポーツ選手にも対応。またトレーニングやスケジュールに合わせたレシピが選べるつくり。食事の知識もしっかり掲載。(企画・構成渡邉純子)第1回スポーツ栄養学って、なに?第2回成長期の体を支える、食の環境づくり第3回わが子に合わせた栄養の摂りかた第4回家庭でできる、+1のアイデア川筋真貴(かわすじまき)中学校の国語教員を経てライターに転職。女性向けの媒体での執筆が多く、IT関係からファッション・ペット・インテリアまで、女性のライフスタイルに役立つ記事の作成を得意としている。趣味は長年続けている茶道と御朱印集め。東京都在住。
2018年10月26日編集部:学研キッズネット編集部秋風とともに、街はオレンジやパープルのハロウィンカラーで彩られるようになりますね。お菓子もグッズもたくさん売られているけれど、手作りで楽しむハロウィンはやっぱり格別。身近な素材で楽しく作って、おいしく食べる、そんなハロウィンパーティーはいかがですか。ダンノマリコさんに素敵なアイデアをたくさん聞きました。飾りの作り方はこちらダンノマリコさんミイラ男のほろにがココアクッキーちょっぴりビターなココアクッキーと甘酸っぱいクリームチーズの相性が抜群。ミイラ男も骨抜きになる(?)おいしさです。材料ココアクッキー直径4cm8枚クリームチーズ個包装のブロック5個(約90g)砂糖大さじ1ベビーチョコ(または製菓用のチョコチップ)16粒ポリ袋(しぼり袋)作り方1.ポリ袋にクリームチーズと砂糖を入れ、手でもんで柔らかくする。2.1を袋の角の方に集め、袋の中の空気を抜いて口をしばる。3.袋の角を少し切る。クッキーの裏に1cmくらいしぼり出し、お皿に軽くくっつける。これは、このあとクリームをしぼり出すときにクッキーが滑ってしまわないようにするため。4.クッキーの中央に目の部分をしぼり出す。5.チョコレートをのせてから、包帯の部分をしぼり出す。包帯のクリームはお皿に少しはみ出すくらいがかわいい食べるまで冷蔵庫にしまっておいてもおいしいですよ1つ目おばけのグラタントースト「うずらの卵」を見るとテンションが上がる子どもたち。大人には割りにくいサイズですが、子どもは意外と上手かも?目玉がちょっとくらいくずれても大丈夫。育ち盛りの子どもも大満足のトーストです。材料8枚切りのパン2枚うずらの卵8個ホワイトソース大さじ3~4ベーコン1枚ピザ用チーズ大さじ3塩、こしょう作り方1.トースターの天板にアルミホイルを敷く。2.ベーコンは細く切る。ハサミを使うとラクですよ。3.食パンは4等分に切りスプーンでくぼみをつける。スプーンの腹を何度も押し当ててパンにくぼみをつける4.食パンを天板に並べる。5.ホワイトソースをスプーンで塗り、うずらの卵をのせ、チーズとベーコンを散らす。塩とこしょうはお好みで。6.トースターで5分焼く。途中で焦げてきたらアルミホイルをかぶせましょう。7.そのまま5~10分おいて余熱で卵に火を通せばできあがり。熱いので注意してくださいね。かぼちゃのプリンハロウィンの主役、かぼちゃのプリンです。かぼちゃは裏ごしせず、容器にスプーンですくって入れるだけなので、小さなお子さんで作れそうです♪材料〔直径8~9cmの耐熱容器(ココット皿)4個分〕かぼちゃ(皮付き)150g牛乳200mL卵2個砂糖大さじ4メープルシロップ適量作り方1.耐熱容器(ココット皿)を天板に並べる。オーブンを150度に予熱しておく。2.かぼちゃはラップで包み、耐熱皿に入れてから電子レンジ(600w)で3分半~4分かけて柔らかくなるまで火を通す。3.冷めたらラップをはずし、スプーンで身をすくい取り、ココット皿に均等に入れる。皮はカットして最後に飾りとして使ってもOK。かぼちゃはスプーンですくい取るので簡単です4.ボウルに卵を割り入れ、泡だて器でほぐす。