2017年11月28日 16:00
偏食や過敏の根底には「不安・緊張・ストレス」がある!当事者研究で浮かび上がった食の困難とは
発達障害のある子の偏食、周囲から理解を得られず苦しむ家族…
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272005394
「子どもがご飯を食べない」
「食べられないものが多すぎる」
そんな状況に置かれたら、親なら誰しも不安になっても仕方がないと思います。
特に、発達障害のある子どもは、食事での困難を抱えていることが少なくありません。例えば、極端な偏食があったり、噛んだり飲み込んだりすることに苦手があったりと、食に関係するさまざまな困難が表出することがあります。
特に偏食では、好き嫌いが多いという程度ではなく、一切口にできないような食品が広範囲にわたって存在することもあります。そうしたケースではごくわずかな量であっても食べることを拒否したり、我慢して食べて嘔吐してしまったりすることもあります。
しかし、こんなにも大きな困難があるにも関わらず、周囲からは理解を得られず、「わがまま」「自分勝手」「甘やかしている」と誤解を受けるケースも珍しくありません。
また、両親は本人の困難をよく理解していても、学校の先生から指摘を受けたり、親戚から心ない言葉をかけられたりと、家族として苦しい状況に置かれてしまうこともあります。
発達障害当事者が抱える「食」への困難、その実態は
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東京学芸大学の髙橋智教授のチームは、発達障害の当事者を対象とした調査から、本人が抱える困難について研究を行っています。
2012年~2014年に行われた、発達障害の診断・判定のある高校生以上の当事者に行った調査では、発達障害の当事者は、食に関する困難を示す割合が、発達障害のない人たちと比べて明らかに高いことが明らかになったのです。
また、次のようなことに、発達障害の当事者が強い困難を感じる傾向にあるということもわかりました。
「人の輪の中でどのようにふるまえばいいのかわからないため会食は恐ろしい」
「においの強い食品は食べられない」
「大人数の食事は、音やにおいなどの情報があふれて辛い」
「自分の予想していた味と違う味だと食べられない」
このような困難に当事者たちは日々苦悩しているというのです。