2020年3月29日 19:20
マンガ独自の快楽がある! マンガエッセイストが選ぶ“色っぽいセリフ”
そう思っていた主人公・ののかの彼氏である桐山くんは、常にポーカーフェイスのクールな男子。「付き合う前、内面がわからないミステリアスな男子でしたが、親しくなるにつれ、“わかりにくさ”の向こう側にある優しさや本音が垣間見えるようになる。その一例がこのセリフ。もどかしい行き違いを経て、ストレートに手の内を明かすギャップが、色気を際立たせる気がします」
1~12巻各¥440/集英社©河原和音/集英社
リリアン自力じゃ無理でした
河内 遙『関根くんの恋』1巻より
容姿端麗&なんでもできる主人公の関根くんは、他人から欲望の眼差しを向けられる一方、自分の欲望には無自覚。「リリアンに挑戦したもののできなかった、という顛末を、手芸店の女子に伝えるこのセリフ。一見色気と無縁の言葉ですが、涙を浮かべた無防備な表情で口にすると一気にパワーワードになり、罪作りな色気を発露。傍目には完璧な彼が、自分の気持ちに対しては恐ろしく無知。そのアンバランスさが彼のセリフに色気を宿すのでは」
全5巻¥952~/太田出版©河内遙/太田出版
きみもおいでよひとりではさびしすぎる……
萩尾望都『ポーの一族』1巻より
不朽の名作であり、現在も新作が描かれる本作。