子どもは「甘やかす」より「甘えさせる」! 甘えさせてもらえない子は将来こうなる
「甘えさせる」と「甘やかす」――。同じ「甘」という文字が使われているために、つい混同してしまいがちです。でも、子どもの成長にとっては、甘えさせてもらえることと甘やかされることは大違いだというのは、欧米で学んだ心理学を子育てに生かし、母親たちをサポートしている公認心理師の佐藤めぐみさん。そこにあるちがいとはどんなものなのでしょうか。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹
「甘えさせる」と「甘やかす」とは、それぞれどんな行為?
「甘えさせる」とは、子どもが求めてくる愛着行動に対し、温かみを持って受け止める行動を指します。たとえば、「抱っこして」「お膝に乗っていい?」というふうに子どもが甘えてくることがありますよね?そういった欲求を満たしてあげることが、「甘えさせる」ことです。
あるいは、子どもの「負の感情」を受け止めることも「甘えさせる」ことに含まれます。子どもが悔しい思いをした、悲しい思いをしたというときに、それらの感情を受け止めて寄り添ってあげることです。
大きくは、このふたつのことが「甘えさせる」というものです。
一方の「甘やかす」には、大きく3つの行為が含まれます。ひとつは子どもの物質的な要求を無条件に受け入れること。少子化であるいまの時代にはよくある話ですが、子どものおじいちゃんやおばあちゃんが、子どもに求められるままにおもちゃを買い与えるようなことです。
ふたつ目の「甘やかす」は、年齢相応に子どもが身につけておかなければならない行動まで親がやってあげてしまうこと。子どもが自分で靴下を履ける年齢になっているにもかかわらず、親が靴下を履かせるようなことです。
最後の3つ目の「甘やかす」は、いわゆる「先回り」で、子どもが失敗をしないようにと我が子が通る道をあらかじめ平坦に整えることです。ふたつ目の「甘やかす」とも通じるところがありますが、たとえば荷物の準備などが含まれます。
未就学児や小学低学年であれば、幼稚園や小学校に持っていく荷物の準備を親が行ったり、手伝ったりするのはよくあることですが、小学高学年や中学生になってもそうしているようなケースがあてはまります。
甘えさせてもらえなかった子どもは、人間関係の壁にぶつかる
ここまでの話を総括すると、「甘えさせる」ことは大切で、「甘やかす」ことはNGです。「甘えさせる」こととは、「絶対的な愛情で子どもを包み、親子の絆を深める」