2022年8月17日 20:00
息子を試合に出さない理由を、親がコーチに聞いてもよろしいか問題
と皆の前で褒めました。息子は「じゃあ、最初から出せ」と思ったそうです。
「別次元の動き」と褒める割には、お情け程度(フレンドリーマッチの半分)にしか試合に出さない理由を尋ねて良いものでしょうか。不毛なことでしょうか。
<島沢さんからの回答>
ご相談いただき、ありがとうございます。
試合に出られないわが子を見守るのは、親としても辛いものがありますね。私も親として同じ思いをしたので、お気持ち察します。
■自分の当番日に出場できなかったから辞めさせた親も
あるサッカークラブで、小学5年生からサッカーを始めたA君が入団して半年も満たずに辞めてしまいました。
A君自身は続けたかったのですが、お母さんの一存で辞めさせたのです。
ご自分が当番だった日にA君が公式戦に出られなかった。それが理由でした。ひとつ下の4年生の上手な子が数人出場していました。
「みんな試合に出られると聞いていたのに、息子は出られなかった。言っていることとやっていることが違う。信用できません」
お母さんは、周囲にそう漏らしていました。コーチらは試合後、プレー時間がなかったことをA君に謝り、次の練習試合でたくさん出られるようにするからと話していました。
本人も納得して帰って行ったのですが、お母さんは納得していませんでした。
コーチの方は「子どもとともに、母親にも話をするべきだった」と後悔していました。
「まだサッカーを始めたばかりだから、出られなくても仕方がないと思ってくれると期待してしまった。5年生は高学年だしプライドもある。お母さんにもあったでしょう。そこを僕らが汲めなかった」
これは10年ほど前。試合に全員出場させようといった機運はほぼなかった時代のお話です。
サカイクで連載をされている池上正さんを始めとして「全員に出場機会を」の機運は少しずつ広がりつつありますが、10年経っても状況は劇的には変わりません。
8,9割のチームが勝利するためにレギュラーメンバーをずっとプレーさせている。それが、さまざまな指導者や親たちに取材してきた私の実感です。
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■わが子への「かわいそう」という感情は、くせ者。共感は良いが同化はダメ
とはいえ、A君のお母さんの行動は正しかったと思われますか?
A君のお母さんは、息子さんが試合に出られずベンチでポツンと座っている姿を見るのが辛かったのだと思います。