砂糖を入れてよく混ぜる。5.電子レンジで30秒~1分温めた牛乳を4に入れてよく混ぜる。6.ココット皿に5のプリン液を均等に流し入れる。オーブンにココット皿がのった天板をセットし、お湯を流し入れて40分焼く。オーブンに天板をセットし、お湯を流し入れる。熱いので大人の方がやってくださいね7.粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし、お好みでメープルシロップをかけて食べる。シロップをかける前に、かぼちゃの皮をハサミで切ってプリンの上に飾ってもいいですね。※オーブントースターの場合お湯を天板に流し入れるところまでは同じ。ココット皿の上にアルミホイルをかぶせて20分焼きます。そのまま10分余熱で火を通せばできあがり。お湯を流し入れる作業は大人の方がやってくださいね。ハロウィンカラーのホットココアココアをオレンジジュースでいれたホットココアです。すっきりした味わいで、溶けかけたマシュマロがいい味出してます。材料ココア(砂糖入りのインスタントもの)大さじ1~2(お好みで)オレンジジュース(100パーセントのもの)150mLマシュマロ適量チョコペン適量作り方飾りのマシュマロ1.チョコペンをぬるま湯につけて柔らかくする。2.マシュマロの厚みを3等分にハサミで切る。3.チョコペンの先をハサミで切り、マシュマロの断面に好きな絵を描く。ふつうのチョコペンとイチゴのチョコペンで自由に絵を描きましょうココア1.ココアをカップに入れて水大さじ1を合わせてよく溶かす。2.電子レンジ600Wで1分かけて熱くしたオレンジジュースを1に注ぎ入れてよく混ぜる。3.マシュマロを浮かべる。ココアにオレンジジュースを注いで……マシュマロを浮かべればできあがり!※たくさん作るときは鍋にココアと水を入れてよく溶かし、オレンジジュースを加えて火にかけて温めましょう。※チョコペンが固まってしまったら、ペン先がぬれないように上を向けてもう一度お湯につけて柔らかくします。※小さなお子さんが飲む場合は、紙コップを二重にすると持ちやすいでしょう。簡単!かわいい♡折り紙で作るハロウィンオーナメント紙コップや紙皿につけるコウモリやかぼちゃも、折り紙で簡単に作ることができます。かぼちゃのオーナメント明るいオレンジが食べものを映えさせます。紙コップに貼ったり、お皿の横に敷いたりしてはいかが? 使うもの:オレンジの折り紙1枚(4こ分)1.折り紙を半分に2回折って4分の1の大きさの正方形にする。2.さらに3等分になるように折り目をつける(だいたいでよい)。3.上下を丸く切って広げ、半分にする。4.顔を描いたら完成!コウモリのオーナメント紙コップや紙皿にリボンのように飾れるコウモリのオーナメント。黒と黄色で作るなど、鮮やかな色の組み合わせにするとテーブルがぱっと華やぎます。 使うもの:折り紙1枚(3こ分)1.折り紙をだいたい横に3等分でジャバラ折にする。さらに真ん中で折る。2.コウモリの半分の形に切り抜く。広げるとコウモリの形になる。3.顔を描いたらできあがり!紙皿などに貼って使いましょう。クモの巣コースター飲み物のコースターもハロウィン仕様で!使うもの:折り紙1枚(1つ分)と白いフェルトペン1.折り紙を三角形に3回折って、写真のように切る。2.広げたら模様を描いて、できあがり。白いフェルトペンがなければ、ペン型の修正液で描いてもOK。たくさん作って、たくさん食べて、思い出に残るハロウィンになりますように!学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年10月25日ムスメちゃんとオコメちゃん
うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし