くらし情報『新海誠監督インタビュー 「万葉集」と“雨”の歌から生まれた、「これは雨宿りの映画」』

2013年5月31日 18:25

新海誠監督インタビュー 「万葉集」と“雨”の歌から生まれた、「これは雨宿りの映画」

強弱だけでなく、雨粒を光らせたり、地面の濡らし方、水たまりからはね返るしずくの大きさなど、単に降り注ぐだけでなく2人の感情に絡めながら雨を描き分けて、意味を持たせることは強く意識しました」。

雨だけではない。例えば、粉々にひび割れたユキノのファンデーション。セリフがなくとも彼女の心に積み重なった哀しみや疲れを、共感をもって観る者に感じさせる。正直、この描写ひとつとってみても人間(特に女性!)の心理に対する監督の深い洞察には驚かされる。ユキノ役の声優・花澤香菜はこの描写を目にした瞬間、涙が止まらなくなったと明かしている。だが当の監督は「あれは偶然と言うか…取材による聞き込みのたまものですね」と静かな笑みを浮かべるばかり。

「あそこはユキノの哀しみを観客に伝えるだけでなく、実感し共感してもらわないといけない。
じゃあ哀しみにさらに追い打ちをかけるような、ヘコむ出来事って何か?と女性スタッフたちに聞いたら『ストッキングの伝線』『ヒールが溝に挟まる』という答えが出てきた。でも伝線はアニメでは表現しにくいし、靴作りの物語だからヒールだと直接的すぎて何か違う意味を持ってしまう。それで『他には?』とさらに聞いたらファンデーションの話が出てきたんです。

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