2014年1月31日 13:59
A3Gタンパク質はエイズウイルスを効率的に破壊できる - 京大などが解明
京都大学は1月29日、サントリー生命科学財団、セルフリーサイエンス、横浜市立大学との共同研究により、抗エイズウイルス活性を有するヒトのタンパク質「APOBEC3G(A3G)」の酵素反応を、「NMR(核磁気共鳴)法」によってリアルタイムで追跡し、定量的に解析することに成功し、A3Gタンパク質がエイズウイルスの遺伝子を効率的に破壊する仕組みを明らかにしたと発表した。
成果は、京大 エネルギー理工学研究所の片平正人教授、同・古川亜矢子 日本学術振興会特別研究員らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、1月29日付けで独科学誌「Angewandte Chemie International Edition」オンライン版に掲載された。
A3Gタンパク質は、エイズウイルスの遺伝子の「シトシン」塩基を脱アミノ化して「ウラシル」塩基に変換することでウイルスの遺伝情報を破壊し、抗エイズウイルス活性を示す(画像1)。
A3GはまずウイルスDNAに非特異的に結合し、その後DNA上をスライディングして標的となるシトシンに到達し、酵素反応を引き起こす。また酵素反応は、ウイルスDNA上の複数の標的シトシンにおいて同時に並行して進行する。