2019年8月23日 19:20
「日本のアニメには誰も到達できない」フランスアニメ界の巨匠が語る理由
今回は、本作のテーマに惹かれた理由や日本のアニメに対する思いなどについてお話いただきました。
―今回の作品には、ベル・エポックに対する尊敬や憧れが詰まっていると感じましたが、もともとこの時代へ特別な思いがあったのでしょうか?
監督実は、特に思い入れがあったわけではありませんでした。どちらかというと、フランスなら18世紀の歴史や、才能のある人たちを輩出した第一次世界大戦と第二次世界大戦の間が文化的に発展したモダンな時期として好きだったので、そんななかで今回ベル・エポックを選んだのは偶然だったのです。
―というのはどういう意味でしょうか?
監督最初は「女性がロングドレスを着ていた最後の時代だった」という表面的な理由で選んだからです。そういう時代の特徴に惹かれて描くことにしましたが、私が映画を撮るときに大切にしているのは、観ている人に夢を見させたいという思い。
だからこそ、そういった美しいドレスを着ている女性たちを登場させたいという目的もありました。もし、女優のサラ・ベルナールがショートパンツをはいていたら、あまり魅力的ではないですよね(笑)。
―では、この時代を描くにあたって意識したことはありましたか?
監督私は、作品に取りかかるときはいつもその時代や国についてかなりリサーチをしますが、今回もどういう時代だったんだろうかと、いろいろと調べました。