子育て情報『私たちには「発達障害者代表」として戦う必要なんかない』

2017年7月10日 16:30

私たちには「発達障害者代表」として戦う必要なんかない

を利用したことがある。結論としては、当時の私が納得できる支援は受けられず、私の心には大きな傷が残った。

ここ「LITALICO発達ナビ」でも、サイト立ち上げ当初にライターに立候補したものの断られたことがある。保護者向けのコンテンツが多く、私たち成人発達障害当事者が無視されているような気がして、悔しかった。

それで私はますます、LITALICOに負けるものかと、たったひとりでの「戦い」に必死になった。

「絶対に発達ナビよりもいいコンテンツを作ってやる。彼らが見捨てた成人当事者の益となるコンテンツを」… そんな気持ちを原動力に猛然と仕事した。

だけどそのうち、そんなやりかたも限界だと思った。
きっかけは、NHKの発達障害特集だ。

私たちには「発達障害者代表」として戦う必要なんかないの画像

Upload By 宇樹義子

私が必死にNHKの番組を実況しているとき、当然発達ナビも大きなリソースを注いで実況していた。

今や発達ナビは、世間の発達障害者へのイメージを左右するような影響力と、それを実現できる経済的人的資源を持ったメディアに成長していた。発信するコンテンツも、大人の発達障害者をもカバーするようになってきており、質も日々上がってきている。

私がずっと望んできた、発達障害者が一般の人たちに広く理解される大きなチャンス。私がこの期に及んで発達ナビに対してそっぽを向き続けるなんて、バカバカしいし不自然じゃないか。

もうこんなことはやめよう…

ある夜突然、発達ナビの編集長の鈴木さんに連絡をとった。

そしていま、こうしてここで書いている。



たったひとりで「発達障害者代表」の看板を背負う必要なんてない

以上は、「いち成人発達障害当事者としての宇樹義子」のごくごく個人的な物語だ。

けれど、私と同じように、自分が「マイノリティ」であることへの意識が大きくなりすぎて、かえって自分を追い詰めたり、苦しめたりしている発達障害当事者は少なくないんじゃないかと思う。

だからこそ伝えたい。仮にあなたが発達障害当事者であったとしても、たったひとりで当事者全体を「代表」して戦う必要なんてないんだ、と。社会の発達障害への関心が高まったことはいいことなんだと思う。誰もが生きやすい社会のために当事者として声を上げること、誤った情報に対して批判を加えていくことにも、ある程度の範囲内であれば大きな意味がある。

けれど、最近までの私がそうだったように、自分自身がその狂乱に飲み込まれ、もしかすると手をつなぐことができるかもしれなかった人たちを「敵」

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