『フェアウェル』家族の“嘘”が映画になるまで…ルル・ワン監督が明かす
オークワフィナが中国系アメリカ人のルル・ワン監督のもとで主演し、ゴールデン・グローブ賞に輝いた『フェアウェル』。ルル・ワン監督によれば、本作には奇跡のような誕生秘話があったという。
「私にとって“愛情表現”についての物語」
アカデミー賞前日に発表された第35回インディペンデント・スピリット賞で作品賞を受賞した本作は、監督のルル・ワンの身に起こった実際の“嘘”をもとに作られた。ワン監督は、「家族の嘘や秘密を描いた映画が扱うテーマのひとつは、真実を語ることから派生する大きな浄化作用だと思います。私は本作で、そういう概念と闘ってみたいと思いました。私にとってこれは、“愛情表現”についての物語です」と語る。
当時、アメリカに住むワン監督は中国にいる祖母の病気を知り、現地に向かうことに。アメリカに戻るとすぐに自分の家族の嘘の物語を書き、それがナショナル・パブリック・ラジオの人気シリーズ「This American Life」というコーナーの1エピソード「What You Don’t Know」として放送された。
さらにワン監督は、この“嘘”のもっとミステリアスな側面に深く切り込むことに魅力を感じ、脚本を書き続けた。