2024年5月2日 08:30
トランス男性が卒業式を迎えたパートナー愛娘からの手紙に涙「少しは父親のような存在になれていたんだ」
そこで晴れて、僕たちは付き合っていてお母さんを本当に愛していることと、それと同じくらい君のことも大事に思っているということを伝えて、一緒に暮らしていくことになりました。
――娘さんはAOさんをどのようにして家族として受け入れていったと感じますか?
【AO】「お迎え来て!服貸して!宿題手伝って!髪切って!」とおねだりをしてくれるところに、心を許してくれていると感じます。「ちょっと肩揉んで!」などもありましたね(笑)。彼氏の相談をしてきてくれたり、困ったときにはいつも僕に助けを求めてくれていました。
――頼りになる存在なのですね。
【AO】もう1つすごくうれしかったのは、僕がトランス男性であるということも、自分の母親の彼氏であるということも、友達や学校の先生に隠さずに話してくれていたことです。僕が娘の立場だったら同じことができたのかわからないので、一人の素晴らしい人間として娘を尊敬しています。
――娘さんとの関わり方で難しさを感じた部分はありますか?
【AO】難しいと感じたことは特にないですが、必要以上に馴れ馴れしくしたり、無理に仲良くなろうとしたりはしないようにしていました。
娘が僕を必要としてくれたときにだけ全力で応えるようにしていたら、いつの間にか仲良くなっていました。
――それはとても大切なことですよね。
【AO】あとは、パートナーをとにかく大事にして、毎日愛していることを伝えていたので、その姿を見て、家族として受け入れてくれたのかなとも思います。娘やパートナーにとって一番頼りになる存在でいたかったので、そこはかなり努力しました。
――子育てや家のことも含めて、どのように分担していましたか?
【AO】僕の子育ての明確な役割は、塾や学校、部活の送迎がメインでした。それ以外の家事などは全てパートナーと分担で、炊事やお弁当作りも交代でやったり一緒にやったりしています。学費や生活費なども今のところ全て折半です。
■「本当の親ではないからこそ言えることもある」 何があっても娘の最強の味方であると決意
――FtM、トランスジェンダーであるAOさんは、周囲の家族や親になっていく同年代の友人たちなどを見て、お子さんがほしいという感情が出てきたことはあったのでしょうか?
【AO】自分の子どもがほしいと思ったことは一度もありませんでした。
周りの友達を見てもその感情は湧かなかったです。