チャイルドシートを助手席に付けるのは危険? 考えられるリスクとは

子どもと車ででかけるときには必須の『チャイルドシート』。取り付ける位置や使い方には注意が必要です。子どもと安心・安全に出かけるために、基本の扱い方や種類について理解しましょう。

チャイルドシートを助手席に付けると違法?

目次

・チャイルドシートを助手席に付けると違法?
・チャイルドシートはどこに付ければよい?
・向きによる違いは何?
・どうしても助手席に付けたい場合は?
・安全優先ならチャイルドシートは後部座席に
チャイルドシートを助手席に付けるのは危険? 考えられるリスクとは

赤ちゃんが生まれると生活が大きく変わりますよね。車でのお出かけも大人だけの頃のようにはいきません。まずはチャイルドシートの取り付ける場所の確認です。


法律違反にはならない


チャイルドシートを助手席に取り付けようと思うと、「助手席に付けてはいけない!」という意見を目にすることがあるかもしれません。

しかし実際には、チャイルドシートは助手席に取り付けても法律違反にはなりません。

厳密にいえば、チャイルドシートを取り付ける位置は決められておらず、どの位置でも取り付けることが可能ですよ。

ただし、法律違反ではなくともチャイルドシートを助手席に付けることは安全性が高くないため、一般的に『後部座席』が推奨されています。

メリットとデメリットをそれぞれ踏まえた上で、取り付けるようにしましょう。

事故の際にエアバッグが危ない


助手席でチャイルドシートを使用すること自体は法律違反ではありませんが、推奨されていない理由は『エアバッグ』に危険があるためです。

チャイルドシートは赤ちゃんを後ろ向きに設置する物が多く、その状態のまま事故に遭った場合、エアバッグの威力によりチャイルドシートの破片が飛び散る可能性が非常に高いのです。

本来は人の命を守るためのエアバッグですが、破片が凶器となりかねないため、助手席でチャイルドシートを使用することは推奨されていません。


チャイルドシートはどこに付ければよい?

チャイルドシートを助手席に付けるのは危険? 考えられるリスクとは

では、チャイルドシートはどこに付ければよいのでしょうか?付けやすく、かつ安全性が確保されている場所を選びましょう。ケースごとに詳しく紹介します。


推奨されているのは後部座席の真ん中


チャイルドシートを販売している多くのメーカーだけではなく、車メーカーも推奨している取り付け位置は『後部座席の真ん中』です。

『事故』と聞けば、何となく対面衝突をイメージされる人が多いのではないでしょうか?しかし実際には、対面衝突以外にも横から車が突っ込んでくるといったケースもありえますよね。

どこから見てもなるべく『衝撃を受けにくい場所』を選ぶ必要があるため、『後部座席の真ん中』とされています。

4人乗りの場合は運転席の後ろ


では、車が『4人乗り』であった場合には、どの位置にチャイルドシートを取り付けた方がよいのでしょうか?答えは、『運転席の後ろ』です。

『運転席の後ろ』であった場合には、まず運転手がエアバッグで衝撃を受け止めるため、後部座席に届く衝撃が多少弱まるためです。

助手席に人がいなかった場合、運転席に比べ事故の衝撃が赤ちゃんにダイレクトに伝わってしまうため、『運転席の後ろ』の設置がよいでしょう。


向きによる違いは何?

チャイルドシートを助手席に付けるのは危険? 考えられるリスクとは

チャイルドシートといえば『後ろ向き』の物が多く販売されていますが、後ろ向き以外にも『前向き』や『横向き(ベッド型)』の種類もあります。これらには、どのような違いがあるのでしょうか?違いを確認してみましょう。

主に年齢によって変わってくる


チャイルドシートの『向き』は、主に年齢によって変わります。

赤ちゃんの年齢ごとに使えるチャイルドシートの『向き』をチェックしていきましょう。

  • 新生児〜生後10カ月:後ろ向き・横向き(ベッド型)
    ※横向き(ベッド型)は走行中使用不可
  • 生後11カ月以降:前向き
大きくは赤ちゃんの年齢によって使用できる向きが決まりますが、年齢以外にも『体格』『体重』などによっても変動します。

一口にチャイルドシートといってもその種類はさまざまです。できれば店頭で実際に見てみるのがオススメです。


前向きに変える時期


チャイルドシートを『前向き』に変えられる時期は、『1歳』が目安です。1歳にもなると首もしっかりとすわり、徐々に歩き始める子どももいるでしょう。

年齢以外の要素としては『体重』もひとつの目安となります。前向きのチャイルドシートは、体重が10kgを超えたら取り付けられる物が多くなっています。年齢か体重の『どちらか』がクリアできればよいということではなく、年齢と体重の『両方』が問題なければ取り付けるようにしましょう。

横向きにできるメリット


チャイルドシートの背もたれ部分を倒して、横向き(ベッド型)にできるタイプがあります。

横向きは赤ちゃんが仰向けになるため、車内の中でも落ち着いて過ごせます。また、ベッド部分を取り外せるタイプもあり、車の中で寝てしまった赤ちゃんをチャイルドシートごと運ぶことができますよ。


何かと便利な『横向き』ですが、走行中での使用はできないことを覚えておくようにしましょう。

法律違反などではありませんが、横向きのままの走行には危険が伴い、万が一事故に遭ってしまった場合にも、赤ちゃんを守るための機能を果たせません。

走行中はあくまでも『前向き』『後ろ向き』の状態にしておき、休憩時間や車内で待っている間など、上手に使い分けることがポイントです。

どうしても助手席に付けたい場合は?

チャイルドシートを助手席に付けるのは危険? 考えられるリスクとは

チャイルドシートの取り付けに後部座席が推奨されていたとしても、状況によっては助手席に取り付けざるを得ないこともあります。安全に助手席に取り付けるための工夫をチェックしてみましょう。


設置は必ず前向きで


止むを得ずチャイルドシートを助手席に取り付けるときは、必ず『前向き』で設置しましょう。

後ろ向きでチャイルドシートを付けることは、事故に巻き込まれてしまった際、子どもの命はもちろんママやパパの命をも危険に晒します。

また、『前向き』のチャイルドシートが使用できるのは1歳以降です。子どもが1歳に満たないときには前向きのチャイルドシートは使用できません。同様に、助手席に『後ろ向き』のチャイルドシートも危険が伴うため、使用しないようにしましょう。

座席を1番奥まで下げる


助手席で『前向き』のチャイルドシートを取り付けるときには、座席を1番奥まで下げることもポイントです。

そもそも、チャイルドシートが助手席で使うことを推奨されていない理由は、事故時の『エアバッグ』が凶器となるためです。そのため、チャイルドシートや子どもに直接エアバッグが当たってしまわないように座席を1番奥に下げるなどの配慮を忘れずに行いましょう。

車によってはエアバッグ装置のオフ機能も


一部の車種によっては、エアバッグ装置の『オフ機能』があります。

こうした機能が搭載されている場合には、チャイルドシートを取り付けるときにはエアバッグが作動しないように設定しましょう。

安全優先ならチャイルドシートは後部座席に

チャイルドシートを助手席に付けるのは危険? 考えられるリスクとは

チャイルドシートは、車での移動には欠かせないアイテムです。一般的にチャイルドシートを取り付ける場所は『後部座席』とされています。

止むを得ず助手席に使用する場合には、チャイルドシートの向きと座席に工夫をして、取り付けることが大切です。

近場であったとしても油断せずに、安心・安全の運転を心がけてくださいね。

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