2021年8月11日 20:30
「日本のアニメには新しい息吹がある」フランスアニメの気鋭監督が語る魅力
という衝動に突き動かされたそうですが、この題材をいまの時代に作品として発表する意味についてはどうお考えでしたか?
監督彼が生きていたのは1939年ですが、僕はあまり時代的なものは関係ないと思っています。なぜなら、当時の強制収容所で起きていたことは、現在のヨーロッパが抱えている難民の問題とつながっているところがあるからです。実際、制作している最中にシリア戦争が原因で難民がヨーロッパへと入ってきたので、僕たちにとってはよりリアルで、より現実的な問題となりました。そういったこともこの作品が大きな反響を呼ぶことになった要因だと思います。
日本のアニメーションからも影響を受けている
―確かに、現代社会が抱える問題についても考えさせられました。
監督ただ、最初からそういったことを打ち出そうと意図していたわけではありません。もともとは彼のデッサンと出会い、彼の人生を知ったことが始まりでしたから。以前から映画が好きでしたし、スペイン戦争といまの難民問題についても関心があったので、すべてを一緒に映画として語りたいと思うようになったのです。
―監督のキャリアにおいても、本当に大きな意味を持つ作品になったのではないでしょうか。