ラク&正しい姿勢が◎!妊婦さんにおすすめの座り方と避けるべき座り方
今回は妊娠中に姿勢が変化する理由と、座るときのポイントについて説明します。
妊娠中に姿勢が変化する理由
妊娠中は、妊娠前と比べて、重心や体型の変化、体重増加によって、立っているときや座っているときの姿勢が変化します。立ち上がる瞬間やしゃがむ瞬間の体の動きも変化するため、首から背中の部分、腰やおしりの周囲、膝など全身の筋肉へ負担がかかり、日常的に痛みが生じやすい状態となります。良い姿勢を保とうと努力しても、妊娠前よりも筋力が低下したり、痛みが生じることで、妊婦さんの思うように姿勢を保つことが難しいこともあります。
妊娠して、少しずつおなかが大きくなってくると、おなかは前方に突き出て、背中は後方に反り、全身のバランスが不安定となります。立った姿勢では、体の重心は上方向かつ前方へ移動します。そのため、妊婦さんは肩を後方へ引いて、首を伸ばす姿勢をとって、重心を保とうとします。その結果、常にかかとで体重を支える状態になりやすいです。
また、妊娠中はリラキシンというホルモンの作用によって骨格を支える靭帯が緩みます。これは、大きくなる子宮のサイズに合わせて骨盤が妊娠中や出産時にクッション性のある動きに役立つためです。しかし、リラキシンは、左右の仙腸関節や恥骨結合を緩めるため、骨盤周囲(おしり部分全体)に痛みを生じる原因にもなります。リラキシンは、足の裏の靭帯も緩めるため、妊娠前よりも偏平足に近づき、体重を支える足のバランスを不安定にします。重心が前後に動き、体重を支える脚のバランスが不安定になるため、立っているときや歩行時には、両脚を左右に開き、バランスを保とうとします。
妊娠中に姿勢が変化することは自然なことですが、心配なことがあれば医師・助産師へ相談しましょう。
妊婦さんが椅子や床に座るときのポイント
妊婦さんがラクに過ごせる座り方であれば、どのような座り方でもかまいませんが、普段の姿勢の癖が、妊娠中の腰痛やおなか周りの圧迫感などの不快症状を引き起こすことがあります。椅子から立ち上がる動作は、床から立ち上がる動作よりも、重心の移動がスムーズで、瞬発的に使うパワーが少なくて済むため、腰痛など体に痛みが生じた妊婦さんや、筋力や体力が低下した妊婦さんは、椅子に座るほうがラクに感じるという方もいます。