2023年2月16日 06:15
自閉症年少息子、はじめての発表会で「泣かない?」「パニックにならない?」療育園の配慮や工夫、温かさを感じて
いろんな配慮や工夫がある療育園の発表会
本番当日、私はPに私が見ていると気づかれないように、帽子をかぶりマスクをして観覧することにしました。なぜならこのころのPには母子分離不安があったので、私の姿を見ると発表会の途中に私のところへ来てしまう可能性があったからです。
療育園にはPのほかにもそのようなお子さんが多いので、親御さんたちが隠れながら舞台発表を見られるようにと、目隠しのための衝立を置いてくれていたり、別室からも舞台を見られるようにしてくれていたりなど、さまざまな配慮がありました。
療育園の発表会は、子どもたち1人ひとりが自分のできることを発表するような形で行われていました。返事ができる子、着替えができる子など、自分の出番になったら舞台の上で挑戦し、発表を見せてくれました。
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障害があるわが子にも発表できることはある?
Pの出番になったとき、まずは泣かないか?そしてパニックになって、逃走しないか?など、私は心配でたまりませんでした。案の定、舞台に上がったPは観客の多さに気づくと、一瞬固まって困惑した表情をしていました。でも担任の先生に導かれると、そのまま進んでいきました。
Pの発表は、先生が名前を呼んだら、先生の持っているタンバリンを叩いてお返事するという簡単なものでした。「ハイ」とは言えませんでしたが、ちゃんとタンバリンを叩くことができました。
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その後は舞台の上に残り、観客に背を向けてしゃがみこんでしまったPですが、泣きもせず、舞台から逃げもせず、自分なりに発表会に参加できている姿を見て、私は十分満足していました。そしてクラス全員の出番が終わると、発表会終盤はみんなで一緒に歌やダンスの披露があったのですが、Pは歌も歌えないし、ダンスもできません。すると途中で舞台から降り、観客席に紛れ込んでクラスのみんなの発表を1人で鑑賞するという行動をとっていました。発表会というよりは、本人はただ自由に動き回っていただけなのかもしれませんが、初めての発表会に参加できただけでも頑張ったと思います。
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発表会なのに自由に動き回ってしまったけれど…
Pは踊ることも歌うこともできないし、台詞を言ったり、楽器を演奏したりすることも難しくてできません。でも先生は今のPができることで、発表会に参加ができるように考えて準備をしてくれました。