2023年4月25日 14:15
通常学級でトラブル多発、小4で自閉症とADHDの診断。服薬とペアトレを開始して見られた変化とは【息子から校長先生への手紙/マンガ専門家体験】
自閉スペクトラム症(ASD)とADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けた小学4年生
発達障害の専門家が出会った発達が気になる子どもたちや、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。
今回は、通常学級に通う小学4年生の子どものエピソードです。忘れ物が多い、指示どおりに行動するのが苦手、先生に暴言も。自閉スペクトラム症(ASD)とADHD(注意欠如・多動症)の診断後、子どもへの投薬や保護者へのペアトレを始めると…。
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マンガ/taeko
解説:子どもの治療と同じように大切なペアレント・トレーニングーー小児科医
今回は、忘れ物が多い、指示どおりに行動するのが苦手、先生への暴言…などの困りがあり、診察や検査を行った結果、自閉スペクトラム症とADHDの診断をした小学4年生の子どものエピソードをもとにお届けしました。
診療のポイントは大きく2つです。
薬物治療
ADHDの主な症状である多動性・衝動性、不注意に対して、薬物治療を開始しました。
ペアトレ(ペアレント・トレーニング)
学校でも家庭でも叱られてばかりという状況が続くと、だんだんと子どもの自尊心が下がってしまいます。保護者が子どもの応援者となる関わりを目指したペアレント・トレーニングによって、「傾聴」と「承認」を学び、子どもに肯定的な声かけができる状態を目指しました。以前は、学校から早退してしまうと「なんで帰ってきたの?」とつい強い口調で声かけをしてしまった保護者の方も、「どうしたの?」と優しく尋ねることができるようになり、子どもも言いたいことを言えるようになりました。
なお、学校に対して要望がある場合、「担任の先生」「校長先生」「市の教育委員会」「県の教育委員会」という流れで、順を追って相談することをおすすめします。合理的配慮を受ける場合は、主治医の意見書を添えると良いでしょう。(後日談)
タブレット持参にまつわるエピソードを学校の作文に書いてコンテストに応募してみてはどかと提案したところ、保護者の方も大きくうなずかれていました。
子どものあきらめない気持ちを、教育の世界に伝えられたら新たな一歩になることでしょう。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」