2021年12月7日 20:00
サッカーを時系列で考えることで、そのとき「やるべきプレー」の判断ができるようになる
サッカーでは、過去にどんな状況や現象があったかを踏まえ、今どんな状態にあり、次の未来にどんなことが起こるかを予想してプレーする必要があります。
「過去」「今」「未来」を、時系列で考えることで、"やるべきプレー"に近づくことができます。
長友佑都選手のトレーナーのほか、マンガ「フットボールネーション」では一部監修を務め、プロからジュニアまで幅広く伝えることで多くの支持者を得る指導者、鬼木祐輔さんの新著「サッカーいい選手の考え方 個とチームを強くする30の方法」(池田書店)から、状況判断のためにどの順番に何を見ればいいのか、を一部抜粋してご紹介します。
(構成・文:中村僚)
■サッカーをプレーする時の自分の思考の順番は?
サッカーをプレーする時に、みなさんはどんなことを考えるでしょうか?またそれらの考えは、どんな順番で頭に浮かぶでしょうか?
例えば、味方選手からパスをもらう時。ボールホルダーに対して、パスを受けるためにポジションを取る、という選手は多くいます。
そのポジションが取れたら、次にまわりを見てパスコースやスペースを探し、パスやドリブルなどの選択肢を用意します。そして自分にパスが出され、自分の元にボールが到達したら、その選択肢の中から次のプレーを決断する、という順番ではないでしょうか?
もうひとつ、日常生活で考えてみましょう。
例えば夏休みの宿題。
計画的に終わらせていましたか?それとも最終日に徹夜でやりましたか?
夏休みは期間が決まっています。限られた期間の中で計画を立てる場合は、最終日から逆算することが必要です。
7月20日から8月30日までに宿題を終わらせるとすると、約40日の間に1日3Pずつ進めれば順調に終わる、といった逆算です。
計画を立てずに場当たり的にこなすと、宿題の全体量が把握できずになんとなくやる気が出ず、宿題は積み残し。最終日に徹夜で仕上げる、という経験をした人も少なくないと思います。
■次のプレーへとつながれるポジションを逆算する
この「逆算」の考え方が、サッカーでも必要です。ボールをもらう前にポジションを取る時、ボールホルダーからパスを受けるためのポジションももちろん重要なのですが、それ以前に、次にパスを出す相手や、ドリブルで侵入するスペース、シュートを打つゴールなど、次のプレーとつながれるポジションはどこかと逆算する必要があるのです。