2020年9月8日 11:51
サッカー界の暴力・暴言指導・ハラスメントの現状とこれから。選手の笑顔を守るためのJFAの取り組み<前編>
と山岸さん。
■サッカーをプレーしているところに笑顔があふれるように
JFAでは、自分たちの環境を自分たちで守るウェルフェアオフィサーのような役割の人を増やしていく予定です。サッカーに暴力も暴言も必要ありません。プレーしている選手たちが笑顔でサッカーを楽しめることが重要で、そういう環境を守るのは、サッカーに携わる私たち大人です。
また、指導者には暴力暴言を使って指導をしていてもいいことはないということを、しっかりと認知してもらくことが大事です。
「ただし、古い体質は長い歴史の上にあるもので改善までには長い時間がかかるのではないかと思っています。
コツコツと努力を続け、グラスルーツのチームまで浸透させていくことが我々の役割だと思います」
■子どもたちは大人の背中を見ています
山岸さんは、以前はレフェリーとして多くの試合を担当していました。そんな山岸さんから貴重なお話をうかがいましたので、ご紹介します。
「サッカーはコンタクトスポーツです。当然、フェアにチャレンジしていてもコンタクトすれば倒れる場面もあります。その際にすぐに立ち上がってプレーを続けることを促すチームと、倒れたことをアピールするチームでは、特に下の年代ですが、冷静なチームの方が強いです。
コーチがレフェリーに対して倒れたことをアピールすることで、選手も煽られてしまい、プレーに集中することを忘れてしまうのです。それが当たり前だと、自分たちがミスをしたりうまくいかないと人のせいにしてしまうようになります。
練習の中でレフェリーにアピールするようにという指導はしていないと思いますが、子どもたちは大人の背中を見ている。
せっかくいいプレーをする力も持っているのに残念です。倒れてもすぐに起き上がってプレーする習慣があるチームは、仮にその時に優勝する力がなくても、そういう習慣が身に付いている選手は年齢が上がるに連れてたくましくなり、優勝争いができるようになります。自分のやるべきことがちゃんとわかるようになるので。
子どもたちは大人の様子を見て、真似ます。大人はそれを自覚して接してほしいですね。」
大人になると中々自分を変えることは難しいものです。ですが、選手たちが安心、安全な環境の中でサッカーを楽しむために、JFAへの啓蒙を続けていきます。
後編では指導者養成の面でどのような活動をしているのかをお送りします。
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