2020年7月15日 11:30
オタク女子、BL…異色の青春映画『私モテ』で平沼紀久監督が心がけたこと
花依のベースを富田望生に創ってもらい、戸惑いを山口乃々華にと。
結果として、演者の面でもうまく働いたと思います。山口の性格は昔からよく知っていて、負けず嫌いなんですよ。富田という素晴らしい女優と比較されることで、まだ経験の足りない山口の中ではすごく悔しい部分もあったと思う。そういう部分が、戸惑いとなって神社での涙のシーンにつながってもいる。彼女と花依ちゃんをうまくリンクさせる要素がつくれたので、やっぱりこうしてよかったなと思いました。
――オープニングやエンディングのミュージカルパートは2人が同時に画面に存在していて「それはアリなんだ」という驚きがありました。
あそこだけは異空間なんです。
というのが、一番最初に原作を読んだときに、「急にここまで外見が変わるって、“漫画”だな」って思ったんですよ。その瞬間に、「突然痩せる」ってワードに「突然歌い出す」ミュージカルを足したいなって思ったんです。僕もミュージカルがすごく好きなんですが、急に歌い出すという点は付き物じゃないですか。だからこそ、状況を全部歌に乗っけて説明することで、漫画的な表現を実写の世界にうまく置き換えられるんじゃないかと。