コミックエッセイ:下請けパパ日記~家庭に仕事に大興奮~
入園準備で夜更かし「帽子の日よけ制作プロジェクト」【下請けパパ日記~家庭に仕事に大興奮~ Vol.10】
去年の秋に引っ越して、息子は4月から新たな保育園に通わせることにしました。入園前日、妻がいつもより夜更かしして慌ただしく持ち物の準備をしている。
あらゆる持ち物に息子の名前を書き入れ、チェックシートを見ながらリュックに詰め込んでいく。入園に必要な物の準備はほとんど妻に任せっきりだったので、申し訳なく思って声をかけた。
僕「なんか僕ができることある?」
妻「あ!帽子の日よけ!」
僕「帽子の日よけ?」
妻「次の園では帽子に日よけを付けないといけないの」
僕「ほう」
妻「私よりあなたの方が器用だからやってみて〜」
ということで、何年ぶりかに裁縫セットを持たされて「帽子の日よけを作るプロジェクト」のマネージャに指名されてしまった。
我が家ではこれまで、保育園で必要になった裁縫系アイテムを全てバアバ(妻のお母さん)に手作りしてもらっていた。
園用のカバンも布団カバーも「すぐにネット通販ビジネスを始めるべきです!」と助言したくなるほど素晴らしい出来だった。
しかし今回の「日よけプロジェクト」はバアバに発注するには時間がなさ過ぎたので、裁縫ド素人の僕が何とかするしかなかった。
まずは息子が1歳の頃に使っていた日よけ付き帽子をクローゼットから引っ張り出して、日よけの構造を観察する。
布2枚が縫い合わされているだけの単純な作りなのに、縫うのはとっても難しそう。
家にはミシンがなく手縫いでクリアするのもかなり厳しそうな予感がした。
取りあえず仮でも良いからザックリ完成まで進めてみようと思い、妻が予め用意していたかわいい雲模様の布を床に広げて日よけの形の図面を引いた。
図面通りにはさみで切って同じ形の布を2枚用意する。
見本では2枚重ねた布の縁をもう1枚別の布で覆って縫ってあるのだが、手縫いでは難しいので2枚の布を裏返しに重ねて縁を縫って袋状にしてまた裏返すというやり方に変更。
作り方を途中で変更したことにより日よけは一回り小さくなってしまった。「取りあえず、取りあえず」と呪文のように言い訳を唱えながら作業を進めた。
その結果、日よけっぽい物が出来上がった。
それを帽子に取り付けようとしたら園の帽子はゴムで伸縮するタイプだったので、そのゴムを避けて奥の方に縫い付けるとさらに日よけが小さくなった。
「それで首まで隠れるの?」と妻にツッコまれながらも、見た目には日よけ付き帽子が仕上がった。
本日はタイムアップで妻からは「まあ、良いんじゃない…」としぶしぶ合格点をいただき、ひとまずはこれでしのいで、すぐほつれちゃったりするようならバアバに発注しましょうということで落ち着いた。
妻「あっ!でも待って!雲が縦!!」
僕「クモガタテ?」
妻「ほら!雲が縦!!」
僕「わあ!雲が縦!!」
縫うことに必死で妻に指摘されるまで全く気付かなかった。
急いでいたとは言え、絵を生業とする身としてはあるまじき愚行を働いてしまって落ち込んだ。
…入園準備は計画的に。
つづく
「お腹すいた」と言うようになった娘の姿 あの頃の私に見せてあげたい【謎の痛みで救急外来に駆け込んだ話 Vol.64】