2019年11月29日 08:00
【ADHD(注意欠如・多動性障害)】0歳から成人期まで、年齢別の特徴や症状の現れ方を解説します
ADHDとは?
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。
人によって症状の現れ方の傾向は異なり、大きく3つのタイプに分けることができます。
1.多動性-衝動性優勢型:多動と衝動の症状が強く出ているタイプです。
2.不注意優勢型:不注意の症状が強く出ているタイプです。
3.混合型:多動と衝動、不注意の症状が混ざり合って強く出ているタイプです。
子どもの20人に1人、成人の40人に1人にADHDが生じることが示されています。以前は男性(男の子)に多いといわれていましたが、現在ではADHDの男女比は同程度に近づいていると報告されています。
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参考:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
年齢別に見たADHDの症状の現れ方
■生後すぐから診断ができるの?
ADHDは発達障害のひとつですが、発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児では、症状が分かりやすく出ることはありません。
ですから、生後すぐにADHDの診断が出ることはありません。また、ADHDの症状は他の発達障害の症状と共通するものもあるので、判断には注意が必要です。
ADHDと診断された人たちの中には、乳児期を振り返ってみると、「なかなか寝付かない、寝返りをうつことが多く落ち着きがない、抱っこされることを嫌がる」といった傾向がみられる場合もあるようですが、このような行動は定型の成長過程でもあり、一概にADHDと結びつけることはできません。気になる場合には児童センターといった身近な相談機関や小児科などで相談してみましょう。
■トラブルの原因となる行動をとることが多い
ADHDのある子は、成長するに従い、以下のような行動をとる場面が目立つようになります。ただ、前述の通り、ADHDの症状は他の発達障害の症状と共通するものもあります。必ずしもADHDとはかぎらないので、特徴はあくまで参考程度にしましょう。
・他の子をたたいたり、乱暴をすることがある
・落ち着きがなくじっとしていることができない
・我慢ができないので癇癪(かんしゃく)をおこすことが多くみられる
・物を壊すなど乱暴・破壊的な遊びを好むことがある
いくら言葉だけで注意しても、これらの同じ行動を繰り返してしまいます。