2020年5月22日 16:33
勉強を本気で頑張れない子がスポーツを頑張れるわけがない。両立が生む相乗効果とは
★これまでは、野球という「非日常」の活動のために「日常」を頑張るといった思考だった。そのような心構えでは、非日常がなくなったときに、日常が空っぽになってしまうと思う。日常を頑張ることで、他の強みを手にすることが必要だ。
★体を動かすことは楽しい。厳しい練習をやり切った時の爽快感も知っている。練習を重ねて、できなかったことができるようになったときの喜びも何度か味わっている。だから、それを学生の本分である勉強に同じことを当てはめれば良かったのだ。繰り返し練習する。
スポーツでは当たり前にやっていたことを、勉強に当てはめて繰り返し数学の問題を解いたり、漢字練習をしていれば、もう少し賢くなっていたかもしれない。
これらを書いてくれた学生たちは、野球やサッカーなどさまざまな競技をしていますし、強化指定クラブに所属する学生も5割を超します。少年時代から競技スポーツに取り組んできたであろう彼女・彼らは「スポーツが、実は自身の成長に完全にはつながっていなかった」という気づきを得ています。
■学生たちも気づいている。「少年スポーツの指導スタイルやマインドを変えなくてはいけない」
私はこれまで十数年にわたって、入学したばかりの1年生に「スポーツの正しい理解」と「スポーツマンのこころ」を授業で伝えてきましたが、その相互コミュニケーションを続けてくる中で、学生たちから同様のリアクションを常に聴き続けてきました。が、部活動や育成の現場で「人間性を高めるためにスポーツをするんだ」などと教えている方たちはこういった声の存在に驚くのではないでしょうか。
そして、学生たちは少年スポーツの指導スタイルやマインドを変えなくてはいけないとも書いています。
<一部抜粋>
★指導者が選手のちょっとしたミスに暴力を振るったり、人前で怒鳴り散らかしたりするのは、「試合に勝ちたい、そのために厳しく指導しなきゃいけない」ということで、頭がいっぱいになり、楽しむという感情が薄れてしまっていることが原因だと思います
★「勝ちにこだわる」と「楽しさにこだわる」を両立させたらチームとしても個人としても大きく成長出来ると思います。
★日常よりも、非日常の遊びであるスポーツの方を大事にする子どもの考えは、周りの大人の考え方、教育の問題です。
★日本のスポーツ界の発展につながるには、スポーツの現場にいる指導者が従来の選手が楽しむことができない育成方法を改めることで、補欠文化がなくなり、欧州のように選手全員が平等になり、スポーツの位置づけが日常の中の非日常になると思いました。