くらし情報『翼なき翼、宇宙を飛ぶ - 欧州の再使用型宇宙往還実験機「IXV」 (1) 初めて宇宙を飛んだリフティング・ボディ機』

2015年2月23日 10:51

翼なき翼、宇宙を飛ぶ - 欧州の再使用型宇宙往還実験機「IXV」 (1) 初めて宇宙を飛んだリフティング・ボディ機

IXVのミッションは、地球周回軌道に乗ることを意図していなかったが、高度120km付近で秒速7.5kmというのは、宇宙船が地球周回軌道から離脱し、大気圏に再突入する際とほぼ同じ条件である。

灼熱の環境を抜けたIXVは、大気圏内を滑るように飛行し、やがて速度がマッハ1.5にまで落ちたところで、最初のパラシュートが展開し、続いて2つ目のパラシュートも展開した。そして高度約26kmのところで主パラシュートが展開し、IXVは回収船の待つ海上へと降りていった。

打ち上げから約100分後の日本時間2月12日0時19分ごろ、IXVはガラパゴス諸島のすぐ西の太平洋上に着水し、海上で待機していた回収船「Nos Aries」によって回収された。機体の状態は正常で、機体の各所には取り付けられていた、計300個を超えるセンサからのデータも予定通り得られ、ミッションは完璧な成功であったという。このあとIXVはESAの施設へと送られ、約6週間をかけて、初期分析が行われることになっている。

ESAのJean-Jacques Dordain長官は「IXVは再突入と再使用の能力において、ESAのために新たな章を拓きました」

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