くらし情報『“片づけ”を通して自身と向き合う…アラフォー女性の再生を描く『片をつける』』

2021年6月22日 19:10

“片づけ”を通して自身と向き合う…アラフォー女性の再生を描く『片をつける』

越智月子さんの『片をつける』のヒロインは、もうすぐ40歳になるシングル女性の夏野阿紗。マンションの隣の部屋に住む〈人間不信の塊のような〉老女・五百井八重とひょんなきっかけで知り合い、〈ゴミ箱をひっくり返したような部屋〉の片づけを手伝うはめになる。最初は、とんだ災難と思っていた阿紗だが、作業が進むにつれ、八重を理解し、自身が目を背けていた問題とも向き合っていくことに…。

年の離れた女性同士の絆と再生。温かな余韻を残す、珠玉作。
“片づけ”を通して自身と向き合う…アラフォー女性の再生を描く『片をつける』


「小説を書くときに、わりと自分や周辺の出来事を入れたりするんですよね。本書でも、カギをなくした風変わりなおばあさんから頼られたり、散らかった隣の部屋へ8階のベランダの柵を越えて入ったりした阿紗のエピソードは、実体験に近いです」

初めは、八重をもっとわかりやすい“いい人”として描いていたそう。

「元シスターですしね。
でも、ぶっきらぼうで悪い魔女みたいに変えたら、筆の進みが違った(笑)。人はだいたい社会的に矯正されてしまうものですが、いつまでも変わらず自分を貫く人にある種の敬意があるんです。いつもそういう人物を魅力的に書けたらいいなと思っています」

実は、阿紗自身も最初から片づけ上手だったわけではないし、八重も昔から孤独で偏屈な暮らしをしていたわけではない。

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