2018年8月23日 08:00
家族団らんより偏食指導!モーレツ母さんだった私が、今思うこと
『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。
偏食を辞書で引くと「好き嫌いが激しく、特定の食品だけを食べること」と出てきます。親は「世の中にはおいしいものがたくさんあるのだから、もっと食事の幅を広げてほしい」「同じものばかり食べていると、栄養が偏るのではないか」と心配になり、療育の先生のようにあれこれ指導したくなりがちです。
私の心に刺さった、ある本
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11020001224
『障害のある子の親である私たち』(福井公子著/生活書院)という本にこんなことが書いてありました。
著者の息子さんは就学前まで白いご飯を食べられなかったそうです。そこで「日本人なのにお米が食べられない。これは何とかしなければ」と考え、綿密な計画を立てます。例えば、保育園から帰った一番お腹がすいているとき、ほんの一口からご飯を食べさせ、その後、大好きなチョコレートを食べてよい許可を与える。
その結果、息子さんは家に帰ることを嫌がり、あげくのはてに保育園に迎えにいった母親の顔をみるなり先生にしがみついて、離れない状態になってしまいました。
ところが、スーパーに行ったときのこと。試食販売のおばさんが、小さなカップに一口大のご飯を入れ、ふりかけをかけたものを息子さんに渡したそうです。すると、嬉しそうに食べたというのです!そして、その日を境にふりかけご飯が大好きに…。
療育者である前に、親であるということ
この本の最後に、次のような言葉が書かれていました。
期待も押しつけもしない、ちょっと太った試食販売のおばさん。私はそんなお母さんになろうと思いました。
障害のある子の親はついつい専門家もどきになってしまう。
でも、親が療育の専門家になってしまうと子どもには親がいなくなる。障害のある息子と向き合ったとき、私はやっぱり親でいたいと思いました
…中略…
親は親以上でも親以下でもない。親だからできることもあり、親だからできないこともある。それでいいのだと思うのです。
『障害のある子の親である私たち』(福井公子/生活書院)より
https://www.amazon.co.jp/dp/4865000151
わが家の食事は、「恐怖の食卓」だった
Upload By 立石美津子
息子がまだ幼いころ、私も息子の偏食を直そうと必死でした。