子育て情報『「あなたにとって『バイリンガル』とは何ですか?」論文レビュー公開』

2021年9月30日 15:00

「あなたにとって『バイリンガル』とは何ですか?」論文レビュー公開

というマインドセットにつながります。つまり、英語を母語とする人と自分の英語レベルを比較することで、理想的な成果を得ることができない自分を失敗者と見なしてしまうのです(Grosjean 1989)。前述のように、このような自分に対するネガティブな見方は、特に長期的には、パフォーマンスの低下やモチベーションの低下につながります。

■ 自分がまだ「発達途上」のバイリンガルであることを知る
バイリンガルとは、それぞれの言語のモノリンガルになる、ということではなく、連続してつながっている、多様性に富んだ旅路のようなものです(Jacobs 2018)。このことを学生に理解させることが重要かもしれません。emergent bilingualism(発達途上にあるバイリンガリズム)やmulticompetence(多言語能力)、そしてEnglish as lingua franca (ELF)(共通語としての英語)といった概念を紹介することは、英語を学習している学生が自分はいまバイリンガルの旅のどこにいるのかを確認するのに役立ちます。自分が「発達途上」のバイリンガルであることを否定する必要はなく、自分が持っていないものよりも持っているものに注目することができるのです。

■ バイリンガルとは連続してつながっている、多様性に富んだ旅路のようなもの
自分が「バイリンガルかどうか」を定義する概念のひとつに「emergent bilingualism(発達途上にあるバイリンガル)」があります。
これはバイリンガルになっていく連続したつながりの中の初期段階にある生徒を指します(Garcia 2009, 397)。Turnbull(2018)は、外国語学習者がこのカテゴリーに含まれることが重要であると主張しています。なぜなら、これらの生徒は、必要に応じて両方の言語を使用し、積極的にバイリンガルスキルを発達させているからです。これは二つ以上の言語を話す人は、そのスキルレベルにかかわらず、標準的なモノリンガルの人とは異なる複雑な心的言語システムを持っているというバイリンガルの現実を意味する「マルチコンピタンス(多言語能力)」の概念と結びついています(Cook 1992)。

また「English as lingua franca (ELF)(共通語としての英語)」を知ると学生の考え方を変えることができます。

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