2021年4月20日 16:55
手に当たったらハンド、じゃない! お父さんコーチが知っておきたい、昔と今でこれだけ変わったサッカーのルール
4月は新学期のスタート。新たにコーチになったり、審判をやってみる方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は3級審判資格を取得し、主に「サッカー審判批評」という分野でジャーナリストとして活躍する石井紘人さんに、「2021年4月版の最新ルール解釈」について、話をうかがいました。
ハンドやゴールキック、PK時のGKの立ち位置など、昔に比べてルールの解釈が変わっている箇所もあるので、これを読んで情報をアップデートさせましょう!
(取材・文:鈴木智之)
この春お父さんコーチを始める人が知っておきたい、昔と今ではこんなに違うサッカーのルールとは
■ハンドのルールが大きく変わった
サッカーの試合で争点になる反則。それが「ハンドの反則」です。
「試合中、手にボールが当たったらハンド」と思っている人もいるかもしれませんが、それは違います。2020/21の最新の競技規則によると手や腕にボールが当たっても必ずしもハンドの反則にはなりません。たとえば、ニュートラルな位置にある腕にボールが当たってもハンドの反則にはならないのです。
分かりやすいのが、昔ロベルト・バッジョがDFのニュートラルな位置にある腕にあえてボールをあてて、PKをとったことがあるのですが、現在の競技規則ではハンドの反則にはなりません。
一方で、手を伸ばしてボールに当たりに行く未必の故意、浮いたボールを手でコントロールしようとする動作は、明らかに不自然なのでハンドの反則になります。
<ハンドの定義>
ボールを手または腕で扱う(P108)
ハンドの反則を判定するにあたり、腕の上限は脇の下の最も奥の位置までのところとする(P164)
競技者が次のことを行った場合、反則となる(P108)
・手や腕をボールの方向に動かす場合を含め、手や腕を用いて意図的にボールに触れる。
・ゴールキーパーを含め、偶発的であっても、手や腕から相手チームのゴールに直接得点する。
偶発的であっても、ボールが自分や味方競技者の手や腕に触れた直後に(P164)
・ 相手競技者のゴールに得点する。
・ 得点の機会を作り出す。
次のように手や腕でボールに触れたとき(P108)
・ 手や腕を用いて競技者の体を不自然に大きくした。・ 競技者の手や腕が肩の位置以上の高さにある(競技者が意図的にボールをプレーしたのち、ボールがその競技者の手や腕に触れた場合を除く)。