子育て情報『W杯でキャプテンを務めた森岡隆三さんが「サッカー選手になることだけが、目標になってはいけない」と語る理由』

W杯でキャプテンを務めた森岡隆三さんが「サッカー選手になることだけが、目標になってはいけない」と語る理由

サッカー日本代表として、日韓W杯に出場した森岡隆三さん。現役時代はクレバーな守備が光るDFとして、清水エスパルスや京都サンガで活躍しました。

引退後は京都サンガU-18やガイナーレ鳥取の監督を経て、現在は清水エスパルスの「アカデミーヘッドオブコーチング」として活動中です。

選手として、監督として、そしてアカデミーでの経験も豊富な森岡さんに「保護者のあり方」について、話をうかがいました。
(取材・文鈴木智之)

目次

・サッカーをする目的がプロになることだけ、なのはよくない
・その子なりのやり方、スピードを理解して課題克服のプロセスを踏ませよう
・現役引退後も成長を続けることの大切さを学んだ
・親は子どもの背中を押してあげるけど、与えすぎない。バランスが大事
・サッカーしすぎてケガを負うことも。保護者が目を配ってあげよう


W杯でキャプテンを務めた森岡隆三さんが「サッカー選手になることだけが、目標になってはいけない」と語る理由

日韓W杯には代表のキャプテンとして出場した森岡隆三さん

<<前編:元日本代表に聞く、サッカーで成長するための目標の立て方とサッカーノートの書き方

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■サッカーをする目的がプロになることだけ、なのはよくない

森岡さんは、元プロサッカー選手として、サッカーをするお子さんを持つ父親として、子どもと向き合う際に大切なのは「期待はしても、押し付けはしないこと」だと言います。

「僕はいま、清水エスパルスのアカデミーに関わっていますが、1学年10人の選手がいたとして、その中からプロになれるのは1人か2人です。それぐらい狭き門なのですが、親というのは『うちの子に限って大丈夫』『プロになれる』と思ってしまいがち。まずはその気持ちを手放すことから始めるといいと思います」

さらに「サッカーをする目的が『プロになること』だとしたら、あまり良くはないのではないでしょうか」と優しく語りかけます。


「サッカーをする中で、目標の一つが『プロになること』であればいいのですが、僕自身サッカーをする目的は、人生を豊かにするための学びを得ることだと思っています。僕はプロになって、日本代表にもなりましたが、プロサッカー選手でいたのは15年です。人生という長い目で見ると、サッカー選手でいる以外の時間の方がはるかに長いわけです」

だからこそ「サッカー選手になることだけが、目標になってはいけない」と言葉に力を込めます。

「大切なのは、人として成長すること。育成年代の選手には『アカデミーを卒業するまでは、次のステージへの準備期間だからね』と伝えています。ジュニアであれば、ジュニアユースへの準備期間。ユースであればプロもしくは大学、社会人への準備期間です」

■その子なりのやり方、スピードを理解して課題克服のプロセスを踏ませよう

森岡さんは桐蔭学園時代、後に東京ヴェルディの総監督を務めることになる、李国秀さんの指導を受けていました。

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