2015年12月17日 21:40
【シネマモード】P・ボグダノヴィッチ監督が手掛けるチャーミングなドタバタ劇『マイ・ファニー・レディ』
(Photo:cinemacafe.net)
こんなドタバタ劇、あるわけない!と思っても、小粋でリアリティ溢れる会話に笑えれば、思い切り楽しめるのがラブ・コメディ。キャラクターが信じられないほど極端な性格でも、憎めないくらいチャーミングなら、ありえなくてもつい許しちゃう、そんな気分になりませんか?
名匠ピーター・ボグダノヴィッチの新作『マイ・ファニー・レディ』は、曲者揃いの登場人物たちが、入り組んだ複雑かつやっかいな人間関係の中から、幸せを見つけ出す物語。リアルな設定の物語ではないけれど、リアリティ溢れる感情にきっと共感できるストーリーです。
ヒロインは、若手ハリウッド女優のイジー。かつて高級コールガールだったこともあっけらかんと告白しちゃう、裏表のない性格です。そんな彼女が女優として成功したきっかけとなったのが、自分でコールガールを部屋に呼んでおきながら、イジーに「仕事をやめるなら、3万ドルをあげる」と言った演出家のアーノルドとの出会い。二人が出会ったことから、人間関係がぐぐっと入り組み始めます。イジーが前職を辞し、初めて得たのが偶然にもアーノルド演出の舞台作品。
その作品の脚本家ジョシュアがイジーを女性として気に入り、イジーの元顧客の老判事は彼女に固執しストーキング、さらに老判事とイジーのセラピストがジェーンという同一人物で、さらにジェーンはジョシュアの彼女だったり…と、もう複雑すぎ!どこかとぼけた彼らが、話をどんどん面倒にしていくのですが、これが最後には上手く収まるところに収まるところが、やはり名匠の腕の見せ所なのでしょう。