2020年2月27日 20:40
「日本にも貧困は存在している」世界が注目する監督が訴えたい思い
現段階で具体的なプランが進行しているといった話は届いていないですが、こういったことは時間がかかるものですよね。だから、ひょっとしたら2034年くらいになったら動き始めるかなとも思っています(笑)。それに、2018年から起きている政府への抗議デモ「黄色いベスト運動」など、フランスにはいろいろな問題が山積みですから。
問題は自分たちが解決するしかない
―確かに、すぐに改善するというのは難しいかもしれません。ちなみに、スティーヴさんはモンフェルメイユの隣にある街の出身ということですが、住民から見て一番改善すべき点はどんなところでしょうか?
スティーヴさん問題を解決するためには、住民たちが自分たちの手で何とかしようと動き、自分たちを信じるしか方法はないと思っています。
僕の祖父はフランスのために血を流して戦った世代であり、両親は労働力の足りない戦後に労働力を提供してインフラを作り上げてきた世代ですが、どちらの世代も国から感謝されることもなく、それらの苦労が報われるような生活を与えられてもいません。
つまり、まったくリスペクトされたことがないのです。そんなふうに、自分たちの先祖たちがされてきた仕打ちを目の当たりにしていることもあり、いまのフランス政府にも期待できないので、自分たちで解決しなければいけないと思っています。