2020年7月3日 18:30
性暴力のトラウマを抱えた役柄を演じる意義とは…『グレース・オブ・ゴッド』特別映像
信仰とは世界をよくするもの。問題があるなら議論すべきだ」とあくまで本作の意義は断罪ではなく、問題について議論していくことだという。
また、『危険なプロット』に続いてのオゾン監督作への出演に「見事な脚本だった」と賛辞を惜しまない。本作の、声を上げた被害者から次の被害者へとバトンを渡していくような構成には「人から人へ物語が手渡されていく。彼らが何をやりたいのかがよく分かる。事態が変わるかはわからないが、議論の場には上がるだろう」と希望を込めて語っている。
続いてオゾン監督が、『ブラッディ・ミルク』を観て「感性の豊かさと脆さがぴったりだと思った」と配役理由を語るスワン・アルローは、肉体的にも精神的にも虐待のダメージを深く負ったエマニュエルを演じている。
役柄について「自分が演じる(実在の)人物には会わなかった。
会えば真似をしたくなる。“脚本を元に演じてほしい”と、監督は強く願っていた」と、事実の綿密なリサーチの上に執筆した脚本を信じ、劇映画としてイマジネーションの広がりを俳優に託したオゾン監督の思惑を明かした。本作については「(事件について)テレビやラジオで聞くことは単なる情報にすぎない。