2020年5月15日 19:40
今、未来が不安なら…幸運につながる「注目ワード」#36
実験の参加者は、A地点からB地点までなるべく早く着く必要があるゲームをして、競争相手に勝つために阻止するか、協力するのかを選びました。
このゲーム前に、参加者の何人かは感謝した出来事について書くように言われました。他の人たちはその代わりに、喜びを感じたこと、または特に感情を抱かない日課について書きました。
感謝を感じると、人は協力的に。
感謝の気持ちを綴った人たちは、喜びや日課について書いた参加者に比べて、競争相手の邪魔をしませんでした。実験をさらにアメリカ人参加者を使って深めたところ、感謝の気持ちを感じた参加者はそうでない人に比べてゲームで負けたあとでも、対戦者が賞金を手にするための手がかりを協力して与えたといいます。気前のよい与え手になったのです。
実験では、感謝の心が共感力を育み、利己的な気持ちを緩めてくれることがわかりました。
「情けは人のためならず」と、与えたものは自分に返ってくるというのが、ベストセラー本『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』のアダム・グラント博士です(2)。
博士は、まず先に贈れる「ギバー(与える人)」こそが、成功する時代だといいます。