だから、またボランティアに戻るくらいのつもりだったんです」と増渕さん。実際には、養成講座の修了時に、TCJで偶然求人があったことや、同期の友人に誘われたこともあり、軽い気持ちで応募したところ、採用が決まったとのことだ。
そんなまるで流れに身を任せるように現在のポジションに辿り着いた増渕さんだが、そもそも日本語教師に関心を持ったのは意外なキッカケだという。
○英語が好きだった
「一番最初はどちらかと言うと英語が好きだったので、英語のほうを一生懸命勉強していたんです。大学時代にニュージーランドへ旅行した際にとても日本語が上手な現地の人に出会いました。そして『どうしてそんなに日本語が上手なの?』と訊ねると、ニュージーランドにある日本語の専門学校で勉強をしていると。その時に日本語教師に興味を持って、帰国後に早速日本語を教えるための養成コースを2カ月間受講しました。ただ、当時の日本語教師は待遇面などで安定した職業とはいえず、卒業後は外資系メーカーに就職して秘書をしていました」
そんな増渕さんだが、大卒で就職した企業はわずか1年間で退職する。
「卒業後に就職した会社では、秘書の見習いで、私にとってはとにかくつまらなかったんです。