子育て情報『発達障害者支援法から10年、現場の教師たちはどう変わってきたのか。スクールカウンセラーが見た風景』

2016年12月7日 16:00

発達障害者支援法から10年、現場の教師たちはどう変わってきたのか。スクールカウンセラーが見た風景


多忙な学校現場に投じられた「個別の支援」というミッション

発達障害者支援法から10年、現場の教師たちはどう変わってきたのか。スクールカウンセラーが見た風景の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10186004339

10年以上も前のことですが、日本にも発達障害の概念が広まり、学校で個別の支援についての研修がさかんに行われだした頃、大学教員である私も、研修会の講師として各地へ頻繁に出かけていました。

子どもの状態を正しく評価し、その子に応じた支援計画を立て、学内外と連携し、たとえ障害があっても活き活きと生きられるように支援するのだと、学校の先生に向けて話して回っていたのです。

そんな中、受講した教師の言葉が風の便りに聞こえてきました。

「大学教員は新しいことをやれやれと言うが、実際に行うのは自分たち教師だ。日常業務で多忙な中、評価だ、個別の支援計画だと次々に言われたらパンクする。無責任にあれやれこれやれと言わないで欲しい」

表立って口には出す人は少ないけれど、多くの現場の教員は心の中で叫んでいたことだと思います。

今思えば、発達障害についてよく理解していない上に誰も助けてくれない中で、個の特性に応じた教育をと言われても、ただただ難題を突きつけられただけだったのかもしれません。


現場の教員への負担の軽減や、育成体制の充実などは、今も残る課題の一つです。

しかし、子どもたちのための新たな教育を開発するためには、やはり多少のストレッチというか、現場の先生たちの自己変革がなければ前進しないと思います。そして実際に、心ある教師はこの10年間にその知識とスキルを目覚ましく発展させてきています。


先生たちがフランクに話せる場所が生まれると…

発達障害者支援法から10年、現場の教師たちはどう変わってきたのか。スクールカウンセラーが見た風景の画像

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10186006929

今回の記事では、私が関係した心ある教師たちの進化と実践を紹介したいと思います。

地方の中高一貫校の教育相談担当教員に事例検討会の助言を頼まれた時のことです。2週間に1回の割合で夕方2時間くらい教育相談室に行き、学校教員と子どもたちの事例について話し合うという内容でした。参加は自由、途中参加、途中退席可で始めましたが、最初はだれも来ず教育相談担当教員とよもやま話で時が過ぎてしまったこともありました。


そのうち、だんだんと若い教員が顔を出すようになりました。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.