2022年8月17日 20:00
息子を試合に出さない理由を、親がコーチに聞いてもよろしいか問題
辛いだろう、悲しいだろうと思うと、かわいそうになりますね。しかし、親のわが子への「かわいそう」という感情は、実はくせ者です。得てして良い子育てに繋がりません。
この連載で何度か申し上げているように、子どものつらさに共感するのは必要なことですが、子どもの気持ちと同化してはいけません。
同化するとは、子どものつらさを、親がわがことのように受け止めてしまうこと。お母さんが「そんな子どもを見守っている私って、かわいそう」となりがちです。
■コーチに質問したいのは、親御さんが自分の気持ちを鎮めたいからでは?
かわいそうなままでは不安です。
不安な親は、自分の不安を払拭したくて子どもに干渉したくなります。
第三者がみれば過度な干渉でも、親御さん自身は「子どもに良かれと思って」世話を焼いてしまいます。
「リフティングができたら試合に出すと言ったじゃないか!」
「異次元の動きと褒めたのに、なぜレギュラーじゃないのか?」
そのようにコーチに質問したくなるのは、息子さんに良かれと思ってでしょうか?
もしかしたら、ご自分の気持ちを鎮めたいのではありませんか?
実はストレスがたまった「自分に良かれと思って」考えたことかもしれません。
子を想う親の気持ちは非常に複雑です。子どもに笑顔でいてほしい。努力が無駄にならずに済むようにしてあげたい。
すべて親心です。
■親が先回りしてしまうと、子どもは自分で思考することや課題解決の経験が積めない
ところが「良かれと思って」やったことはほとんどの場合、子どものためになりません。なぜならば、親が先回りすることで、子どもは何も考えず、何もやらなくて済みます。
要するに、自分の課題解決をする経験を積めません。
親心は時として暴走することがあります。そこに気をつけなくてはなりません。暴走しないためには、まず子育てをしている意味を考えましょう。
お母さんが息子さんを育てるなかで、最も大事なのは何ですか?
私は、まず子どもを死なせないことだと思います。私の子ども二人は兄妹ともサッカーをしていましたが、兄は割と鈍感なので心配しませんでしたが、生真面目で繊細な妹のほうはサッカーで気に病んでいそうなとき、命を絶ったりしないか彼女の表情を盗み見ていました。気になって寝室に見に行ったこともあります。
■もう5年生、監督やコーチには自分で質問させよう
次に大事なのは子どもの人としての成長を支えること。