2024年4月27日 19:00
独特な文体にも注目! 大田ステファニー歓人「推敲に超時間かかるし、結局めっちゃ疲れます (笑) 」
擬音や省略形を駆使して生み出す言葉のリズム。仲間内だけ、あるいは若者にだけ通じる隠語やスラング。音に心情も状況も内包させてしまう会話のライブ感。自在に暴れ回るラフで自由な口語体に脳髄をゆさゆさと揺さぶられ、軽いトリップ感さえ疑似体験できること必至だ。
「文体って、作品の届けたい部分を誰かに配送するための梱包材みたいなものだと思ってて。文体が主人公のパーソナリティと密接だと、読者も読み進める過程で主人公の視点に馴染んで、内面へするっと入り込めるから、どんな人間か伝わりやすい。そいつがどんなふうに人とやりとりするかで、多角的に人物の性格も浮き上がる。だから、世界をちょっと上から眺めて、作品の軸を見失わないようにすることと、とっちらかりすぎないように監視することが、自分が書くときに結構使ってる神経です。
語りと描写を同時に描けるから、今回はこの書き方が効率的で一石二鳥だと思って。楽しみながら書ける文体が『みどりいせき』のこれなんですけど、推敲に超時間かかるし、結局めっちゃ疲れます(笑)」
そんな無二の言語センスをどうやって作り上げてきたのかはやはり気になるところ。
「読んできた小説はうち的に王道ばっかで答えるのはちょっと恥ずいですが、小学校のころは、司書さんレコメンドのままに伊坂幸太郎さんやあさのあつこさん、重松清さんとか。