2022年1月29日 06:15
「本当の自分」に戻り暗闇を旅する90分「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。代表・志村真介さんと考える多様性、コロナ禍における気づきも――発達ナビ編集長インタビュー
漆黒の暗闇をつくると、助ける側と助けられる側の立場が入れ替わるというだけではありません。視覚障害者も、私たちも、同じように目を使わないのです。そこで対等になります。対話は、対等な関係でないとできません。ダイアログでは、その対等になれる空間をつくっているのです。その空間があるからこそ、本質的なところに入っていきやすいのではないかとも思います。
子どもたちのダイアログ体験を、未来の社会が変わる力に
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――ところで、2022年はどんな活動を展開していくのでしょうか。
志村:今、「こども5000人たいけん!」プロジェクトを進めています。海外のダイアログは、国が子どもたちの学校教育の一環として展開しているところが多いのですが、日本ではまだです。小学校4年生ぐらいになると、人と違うところがかっこ悪く感じるようになることが多いでしょう。また、違うところがある子どもをいじめたりしてしまうこともある。そうした時期に、ダイアログを経験してもらいたいと願っています。
そこで、まず佐賀県がふるさと納税を使い、2,000人ほどの県内の子どもたちに、学校教育として取り入れてくれました。そのときの子どもたちへのアンケートでは、ダイアログの体験後に自己肯定感が上がるということが分かりました。「あなたの希望はいつか叶うと思うか」、「自分に満足しているか」といった質問の回答が、体験後にはポジティブな方向に変化していました。
ただ、こうした結果があっても、全国の学校で実施するに至るには時間がかかります。私たちは昨年クラウドファンディングを実施しましたが、そのときに、子どもたち5,000人に無料体験してもらうということを、リターンにしました。「こども5,000人たいけん!」によって起こる、10年後の未来の社会をみなさんがイメージして支援してくださいました。このプロジェクトは昨年から徐々に始まっていますが、今年5,000人に達成させたいと思っています。
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――それは楽しみですね。こうした取り組みに、コロナ禍の影響もありましたか?
志村:コロナによって、人と人との距離感が変わりましたよね。見えない壁は、厚くなったとも思っていました。
ところが、(一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ )代表理事の志村季世恵は、「マスクをしている恋人同士がマスク越しでキスをしているのを見たの。