子育て情報『自閉症のわが子の「オウム返し」「抑揚のない話し方」をなおしたい?それは親のエゴかもしれないから…』

2022年12月1日 14:15

自閉症のわが子の「オウム返し」「抑揚のない話し方」をなおしたい?それは親のエゴかもしれないから…


ママ友から相談された、抑揚のない話し方

自閉スペクトラム症と知的障害がある息子を育てていると、同じように自閉スペクトラム症がある子どもを育てている親御さんたちから相談されることがあります。

昔からの友人に、自閉スペクトラム症の診断を受けている女の子がいます。3歳当時、言葉はたくさん出ていましたが、独り言の一方通行の言葉ばかりでした。

友人は「抑揚のない感情を感じられない一本調子の話し方は、どうすればなおるもの?」と聞いてきました。

私は医師でも専門家でもないのでためらいましたが、21年間自閉スペクトラム症のある息子を育ててきた経験から次のように答えました。

「コミュニケーションをとりたい、人と関わりたいと思うようにならない限り、抑揚をつけて話すようにはならないと思う。人は『相手にこうしてほしい』という働きかけをしたいという動機があって言葉が出たり、声を大きくしたり、強弱や抑揚をつけたりするものだと思うんだ。だから、独り言の状態にいる限り、抑揚をつける必要もないから一本調子のまんまなんじゃないかな」


親の価値観は子どもとは違うかもしれないから

私の答えを受けて、友人はこう言いました。


「じゃあ、友達をたくさん作って遊ばせたらいいんだ。友達と遊ぶと楽しいから、話し方も変わるかもしれないよね」

私は
「それは親の価値観であって、子どもが楽しいと感じて、しゃべり方まで変わるかどうかは分からないよ。友達と遊ぶことがストレスになり、1人で遊んでいるのが楽しいことなのであれば、それを潰さないほうがいいんじゃないかな。まだ3歳なんだからこれから経験を重ねていくうちに、自然と育ってくるからそのとき抑揚がでてくるかもしれないし…。」

また、加えて次のように話をしました。

「その時の言葉がたとえ『触っちゃダメ!』とか『嫌!』といった、拒否する言葉であっても、自分の気持ちをしっかり伝えている言葉であるなら、立派なコミュニケーション。それでよしとすればいいんじゃないかなとも思う」

と伝えました。

友人とは信頼関係もあるので、ここまで言うことができました。


息子の初めてのコミュニケーション

自閉症のわが子の「オウム返し」「抑揚のない話し方」をなおしたい?それは親のエゴかもしれないから…の画像
Upload By 立石美津子

息子は5歳になるころまで、言葉を話しませんでした。


発語するようになっても、スーパーではリンゴの棚の前で「ジョナゴールド・津軽・紅玉・シナノゴールド・秋映・王林…」

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