2016年9月3日 22:00
思わずくすぐったくなる? 熱血女子のお仕事マンガ『西荻窪ランスルー』
![絵を描くことが得意だった江田島咲は、高校卒業後、周囲の反対を押し切ってアニメ会社に就職。個性的な大人たち(上司)の下で一喜一憂しながら夢を模索していく。徳間書店580円(C)ゆき林檎/NSP 2015](https://imgc.eximg.jp/i=https%253A%252F%252Fs.eximg.jp%252Fexpub%252Ffeed%252FAnanNews%252F2016%252FAnanNews_3731%252FAnanNews_3731_1.jpg,small=600,quality=80,type=jpg)
ランスルーとは、本番と同じように通しで行うリハーサルのこと。『西荻窪ランスルー』は、上京して西荻窪のアニメスタジオでアニメーターとして奮闘する女子の物語だ。
作者のゆき林檎さんはマンガ家になる前に、アニメ業界で働いていた。
「個性的な人がたくさんいて面白かったのが印象に残っていて、いつかアニメ業界を舞台にしたマンガを描けたらいいなと思っていたんです」
主人公の江田島咲は、一人前に仕事ができるようになるためには少しでも早く始めるべきだと思い、合格していた大学を辞退してしまう。
「その辺りの考え方は、自分が10代だった頃の引き出しを開けるみたいな感覚で描きました。生き急いでいるって言われていたので(笑)」
スキルはゼロだけど、やる気だけはある主人公や同僚たちの姿に、働き始めた頃を思い出して、くすぐったくなる人も多いはず。
彼女たちが憧れる先輩も決して万能なわけではなく、キャリアを積んだなりの悩みや壁もリアルに描かれている。
「自分が先輩と同じ年齢になって、あのとき言っていたのはこういう意味だったんだ、と気づいたりすることも結構あるんですよね」
アニメの現場に限らず、仕事に苦労はつきものだけど、つらさ以上に楽しさが伝わってくるのがいい。