くらし情報『「女より美しい“女形”」の妻に…夫婦の葛藤と愛を描く、芸道小説『おんなの女房』』

2022年2月27日 22:10

「女より美しい“女形”」の妻に…夫婦の葛藤と愛を描く、芸道小説『おんなの女房』

文政期、江戸の芝居小屋で起きた怪異を、鳥屋の藤九郎(ふじくろう)と元人気女形の魚之助(ととのすけ)が解き明かす『化け者心中』で、一躍脚光を浴びた蝉谷めぐ実さん。ファン待望の新刊『おんなの女房』では、一級の芸道小説でもあったデビュー作同様、芸を極めようとする者とそれを支える者の葛藤を、主に一組の夫婦を軸に描いていく。〈女より美しい“女形”〉と評される喜多村燕弥(えんや)と、歌舞伎を知らないまま燕弥に嫁いだ武家の娘・志乃。

選ぶのは女形の妻としての道か、一人の女としての道か。迷い、貫く。
「女より美しい“女形”」の妻に…夫婦の葛藤と愛を描く、芸道小説『おんなの女房』


「魚之助もそうでしたが、燕弥も舞台を降りた日常の中でもずっと、女性の姿をして女性として生きている役者です。そんな役者の女房になるというのはどういう心情や感覚なのだろうと、興味が湧いたんです」

執筆のもう一つの大きな動機になったのが、歌舞伎役者の女房評判記『女意亭有噺(めいちょうばなし)』の存在だ。

「前作を書くために資料を漁っているときに知った本です。
『顔や性根で勝手に位付けしたりしていたのか』と面白かった。当時は女性の地位は低く、ものを言うことすら憚られていました。けれど、それに甘んじている女性ばかりではなかったのではないか、ちゃんと女性としてどう生きるかを考えて貫いた人もいたのではないか。

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