2020年9月29日 14:30
乳幼児期は虫歯の進行が早い!早期発見&早期処置で健康な歯を守ろう
乳歯から永久歯への生え変わりは、5歳前後から始まり14歳ごろに完了します。それまでの乳歯も、健康な状態をキープしておきたいものです。でも、多くの子どもは歯磨きが大嫌い! しっかり磨けないと虫歯に!? なんてことも。
そこで今回は、小児歯科医の川越じゅん奈先生に乳幼児期の虫歯予防や治療についてお話を伺いました。大切な子どもの歯が虫歯にならないための注意点や治療について紹介していきます。
虫歯の原因は、糖分とミュータント菌
乳歯が生え始めると、虫歯の原因となるミュータンス連鎖球菌が常在菌として成育し始めます。ミュータンス連鎖球菌は糖分を利用して酸を作り、歯の表面にあるエナメル質を溶かしていきます。これが虫歯です。特に乳歯はエナメル質が薄く、歯が軟らかいため虫歯になりやすく、生え始めの時期にも虫歯になりやすいという特徴があります。
大切なのは、口の中に糖分を残さないこと。まだ、砂糖の入ったお菓子を与えていないから大丈夫と、安心はできません。糖というのは砂糖だけではなく、炭水化物(お米やパンなど)やミルク、イオン飲料や果物にも入っています。砂糖が含まれたお菓子を食べ始める時期はもちろん、乳児のうちから口の中に食べカスやミルクが残らないようしっかり歯磨きをしてあげることが大切です。
虫歯の進行状況によって変わる歯の治療方法
1歳半や2歳の乳児歯科検診で虫歯が見つかったり、子どもが痛みを訴えてきたときは、すぐに受診が必要です。その治療は、虫歯の進行状態によって変わってきます。
※下記の状態は、虫歯の進行順に記載しています。
●歯の表面が白濁したり、噛む面の溝が茶色になっている
歯の表面が白濁している状態は、通常の歯より白く表面がザラザラした感じで、光沢がないのが特徴。虫歯になった原因(歯磨きの仕方、お菓子や食事内容など)を改善することで自然回復するケースが多く、フッ素の塗布などの予防処置も効果的になります。
●表面のエナメル質の虫歯、その奥の象牙質まで達する虫歯
表面のエナメル質の虫歯、その奥の象牙質まで達する虫歯は穴が開いた部分を詰める治療をおこないます。また、象牙質まで到達している場合、乳歯が近いのでその後も安心はできません。